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美優の話
第6話 嫉妬の行方
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この物語はフィクションであり実在する人物や地名などとはなんの関係もありません。
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鳥の囀りが聞こえる……カーテンの隙間からは朝の眩しい陽の光が差し込んでいる……今日もまたいつもと変わらぬ一日が始まるのだろう。
由美子は、爽やかな空気の中で目を覚ました。
横には、旦那の匠がいる。
匠の規則正しい寝息だけが響く静まり返った部屋。
由美子「あなた、おはよう、愛してるわよ♡」と優しく頭を撫では頬にキスをした由美子が先に寝室を出た、由美子は朝食の用意を始めた。
コーヒーの良い匂いが鼻腔をくすぐっている。
由美子は、美優を起こしに美優の部屋に向かった。
そして、ドアを控えめにノックをするが返事は無い……。
不思議には思ったが、「入るね」と一応声をかけてから入ろうとすると、寝ていた匠が肩をトン、と軽く叩く。
そして振り帰る由美子。
匠「そっとしといた方が良いいと思うが?」と言う匠はどこか悲痛そうな顔をしていたのである。
由美子「そうよね……私もそう思う。」
そして二人は静かに2階のリビングに降りていく。
美優は、身体中に匠の精液の跡を残したままだった。
部屋中雄特有の生臭いにおいだ……。
そんな状態の部屋に1人残された美優……
由美子の料理を作る音しか聞こえていない。
この部屋で昨晩美優は由美子の旦那匠から強姦を受けていたのであった……。
シーツは汗か潮なのかわからないくらい染みが出来ていて……、美優は身体中の痛みと精神的ショックで、放心状態になっていたのだ。
美優の身体中には匠が排出した大量の白濁液がこびりついている……。
その量の多さは、一晩にそれだけの量を出したのだと物語っていた。
美優の喉はカラカラに乾き、全身は筋肉痛と倦怠感に襲われ、起き上がることすら出来なかった。
美優の股間から太ももにかけて、ドロッとした液体が流れ落ちていた……。
美優が意識を手離す前の記憶が蘇る……。
それは、美優が匠に犯された記憶だった。
美優(……どうしてこんな事になっちゃったんだろう?)
美優「なんで私が……」と言いながら涙を流していた。
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由美子「匠、私仕事行ってくるけど?美優はの事よろしくね?」
匠「あぁ、様子見とくよ」
由美子「うん、お願い」
そう言って由美子は家を出ていった。
由美子は、月光島の総合病院で看護士をしている。
美優は、ベッドの上で横になっている。
美優は、身体を動かそうにも身体が動かないのだ。
匠は、美優の部屋に入る。
匠「美優ちゃん大丈夫かい?」
美優は匠の声を聞いてビクッとする。
美優「……ひっ!」
匠は、美優の反応を見て苦笑いを浮かべている。
匠「あ~怖かった?ごめんね?美優ちゃん」
美優「うぅ……」
匠「とりあえず、シャワー浴びようか?」
美優「……えっ!?」
匠「綺麗にしてあげるからさ♪俺に全部任せてよ。」
美優「……うぅ…………」
匠「心配しないで、優しく洗ってあげるだけだからさ。ほら、行くぞ。」
この後、美優は何をされるか想像がつくが、逃げる事も出来ずにされるがままになるのだった。
匠は、美優をお姫様抱っこすると浴室まで連れていき、シャワーのお湯の温度を調整して美優の背中にかける。
美優「ひゃうっ!つめたいっ」
匠「ゴメンな。すぐに暖かくするからさ。」
匠は、美優の身体についた体液を流し始めた。
そして、美優の胸や尻を触ってきた。
美優「うぐっ!!い、嫌だ!!もう許して!!」
美優の瞳からは涙が溢れていた……。
匠「昨日は、激しくしずきたから、怒ってんのかな?」
美優「ち、違う!!」
匠「ほら、洗わないと由美子にバレちゃうよ?」
美優「うぅぅ……うぅぅ」
匠「じゃあ、股広げて?掻き出そうね?美優ちゃん」
美優「……い、いや!!いやああ!!」
匠は、美優の秘所に指を入れてきた。
匠は、浴室のドアを閉める。
浴室のガラスはスリ硝子で、外から見ると中の様子は見えない。
浴室からは、美優の悲鳴と喘ぎ声、水音が響いていた。
その声は、匠の耳には届いてはいなかった。
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夕方
由美子は、病院から帰宅した。
シーツが干されているのに気付く由美子。
由美子「あれ?シーツが替えられてる。」
家に入る由美子。
由美子「匠さん?シーツ換えてくれたの?」
匠は、ソファーに座ってテレビを見ていた。
匠「美優がお漏らしして汚れてしまったから取り替えたんだよ」
由美子「美優……。」
匠「大分、ショックみたいだから、当分部屋で休ませるから、そっとしといた方が良いと思うよ。」
由美子「うん、わかったわ。」
由美子は、美優の部屋の前に行き、コンコンとノックをする。
由美子「美優、夕食出来たけど食べる?」
美優「……いらない。食欲ないの。」
由美子「そっか。でも、少しでも食べないとダメだよ。」
美優「……うん。」
由美子「じゃあ、お腹空いたら降りてきてね。」
由美子は、美優の部屋のドアから離れリビングに戻っていった。
由美子は、匠の異変に気付いた。由美子は、匠の肩に手を置く。
由美子「ねぇ、匠?何かあったの?」
匠は、ハッとした表情で由美子の方を向く。
匠「何がだい?」
由美子「いつもより優しい気がしたの。」
匠「そんな事無いよ。俺は、普段通りだと思うが?」
由美子「なら良いんだけど……。」
匠は、笑顔で答える。
匠(ふぅ~危なかった。)
匠は、平静を取り繕う。
匠は、由美子が寝た後、また美優の部屋に行っていたのだ。
美優「ひっ!うぅぅ……。」
匠「由美子は、睡眠薬で眠らせたからしばらくは起きないだろう。」
美優「お願いします。許してください。何でも言うこと聞きますから……。」
匠「今さら遅いよ」
美優「ひっ!」
匠「美優ちゃん、今日も楽しもうね?」
美優「うぅぅ……。」
美優(助けて…)
それから、美優と匠の歪んだ生活が始まった。
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美優は、毎日の様に匠に犯されていた。
匠は、由美子を起こさない様に細心の注意を払っていた。
そして匠は美優を性奴隷のように扱っていた。
匠の命令には逆らえなくなっていた。
美優「お願いです。もう許してください……」
匠「俺を怒らせない方が身のためだぞ。」
美優「うぅ……。」
たまに、匠が部屋に来ない日は、由美子と夫婦の営みがある日だ。
後は、匠の帰りが遅く愛人の家に泊まっている日もある。
1週間に3日くらいの割合だ。
その期間は、美優にとっては苦痛だった。
匠は、由美子と過ごしている時は、本当に普通の夫であるかのように振る舞っていた。
由美子とは、ラブラブな仲の良い夫婦を演じていたのだ。
でも、由美子の目を盗んでは、美優を犯している。
それは匠のストレス解消であった。
また、台所で食事の用意をしている時は、由美子から見えない角度で、美優にフェラチオをさせていたりしている。
もちろん、口の中へ精液を出していた。
トイレに美優を押し込み、無理やりフェラチオさせ犯す時もあった。
由美子が隣にいるのにキスをしながら手マンをし、胸を揉みしだいたりしていた。
由美子はそんな匠の異常さに気づいていないのか、いつも通り接してきた。
由美子は美優の事を知らないからだ。
最近、匠は新しく出来た愛人の所へ、通っている。
由美子には、仕事が忙しいからと嘘を付いている。
由美子「最近匠は仕事が忙しいみたいだから、美優2人だけどごめんね?」
美優「うん、大丈夫だよ」
食事中、美優は気持ち悪さを感じ、トイレへと駆け込んだ。
(げほっ、げほ……うっ……はぁはぁはぁ……はあ……)
美優は、トイレの中で吐いてしまう。
便器の中には、匠の精子が混じった胃液と食べ物が混ざって吐き出された物が浮かんでいた。
悪阻が最近始まった。
由美子「美優?大丈夫?」
美優「ただの悪阻だよ。」
由美子「えぇ?妊娠してるの!?誰の子?まさか……」
美優「匠から聞いてない?強姦された時の相手の人の子供らしいよ。匠に助けられる前にも同じ奴に強姦されてて、その時に子供が出来たみたい、この島は子供、堕ろせないでしょ?」
由美子「美優……大変じゃない!!」
美優「まあ、仕方がないよ。私が悪いんだから。」
由美子「美優は、何も悪くないよ!私が気付いてあげられなくてゴメンね。」
美優「由美子、泣かないでよ。」
由美子「だって、美優辛かったでしょ?」
美優「今は辛いけど、大丈夫だよ」
由美子「でも、どうして今まで黙ってたの?」
美優「言ったら由美子心配すると思って」
由美子「そっか。美優優しいもんね。でも、これからは隠さずに何でも相談して欲しい。」
美優「わかった」
美優(言えないよ。言えるわけが無い)
由美子と美優は抱きしめ合った。
美優の目は虚な目になる。
美優「由美子は、いいよね……愛してる人との間に子供ができて…羨ましいよ……。」
由美子「うん、そうだね……。」
美優は、由美子のお腹を触る。
お腹の中の命が動き始めた。
由美子は幸せそうだった。
そんな由美子に何故か罪悪感ではなく、嫉妬心が生まれた。
美優(子供の父親は、同じなのに何故自分はこんな扱いを匠から受けるのだろうか。)
由美子に対して嫉妬心がこの日から徐々に芽生え始め募らせていく。
美優(由美子は、自分の身体を匠に差し出して守られた。自分とは違う……。なんで由美子が……。おかしいじゃん!何でよ!あの男のせいで私は地獄の様な人生を送ったのに!それと同じ仕打ちを受けても文句言えなかったんじゃない!何で由美子だけ!)
