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小さな人間の子
17・罪と罰
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「ごめんね。あまり、ラフィに聞かせたくない話で、でも、スフィアリム侯爵は罰が必要になってくる。
私がラフィの部屋に泊まった時、暗殺者が現れたんだ。
王がいる部屋に暗殺者を送ることは許されない。たとえ知らなくてもね。
他にも余罪があって、司法の場にかける必要がある。
君の父上ではあるけど、僕は君に対する対応も許すつもりは無いんだ。」
ワンちゃんは眉間に力を込めながら低い声で言う。
「君にもしもの事があっていたらと、寒気がするし、どうしようもない怒りが湧く。」
「ワンちゃん・・・」
ワンちゃんは言わないようにしてるけど、私は父親に殺されそうになっていることを知っている。
だから、ワンちゃんが守ってくれていたかもしれないこと、ワンちゃんの怒りも分かる気がした。
私もきっとワンちゃんに何かが起こっていたら、絶対に許せない。
そのくらいに、ワンちゃんは私にとってかけがえの無い存在だ。
ワンちゃんもそう思ってくれていたのは、やっぱり嬉しい。
私はワンちゃんのほっぺを両手でぷにぷにする。
「ふふ。ありがとう!怒った顔だめ~。」
ワンちゃんは照れて困り顔で笑う。
私はワンちゃんといる時にある、この幸せな時間が大好きなんだ。
「ワンちゃん。お母様は?
お母様は悪くないの!絶対なの!本当にいっぱい愛してくれたの!
私も大好き!お母様に罰は与えないで!
お願い!」
私は必死に訴える。
お母様は、守ってくれたもの!お母様まで何かの罰が与えられたらどうしよう・・・!
「心配ないよ・・・。お母上は罪には問わない。
寧ろラフィを守っていたと聞いてる。
ラフィはここで暮らすけど、ちゃんとお母上にも会えるようにするからね?」
そう言って優しく抱き寄せて、背中を撫でてくれる。
柔らかな黒髪がふわふわで、ワンちゃんそのもので、頭をすりすりっと寄せる癖も人間でも変わらない。
ワンちゃん大好き。
一番安心できる。
人間になってびっくりしたけど、ワンちゃん大好きなままだ。
ワンちゃん、ワンちゃんだ~い好き~~!
私はご機嫌でつい、心の中でワンちゃん大好きソングを歌っていると「・・・ゴ、ゴホンッ!」と咳払いが背後でした。
「スフィアリム侯爵令嬢、その辺にして頂けますでしょうか・・・あ、あの。
王が真っ赤な顔で身もだえておりますので・・・」
「え?・・・・なんで?」
抱っこから起き上がって、ワンちゃんの顔を見ると、真っ赤な顔でフルフルしている。
「セバス!やめろよ!歌ってくれなくなったらどうするんだ!?」
顔を赤く染めて、なんだかにやけ顔のワンちゃんが、プンスカ怒っている。
「歌?なんのこと??」
私心の中で歌ってたよね??
どういうこと?
「あ!いや!あの!だから!ち、ちがう!これは!」
ワンちゃんが耳をせわしなくピコピコしながら焦っている。
「侯爵令嬢、王様は侯爵令嬢に好きだと言われたいばっかりに、侯爵令嬢が心で強く思ったことが周囲に筒抜けだと、黙っておいででした。
我々獣人は声に出さなくとも、通じ合えます。
その原理で、侯爵令嬢の強く思った感情は伝わるのです。」
「ええっ????!!!!」
思わぬことに思わず大きな声を出してしまう。
「なんでばらすんだよ!もうこれから言ってくれなくなるだろ!」
「ワンちゃん?!」
「王がなかなか仰らないからです!王宮でお暮しになるのですから、今までと同じは無理でしょう。
今が潮時ですよ。」
「わんちゃん?なにそれ!なんで教えてくれないの~~~!」
今度は私が赤くなる番だ。
「大丈夫ですよ、侯爵令嬢。心の喋り方は練習すれば覚えられますから。
少しずつがんばしましょうね。」
「ああ!ラフィが好きって言ってくれなくなる!あんな大きな声で言ってくれることないのに!」
「そんなに大きい声だったの?!」
しまった!と言う顔をして、ワンちゃんが口に手を当てる。
