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静かな家の中に唐突に響き渡る軽やかな着信音。
スマホを取り画面を確認すると、着信は秘書の三橋からだった。三コール目で応答すると、相変わらず感情の読み取れない声が聞こえてきた。
「で、どうだった?」
率直に頼んでいた身辺調査の結果を尋ねる。
『…だいたい調べがつきました。
岩田 亮 17歳。過去に父親から虐待を受けており、両親は8歳の時に離婚。現在家族は39歳の母親一人のみですが、その母親も育児放棄気味。あまり人と関わろうとしない性格らしく、友達と呼べるような相手は矢田 優弥という同級生のみです。その他の詳細などはまとめて後日にお渡し致しますが、他に聞きたいことはありますか?』
「…そうだな。矢田 優弥のことも少し調べておいてくれ」
『承知しました。調べがつきましたらまたご連絡致します』
村沢は短く返事をしてから電話を切り、デスクの上に携帯を置いた。
矢田…この間公園にいた奴か。
「使えそうだな」
事を上手く運べそうな予感に村沢は一人ほくそ笑んだ。
⥤ ⥤ ⥤
日が暮れた頃、亮の様子を見に寝室に行くと呑気に寝息を立てていた。
つい先程まで警戒心丸出しだった奴の寝顔だとは思えない。
亮の顔の横に腰掛けると、ベッドが沈んで亮の体が少しこちらに傾く。それでも起きる様子はなかった。
「…呑気なやつ」
髪を撫でると、予想よりも柔らかい手触りに少し驚く。
子供らしくて可愛げがある寝顔も悪くはないが、このままゆっくり寝かせてやるつもりはなかった。
そろそろ教育の時間だ。
ローションを手のひらに出し、体温で温めると亮の後孔に擦り付け、粘ついた指をゆっくりと挿入する。
すると亮は寝ながら小さく声を漏らした。
昨晩散々に犯してやったおかげか、中は柔らかくてすぐに解れた。
そろそろ起きてもらわないと困るので、中指を曲げて前立腺を擦って刺激すると、使い込まれていない竿が苦しそうにピクピクと痙攣した。
「あ…ふっ、……へ、ぁ…?な…っ!?」
薄らと目を開けた亮と視線がぶつかる。
「そんなに俺のベッドは寝心地が良かったか?」
「あっ!ひっ…なにして…っやめろよ…!」
寝起きなせいか抵抗にあまり力が入っていないし、声にもいつもの迫力がない。
素直に指を抜いてやると、亮は分かりやすく安堵の表情を浮かべた。
「最悪……普通寝てる相手のケツに指突っ込むかよ」
亮は息を荒らげ、火照った顔でこちらを睨みつけてくる。最悪だと言いつつも、亮のそこは元気に勃ちあがったままなのだから説得力がない。
「俺が普通じゃないことくらいもう分かってるだろ?」
「はっ、開き直ってんじゃねーよおっさん」
「俺はまだ28だ」
「おっさんだろ」
「まあ確かにお前からしたらおっさんかもな」
「ガキじゃねーよ喧嘩売ってんのか」
少し煽っただけでこの子供はむかっ腹を立てたらしく、不機嫌そうにこちらを睨んでくる。
「そんなことはどうでもいいとして、とりあえず脱げ」
昨日亮が気絶していた間に、とりあえずで着せておいた俺の服を顎で指す。亮が着ていた制服はと言うと、どろどろで着続けられる状態ではなかった為洗濯機で洗って干している。
亮はポカンとした様子で口を半開きにした。
「は…?」
「だから脱げって。今からこれでお前のこと撮ってやるから」
手に持っているカメラを見せると、亮は顔色を悪くした。
「無理に決まってんだろ!?んなこと言われてはいそうですかって素直に脱ぐ馬鹿がどこに居んだよ!」
「お前は今からその馬鹿になんだよ」
「意味わかんねぇ…動画なんてぜってぇ撮られてたまっかよ!!」
予想通りの反応だ。
こいつの性格上、大人しく言うことを聞くとは思っていない。しかし、そんなこいつに言うことを聞かせる方法を俺は知っている。
「嫌ならいい。だが動画を撮られるのを拒むならお前は一生このままだ。首輪も外してやれない」