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匠との歪んだ生活が続いて2ヶ月が経とうとしていた。
美優のお腹は少し膨らんできており、外出を極力避けていた。
島で外出をすれば、膨らんだお腹を見られ、島民全員の視線が集まる事になるだろうし、噂話も広まる可能性があったためだ。
しかし、島民の中では当然美優の噂も広がっていく。
美優は、強姦され子供を妊娠した、妹の真由は行方不明で叔父の梶も行方不明。
だが、仕方なく外出する時もあった。
島民の人が話かけて来る。
島民1「美優ちゃん、久しぶりね」
美優「こんにちは」
島民1「聞いたわよ、大変だったのねぇ」
美優「はい……」
島民1「匠に感謝しなさい。助けてもらったんでしょう?」
住人達は皆匠と美優の事情を知っている。
美優「はい……。」
でも、匠の本当の顔は知らない。
島民1「でも、新婚さんの邪魔をして悪いわ~、いくら、同級生でも。」
ニヤッとしてから美優の胸を見る。
美優「そうですよね…、匠や由美子が気を使って、親切にしてくれて……子供を産んだらすぐ出ていきますから」
美優(なんで、そんな風に言うんだよ?ふざけるなよ?私の苦しみを知らない癖に勝手な事言いやがんなよ?)
イラつく気持ちを抑えて、なんとか平静を保つ。
美優「すみません、用事があるので、失礼します。」
美優(チっ!どいつもこいつも……人の不幸を笑いものにしている。くそくらえ……)
住民と別れた後は、気分が滅入っていた。
家に帰ると、由美子が機嫌良く話しかけてくる。
由美子「おかえり、美優」
笑顔で言う。美優の心情を知らないのだから仕方がないのだが美優はそれに苛立つ。
美優「ただいま……。」
美優(由美子は、幸せそう……。本当に羨ましい。)
由美子は美優の変化に気付いた。
表情が何となく暗くなっていたのだ。
由美子「美優、体調大丈夫?何か困った事あったら言ってね?」
心配してくる。
美優はそれに対してもイラッとくる感情を抑える事に精一杯になっていた。
美優「だから!そういうのが余計なお世話なんだってば!」
つい怒鳴ってしまう。
由美子「あっ、ゴメンね。」
美優の口調に驚き固まる由美子。
美優はそれを見ると、すぐに後悔してしまう。
しかし、口から出てきた言葉を止める事が出来なかった。
美優「ほんとウザイ!昔からそうだったけど!私がちょっと元気ないと必ず声をかけてきて心配そうな素振りをするよね!?」
由美子に対して怒りが爆発して、今までにない強い言葉で言ってしまい、止まらなかった。
美優「本当は私が苦しんでいる姿を見て優越感に浸って楽しいんじゃないの!?違うっていうならハッキリそういえばいいじゃん!そんな同情するような優しさ要らないから!私がどんな目にあって、こんな島に居なきゃならないと思ってるわけ?」
一気に今まで溜めてきた鬱憤を全てぶちまけた。
由美子「そ、そっ、んなつもりじゃなくて……ううん、ごめん、そうだよね、私が間違っていたね。ホント申し訳ない。」
由美子は謝ってきたが。
美優「うるさい!今さら遅すぎるよ!由美子のバカッ!!」
もう由美子と口を聞きたくなかったので部屋に戻り鍵を締め引き籠る事にする。
由美子「本当にごめん、美優。」
涙を流す、由美子は、しばらくすると仕事がある為に出ていった。
美優は由美子と口論になった事をずっと悔いていたのである。
そして、自己嫌悪に陥り泣き崩れたのであった。
なんで、自分は、由美子を傷付けてしまったのかを。
美優「私はバカだ……。どうしてこんな言い方しか出来ないのだろう。」
それからは、美優は由美子にきつくあたるようになる。
深夜。
ベッドで匠が仰向けで美優が騎乗位で挿入しなから抱き合っている。
パン、肌のぶつかる音と結合部から聞こえる水音が部屋に響いていた中。
匠「由美子に最近、キツくないか?美優?」
腰を振っている。息は少し上がっていた。
美優「そんな事ない……。それより匠も動いて……。奥まで入ってる……。あぁー、ダメぇ……」
甘い声で鳴いている。
匠が上体を起こし抱きしめる形になる2人は舌同士を合わせるキスをしている、美優の手が自然とお尻に行く匠のペニスを強く感じながら。
美優は、匠との行為の快楽と由美子への嫉妬から匠を好きなのだと勘違いする様になってしまう、その日をきっかけに美優は次第に自分を見失うようになっていった。
美優の中で色々な物が崩壊寸前となっていた頃。
島の神社の境内ではお祭りがあり。
美優はそれを由美子に誘われ匠も一緒に行く事になる。
美優は複雑な気持ちだったが久しぶりに祭りを楽しんだのだった。
祭りで、匠に話しかける少女がいた。
その子の名前は、真奈というらしく匠がボランティアで行っている、孤児院にいる子供だと言う。
話している最中。
真奈という子が、お腹を抑えて泣き出す。
匠は真奈を連れて林の中へ行き落ち着くのを待ってあげるのだった。
由美子は、その時ちょうどお手洗いに行っており、匠と真奈が林の中に行くのを見た。
不思議に思い、後を付ける。
由美子が着いていくと、真奈が匠に抱きつく。
匠は、それをやさしく受け入れているように見えた由美子が近づいていくと、いきなり二人は濃厚なベロチューを始めていて真奈のお腹に手を当てる匠の姿が見えた瞬間、目の前が暗くなる感覚を覚えてしまう。
由美子は急いで、美優のところにもどる。
由美子「美優!早く帰ろう!」
美優「急に何?」
驚く。
だが由美子は、そんな事よりも一刻を争うと判断をして、由美子は、無理矢理美優を引っ張って家に帰り始める。
帰り道、由美子は泣いているのがわかった、美優。
美優「何?どうしたのよ?由美子」
由美子「うっ、ぐすんっ、ふぇっ」泣くだけなので、美優は呆れて。
美優「ハァッ。なんなの一体?」とためいきをするだけだった。
由美子「ひっく……匠さん、浮気してた……。しかもあんな若い娘とか最低だよぉ。ひっく」
ついに堪え切れず由美子の頬から流れるものが増えてきて止まらなくなる。
美優「は?見間違いじゃないの?」
美優は、匠に愛人が多数いる事は、知っている。
由美子「だって……。キス、してたんだし、それにあの時。舌まで入れてたんだよ?」由美子は涙を流し続けていた。
美優(匠の奴、由美子にはバレないようにしてるんじゃなかったのか!)
