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番外編

番外編4話

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 一緒にお風呂に入るのなんていつぶりだっただろうか?
 秘め事のすぐ後にシルフたちを呼ぶのは照れるものがあったが、ユリウスはそうしなかった。
 私にいったん毛布をかけると、裸のまま浴室に向かい、そして戻ってきて、私を抱き上げた。

 連れてこられたバスタブにはお湯が張られ、浴室は湯気が立っていた。

「ええと、サラマンダーは……?」
「少しくらいなら、魔法は使える」

 そう言われてみれば、そんなことも言っていた。
 そもそも私も魔法は使えるはずだ。
 今のところ、さらわれたあの日以来、使ってはいないのだけれど。

「……まあ、王たるものこの程度の雑事に自分の手を使うものではない……と俺は教育されてきた」
「…………」

 ユリウスの語る、私の知らない、父の教育。

「とはいえ、こんな姿、見られたいものでもないだろう?」

 ユリウスが少し意地の悪い顔をする。

「……そう、ね」

 素直に頷いた私を、ユリウスは椅子へと座らせた。
 お湯をすくい、私に優しくかけ流す。

「ほう……」

 思わずため息が漏れる。
 汗が流れて、冷えた体は温もりに包まれていく。

 そのまま彼はその手に石鹸を取って泡立てた。
 普段はニンフたちがその能力で泡を作ってくれるが、それとは別に石鹸もこの浴室にはある。
 石鹸――存在は知っていたけど、人間界の私にはやはり縁遠いものだった。
 そんな生活はずいぶんと昔のことのはずなのに、それを思い出すと、自分が薄汚れているような気分になってしまう。

 ユリウスは泡のあふれた手を私の体に近付ける。

「……き、汚いわ、私の体……」

 思わず、私はそう言っていた。
 ユリウスはキョトンとしてから、笑った。

「ああ、俺が、汚した」

 どこかいやらしく囁かれ、私の体の奥はキュンと疼いた。

「だから、俺が綺麗にする。いいだろう? ミラベル」
「は、はい……」

 顔が赤くなっていくのは、湯気のせいだけではないだろう。

 ユリウスの手は私の肩を手始めに撫でた。
 いつもの愛撫にヌルリとした感触が加わって、ゾゾッと背中に何かが走った。
 しかし、それは嫌なわけではなくて。
 ああ、むしろ、もっと、もっと……。

 ユリウスの手はそのまま両腕を洗いきると、まっすぐ胸に向かってきた。

「ん……」

 両胸の先をクニっと押し込まれる。
 胸の先は勝手に立っていく。
 ユリウスがふっと息を吹きかけた。

「あ……」

 声とともに、私の下半身から一筋の蜜がとろりと落ちた。
 さっきまでユリウスに愛された身体は、状況も相まって、すっかり興奮しきっていた。

「ユリウス……」

 吐息の混ざった声で彼の名を呼ぶと、彼は我慢できないかのように、私の唇に貪りついた。

 口腔を、彼の舌が犯していく。
 私をそれを受け止むた。

 淫らな水音が、浴室には響いた、
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