「……さっき後で外してやるって…」
「素直に言うことを聞けたらの話だ」
亮は忌々しそうに舌を鳴らした。
明らかに苛立っている。
「……そのうち警察が動くに決まってる。一生俺をここに監禁しとくなんて無理だ」
「ああ。そうなったら仕方ない」
「お前…頭おかしいだろ」
亮は若干引き気味に顔を引き攣らせる。
「そうだな。俺は頭がおかしいから捕まりそうになったら、やけになってお前がよさそうに喘いでる所を動画に撮ってネットにばら撒くかもしれない」
亮の顔が段々と曇っていく。
「…お前の友達、確か矢田 優弥って言ったか」
三橋の調べによれば亮の唯一の友人だったはずだ。
「なんで…あいつの名前…」
明らかな焦りと恐怖が見て取れる。
余程矢田という男が大事なのだろう。
一生ここで監禁すると言った時よりも、辱めを受けている姿をばら撒くと脅した時よりも、矢田 優弥の名前を出した時が一番の動揺を見せた。
お熱い友情なこった。
「あいつもお前と一緒にここで犯してやろうか」
「っ!?」
「割と俺好みの見た目だったし、友達がだらし無く作り変えられていくのを見せた後にお前を躾てやるのも楽しそうだ」
本当は矢田という男自身には全く興味はなかったが、わざと恍惚とした表情を作って話した。
すると効果は覿面だったらしく、亮ははち切れんばかりの青筋を立ててこちらに掴みかかろうとしてきた。
「あいつに指一本でも触れたらぶっ殺すぞ!!生まれてきたことすら後悔させて、豚の餌にでもしてやる!!」
首輪がくい込んでいることもお構い無しに、凄まじい形相でこちらに腕を伸ばしてくる。息を荒らげ、酷く逆上している。やはり矢田 優弥はこいつの弱点らしい。
「随分汚い口を利くな。自分の立場がまだ分からないか?」
興奮した犬のように呼吸を乱した亮の髪を鷲掴みにし、後ろに引っ張る。
「この…ゲス野郎、ぜってぇ殺してやる」
「お前が俺を殺すのが先か、俺が矢田を犯すのが先か試してみるか?」
亮の髪から手を離し、ドアノブに手をかける。
「待てよ!!」
「なんだ」
「どこ行く気だ…」
心底不安そうに、若干懇願するような表情でこちらを見てくる。
「決まってるだろ?お前のお友達の所だ。すぐに帰ってくるからいい子に留守番してろ」
「ま…待て…!!待ってくれ!!頼む!!」
「……」
亮が必死に引き留めようとする声を無視して部屋のドアを開けると、
「動画撮るんだろ!!」という亮の半分叫ぶような声が広い部屋の中に響いた。
「嫌なんだろ?俺は人が嫌がることはしたくない」
「お前…散々好き勝手しておいて…!」
「撮って欲しいならそうするが、嫌なら仕方がないから俺は矢田を捕まえてくる」
「くっ…そ、野郎…!」
亮はベッドのシーツを握りしめ、血が滲むほどに唇を噛み締める。
こいつのこういう反応を見る度、俺はこいつを拾ってきて良かったと心底思う。
こんなに痛ぶり甲斐のある奴は他に居ない。
中々言葉を発しようとしない亮に背を向けると、慌てたような、怒鳴るような声が飛んできた。
「撮れよ!!好きにしたらいいだろ!」
これがこいつの精一杯の言葉なのだろう。
これだけでも亮の自尊心が傷つけられているのを感じるが、まだ足りない。自分から頼ませてこそ俺に支配されている事を自覚する。
「俺はお前みたいな可愛げのない奴を撮るよりも矢田に興味がある。お前が撮ってくれと頼むなら別だが」
亮の表情が屈辱によって歪む。
急かすようにまた背を向けようとすると、亮はボソッと呟くようにして何かを口にした。
「聞こえない」
「だ…から………俺の、裸………撮ってくれ……頼む…」
亮は怒りからなのか羞恥からなのか顔を赤く染め、俯いてベッドを睨みつけている。
普段の俺ならまだ物足りないような色気のない台詞なのに、こいつの自尊心が傷ついていく様があまりに楽しくて胸が高鳴った。