美優「無理やり、相手が匠にしてきたんじゃないの?」
由美子「もうヤダ。なんで、匠さん浮気なんかするわけ。ひぅ……。私、やっぱり必要のない女なんだ、グス」完全に弱り果ててしまっていた由美子に何を言えば良いかわからず困惑していた美優であったが由美子が落ち着けるように背中をさすってあげて何とか宥めようとするのである。
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家に後から帰って来た匠。
由美子はソファーに座っていて美優は、自室に戻る為に階段に向かって歩いている。
匠「ただいま、由美子。突然帰るから驚いたぞ、あれから何も問題無かったか?」笑顔で由美子に近寄る。
由美子「……。」
無言で立ち上がると匠にビンタする。
美優は、階段から見て修羅場だと思い、気を使ってその場を離れ自分の部屋に行く。
由美子の瞳は怒り狂った鬼の形相になっていて、本気で怒ってる事を現していた。
匠「痛っ!……えっ、由美子!……ちょ、ちょっと」戸惑う匠を無視して由美子は再び叩く。
由美子「浮気相手とよろしくやってたんでしょう!?私が知らないとでも思ってるんでしょ!ふざけないで!!」
涙ぐみつつも叫び続ける。
匠「な、な、な……。由美子……。それは誤解だから。頼む。俺の話を聞いてくれ」必死になる。
しかし、 匠の顔を見てまた叩いてしまう、それでも話を続けようとしても聞いてくれないので抱きしめようとしたが由美子に拒まれる。
由美子「ディープキスまでしときながら誤魔化さないの!!なんなの!私の事なんて愛していないのなら初めからそう言いなさい!!」涙声で訴えてくる。
匠「魔が差したんだ、本当に悪かった……。ごめん、本当に。許してくれ……。この通りですお願いします。」土下座をしてくる匠。
由美子「なんで!子供も産まれるのに!どうしてなのお?」
号泣しながら叫んでいる。
匠「本当にごめん!俺は由美子を大事にしてるし好きだし愛してます、本当だ!こんなことで終わりにしたくない!」
匠は、心底謝る。
そこに、家のインターホンが鳴る。匠は慌てて出ると、先程の少女真奈が玄関にいた。
匠「どうしてここに?今は取り込み中だから、後にしてもらるか?」
真奈「バレたんでしょ?丁度良かったわね」
由美子を見ると、真奈は匠の腕を掴み中に家の中に入る。匠が驚いていると、由美子がさきほど、見た子だと気づく。
由美子「あなた、その子は誰?」
真奈「真奈といいまーす。」由美子は睨む、すると匠の方を振り向いた真奈は、舌を出した顔を見せニヤリとする。
真奈「匠と付き合ってまーす。それと奥さんに報告ですがぁー、匠の子供を妊娠しましたぁー。」
匠は真奈の行動に呆気にとられる。
真奈がお腹を摩る。
由美子は、俯く。
真奈の勝ち誇るような顔で、続ける。
真奈「奥さんも妊娠してると思いますけどぉー、匠さんと離婚してくだはぁーい。」
匠「真奈、お前何!言ってるのか解ってるの?」怒鳴る、匠、だが真奈の口撃が続く。
真奈「だって、匠さん。中々離婚してくれないから。こう言う手段しか取れなくなっちゃたんですよぉ」と可愛らしく首を傾げる。
そして再び挑発するような顔を匠に向けるのだった。
由美子はその言葉を聞き項垂れてしまう。
それを見逃さず、匠の手を握る真奈。
真奈「大丈夫ですよ?由美子さ、ん。これからずっと私と一緒にいるので」ニタニタ笑みが止まらない。
由美子は、泣きながら急いで自分の部屋に行く。それを呆然とした匠は追いかけようとしたら後ろから真奈に抱きつかれる。
匠「真奈。おまえなんてことすんだよ?ふざけんじゃねえぞ!」殴りかかりそうな勢いだった。
由美子は、自分の部屋から荷物をまとめて出て来た。
匠はそんな行動を取らせるつもりはなかったのであろう焦りを見せる。
匠「由美子、落ち着いて話をしよう?どこ行くんだよ?おい。」
無視をして出て行こうとする由美子。
匠「由美子、行かなくて良いだろう?」必死になり、由美子の腕をつかんだのだが、すぐに振り払う。
由美子「離してよ、触られただけでも嫌なの。」
拒絶反応が出るのを必死にこらえている様子。
匠に背を向けドアに手をかけた由美子の目から涙が流れている。
匠「わかった。」
そう言ったきりで黙ってしまったのである。
その後ろでは悔しくてたまらない表情をする匠がいたのだ、 しばらくして落ち着いたのか。
涙が止まった由美子は家を出て行き車に乗り込み、実家に帰ったのである 。
匠も、何も出来ずに見送るしかなかった。
真奈は、事実を言ってスッキリしたのか、帰って行く。
真奈「じゃあねぇー匠。またねぇー」手をふり、帰っていく。
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修羅場が落ち着いて、リビングに降りてくる美優。
匠は、リビングの机で頭を手で抑えていた。
美優「いい気味ね」
匠の前に飲み物を置きつつ声をかける。
匠が手を止める。
美優の顔を見る。
匠「……。」
美優「何よ、自分で蒔いた種じゃない?私みたいに脅してでもすれば良かっただけなのに」匠を冷たい眼差しで見る。
匠「それは……」
美優「私は、匠の事、由美子が思ってるより、好きよ、愛してる。あの女とは違う」美優が匠の横に来て匠の腕を抱く、寄り添ってくる。
匠「俺が浮気したことに関しては……本当に悪いと思っている。だけど俺は、由美子が居なければ駄目だ……。」
美優「本当に由美子が必要?私じゃダメ?由美子と比べたら負けるかもしれないけれど……一緒にいてあげることは出来る。それとも……他の人が良い?」
涙ぐんでいるような口調になる。
匠はその涙ぐみながら聞いてくる仕草を見て心を射抜かれてしまったようで固まって見つめてしまっていた。
美優「匠の為ならなんでもしてあげるよ?……どうする?」そう聞くやいなやくちゅとキスしてきた美緒は上目使いになって匠の答えを求める。
それに答えるように匠がキスを返してくる、しばらくキスを続けていた二人は離れた。
美麗とは少し違い情熱的にキスを求めてきた。
舌と舌が激しく絡みあい、水音が部屋に響くほど激しくなると、キスが終わった時に二人の唇から透明になった唾液の橋が出来た。
匠「美優……!」
匠は美優に抱きつく。
匠が抱きしめてくるのがわかって優しく受け止めた。
美優「匠が邪魔な奴、全部私が、消してあげるね?」
匠「お前、そこまで考えてくれてたのな、本当、ありがと」感謝の意を込めてキスすると、匠を抱きとめ、微笑んだのだった。
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匠は、由美子の実家に来ていた。
由美子の母親絵見が匠にお茶を持ってくる。
絵見「残念ね、ちょうど外出していていなくて。」
匠「いえ大丈夫です。すみません。」
絵見は、匠の対面になるように座ったのだった。
すると絵見は、匠の手の指先をそっと握ってきた。
匠「?」
絵見が匠を見詰める。
絵見「他人行儀ね?匠?」
匠「そうですか?普通ですよ」と、軽くかわそうとする匠だが。
その瞳には、熱いものがこもっている。
そんな匠を見たら絵里も我慢出来なかったようだ。
匠の手のひらを自らの顔まで運び口付けた。
そのまま口づけを続け、口付けが終わると。
両手で包んで胸のところに当てると目を潤ませながら匠と話す。
そして、おもむろに手の甲を撫で回す。
そしてその手の親指を掴むと自分の口元へ持って行き、口に入れた。
その光景を見ながらドキドキしてしまう匠だった。やがて口を離す。
匠「絵見さん、意地悪だなぁ。いきなり何なんです
か、全く」と言いながり照れ笑いをしている。
そして匠の方から口付ける、そして口の中で匠からの絵見への激しい接吻、そして息づかいだけが聞こえる。
絵見「ねぇ?こっち……」
そしてまた激しいくちづけが続く お互いが、満足するまで離れることなく、絵見は部屋に導く。
そして部屋に着くと、匠と絵見は、求め合い。
