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第73話 優しい眠り
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「ん……」
目を覚ますと、まだ私の中にユリウスがいた。
体勢は足は下ろされていて、真正面から抱き締められている。
「ああ、起きたか、ミラベル」
「……ずっと、こうしてくれてたの?」
ユリウスの背に手を回しながら、私は聞く。
「うん、お前が気をやってしまったからな」
「……出してくれて、よかったのに」
私の中のユリウスは極限にまで膨らんでいる。
いつ精を放ってもおかしくない状態だった。
「気が引けた」
「……私だけ何度も気持ちいい思いをして……なんだか悪いわ」
「その顔を見るのも、楽しいんだ」
そう言って、ユリウスは軽く私に口付けると、そのまま耳元に口をやる。
「……いいかい?」
息を吹きかけながら囁かれると、中がビクンとユリウスを締め付ける。
ユリウスの先からじんわりと何かが溢れてくる。
「はい……」
「動くぞ」
ユリウスはゆっくりと私の上で腰を動かし始める。
まるでゆりかごの中のようなゆらゆらとした安心感に、私はユリウスに身を任せる。
まどろみそうになるくらい緩い刺激の末に、ユリウスは私の中に精を放った。
ゆっくりしっかり、私の中に入ってきた白濁を私は受け止めた。
「……子供、なかなかできないわね」
「まだ一ヶ月ちょっとじゃないか」
「でも先週、月のものが来たから……」
抱き合う体勢をほどいて横に並ぶ。
ユリウスは私の頭を撫でてくれた。
「焦ることないさ……」
「でも、魔族って子供が作りにくいのでしょう? 私、魔族の子を孕めた母の体質より魔王族の父の体質の方が強かったら……あなたの子供……本当に産めるかしら……」
「それじゃあ、俺より子供を作れる人間の男を探すか?」
ユリウスは軽い調子で聞いてきた。
「……まさか!」
「だろう。……ゆっくりでいいさ。ゆっくり進もう、ミラベル」
「……はい。でも、私……あなたの子供がほしい」
「…………っ」
ユリウスが顔を赤らめた。
珍しい気がする。
「子供がすべてじゃないのはわかっているけれど……」
「いや、わかるよ。俺も……俺もそうだ。ほしいよ、子供」
ユリウスは私の肩を強く抱き締めた。
「……先代魔王は俺に優しかったけれど、俺は結局ちゃんとした家族ってものを持たなかったから。君と家族を作れるなら、嬉しい」
「私も……父がいなかったから……それを恨みこそすれ、悲しくはなかったけど……ここでなら……ここでなら幸せに、子供と一緒に生きていけると思うから……」
「うん」
私達は寄り添った。
お互いのほしいものを確かめ合って、私達の心は体と同じくらい近付いた気がした。
「……でも、今日は寝よう。君の顔、やっぱり疲れている」
「……はい」
私は素直にうなずいた。
目を覚ますと、まだ私の中にユリウスがいた。
体勢は足は下ろされていて、真正面から抱き締められている。
「ああ、起きたか、ミラベル」
「……ずっと、こうしてくれてたの?」
ユリウスの背に手を回しながら、私は聞く。
「うん、お前が気をやってしまったからな」
「……出してくれて、よかったのに」
私の中のユリウスは極限にまで膨らんでいる。
いつ精を放ってもおかしくない状態だった。
「気が引けた」
「……私だけ何度も気持ちいい思いをして……なんだか悪いわ」
「その顔を見るのも、楽しいんだ」
そう言って、ユリウスは軽く私に口付けると、そのまま耳元に口をやる。
「……いいかい?」
息を吹きかけながら囁かれると、中がビクンとユリウスを締め付ける。
ユリウスの先からじんわりと何かが溢れてくる。
「はい……」
「動くぞ」
ユリウスはゆっくりと私の上で腰を動かし始める。
まるでゆりかごの中のようなゆらゆらとした安心感に、私はユリウスに身を任せる。
まどろみそうになるくらい緩い刺激の末に、ユリウスは私の中に精を放った。
ゆっくりしっかり、私の中に入ってきた白濁を私は受け止めた。
「……子供、なかなかできないわね」
「まだ一ヶ月ちょっとじゃないか」
「でも先週、月のものが来たから……」
抱き合う体勢をほどいて横に並ぶ。
ユリウスは私の頭を撫でてくれた。
「焦ることないさ……」
「でも、魔族って子供が作りにくいのでしょう? 私、魔族の子を孕めた母の体質より魔王族の父の体質の方が強かったら……あなたの子供……本当に産めるかしら……」
「それじゃあ、俺より子供を作れる人間の男を探すか?」
ユリウスは軽い調子で聞いてきた。
「……まさか!」
「だろう。……ゆっくりでいいさ。ゆっくり進もう、ミラベル」
「……はい。でも、私……あなたの子供がほしい」
「…………っ」
ユリウスが顔を赤らめた。
珍しい気がする。
「子供がすべてじゃないのはわかっているけれど……」
「いや、わかるよ。俺も……俺もそうだ。ほしいよ、子供」
ユリウスは私の肩を強く抱き締めた。
「……先代魔王は俺に優しかったけれど、俺は結局ちゃんとした家族ってものを持たなかったから。君と家族を作れるなら、嬉しい」
「私も……父がいなかったから……それを恨みこそすれ、悲しくはなかったけど……ここでなら……ここでなら幸せに、子供と一緒に生きていけると思うから……」
「うん」
私達は寄り添った。
お互いのほしいものを確かめ合って、私達の心は体と同じくらい近付いた気がした。
「……でも、今日は寝よう。君の顔、やっぱり疲れている」
「……はい」
私は素直にうなずいた。
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