俺なんかに目をつけられた可哀想な不良

きのこ

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無駄に広い社長室で、三橋から頼んでいた亮とその家族、矢田優弥の身辺調査の結果をまとめた資料に目を通す。

亮の元父親の岩田 真郷まさとは借金を抱えており、ギャンブルに明け暮れる酒浸りのろくでなし。母親の岩田 朱里あかりは虐待を受けながら育ち、結婚した相手からも暴力を振るわれ、一時期心を病んでいたらしい。
両親の調査書を見るだけで、あいつがろくな環境で育っていないことは容易に想像出来た。

それとは対照的に、矢田は比較的裕福な家庭で育っており、妹が三人と両親の六人家族。家族間には特に問題は無いようだった。
そういえば公園で会ったとき、亮の父親だという嘘を簡単に信じていたが、こいつは亮の家庭内の事情を知らないのか…?
父親がいるかどうかくらい知っていてもおかしくないはずだが。

不思議に思い調査書を睨んでいると、唐突に扉がノックされた。「入れ」と短く応えると三橋が中に入ってきて
「社長。青柳あおやなぎ 麗華れいかさんから会わせてくれとお電話が来てますが」と相変わらずの無表情で報告する。

「…麗華が?」
不快感で眉間にシワが寄る。

麗華とは確か使えなくなって捨てた女だが、あれからやけにしつこく俺と接触を図ろうとしてくる。
もうあの女には微塵の興味もなければ会話すら交わす気はないのだが、会社にまで電話を掛けてくるとなると無視し続ける訳にもいかなくなってくる。

受話器を取り、「お前から俺に連絡はしてくるなと言っておいたはずだが」と通常よりも低い声を発した。すると、歓喜に震える麗華の声が受話器の奥から聞こえてくる。こいつをこんな風にしたのは俺なのだが、不快感にため息をついた。

「ご、ごめんなさい…!メス犬の分際で電話を掛けるなんて……駄目だってわかってたんだけど、一弥のことが忘れられなくて…!」

「だからなんだ。お前の事情で勝手なことをするな」

「で、でも…!」

「でも…?いつからそんなに聞き分けが悪くなった?」

「ごめんなさい……」
謝っている割に、声色は喜んでいるようだった。
“お仕置き”を期待しているのだろう。

「…躾直しだ。20時にいつもの所に来い」

「は、はぃい!」
今回は家に呼んだほうが色々と楽ではあるのだが、こいつに家の住所を教えるのは気が引けるため、愛用していたホテルに呼ぶと、麗華は嬉しさのあまりに声を裏返らせた。


受話器を置くと、三橋が「珍しいですね」と感情の籠っていない声で言った。

「今まで一度飽きた物には二度と手は出さなかったのに」

「…まあそうだが、少しいいことを思いついたんだ」

「へぇ。気になりますね」
三橋は棒読みでそう言ったあと、今日の仕事の予定を述べ始めた。



⥤ ⥤ ⥤

仕事を終え、亮を見つける前まで使っていたホテルの一室に入ると、麗華が下着姿で出迎えた。
どうやらもう風呂は済ませてあるらしく、準備万端といった様子だった。

「おかえりなさい……」
触れられるのを今か今かと待ちわび、足をもじもじさせて上目遣いで見上げてくる。
香水の匂いがきつくて思わず眉を寄せた。

村沢は何も言葉は発さず、鞄からカメラを取り出し、目立たない位置に設置した。
その後、「撮るの…?」と期待した眼差しを向けてくる麗華をベッドの上に寝かせ、腕を頭の上で縛り付ける。
麗華は縄が肌に食い込む度、わざとらしく「あっ」だとか「んっ」と声を漏らす。
昔は声を出すのを必死に堪え、俺に組み敷かれることを嫌がっていたが、今では俺をその気にさせる為に必死になっているのが滑稽だった。

「かずやぁ…これやだぁ…♡早く触ってぇ」
下着に染みをつくり、猫なで声で媚びてくるが、微塵もそそられない。うるさいのでガムテープで口を塞ぎ、耳障りな声を封じた。

するとそこでタイミング良く部屋の扉が開き、亮が入ってきた。このホテルに来る前に、予め亮に連絡しておいたのだ。


亮は縛り付けられている麗華と村沢を見ると、目を剥いてその場で硬直した。

「何してる。早く入ってこい」
当惑した亮を中へと招き入れると、麗華は文句ありげに身動ぎ出した。亮はそれを見て俺が麗華のことも犯そうとしているのだと勘違いしたようで、俺の胸ぐらを掴んできた。