身体を重ねていくのであった。
絵見と匠は、由美子が結婚する前に不倫関係にあった。
そして、絵見は匠の子供花音を産んでいる。
由美子が買い物から帰ってくる。
玄関に見覚えのある男性物の靴があった。
匠だ。慌てて中に入って行く由美子、「お客さん?帰ってもらってよ?何、して…!」
しかし、リビングには誰もいない。
リビングの机の上には飲みかけのお茶。
隣の母の部屋から声が聞こえてくる。
絵見「そこ………いいわ………あーん、凄いわ。」
匠のものを下の口から、美味しそうに膣へ出し入れしているのが見えている。
匠「いいよ、絵見さん!」
パン、パシン、ヌチ、ヌチャ!
肉と皮膚が激しく当たる乾いた音の響き。
絵見「あっ♡くっ♡気持ち良すぎ、いく♡イクよ!!」どっぷ、びゅーと、音と共に白い液体が出る。それと同時に絶頂に達したらしい 。
ギーと扉が開く。
そこには顔を真っ赤にして震えている娘由美子が立っていたのである。
絵見と匠は濃厚な絡みをしているため気が付かない。
匠と目が合う。
すると我に戻ったのか顔が青ざめる、匠を見て怯えるように後退りする。
由美子(どうして?私の夫が?嘘よ……信じない)
後ろからは娘の気配を気がついたのか。
振り返って由美子の姿を見て固まってしまった。
絵見「由美子……。違うの……!これは……、ねぇ……」と絵見が何かを言う前に由美子は家を飛び出す。
匠「あー、バレちゃったね、絵見さん。仕方がないですね」と普通に言う匠。
絵見「どうしよ?匠?あの子にだけは、知られたくなった。」
泣き崩れそうになる、それをそっと受け止める、優しく背中をさすって落ち着かせていた、その姿はとても暖かかったという。
由美子は、走っていた。
何も考えることが出来ずひたすらに、走るしかなかった。
しばらく走り続けて体力の限界を迎え、道端に座り込む と肩でハァッ、と息をしながら泣いてしまった。
由美子(なんで?お母さんと……匠が…そんな関係だったなんて……知らなかった、知りたくなかった!!)
しばらくして立ち上がると、フラフラしながらもなんとか歩く。
そして、雨が降ってあたりは暗くなってくる。
それでも、家に帰る気にはならなかった
雨は由美子の身体に当たるたびに、体温を少しずつ奪いながら、降り続けていた。
由美子(私、これから、どこに帰ればいいのだろう?)と考え始めると涙が出てきた。しばらく歩いていると、歩道橋に登る。
服は雨でビシャ、となっている、
そして手すりにもたれて俯いている。
下を見ると人が大勢いるのがわかる。
由美子(なんで…匠さんは、こんな人が多いところに来たんだろう。なんのためなんだろうと。考えているうちに頭がくらつく。疲れた。足に力が入らず階段のところまで歩いていったところで、視界が大きく揺らぐ。)
ドサッ
由美子(やば、落ちる)と思う。
落ちる時、笑う美優の顔が見える。
由美子(幻覚?なんだったんだろ、意識を失う寸前見たものは?なんなんの?)
そのまま、由美子が階段から落ちて救急車が来る。
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美優は、由美子が邪魔だなと思い歩道橋の階段から落とした。
美優「ハァ、ハァ、落とした……やった」
と言いながらも由美子が落ちた衝撃音が響く。
「きゃー」と言う声と人の叫び声で周りがパニックになる。
美優は、その場から逃げ去る。
その頃匠は、由美子に電話を何回も掛けていたが出ず途方に暮れてしまう。
匠もその場に立ち尽くすだけだったのであった。
匠の携帯に知らない女の声の人から、電話が入る。
警察から連絡があったらしく、由美子が病院に運ばれたと知らせられるので、慌てる匠と絵見は病院に急行した。
病室に駆け付けてみると、頭に怪我をしたものの、命の危険はないが記憶障害が出ているかもしれないと言われる。
医師から詳しいことは、明日精密検査をしてみてからわからないと言われた匠であった。
絵見は、病院で泣き崩れる。
そこに、絵見の旦那の晶がやってくる。
絵見「あなた!私のせいなの!ごめんなさい!」と言って絵見は泣き続けるしか無かった。
晶「おい!絵見しっかりしろ!」と言いなだめるが絵見は取り乱して、まともに話が出来る状態ではない。
晶「匠くん、何があったか、聞かせてくれるかい?」
と聞いてみると。
そして今までの経緯を説明する。
それを聞いて怒りを抑えきれず、晶は匠を平手で叩く パーン! という乾いた大きな音が響く。
その音に反応し絵見は我を取り戻し泣き止む。
絵見「ごめんなさい!私のせいなの!」そう言ってまた大号泣をする。
絵見「私が浮気しなければよかった。あの子があんな風にならなくて済んだのに、匠も悪くないのよー!!」また激しく泣き崩れていく。
晶「君が絵見と浮気しようが、別に構わない!せめて、由美子には!この事を内緒にして欲しかった!」と怒ると、匠は何も言い返す事ができずにいる 絵見が落ち着きを取り戻す。
絵見「晶!あなたが悪いのよ!私に興味がないのが!だから匠と浮気したのよ!」とヒステリック気味になっている絵見。
晶「絵見!お前は!倫理観のカケラも無いのか!!」
絵見「匠は、私の身体も全部愛してくれた!!なのに?晶!あなたは何も愛してくれない!どうしてなの?教えて欲しいわ!?匠とのセックスは最高よ。気持ち良すぎるわ。花音は!あなたの子供じゃないし!」と言い終わると晶は、膝から倒れこむように、絵見の足元にすがる。
その様子をただ見ているしかなかった匠である。
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匠は、家に帰る。玄関を開ける。そこには美優がいて匠に抱きつくと胸に顔を埋める。
美優「やっと、帰って来てくれたんだ。待ってたんだよ?ずっと……待っていたのに……」
これからずっと一緒だよ、匠……♡
私はもう離れないから……。
続く
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鳥の囀りが聞こえる……カーテンの隙間からは朝の眩しい陽の光が差し込んでいる……今日もまたいつもと変わらぬ一日が始まるのだろう。
由美子は、爽やかな空気の中で目を覚ました。
横には、旦那の匠がいる。
匠の規則正しい寝息だけが響く静まり返った部屋。
由美子「あなた、おはよう、愛してるわよ♡」と優しく頭を撫では頬にキスをした由美子が先に寝室を出た、由美子は朝食の用意を始めた。
コーヒーの良い匂いが鼻腔をくすぐっている。
由美子は、美優を起こしに美優の部屋に向かった。
そして、ドアを控えめにノックをするが返事は無い……。
不思議には思ったが、「入るね」と一応声をかけてから入ろうとすると、寝ていた匠が肩をトン、と軽く叩く。
そして振り帰る由美子。
匠「そっとしといた方が良いいと思うが?」と言う匠はどこか悲痛そうな顔をしていたのである。
由美子「そうよね……私もそう思う。」
そして二人は静かに2階のリビングに降りていく。
美優は、身体中に匠の精液の跡を残したままだった。
部屋中雄特有の生臭いにおいだ……。
そんな状態の部屋に1人残された美優……
由美子の料理を作る音しか聞こえていない。
この部屋で昨晩美優は由美子の旦那匠から強姦を受けていたのであった……。
シーツは汗か潮なのかわからないくらい染みが出来ていて……、美優は身体中の痛みと精神的ショックで、放心状態になっていたのだ。
美優の身体中には匠が排出した大量の白濁液がこびりついている……。
その量の多さは、一晩にそれだけの量を出したのだと物語っていた。
美優の喉はカラカラに乾き、全身は筋肉痛と倦怠感に襲われ、起き上がることすら出来なかった。
美優の股間から太ももにかけて、ドロッとした液体が流れ落ちていた……。
美優が意識を手離す前の記憶が蘇る……。
それは、美優が匠に犯された記憶だった。
美優(……どうしてこんな事になっちゃったんだろう?)
