俺なんかに目をつけられた可哀想な不良

きのこ

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「あ……はっ、ぁ…ゔ……ッ」
麗華の中にすっぽりと納まると、亮はガクガクと体を痙攣させた。そのせいで腰が揺れて前後し、自ら快楽に追い打ちをかけている状態になっている。

震える腕で体を支えるのはきついだろうに、女を押し潰すまいとしているのか、倒れ込みそうなのを必死に堪えている。

「どうだ?男に挿れられながら童貞を卒業した気分は」

「抜……け…ッ!」

「俺は今男に犯されながら女を感想を聞いてるんだ。言葉のキャッチボールも出来ないのか」

「死ね…!!」
俺の質問に応える気はないらしく、快楽に身を震わせながら相変わらずの悪態をつく。
ため息を漏らし、亮の肩を掴んで奥を突いた。
バチュッバチュッという粘り気のある水音と共に、亮の喘ぎ声と女の呻く声が聞こえてくる。俺が腰を動かす度、女の中にあるものも前後しているのだろう。

「あっ、あっ、んあっ!あぁッ…やめ、ひぐっ…も…でる…!出そうだから…!!」

「出せ」

「子供、できちまう…から!」

「かもな」
亮の懸念などお構い無しに、早く出せと言わんばかりに腰の動きを速めた。しかし亮は射精しそうなのをシーツを握りしめて必死に堪えている。
この女が妊娠するという可能性はないのだが、この場で亮だけがその事を知らない。
「いやだ」「悪かった」「他のことなら何でもするから」と必死に懇願してくる。
「何でもする」という言葉に一瞬釣られそうになったが、こいつが麗華の中で果てた時の罪悪感に満ちた表情を想像すると、余程こちらの方が面白いと気がついて腰の動きを続けた。

そして耳元で「イけ」と囁いて射精を促すと、亮はついに女の中で精を吐き出した。


「あ……あぁ…ごめ、ごめんなさい…」
罪悪感に満ちた震え声がホテルの一室に小さく響いた。顎を持ち、顔をこちら側に向かせると亮は暗く、情けない表情をしていた。
まるでこの世の終わりだとでも言うような絶望した顔が腰に来て堪らなかった。

また腰の動きを再開すると、亮は麗華に向かって何度も「ごめんなさい」と謝りながら喘いだ。先程までの威勢の良さは何処かに行ってしまっている。

両腕を引っ張り更に奥を突く。

「あぐッゔゔッ…ひゔぅっ、イぐ、またイぐぅッ…いやだ!やだっ!も…離せ、ってえ゙…!」

「っ……俺も…そろそろ出すぞ」

「やめ…出すな…!抜け…!!」
首を振って嫌がる亮の肩に歯を立て、奥を執拗に攻める。すると中の締め付けが良くなり、射精感が更に強まった。

亮の肩を噛みながら腰を振っていると、ふと麗華と目が合った。麗華は泣きながらでこちらを睨んでおり、この仕打ちに腹を立てているようだった。
しかし、仕置きを望んだのはこいつだ。文句を言われる筋合いはない。

村沢は亮の肩に更に歯を食い込ませ、麗華を鋭く睨み返した。すると麗華は途端に体を痙攣させ、絶頂した。

「っ!?へ…あ゙あっ、きゅう、に…き……つ…!」
麗華が達したことで陰部への締め付けが強まったらしく、亮は背中を逸らし腰を揺らした。そのせいで亮の中も締まり、俺も少し遅れてから果てる。
快楽が振動のように伝わっていき、麗華から順に全員が快楽に身を震わせた。



⥤ ⥤ ⥤

長い行為の末、ベッドの上で力なく横たわる亮。
中の精液を掻き出し、ベタベタの体を拭いてやった後、風呂で自分の体も洗い流す。

服を着直して濡れた髪を拭きながら浴室を出ると、腕を縛られたままの麗華と目が合った。そういえばこいつも居たなと盛り上げ役の存在を思い出す。
口を塞いでいるテープや後始末は自分でやれと言わんばかりに腕の縄だけを解いてやり、帰りの支度を整えていると、ガムテープを外したらしい麗華の泣き声が聞こえてくる。


「酷くされるのは分かってただろ」

「そう、だけど…こんな子供に挿れられに来たんじゃないわ…!」
麗華は力尽きて眠っている亮を指さす。

「何か勘違いしてないか?躾直しだと言っておいたはずだが」

「で、でも…!!」
また口答えをしようとする麗華の首に手を伸ばし、力を入れて絞め付けた。

「今日はやけにうるさいな。ボロ雑巾みたいにされたくなかったら今すぐその鬱陶しい口を閉じろ」

「ゔッ……ごめ、な゙さ……」

首を絞めている手から伝わってくる脈拍と、苦しそうに紅潮していく麗華の顔色を見ながらふと不思議に思う。

全く興奮しない。

他に面白い物を見つけたからと言って、この状況で興奮しないなんてことは今まで無かった。
そういえば終始、こいつの存在はせいぜい亮を傷つけるための小道具に過ぎず、それ以外は疎ましいという感情しか持っていなかった。

いつもの自分とはどこか感性が違っていることに気がつき、涎を垂らして喘ぐ麗華を見ながら自分への違和感に頭を捻る。
すると、横から白い腕が伸びてきて俺と麗華を引き離した。

「お前!!女に手出すとかどこまでクズなんだよ!」
先程までの行為のせいかまだ顔色の悪い亮は、庇うように麗華を背中の後ろに隠して憤った。
「最低」「下衆」という俺を罵る亮の声がどこか遠くに聞こえ、俺は亮の細い首に釘付けになっていた。

「どこ見て…っ!?」

気がついたら俺は亮の首を絞めつけて押し倒していた。

血管が脈を打っているのが手を通して伝わってくる。

亮は苦しそうに足をじたばたと暴れさせ、俺の腕に爪を立てる。

鼓動と血の巡りがしだいに速くなっていくような感覚。呼吸が荒くなり、亮のことしか見えなくなっていく。

「あ゙…ぐ、はな゙…せッ…」

首を絞める手に更に力が入る。

「はあ……はあ………はあ…っ」
今までにないほどの昂りと高揚感に息が上がる。

このまま更に力を強めて首を絞め上げれば、こいつはどうなってしまうのか。その先は死でしかないと分かってはいたが、気になって仕方がなかった。

“殺してみたい”

死体と化したこいつを見てみたい。そう強く思った時、右頬が突然熱くなり、じんじんと痛んだ。

「もうやめてってば…!!死んじゃうわよ!!」
右頬を押さえ、金切り声のする方を見やると涙と鼻水で顔をぐちゃぐちゃにした女が居た。
しばらくしてから麗華に打たれたのだと理解し、その後に自分が亮に夢中になり過ぎて周りの音が一切聞こえていなかったことに気がついた。


「……悪い…助かった」

一線を超えてしまうところだったと安堵するのと同時に、がっかりする自分がいた。



気を失っている亮を見ながら、自分はここまで歪んだ人間だったろうかと驚く。もちろん、他と比べて変わっていることは自覚していたが、ここまで異常ではなかったはずだ。


呆然と亮を見つめながら自分自身に落胆していると、麗華の姿はもう何処かに消えていた。
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