科学者が転生して元素使いになりました

ラニーニャ

文字の大きさ
上 下
5 / 5

第四話

しおりを挟む
 私達は、魔物の森へ到着し外からその様子を見た。どんよりとした雰囲気で中は暗く禍々しいオーラを放っている。
「ドラゴンに戻ればこんなの一瞬で終わるんだけどな」
とルージュはつぶやく。
「私の能力で酸素を酸素を充満させればなんとかなるんじゃない?」
と提案すると、ルージュはそれ良いなと言って話に乗ってくれた。
「ルージュは結界魔法を扱うことができる?」
と私が聞くとルージュは一応ほとんどの魔法は使えると言ったので、私は事前にルージュに結界魔法作るようにお願いして結界の中から森の様子を見た。
 私は大量の酸素を生成し、ルージュの火の燃焼を補足した。すると、凄い勢いで森は燃え上がり炎はじわじわ広がって最後には森全体が火の海へと変わっていった。

「どうして結界魔法を展開したんだ?」
とルージュが聞いてきたので、私は
「不完全燃焼すると一酸化炭素が大量に発生して一酸化炭素中毒をおこす可能性があったから」
と森を見つめながら答えた。

 私達はギルドへ戻り依頼達成の報告をした。
「え? もう終わったの?」
と受付人は驚いていたが、魔物の森があったところに行き確認をした上で私達は報酬をもらい、本来の報酬の倍の金額で金貨二十枚を受け取った。普通の冒険者の二十人分の量を終わらせてしまったらしいので、それに見合う金額を渡されたのだ。
 ギルドを出ると、腹減ったからデーモンコアちょうだいとルージュから言われたので、私は大量の魔力を丸くギュッと固めてルージュに食べさせた。
「リサの魔力は純度が高くて質がいいね」
と美味しそうな顔をして満足してくれた。


 私達は町の中を適当に歩きながら時間を潰していると、
「午後は何をする?」
とルージュは私に質問してきた。
 意外にも依頼は午前中ですぐに終わらせることができたので、残りの午後が余ってしまい今はとても暇なのだ。
 うーんと私が顎に手を当てて考えていると、
「おっ、ここはどう?」
と言いルージュが指を指した方向を見ると、そこは本屋だった。
「お前の知りたい魔法についての本があるかもよ」
とルージュは私の手を引っ張って本屋に入る。
 本屋の中を見渡すと、少し埃っぽく置いている本の数は少なかった。
 私が周りをキョロキョロと落ち着かない様子でいると、
「この本はどうだ?」
とルージュは『魔法について』と書かれている本を渡す。
 少し中をペラペラ読んで見ると、内容のほとんどは魔法の発動の仕方や詠唱などについてで、なぜ魔力があるのかや魔力とは何か、魔法が扱える理由などは書かれていない。
 他の本も探して見たが、やはり私の知りたい情報は無かった。
 私達は本屋を出て、これから何をしようか考えた。
「ルージュ、私は魔法には魔法石が関係していると思う。でも、魔法石は見た目でアクセにほとんど使われていて魔法石についての本が無いから、魔物を捕まえて研究を手伝って欲しいんだけど良い? お願い!」
と私は必死にお願いした。
すると、
「必死すぎて草、良いよ手伝ってやる」
と笑ってルージュは了解してくれた。

 ルージュは魔物を捕まえるならダンジョンがちょうどいいからそこに行こうと提案し、私達はダンジョンへ向かうことにした。
 しかし、この町にはダンジョンがないため場所は隣町であるランブロスのダンジョンに向かった。ランブロスのダンジョンは色々な種類の魔物がたくさんいることで有名らしい。距離は長く歩いて六時間かかる場所だが、今から出発して向かえば到着するのは七時頃なので、私達は隣町の宿に泊まりその翌日にダンジョンで魔物を捕まえることに決めた。
しおりを挟む
感想 2

この作品の感想を投稿する

みんなの感想(2件)

花雨
2021.09.02 花雨

ラインから来ました。ダブってますよね💧こちらも登録しときます。コメント削除して構わないですm(_ _)m

解除
花野りら
2021.08.30 花野りら

お気に入りです。応援してます!