美優「なんで私が……」と言いながら涙を流していた。
************************************
由美子「匠、私仕事行ってくるけど?美優はの事よろしくね?」
匠「あぁ、様子見とくよ」
由美子「うん、お願い」
そう言って由美子は家を出ていった。
由美子は、月光島の総合病院で看護士をしている。
美優は、ベッドの上で横になっている。
美優は、身体を動かそうにも身体が動かないのだ。
匠は、美優の部屋に入る。
匠「美優ちゃん大丈夫かい?」
美優は匠の声を聞いてビクッとする。
美優「……ひっ!」
匠は、美優の反応を見て苦笑いを浮かべている。
匠「あ~怖かった?ごめんね?美優ちゃん」
美優「うぅ……」
匠「とりあえず、シャワー浴びようか?」
美優「……えっ!?」
匠「綺麗にしてあげるからさ♪俺に全部任せてよ。」
美優「……うぅ…………」
匠「心配しないで、優しく洗ってあげるだけだからさ。ほら、行くぞ。」
この後、美優は何をされるか想像がつくが、逃げる事も出来ずにされるがままになるのだった。
匠は、美優をお姫様抱っこすると浴室まで連れていき、シャワーのお湯の温度を調整して美優の背中にかける。
美優「ひゃうっ!つめたいっ」
匠「ゴメンな。すぐに暖かくするからさ。」
匠は、美優の身体についた体液を流し始めた。
そして、美優の胸や尻を触ってきた。
美優「うぐっ!!い、嫌だ!!もう許して!!」
美優の瞳からは涙が溢れていた……。
匠「昨日は、激しくしずきたから、怒ってんのかな?」
美優「ち、違う!!」
匠「ほら、洗わないと由美子にバレちゃうよ?」
美優「うぅぅ……うぅぅ」
匠「じゃあ、股広げて?掻き出そうね?美優ちゃん」
美優「……い、いや!!いやああ!!」
匠は、美優の秘所に指を入れてきた。
匠は、浴室のドアを閉める。
浴室のガラスはスリ硝子で、外から見ると中の様子は見えない。
浴室からは、美優の悲鳴と喘ぎ声、水音が響いていた。
その声は、匠の耳には届いてはいなかった。
************************************
夕方
由美子は、病院から帰宅した。
シーツが干されているのに気付く由美子。
由美子「あれ?シーツが替えられてる。」
家に入る由美子。
由美子「匠さん?シーツ換えてくれたの?」
匠は、ソファーに座ってテレビを見ていた。
匠「美優がお漏らしして汚れてしまったから取り替えたんだよ」
由美子「美優……。」
匠「大分、ショックみたいだから、当分部屋で休ませるから、そっとしといた方が良いと思うよ。」
由美子「うん、わかったわ。」
由美子は、美優の部屋の前に行き、コンコンとノックをする。
由美子「美優、夕食出来たけど食べる?」
美優「……いらない。食欲ないの。」
由美子「そっか。でも、少しでも食べないとダメだよ。」
美優「……うん。」
由美子「じゃあ、お腹空いたら降りてきてね。」
由美子は、美優の部屋のドアから離れリビングに戻っていった。
由美子は、匠の異変に気付いた。由美子は、匠の肩に手を置く。
由美子「ねぇ、匠?何かあったの?」
匠は、ハッとした表情で由美子の方を向く。
匠「何がだい?」
由美子「いつもより優しい気がしたの。」
匠「そんな事無いよ。俺は、普段通りだと思うが?」
由美子「なら良いんだけど……。」
匠は、笑顔で答える。
匠(ふぅ~危なかった。)
匠は、平静を取り繕う。
匠は、由美子が寝た後、また美優の部屋に行っていたのだ。
美優「ひっ!うぅぅ……。」
匠「由美子は、睡眠薬で眠らせたからしばらくは起きないだろう。」
美優「お願いします。許してください。何でも言うこと聞きますから……。」
匠「今さら遅いよ」
美優「ひっ!」
匠「美優ちゃん、今日も楽しもうね?」
美優「うぅぅ……。」
美優(助けて…)
それから、美優と匠の歪んだ生活が始まった。
************************************
美優は、毎日の様に匠に犯されていた。
匠は、由美子を起こさない様に細心の注意を払っていた。
そして匠は美優を性奴隷のように扱っていた。
匠の命令には逆らえなくなっていた。
美優「お願いです。もう許してください……」
匠「俺を怒らせない方が身のためだぞ。」
美優「うぅ……。」
たまに、匠が部屋に来ない日は、由美子と夫婦の営みがある日だ。
後は、匠の帰りが遅く愛人の家に泊まっている日もある。
1週間に3日くらいの割合だ。
その期間は、美優にとっては苦痛だった。
匠は、由美子と過ごしている時は、本当に普通の夫であるかのように振る舞っていた。
由美子とは、ラブラブな仲の良い夫婦を演じていたのだ。
でも、由美子の目を盗んでは、美優を犯している。
それは匠のストレス解消であった。
また、台所で食事の用意をしている時は、由美子から見えない角度で、美優にフェラチオをさせていたりしている。
もちろん、口の中へ精液を出していた。
トイレに美優を押し込み、無理やりフェラチオさせ犯す時もあった。
由美子が隣にいるのにキスをしながら手マンをし、胸を揉みしだいたりしていた。
由美子はそんな匠の異常さに気づいていないのか、いつも通り接してきた。
由美子は美優の事を知らないからだ。
最近、匠は新しく出来た愛人の所へ、通っている。
由美子には、仕事が忙しいからと嘘を付いている。
由美子「最近匠は仕事が忙しいみたいだから、美優2人だけどごめんね?」
美優「うん、大丈夫だよ」
食事中、美優は気持ち悪さを感じ、トイレへと駆け込んだ。
(げほっ、げほ……うっ……はぁはぁはぁ……はあ……)
美優は、トイレの中で吐いてしまう。
便器の中には、匠の精子が混じった胃液と食べ物が混ざって吐き出された物が浮かんでいた。
悪阻が最近始まった。
由美子「美優?大丈夫?」
美優「ただの悪阻だよ。」
由美子「えぇ?妊娠してるの!?誰の子?まさか……」
美優「匠から聞いてない?強姦された時の相手の人の子供らしいよ。匠に助けられる前にも同じ奴に強姦されてて、その時に子供が出来たみたい、この島は子供、堕ろせないでしょ?」
由美子「美優……大変じゃない!!」
美優「まあ、仕方がないよ。私が悪いんだから。」
由美子「美優は、何も悪くないよ!私が気付いてあげられなくてゴメンね。」
美優「由美子、泣かないでよ。」
由美子「だって、美優辛かったでしょ?」
美優「今は辛いけど、大丈夫だよ」
由美子「でも、どうして今まで黙ってたの?」
美優「言ったら由美子心配すると思って」
由美子「そっか。美優優しいもんね。でも、これからは隠さずに何でも相談して欲しい。」
美優「わかった」
美優(言えないよ。言えるわけが無い)
由美子と美優は抱きしめ合った。
美優の目は虚な目になる。
美優「由美子は、いいよね……愛してる人との間に子供ができて…羨ましいよ……。」
由美子「うん、そうだね……。」
美優は、由美子のお腹を触る。
お腹の中の命が動き始めた。
由美子は幸せそうだった。
そんな由美子に何故か罪悪感ではなく、嫉妬心が生まれた。
美優(子供の父親は、同じなのに何故自分はこんな扱いを匠から受けるのだろうか。)
由美子に対して嫉妬心がこの日から徐々に芽生え始め募らせていく。
美優(由美子は、自分の身体を匠に差し出して守られた。自分とは違う……。なんで由美子が……。おかしいじゃん!何でよ!あの男のせいで私は地獄の様な人生を送ったのに!それと同じ仕打ちを受けても文句言えなかったんじゃない!何で由美子だけ!)
