俺なんかに目をつけられた可哀想な不良

きのこ

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「どういう事だよ。お前が俺の父親?矢田になんて説明してんだよ」
亮はいつもよりも幾分か苛立った声色で詰めてくる。いつもなら軽く聞き流せるこいつの生意気な口も、何故だか今は酷く癇に障る。
亮の口から矢田の名前が出る度に内で渦巻いている黒い靄のようなものは色濃くなっていった。

原因の分からない苛立ちを抑えるため、信号を待っている間に煙草に火をつけた。煙を深く吸い込み、窓の外に吐き出す。煙が車内に入らないように煙草を持った手は窓から出した。
すると何故か、先程まで喚いていた亮は突然大人しくなった。横目で見ると、出来るだけ俺から距離を取るようにドアにピッタリと体を寄せて窓の外を眺めていた。
煙草の煙が嫌いなだけかもしれないが、村沢には何故かそれが怖がって身を縮めている子供のように見えた。


⥤ ⥤ ⥤

半分引き摺るようにして亮を家に連れ帰ると、ベッドの上に乱暴に押し倒し、解いたネクタイで腕を後ろ手に縛り上げた。
なかなか思い通りにならない亮の身動きを封じるのは気分がいい。この時間だけは亮を自分のものにできた気になる。

けれど何か物足りない。

ここ最近、そんな風に思うことが時々ある。
亮の反応はいつも面白くてなかなか飽きない。
村沢の歪んだ欲を満たすのに、亮は打って付けの相手だ。

それなのに何か満ち足りない。
俺はこいつに一体何を求めているのか。自分自身でもよく分からず出処の分からない苛立ちだけが募っていく。

「何にキレてんだよ」
制服を乱された状態の亮が、腹をげしげしと蹴りながら訝しげに睨んでくる。

何にこんなにも腸を煮えくり返らせているのか。はっきりとした答えは分からない。けれど、さっきから矢田の呑気な顔がちらつく度に怒りは増す。
俺はあの青年の何がそんなに気に食わないのか。
何度考えても答えは出なかった。

だから亮の問に答えることはせず、スラックスのファスナーを下ろし、萎えた状態の自身のものを取り出した。

「咥えろ」

「は…?」
亮はひくりと頬を引き攣らせた。

「フェラはまださせた事がなかったよな。上手く男を咥えられるように教えてやる」

「そんなもん口に入れられるわけ…!」

「出来ないならいい。強制はしない。ただ、飼い主の言うことが聞けないような奴にはそれなりの罰があると思え」
亮の顎をつかみ、生意気な瞳をじっと見据えた。

「はっ、何が飼い主だ。お前のペットになんてなった覚えねぇんだよ」
亮は挑戦的な表情で見つめ返してくる。
しかし、制服の上から胸を軽く撫でると、体を小さく跳ね上げた。

「その舐めた態度が続くようなら、数分後にはここに飾りが着いてるかもな」

「どういう意味…っ」
胸の突起を布越しに軽く捻った後、村沢は意地の悪そうな笑みを浮かべた。

「ニップルピアス。お前でも聞いた事くらいあるだろ」
顔色を悪くする亮の表情を見てから、村沢は続けた。

「もう一度だけチャンスをやる。咥えろ」
亮は何か言いたげに口をぱくぱくさせているが、上手く言葉が出てこないようだった。眉間に皺を寄せながら村沢の股間に少し顔を寄せてみるものの、やはり抵抗があるらしい。
焦れた村沢は、亮の後頭部に手を回して無理やり自身のものに押し付けた。それでも亮はなかなか口に含もうとしない。

