『魔王』へ嫁入り~魔王の子供を産むために王妃になりました~【完結】

新月蕾

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第83話 あふれる愛しさ

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「ゆ、ユリウス……こ、こんなところで……昼間から……。ドレスだし……」

「すまない、我慢できない」

 ユリウスのキスは顔中を埋め尽くす。
 胸元は襟が覆い隠しているので見えないが、ユリウスはドレスの上から私をキツく抱きしめてくる。

「ぐ、ぐちゃぐちゃにドレスなっちゃうし……ニンフとシルフや仕立て部屋にバレちゃうし……か、カーミラ嬢だって待たせてるし……」

「ミラベル」

 耳にキスをしながら、そう囁かれる。

「ひゃっ……」

「すまない」

 二度目の謝罪の後に、ユリウスは私の襟元のリボンをほどいた。

「だ、だめよ……」

 そこから襟を広げれば、下着を着けた胸がまろび出る。
 キツい下着が作り出している谷間にユリウスはキスをする。
 そして――。

「んっ」

 噛みつかれた。
 赤い痕がじんわりとにじむ。

 上半身の服が脱がされる。
 ユリウスは下着の周りを執拗に撫でる。

「やあ……」

「ああ、ミラベル……」

 ユリウスの手が不器用に下着のいましめをほどく。
 下着から裸の胸が転げ落ちる。

「ああ……」

 明るい。窓から日の光が差し込んでいる。
 こんなところで裸を見られるのは初めてだ。

「は、恥ずかしいわ……せ、せめてユリウスも脱いで……」

「ああ」

 ユリウスは従順に上半身の服を投げ捨てた。
 その隙に抜け出せないかと身じろぎするが、ユリウスの膝にスカートが踏まれてにっちもさっちもいかない。

 上半身を裸にしたユリウスは抱きついてきた。
 裸のお互いの肌が触れあう。
 あたたかい。落ち着く。この感触が、私は好きなのだ。
 どうしようもなく実感させられる。
 ユリウスとこうしていることは、嫌じゃない。

 ユリウスが裸の胸にかぶりつく。
 両胸が丹念にねぶられる。
 どんどんと頂きが尖っていく。
 乳房を柔らかく揉まれる。

「ミラベル……こんなに感じてる……」

「はい……」

 ユリウスはそのままスカートをめくりあげた。
 中のショーツにまで手が伸びて、引き下ろされる。

「ああ……」

 上半身は裸でドレスの残骸がぶら下がっている。
 下半身はスカートがかかっているけれど、ショーツを脱がされ、心もとない。
 そんな体勢になる。

 ユリウスがスカートの中に潜っていく。

「あ……」

 太ももをもたれて押し広げられる。
 暗いはずのスカートの中でユリウスは正確に、私の蕾に口付けた。

「ひゃあ……」

「ミラベル、もう湿っている」

「だ、だって……」

 わざとらしいキスの音を立てながら、ユリウスが蕾にキスをする度、私の体はビクビクと震える。

「だめ、だめなの、そこ……そこ、なんか……だめなの……」

「じゃあ、こちらだな」

 ユリウスの頭が動く。
 ぬるりと私の中に舌が侵入してくる。

「ひゃあっ……」

 腰が快楽に浮く。
 ユリウスの舌が私の中を舐め尽くさんばかりに蹂躙する。
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