************************************
匠との歪んだ生活が続いて2ヶ月が経とうとしていた。
美優のお腹は少し膨らんできており、外出を極力避けていた。
島で外出をすれば、膨らんだお腹を見られ、島民全員の視線が集まる事になるだろうし、噂話も広まる可能性があったためだ。
しかし、島民の中では当然美優の噂も広がっていく。
美優は、強姦され子供を妊娠した、妹の真由は行方不明で叔父の梶も行方不明。
だが、仕方なく外出する時もあった。
島民の人が話かけて来る。
島民1「美優ちゃん、久しぶりね」
美優「こんにちは」
島民1「聞いたわよ、大変だったのねぇ」
美優「はい……」
島民1「匠に感謝しなさい。助けてもらったんでしょう?」
住人達は皆匠と美優の事情を知っている。
美優「はい……。」
でも、匠の本当の顔は知らない。
島民1「でも、新婚さんの邪魔をして悪いわ~、いくら、同級生でも。」
ニヤッとしてから美優の胸を見る。
美優「そうですよね…、匠や由美子が気を使って、親切にしてくれて……子供を産んだらすぐ出ていきますから」
美優(なんで、そんな風に言うんだよ?ふざけるなよ?私の苦しみを知らない癖に勝手な事言いやがんなよ?)
イラつく気持ちを抑えて、なんとか平静を保つ。
美優「すみません、用事があるので、失礼します。」
美優(チっ!どいつもこいつも……人の不幸を笑いものにしている。くそくらえ……)
住民と別れた後は、気分が滅入っていた。
家に帰ると、由美子が機嫌良く話しかけてくる。
由美子「おかえり、美優」
笑顔で言う。美優の心情を知らないのだから仕方がないのだが美優はそれに苛立つ。
美優「ただいま……。」
美優(由美子は、幸せそう……。本当に羨ましい。)
由美子は美優の変化に気付いた。
表情が何となく暗くなっていたのだ。
由美子「美優、体調大丈夫?何か困った事あったら言ってね?」
心配してくる。
美優はそれに対してもイラッとくる感情を抑える事に精一杯になっていた。
美優「だから!そういうのが余計なお世話なんだってば!」
つい怒鳴ってしまう。
由美子「あっ、ゴメンね。」
美優の口調に驚き固まる由美子。
美優はそれを見ると、すぐに後悔してしまう。
しかし、口から出てきた言葉を止める事が出来なかった。
美優「ほんとウザイ!昔からそうだったけど!私がちょっと元気ないと必ず声をかけてきて心配そうな素振りをするよね!?」
由美子に対して怒りが爆発して、今までにない強い言葉で言ってしまい、止まらなかった。
美優「本当は私が苦しんでいる姿を見て優越感に浸って楽しいんじゃないの!?違うっていうならハッキリそういえばいいじゃん!そんな同情するような優しさ要らないから!私がどんな目にあって、こんな島に居なきゃならないと思ってるわけ?」
一気に今まで溜めてきた鬱憤を全てぶちまけた。
由美子「そ、そっ、んなつもりじゃなくて……ううん、ごめん、そうだよね、私が間違っていたね。ホント申し訳ない。」
由美子は謝ってきたが。
美優「うるさい!今さら遅すぎるよ!由美子のバカッ!!」
もう由美子と口を聞きたくなかったので部屋に戻り鍵を締め引き籠る事にする。
由美子「本当にごめん、美優。」
涙を流す、由美子は、しばらくすると仕事がある為に出ていった。
美優は由美子と口論になった事をずっと悔いていたのである。
そして、自己嫌悪に陥り泣き崩れたのであった。
なんで、自分は、由美子を傷付けてしまったのかを。
美優「私はバカだ……。どうしてこんな言い方しか出来ないのだろう。」
それからは、美優は由美子にきつくあたるようになる。
深夜。
ベッドで匠が仰向けで美優が騎乗位で挿入しなから抱き合っている。
パン、肌のぶつかる音と結合部から聞こえる水音が部屋に響いていた中。
匠「由美子に最近、キツくないか?美優?」
腰を振っている。息は少し上がっていた。
美優「そんな事ない……。それより匠も動いて……。奥まで入ってる……。あぁー、ダメぇ……」
甘い声で鳴いている。
匠が上体を起こし抱きしめる形になる2人は舌同士を合わせるキスをしている、美優の手が自然とお尻に行く匠のペニスを強く感じながら。
美優は、匠との行為の快楽と由美子への嫉妬から匠を好きなのだと勘違いする様になってしまう、その日をきっかけに美優は次第に自分を見失うようになっていった。
美優の中で色々な物が崩壊寸前となっていた頃。
島の神社の境内ではお祭りがあり。
美優はそれを由美子に誘われ匠も一緒に行く事になる。
美優は複雑な気持ちだったが久しぶりに祭りを楽しんだのだった。
祭りで、匠に話しかける少女がいた。
その子の名前は、真奈というらしく匠がボランティアで行っている、孤児院にいる子供だと言う。
話している最中。
真奈という子が、お腹を抑えて泣き出す。
匠は真奈を連れて林の中へ行き落ち着くのを待ってあげるのだった。
由美子は、その時ちょうどお手洗いに行っており、匠と真奈が林の中に行くのを見た。
不思議に思い、後を付ける。
由美子が着いていくと、真奈が匠に抱きつく。
匠は、それをやさしく受け入れているように見えた由美子が近づいていくと、いきなり二人は濃厚なベロチューを始めていて真奈のお腹に手を当てる匠の姿が見えた瞬間、目の前が暗くなる感覚を覚えてしまう。
由美子は急いで、美優のところにもどる。
由美子「美優!早く帰ろう!」
美優「急に何?」
驚く。
だが由美子は、そんな事よりも一刻を争うと判断をして、由美子は、無理矢理美優を引っ張って家に帰り始める。
帰り道、由美子は泣いているのがわかった、美優。
美優「何?どうしたのよ?由美子」
由美子「うっ、ぐすんっ、ふぇっ」泣くだけなので、美優は呆れて。
美優「ハァッ。なんなの一体?」とためいきをするだけだった。
由美子「ひっく……匠さん、浮気してた……。しかもあんな若い娘とか最低だよぉ。ひっく」
ついに堪え切れず由美子の頬から流れるものが増えてきて止まらなくなる。
美優「は?見間違いじゃないの?」
美優は、匠に愛人が多数いる事は、知っている。
由美子「だって……。キス、してたんだし、それにあの時。舌まで入れてたんだよ?」由美子は涙を流し続けていた。
美優(匠の奴、由美子にはバレないようにしてるんじゃなかったのか!)