こいつにしては上出来だろう。
スマホを取り画面を確認すると、着信は秘書の三橋からだった。三コール目で応答すると、相変わらず感情の読み取れない声が聞こえてきた。
「で、どうだった?」
率直に頼んでいた身辺調査の結果を尋ねる。
『…だいたい調べがつきました。
岩田 亮 17歳。過去に父親から虐待を受けており、両親は8歳の時に離婚。現在家族は39歳の母親一人のみですが、その母親も育児放棄気味。あまり人と関わろうとしない性格らしく、友達と呼べるような相手は矢田 優弥という同級生のみです。その他の詳細などはまとめて後日にお渡し致しますが、他に聞きたいことはありますか?』
「…そうだな。矢田 優弥のことも少し調べておいてくれ」
『承知しました。調べがつきましたらまたご連絡致します』
村沢は短く返事をしてから電話を切り、デスクの上に携帯を置いた。
矢田…この間公園にいた奴か。
「使えそうだな」
事を上手く運べそうな予感に村沢は一人ほくそ笑んだ。
⥤ ⥤ ⥤
日が暮れた頃、亮の様子を見に寝室に行くと呑気に寝息を立てていた。
つい先程まで警戒心丸出しだった奴の寝顔だとは思えない。
亮の顔の横に腰掛けると、ベッドが沈んで亮の体が少しこちらに傾く。それでも起きる様子はなかった。
「…呑気なやつ」
髪を撫でると、予想よりも柔らかい手触りに少し驚く。
子供らしくて可愛げがある寝顔も悪くはないが、このままゆっくり寝かせてやるつもりはなかった。
そろそろ教育の時間だ。
ローションを手のひらに出し、体温で温めると亮の後孔に擦り付け、粘ついた指をゆっくりと挿入する。
すると亮は寝ながら小さく声を漏らした。
昨晩散々に犯してやったおかげか、中は柔らかくてすぐに解れた。
そろそろ起きてもらわないと困るので、中指を曲げて前立腺を擦って刺激すると、使い込まれていない竿が苦しそうにピクピクと痙攣した。
「あ…ふっ、……へ、ぁ…?な…っ!?」
薄らと目を開けた亮と視線がぶつかる。
「そんなに俺のベッドは寝心地が良かったか?」
「あっ!ひっ…なにして…っやめろよ…!」
寝起きなせいか抵抗にあまり力が入っていないし、声にもいつもの迫力がない。
素直に指を抜いてやると、亮は分かりやすく安堵の表情を浮かべた。
「最悪……普通寝てる相手のケツに指突っ込むかよ」
亮は息を荒らげ、火照った顔でこちらを睨みつけてくる。最悪だと言いつつも、亮のそこは元気に勃ちあがったままなのだから説得力がない。
「俺が普通じゃないことくらいもう分かってるだろ?」
「はっ、開き直ってんじゃねーよおっさん」
「俺はまだ28だ」
「おっさんだろ」
「まあ確かにお前からしたらおっさんかもな」
「ガキじゃねーよ喧嘩売ってんのか」
少し煽っただけでこの子供はむかっ腹を立てたらしく、不機嫌そうにこちらを睨んでくる。
「そんなことはどうでもいいとして、とりあえず脱げ」
昨日亮が気絶していた間に、とりあえずで着せておいた俺の服を顎で指す。亮が着ていた制服はと言うと、どろどろで着続けられる状態ではなかった為洗濯機で洗って干している。
亮はポカンとした様子で口を半開きにした。
「は…?」
「だから脱げって。今からこれでお前のこと撮ってやるから」
手に持っているカメラを見せると、亮は顔色を悪くした。
「無理に決まってんだろ!?んなこと言われてはいそうですかって素直に脱ぐ馬鹿がどこに居んだよ!」
「お前は今からその馬鹿になんだよ」
「意味わかんねぇ…動画なんてぜってぇ撮られてたまっかよ!!」
予想通りの反応だ。
こいつの性格上、大人しく言うことを聞くとは思っていない。しかし、そんなこいつに言うことを聞かせる方法を俺は知っている。
「嫌ならいい。だが動画を撮られるのを拒むならお前は一生このままだ。首輪も外してやれない」
「……さっき後で外してやるって…」
「素直に言うことを聞けたらの話だ」