「やっぱりピアスの方がいいか?」
追い打ちをかけるように意地の悪いことを聞くと、亮は村沢のものに軽く口付けた。

「そのまま舌を出して咥えてみろ。歯は立てるなよ」

「……」
亮は固く目を瞑り、恐る恐る村沢のものを口内へと迎え入れる。潤んだ唇がまだ柔らかい状態のそれを緩く締め付け、緊張したように微かに震えている舌の上を滑る。

「亀頭のとこ…そう、そこに舌を這わせて」
口を離そうとする亮の頭を押さえながら、舌の動きを指示する。そうすると喉から不満気なくぐもった唸り声がするのがなかなかに愉快で、気がついたら溜飲が下がっていた。
腕を縛っているから抵抗も思うように出来ていないようだし、亮が尻を突き出すような格好になっているのも村沢の気分を良くした。

拳を握りしめてぐっと堪えているのも、苦しそうに体をひくつかせるのも堪らない。こういう状況での亮の一挙一動は村沢の欲をつくづくと満たす。
そんなことは本人は微塵の自覚も無いのが分かるから、愛らしくすら思えてくる。
犬猫なんかをペットとして飼うようなやつの心境は全く理解出来ないでいたが、これと似たような感情を持っているのだとすれば、まあ理解出来る。

村沢は必死に苦痛に耐えている亮とは対照的に、ひとり悦に浸っていた。

「自分でする時、感じやすい所を舐めてみろ」
亮の後頭部を押さえている手を頭を撫でるように動かしながらまた指示を出すと、亮は竿の裏筋を重点的に舐め始めた。

「へぇ…お前はそこが好きなのか」
素直に自分の弱点を晒す亮に小さく笑いを零すと、亮はピタッと動きを止めた。かと思えば咥えた状態のままで村沢の顔を見上げて睨みつけてくる。
耳は真っ赤になっていて、腹を立てているのか恥を感じているのか判別が付かなかったが、苦しそうに潤んだ目で上目遣いに睨みあげられた村沢は息を呑んだ。

「煽ってんのか」

「ん゙ぅうッ!?」
亮の頭を優しく撫でていたはずの手は、今度は無慈悲にも頭を奥へと押し込み、硬くなった男根を亮の喉奥に突き刺す。体を引くことも出来ず、手で押し返すことも出来ない亮は、咥えている性器に歯を立ててしまわないように村沢の好き勝手にされている事しか敵わない。
呼吸が上手く行えず嘔吐く亮の姿を見ても、村沢は益々興奮を高める。手を止めるどころかさらに追い打ちをかけ、亮が苦しそうに体を震わせている姿を楽しんだ。


「っ……、出すぞ」

「ングッ、ん゙ん゙ん゙っ!」
亮が嫌だと言うように首を小さく振るのも構わず、腰を押し込んで直接胃に流し込むように射精した。喉が波打ち、白濁が流れ込んで行くのが分かる。
亮は余りの苦しさに生理的な涙を零し、精液の混じった涎が口内から溢れ、シーツに垂れる。
その様を見ている村沢の欲情しきった肉食獣のような表情は亮には見えていなくとも、射精したにも関わらずさらに硬度を増した性器に悪い予感を感じ取った。
亮は口を離そうとするが、村沢は後頭部を押さえつけたままでいる。息もままならず、思考も上手く働かない亮の脳内は軽いパニックを起こした。

亮は目を白黒させ、足をばたつかせる。
もう離してくれと訴えたいが、それすらも出来ない。
頭をふるふると力なく左右に振る。

必死に出来る限りの抵抗を見せる亮の姿を堪能した後、村沢は手を離した。

亮は激しく噎せ返り、シーツの上に涎をぽたぽたと垂らす。村沢はそんな状態の亮を押し倒し、制服のズボンと下着を同時に下ろした。
外気に晒された陰部は立派に立ち上がっていて、それを見た村沢は口角を歪めた。
両足を持ち上げ、股を開かせると亮は顔を歪め、声を詰まらせながら拒絶する。


「い、やだ…っちょっと待って」

「お前が誰のものなのか教えこんでやる」
亮の訴えも虚しく、脈打った男根が中へ侵入し、奥を突き上げた。
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