「最悪!もうワンちゃんなんて知らない!」
そうしてとんでもない一日は、最後にとんでもない爆弾を落として幕を閉じたのだった。
私がラフィの部屋に泊まった時、暗殺者が現れたんだ。
王がいる部屋に暗殺者を送ることは許されない。たとえ知らなくてもね。
他にも余罪があって、司法の場にかける必要がある。
君の父上ではあるけど、僕は君に対する対応も許すつもりは無いんだ。」
ワンちゃんは眉間に力を込めながら低い声で言う。
「君にもしもの事があっていたらと、寒気がするし、どうしようもない怒りが湧く。」
「ワンちゃん・・・」
ワンちゃんは言わないようにしてるけど、私は父親に殺されそうになっていることを知っている。
だから、ワンちゃんが守ってくれていたかもしれないこと、ワンちゃんの怒りも分かる気がした。
私もきっとワンちゃんに何かが起こっていたら、絶対に許せない。
そのくらいに、ワンちゃんは私にとってかけがえの無い存在だ。
ワンちゃんもそう思ってくれていたのは、やっぱり嬉しい。
私はワンちゃんのほっぺを両手でぷにぷにする。
「ふふ。ありがとう!怒った顔だめ~。」
ワンちゃんは照れて困り顔で笑う。
私はワンちゃんといる時にある、この幸せな時間が大好きなんだ。
「ワンちゃん。お母様は?
お母様は悪くないの!絶対なの!本当にいっぱい愛してくれたの!
私も大好き!お母様に罰は与えないで!
お願い!」
私は必死に訴える。
お母様は、守ってくれたもの!お母様まで何かの罰が与えられたらどうしよう・・・!
「心配ないよ・・・。お母上は罪には問わない。
寧ろラフィを守っていたと聞いてる。
ラフィはここで暮らすけど、ちゃんとお母上にも会えるようにするからね?」
そう言って優しく抱き寄せて、背中を撫でてくれる。
柔らかな黒髪がふわふわで、ワンちゃんそのもので、頭をすりすりっと寄せる癖も人間でも変わらない。
ワンちゃん大好き。
一番安心できる。
人間になってびっくりしたけど、ワンちゃん大好きなままだ。
ワンちゃん、ワンちゃんだ~い好き~~!
私はご機嫌でつい、心の中でワンちゃん大好きソングを歌っていると「・・・ゴ、ゴホンッ!」と咳払いが背後でした。
「スフィアリム侯爵令嬢、その辺にして頂けますでしょうか・・・あ、あの。
王が真っ赤な顔で身もだえておりますので・・・」
「え?・・・・なんで?」
抱っこから起き上がって、ワンちゃんの顔を見ると、真っ赤な顔でフルフルしている。
「セバス!やめろよ!歌ってくれなくなったらどうするんだ!?」
顔を赤く染めて、なんだかにやけ顔のワンちゃんが、プンスカ怒っている。
「歌?なんのこと??」
私心の中で歌ってたよね??
どういうこと?
「あ!いや!あの!だから!ち、ちがう!これは!」
ワンちゃんが耳をせわしなくピコピコしながら焦っている。
「侯爵令嬢、王様は侯爵令嬢に好きだと言われたいばっかりに、侯爵令嬢が心で強く思ったことが周囲に筒抜けだと、黙っておいででした。
我々獣人は声に出さなくとも、通じ合えます。
その原理で、侯爵令嬢の強く思った感情は伝わるのです。」
「ええっ????!!!!」
思わぬことに思わず大きな声を出してしまう。
「なんでばらすんだよ!もうこれから言ってくれなくなるだろ!」
「ワンちゃん?!」
「王がなかなか仰らないからです!王宮でお暮しになるのですから、今までと同じは無理でしょう。
今が潮時ですよ。」
「わんちゃん?なにそれ!なんで教えてくれないの~~~!」
今度は私が赤くなる番だ。
「大丈夫ですよ、侯爵令嬢。心の喋り方は練習すれば覚えられますから。
少しずつがんばしましょうね。」
「ああ!ラフィが好きって言ってくれなくなる!あんな大きな声で言ってくれることないのに!」
「そんなに大きい声だったの?!」
しまった!と言う顔をして、ワンちゃんが口に手を当てる。
「最悪!もうワンちゃんなんて知らない!」
そうしてとんでもない一日は、最後にとんでもない爆弾を落として幕を閉じたのだった。
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