美優「無理やり、相手が匠にしてきたんじゃないの?」
由美子「もうヤダ。なんで、匠さん浮気なんかするわけ。ひぅ……。私、やっぱり必要のない女なんだ、グス」完全に弱り果ててしまっていた由美子に何を言えば良いかわからず困惑していた美優であったが由美子が落ち着けるように背中をさすってあげて何とか宥めようとするのである。
************************************
家に後から帰って来た匠。
由美子はソファーに座っていて美優は、自室に戻る為に階段に向かって歩いている。
匠「ただいま、由美子。突然帰るから驚いたぞ、あれから何も問題無かったか?」笑顔で由美子に近寄る。
由美子「……。」
無言で立ち上がると匠にビンタする。
美優は、階段から見て修羅場だと思い、気を使ってその場を離れ自分の部屋に行く。
由美子の瞳は怒り狂った鬼の形相になっていて、本気で怒ってる事を現していた。
匠「痛っ!……えっ、由美子!……ちょ、ちょっと」戸惑う匠を無視して由美子は再び叩く。
由美子「浮気相手とよろしくやってたんでしょう!?私が知らないとでも思ってるんでしょ!ふざけないで!!」
涙ぐみつつも叫び続ける。
匠「な、な、な……。由美子……。それは誤解だから。頼む。俺の話を聞いてくれ」必死になる。
しかし、 匠の顔を見てまた叩いてしまう、それでも話を続けようとしても聞いてくれないので抱きしめようとしたが由美子に拒まれる。
由美子「ディープキスまでしときながら誤魔化さないの!!なんなの!私の事なんて愛していないのなら初めからそう言いなさい!!」涙声で訴えてくる。
匠「魔が差したんだ、本当に悪かった……。ごめん、本当に。許してくれ……。この通りですお願いします。」土下座をしてくる匠。
由美子「なんで!子供も産まれるのに!どうしてなのお?」
号泣しながら叫んでいる。
匠「本当にごめん!俺は由美子を大事にしてるし好きだし愛してます、本当だ!こんなことで終わりにしたくない!」
匠は、心底謝る。
そこに、家のインターホンが鳴る。匠は慌てて出ると、先程の少女真奈が玄関にいた。
匠「どうしてここに?今は取り込み中だから、後にしてもらるか?」
真奈「バレたんでしょ?丁度良かったわね」
由美子を見ると、真奈は匠の腕を掴み中に家の中に入る。匠が驚いていると、由美子がさきほど、見た子だと気づく。
由美子「あなた、その子は誰?」
真奈「真奈といいまーす。」由美子は睨む、すると匠の方を振り向いた真奈は、舌を出した顔を見せニヤリとする。
真奈「匠と付き合ってまーす。それと奥さんに報告ですがぁー、匠の子供を妊娠しましたぁー。」
匠は真奈の行動に呆気にとられる。
真奈がお腹を摩る。
由美子は、俯く。
真奈の勝ち誇るような顔で、続ける。
真奈「奥さんも妊娠してると思いますけどぉー、匠さんと離婚してくだはぁーい。」
匠「真奈、お前何!言ってるのか解ってるの?」怒鳴る、匠、だが真奈の口撃が続く。
真奈「だって、匠さん。中々離婚してくれないから。こう言う手段しか取れなくなっちゃたんですよぉ」と可愛らしく首を傾げる。
そして再び挑発するような顔を匠に向けるのだった。
由美子はその言葉を聞き項垂れてしまう。
それを見逃さず、匠の手を握る真奈。
真奈「大丈夫ですよ?由美子さ、ん。これからずっと私と一緒にいるので」ニタニタ笑みが止まらない。
由美子は、泣きながら急いで自分の部屋に行く。それを呆然とした匠は追いかけようとしたら後ろから真奈に抱きつかれる。
匠「真奈。おまえなんてことすんだよ?ふざけんじゃねえぞ!」殴りかかりそうな勢いだった。
由美子は、自分の部屋から荷物をまとめて出て来た。
匠はそんな行動を取らせるつもりはなかったのであろう焦りを見せる。
匠「由美子、落ち着いて話をしよう?どこ行くんだよ?おい。」
無視をして出て行こうとする由美子。
匠「由美子、行かなくて良いだろう?」必死になり、由美子の腕をつかんだのだが、すぐに振り払う。
由美子「離してよ、触られただけでも嫌なの。」
拒絶反応が出るのを必死にこらえている様子。
匠に背を向けドアに手をかけた由美子の目から涙が流れている。
匠「わかった。」
そう言ったきりで黙ってしまったのである。
その後ろでは悔しくてたまらない表情をする匠がいたのだ、 しばらくして落ち着いたのか。
涙が止まった由美子は家を出て行き車に乗り込み、実家に帰ったのである 。
匠も、何も出来ずに見送るしかなかった。
真奈は、事実を言ってスッキリしたのか、帰って行く。
真奈「じゃあねぇー匠。またねぇー」手をふり、帰っていく。
************************************
修羅場が落ち着いて、リビングに降りてくる美優。
匠は、リビングの机で頭を手で抑えていた。
美優「いい気味ね」
匠の前に飲み物を置きつつ声をかける。
匠が手を止める。
美優の顔を見る。
匠「……。」
美優「何よ、自分で蒔いた種じゃない?私みたいに脅してでもすれば良かっただけなのに」匠を冷たい眼差しで見る。
匠「それは……」
美優「私は、匠の事、由美子が思ってるより、好きよ、愛してる。あの女とは違う」美優が匠の横に来て匠の腕を抱く、寄り添ってくる。
匠「俺が浮気したことに関しては……本当に悪いと思っている。だけど俺は、由美子が居なければ駄目だ……。」
美優「本当に由美子が必要?私じゃダメ?由美子と比べたら負けるかもしれないけれど……一緒にいてあげることは出来る。それとも……他の人が良い?」
涙ぐんでいるような口調になる。
匠はその涙ぐみながら聞いてくる仕草を見て心を射抜かれてしまったようで固まって見つめてしまっていた。
美優「匠の為ならなんでもしてあげるよ?……どうする?」そう聞くやいなやくちゅとキスしてきた美緒は上目使いになって匠の答えを求める。
それに答えるように匠がキスを返してくる、しばらくキスを続けていた二人は離れた。
美麗とは少し違い情熱的にキスを求めてきた。
舌と舌が激しく絡みあい、水音が部屋に響くほど激しくなると、キスが終わった時に二人の唇から透明になった唾液の橋が出来た。
匠「美優……!」
匠は美優に抱きつく。
匠が抱きしめてくるのがわかって優しく受け止めた。
美優「匠が邪魔な奴、全部私が、消してあげるね?」
匠「お前、そこまで考えてくれてたのな、本当、ありがと」感謝の意を込めてキスすると、匠を抱きとめ、微笑んだのだった。
************************************
匠は、由美子の実家に来ていた。
由美子の母親絵見が匠にお茶を持ってくる。
絵見「残念ね、ちょうど外出していていなくて。」
匠「いえ大丈夫です。すみません。」
絵見は、匠の対面になるように座ったのだった。
すると絵見は、匠の手の指先をそっと握ってきた。
匠「?」
絵見が匠を見詰める。
絵見「他人行儀ね?匠?」
匠「そうですか?普通ですよ」と、軽くかわそうとする匠だが。
その瞳には、熱いものがこもっている。
そんな匠を見たら絵里も我慢出来なかったようだ。