2021.08.30 ラニーニャ

ありがとうございます(^^)

解除

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

三歳で婚約破棄された貧乏伯爵家の三男坊そのショックで現世の記憶が蘇る

マメシバ
ファンタジー
貧乏伯爵家の三男坊のアラン令息 三歳で婚約破棄され そのショックで前世の記憶が蘇る 前世でも貧乏だったのなんの問題なし なによりも魔法の世界 ワクワクが止まらない三歳児の 波瀾万丈

もう死んでしまった私へ

ツカノ
恋愛
私には前世の記憶がある。 幼い頃に母と死別すれば最愛の妻が短命になった原因だとして父から厭われ、婚約者には初対面から冷遇された挙げ句に彼の最愛の聖女を虐げたと断罪されて塵のように捨てられてしまった彼女の悲しい記憶。それなのに、今世の世界で聖女も元婚約者も存在が煙のように消えているのは、何故なのでしょうか? 今世で幸せに暮らしているのに、聖女のそっくりさんや謎の婚約者候補が現れて大変です!! ゆるゆる設定です。

貴族家三男の成り上がりライフ 生まれてすぐに人外認定された少年は異世界を満喫する

美原風香
ファンタジー
「残念ながらあなたはお亡くなりになりました」 御山聖夜はトラックに轢かれそうになった少女を助け、代わりに死んでしまう。しかし、聖夜の心の内の一言を聴いた女神から気に入られ、多くの能力を貰って異世界へ転生した。 ーけれども、彼は知らなかった。数多の神から愛された彼は生まれた時点で人外の能力を持っていたことを。表では貴族として、裏では神々の使徒として、異世界のヒエラルキーを駆け上っていく!これは生まれてすぐに人外認定された少年の最強に無双していく、そんなお話。 ✳︎不定期更新です。 21/12/17 1巻発売! 22/05/25 2巻発売! コミカライズ決定! 20/11/19 HOTランキング1位 ありがとうございます!

ゲームの中に転生したのに、森に捨てられてしまいました

竹桜
ファンタジー
 いつもと変わらない日常を過ごしていたが、通り魔に刺され、異世界に転生したのだ。  だが、転生したのはゲームの主人公ではなく、ゲームの舞台となる隣国の伯爵家の長男だった。  そのことを前向きに考えていたが、森に捨てられてしまったのだ。  これは異世界に転生した主人公が生きるために成長する物語だ。

王太子に転生したけど、国王になりたくないので全力で抗ってみた

こばやん2号
ファンタジー
 とある財閥の当主だった神宮寺貞光(じんぐうじさだみつ)は、急病によりこの世を去ってしまう。  気が付くと、ある国の王太子として前世の記憶を持ったまま生まれ変わってしまうのだが、前世で自由な人生に憧れを抱いていた彼は、王太子になりたくないということでいろいろと画策を開始する。  しかし、圧倒的な才能によって周囲の人からは「次期国王はこの人しかない」と思われてしまい、ますますスローライフから遠のいてしまう。  そんな彼の自由を手に入れるための戦いが今始まる……。  ※この作品はアルファポリス・小説家になろう・カクヨムで同時投稿されています。

母親に家を追い出されたので、勝手に生きる!!(泣きついて来ても、助けてやらない)

いくみ
ファンタジー
実母に家を追い出された。 全く親父の奴!勝手に消えやがって! 親父が帰ってこなくなったから、実母が再婚したが……。その再婚相手は働きもせずに好き勝手する男だった。 俺は消えた親父から母と頼むと、言われて。 母を守ったつもりだったが……出て行けと言われた……。 なんだこれ!俺よりもその男とできた子供の味方なんだな? なら、出ていくよ! 俺が居なくても食って行けるなら勝手にしろよ! これは、のんびり気ままに冒険をする男の話です。 カクヨム様にて先行掲載中です。 不定期更新です。

転生して貴族になったけど、与えられたのは瑕疵物件で有名な領地だった件

桜月雪兎
ファンタジー
神様のドジによって人生を終幕してしまった七瀬結希。 神様からお詫びとしていくつかのスキルを貰い、転生したのはなんと貴族の三男坊ユキルディス・フォン・アルフレッドだった。 しかし、家族とはあまり折り合いが良くなく、成人したらさっさと追い出された。 ユキルディスが唯一信頼している従者アルフォンス・グレイルのみを連れて、追い出された先は国内で有名な瑕疵物件であるユンゲート領だった。 ユキルディスはユキルディス・フォン・ユンゲートとして開拓から始まる物語だ。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。