「お前…なにしてんだよ」

「勘違いしてるみたいだが、これはこいつが望んだことだ」

「んなの信じられるわけねぇだろ」
俺の言葉に信憑性は皆無らしく、信じてもらえる気配すらない。
お前のせいで濡衣ぬれぎぬを着せられたという意味合いを含めた目つきで睨むと、麗華は罰が悪そうな表情で大人しくなった。

「準備はしてきたんだろうな?」
メールで伝えた通り、自分で中を解してきたのかどうかを尋ねると、亮は顔を赤らめて「一々聞くなよ…!」と怒った。

こいつが慣れない手つきで自分で中を慣らしているところを想像すると、目の前でやらせれば良かったと少しばかり後悔した。

「もうそんな誘い文句を言えるようになったのか」

「はぁ?今のがどうやったらそんな風に聞こえるんだよ」

「自分で触って確かめろってことだろ?」

「なっ…!?ちげぇよ変態!!」
所望しょもう通りに下着の中に手を入れ、尻の割れ目を指でなぞると中からローションが少し零れてきていた。

溢れている分のローションを指ですくい取り、それを中に戻すように指を挿れると、亮の体がびくっ小さくと跳ね上がった。

中は思っていたよりもちゃんと解れていて柔らかい。こいつのことだから、ローションだけ入れて後は適当にしかしてこないんじゃないかと思っていたから、意外だった。
中の解れ具合を確かめるついでに前立腺を擦ってやると、亮は思い切り俺を押し退けた。

「準備してきたんだからこれ以上触る必要ないだろ…」

「はは、可愛げのねぇやつ。じゃあお望み通りさっさと挿れてやるからそこに手つけ」
俺が指さした方を見て亮はぎょっとする。

「まさかこのままするとか言わねーよな…?」

「そのまさかだ」
抵抗しようとする亮を無理矢理ベッドの上で、ちょうど麗華に覆い被さるように四つん這いにさせる。
至近距離で亮と麗華の目がばっちり合い、二人は同時に暴れだした。

「やめろ!!こんなの無理ッ…!!ひっあ゙っ、あ゙あ゙!!」
村沢は嫌がる亮を後ろから貫く。

「はは…きっつ……なにお前…見られて興奮してんの?」

「ちがっ…あっ、あぁっ!」


亮の薄い背中越しから見える麗華の顔は、一言で表すならば“絶望”だった。
つい数分前まではどんな酷い犯され方をするのだろうという期待で胸を膨らませていたのにも関わらず、蓋を開けてみれば自分は蚊帳の外で男同士の行為を間近で見せられる羽目になっている。
こいつの心境を想像すると笑えてくる。


後ろから亮の半勃ちの陰部に手を伸ばし、腰を打ち付けながら扱いてやると、あっという間に硬く勃ちあがった。
先端から溢れてくる先走りが麗華の腹の上にぽたぽたと零れ落ち、小さな水溜まりを作る。

「お前、童貞か?」
唐突に質問を投げかけると、亮は分かりやすく動揺した。

「図星か。童貞より先に処女を卒業させたみたいで悪かったな」

「っ、てめぇ…!馬鹿にすんのも大概に…んあっ!」
凄んでいる最中に奥を突いてやると、亮は情けない声で喘いだ。

「あっ、ひっ…くそ…っ死ね!!」

「そう怒るな。今から童貞の方も卒業させてやるから」

「それ……どういう…」
戸惑う亮の後ろから麗華の腰を掴む。
すると麗華はもう察しがついているらしく、嫌だと首を振って拒んだ。会わない間にこいつは随分と聞き分けが悪くなった。昔はそれがよかったのだが、興味が無くなった今ではもう煩わしい以外のなんの感情も湧いてこない。


使い勝手の悪い女を忌々しく思いながらも、麗華の下着をずらして亮の腰を前に押し出させ、中に亮の陰茎を挿入させる。

「やめ…ひぐっ、あ゙っ…頼む…!やめろ…!」
亮は必死に麗華から遠ざかろうとして腰を引いているが、そうすると村沢のものが奥まで入ってしまう。
前にも後ろにも行けない状況で、村沢に腰を押されて自身のものが見知らぬ女の膣の中へと挿入されていく。


青ざめた表情の女と目が合い、亮は罪悪感に苛まれた。

「やめてくれ…!」
必死に村沢に懇願するも、止めてくれる気配はなく腰はどんどん押し進められて行く。

そしてついにバチュンッという水音と共に、村沢の手によって亮のものが女の最奥へと突き入れられた。
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