匠の手のひらを自らの顔まで運び口付けた。
そのまま口づけを続け、口付けが終わると。
両手で包んで胸のところに当てると目を潤ませながら匠と話す。
そして、おもむろに手の甲を撫で回す。
そしてその手の親指を掴むと自分の口元へ持って行き、口に入れた。
その光景を見ながらドキドキしてしまう匠だった。やがて口を離す。
匠「絵見さん、意地悪だなぁ。いきなり何なんです
か、全く」と言いながり照れ笑いをしている。
そして匠の方から口付ける、そして口の中で匠からの絵見への激しい接吻、そして息づかいだけが聞こえる。
絵見「ねぇ?こっち……」
そしてまた激しいくちづけが続く お互いが、満足するまで離れることなく、絵見は部屋に導く。
そして部屋に着くと、匠と絵見は、求め合い。
身体を重ねていくのであった。
絵見と匠は、由美子が結婚する前に不倫関係にあった。
そして、絵見は匠の子供花音を産んでいる。
由美子が買い物から帰ってくる。
玄関に見覚えのある男性物の靴があった。
匠だ。慌てて中に入って行く由美子、「お客さん?帰ってもらってよ?何、して…!」
しかし、リビングには誰もいない。
リビングの机の上には飲みかけのお茶。
隣の母の部屋から声が聞こえてくる。
絵見「そこ………いいわ………あーん、凄いわ。」
匠のものを下の口から、美味しそうに膣へ出し入れしているのが見えている。
匠「いいよ、絵見さん!」
パン、パシン、ヌチ、ヌチャ!
肉と皮膚が激しく当たる乾いた音の響き。
絵見「あっ♡くっ♡気持ち良すぎ、いく♡イクよ!!」どっぷ、びゅーと、音と共に白い液体が出る。それと同時に絶頂に達したらしい 。
ギーと扉が開く。
そこには顔を真っ赤にして震えている娘由美子が立っていたのである。
絵見と匠は濃厚な絡みをしているため気が付かない。
匠と目が合う。
すると我に戻ったのか顔が青ざめる、匠を見て怯えるように後退りする。
由美子(どうして?私の夫が?嘘よ……信じない)
後ろからは娘の気配を気がついたのか。
振り返って由美子の姿を見て固まってしまった。
絵見「由美子……。違うの……!これは……、ねぇ……」と絵見が何かを言う前に由美子は家を飛び出す。
匠「あー、バレちゃったね、絵見さん。仕方がないですね」と普通に言う匠。
絵見「どうしよ?匠?あの子にだけは、知られたくなった。」
泣き崩れそうになる、それをそっと受け止める、優しく背中をさすって落ち着かせていた、その姿はとても暖かかったという。
由美子は、走っていた。
何も考えることが出来ずひたすらに、走るしかなかった。
しばらく走り続けて体力の限界を迎え、道端に座り込む と肩でハァッ、と息をしながら泣いてしまった。
由美子(なんで?お母さんと……匠が…そんな関係だったなんて……知らなかった、知りたくなかった!!)
しばらくして立ち上がると、フラフラしながらもなんとか歩く。
そして、雨が降ってあたりは暗くなってくる。
それでも、家に帰る気にはならなかった
雨は由美子の身体に当たるたびに、体温を少しずつ奪いながら、降り続けていた。
由美子(私、これから、どこに帰ればいいのだろう?)と考え始めると涙が出てきた。しばらく歩いていると、歩道橋に登る。
服は雨でビシャ、となっている、
そして手すりにもたれて俯いている。
下を見ると人が大勢いるのがわかる。
由美子(なんで…匠さんは、こんな人が多いところに来たんだろう。なんのためなんだろうと。考えているうちに頭がくらつく。疲れた。足に力が入らず階段のところまで歩いていったところで、視界が大きく揺らぐ。)
ドサッ
由美子(やば、落ちる)と思う。
落ちる時、笑う美優の顔が見える。
由美子(幻覚?なんだったんだろ、意識を失う寸前見たものは?なんなんの?)
そのまま、由美子が階段から落ちて救急車が来る。
************************************
美優は、由美子が邪魔だなと思い歩道橋の階段から落とした。
美優「ハァ、ハァ、落とした……やった」
と言いながらも由美子が落ちた衝撃音が響く。
「きゃー」と言う声と人の叫び声で周りがパニックになる。
美優は、その場から逃げ去る。
その頃匠は、由美子に電話を何回も掛けていたが出ず途方に暮れてしまう。
匠もその場に立ち尽くすだけだったのであった。
匠の携帯に知らない女の声の人から、電話が入る。
警察から連絡があったらしく、由美子が病院に運ばれたと知らせられるので、慌てる匠と絵見は病院に急行した。
病室に駆け付けてみると、頭に怪我をしたものの、命の危険はないが記憶障害が出ているかもしれないと言われる。
医師から詳しいことは、明日精密検査をしてみてからわからないと言われた匠であった。
絵見は、病院で泣き崩れる。
そこに、絵見の旦那の晶がやってくる。
絵見「あなた!私のせいなの!ごめんなさい!」と言って絵見は泣き続けるしか無かった。
晶「おい!絵見しっかりしろ!」と言いなだめるが絵見は取り乱して、まともに話が出来る状態ではない。
晶「匠くん、何があったか、聞かせてくれるかい?」
と聞いてみると。
そして今までの経緯を説明する。
それを聞いて怒りを抑えきれず、晶は匠を平手で叩く パーン! という乾いた大きな音が響く。
その音に反応し絵見は我を取り戻し泣き止む。
絵見「ごめんなさい!私のせいなの!」そう言ってまた大号泣をする。
絵見「私が浮気しなければよかった。あの子があんな風にならなくて済んだのに、匠も悪くないのよー!!」また激しく泣き崩れていく。
晶「君が絵見と浮気しようが、別に構わない!せめて、由美子には!この事を内緒にして欲しかった!」と怒ると、匠は何も言い返す事ができずにいる 絵見が落ち着きを取り戻す。
絵見「晶!あなたが悪いのよ!私に興味がないのが!だから匠と浮気したのよ!」とヒステリック気味になっている絵見。
晶「絵見!お前は!倫理観のカケラも無いのか!!」
絵見「匠は、私の身体も全部愛してくれた!!なのに?晶!あなたは何も愛してくれない!どうしてなの?教えて欲しいわ!?匠とのセックスは最高よ。気持ち良すぎるわ。花音は!あなたの子供じゃないし!」と言い終わると晶は、膝から倒れこむように、絵見の足元にすがる。
その様子をただ見ているしかなかった匠である。
************************************
匠は、家に帰る。玄関を開ける。そこには美優がいて匠に抱きつくと胸に顔を埋める。
美優「やっと、帰って来てくれたんだ。待ってたんだよ?ずっと……待っていたのに……」
これからずっと一緒だよ、匠……♡
私はもう離れないから……。
続く
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どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
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