亮は忌々しそうに舌を鳴らした。
明らかに苛立っている。
「……そのうち警察が動くに決まってる。一生俺をここに監禁しとくなんて無理だ」
「ああ。そうなったら仕方ない」
「お前…頭おかしいだろ」
亮は若干引き気味に顔を引き攣らせる。
「そうだな。俺は頭がおかしいから捕まりそうになったら、やけになってお前がよさそうに喘いでる所を動画に撮ってネットにばら撒くかもしれない」
亮の顔が段々と曇っていく。
「…お前の友達、確か矢田 優弥って言ったか」
三橋の調べによれば亮の唯一の友人だったはずだ。
「なんで…あいつの名前…」
明らかな焦りと恐怖が見て取れる。
余程矢田という男が大事なのだろう。
一生ここで監禁すると言った時よりも、辱めを受けている姿をばら撒くと脅した時よりも、矢田 優弥の名前を出した時が一番の動揺を見せた。
お熱い友情なこった。
「あいつもお前と一緒にここで犯してやろうか」
「っ!?」
「割と俺好みの見た目だったし、友達がだらし無く作り変えられていくのを見せた後にお前を躾てやるのも楽しそうだ」
本当は矢田という男自身には全く興味はなかったが、わざと恍惚とした表情を作って話した。
すると効果は覿面だったらしく、亮ははち切れんばかりの青筋を立ててこちらに掴みかかろうとしてきた。
「あいつに指一本でも触れたらぶっ殺すぞ!!生まれてきたことすら後悔させて、豚の餌にでもしてやる!!」
首輪がくい込んでいることもお構い無しに、凄まじい形相でこちらに腕を伸ばしてくる。息を荒らげ、酷く逆上している。やはり矢田 優弥はこいつの弱点らしい。
「随分汚い口を利くな。自分の立場がまだ分からないか?」
興奮した犬のように呼吸を乱した亮の髪を鷲掴みにし、後ろに引っ張る。
「この…ゲス野郎、ぜってぇ殺してやる」
「お前が俺を殺すのが先か、俺が矢田を犯すのが先か試してみるか?」
亮の髪から手を離し、ドアノブに手をかける。
「待てよ!!」
「なんだ」
「どこ行く気だ…」
心底不安そうに、若干懇願するような表情でこちらを見てくる。
「決まってるだろ?お前のお友達の所だ。すぐに帰ってくるからいい子に留守番してろ」
「ま…待て…!!待ってくれ!!頼む!!」
「……」
亮が必死に引き留めようとする声を無視して部屋のドアを開けると、
「動画撮るんだろ!!」という亮の半分叫ぶような声が広い部屋の中に響いた。
「嫌なんだろ?俺は人が嫌がることはしたくない」
「お前…散々好き勝手しておいて…!」
「撮って欲しいならそうするが、嫌なら仕方がないから俺は矢田を捕まえてくる」
「くっ…そ、野郎…!」
亮はベッドのシーツを握りしめ、血が滲むほどに唇を噛み締める。
こいつのこういう反応を見る度、俺はこいつを拾ってきて良かったと心底思う。
こんなに痛ぶり甲斐のある奴は他に居ない。
中々言葉を発しようとしない亮に背を向けると、慌てたような、怒鳴るような声が飛んできた。
「撮れよ!!好きにしたらいいだろ!」
これがこいつの精一杯の言葉なのだろう。
これだけでも亮の自尊心が傷つけられているのを感じるが、まだ足りない。自分から頼ませてこそ俺に支配されている事を自覚する。
「俺はお前みたいな可愛げのない奴を撮るよりも矢田に興味がある。お前が撮ってくれと頼むなら別だが」
亮の表情が屈辱によって歪む。
急かすようにまた背を向けようとすると、亮はボソッと呟くようにして何かを口にした。
「聞こえない」
「だ…から………俺の、裸………撮ってくれ……頼む…」
亮は怒りからなのか羞恥からなのか顔を赤く染め、俯いてベッドを睨みつけている。
普段の俺ならまだ物足りないような色気のない台詞なのに、こいつの自尊心が傷ついていく様があまりに楽しくて胸が高鳴った。
こいつにしては上出来だろう。
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