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第5話 オイル
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「ほら、セシリア、オイルだよ」
レイナルドがそう言ったその日、嫁いでから何日が経ったのか、セシリアはもう把握していなかった。
頬はこけ、ただでさえ細身の体はさらにほっそりとしている。
髪をきれいにしたところで他がどうにもならないような惨状だったが、レイナルドは上機嫌にオイルのビンを開けた。
とろりとした液体がレイナルドの細い指に垂れる。
「きれいにしてあげるからね……」
レイナルドが髪に触れてくる。
ぞわりと身の毛がよだつ。
しかし体を震えさせる元気もセシリアにはもうなかった。
ねちょりとオイルが髪に塗られていく。
良い香りが鼻腔をくすぐる。
「……セシリア、このオイルはね、髪に効くだけじゃないんだって」
セシリアの長い髪に指を滑らせながら、レイナルドはそう言った。
「体にも効果があるんだって」
何をするつもりなのか、胸がざわついた。
ナイトドレスから覗く肩にレイナルドが手を這わせる。
「…………っ」
力を失っていたセシリアの喉から思わず音が漏れる。
ねっとりとした感触が体を震わせた。
「気持ちいいかい?」
レイナルドが耳元で囁く。
「…………」
ぞわぞわする。ひたすら嫌悪が湧き上がる。
しかしその嫌悪と共に、体が火照っていくのがわかった。
レイナルドが乱暴に、肩に引っかかっているナイトドレスを引き下ろした。
上半身が露出する。
肩から背中と胸元に、そしてピンク色のふたつの蕾に、レイナルドはオイルを塗りこんだ。
「……っ!」
セシリアが体を反らして反応する。
体の表面をぞわりとする感覚が広がっていく。
「な、なに……?」
「体をほぐす効果があるんだって、体、凝ってるだろう?」
ここに閉じ込められてろくに動くこともないのだ。
それは体も凝っている。
オイルを塗る手はそのまま腹の上を撫で、腰で止まっていたナイトドレスを下着ごと脱がした。
「ま、まって……」
下半身にも手が伸びる。
「駄目だよ、ちゃんとほぐさなくては」
レイナルドの手がセシリアの秘められた蕾を暴きオイルを塗りたくる。
「ひあっ……!」
下半身を貫くような衝撃にセシリアは呻いた。
下半身が疼く。
しかしレイナルドの手はそのままセシリアの太ももに伸びた。
軽く揉み込まれるようにしながらオイルは太もも、ふくらはぎに塗り込まれた。
そして最後にレイナルドの手は下半身に戻ってきた。
セシリアの足の間にオイルまみれの指が突っ込まれる。
「ああっ……」
セシリアは思わずベッドに倒れ込んだ。
中が何かを求めるように収縮をする。
じんじんと刺激を求めて疼く。
セシリアの青ざめた顔に赤みが差す。
レイナルドは満足げに笑うと、自身の下半身をさらけ出した。
「セシリア……」
足の間にレイナルドが入ってくる。
これまでに感じたことのない快楽がセシリアの全身を襲った。
「いやっ……」
それに飲まれそうになるのが怖かった。
それを求めてしまいそうになるのが嫌だった。
しかしレイナルドは拒絶には耳を貸さない。
「いつまでも恥じらうね、君は。貴族の夫婦だもの……子供を求めるのは義務だよ、セシリア」
これが、貴族の夫婦のあり方であるものか。
そう返したくなったが、もう口から言葉は出てこなかった。
「ああっ……ああっ!!」
快楽に身を委ねたはしたない声が、ひたすら口から出てくる。
その声はかすれている。
「……喉も痛めているね、セシリア。今度はハチミツでも持ってきてあげよう」
痛ましいものを見るようにレイナルドがセシリアを見下ろす。
「愛している。愛しているよ、セシリア……だから、罪をいっしょに……」
自分に、一体、何の罪があるというのだろう。
セシリアは渦巻き続ける疑問を脳裏に浮かべたまま、レイナルドの欲望を受け止めた。
レイナルドがそう言ったその日、嫁いでから何日が経ったのか、セシリアはもう把握していなかった。
頬はこけ、ただでさえ細身の体はさらにほっそりとしている。
髪をきれいにしたところで他がどうにもならないような惨状だったが、レイナルドは上機嫌にオイルのビンを開けた。
とろりとした液体がレイナルドの細い指に垂れる。
「きれいにしてあげるからね……」
レイナルドが髪に触れてくる。
ぞわりと身の毛がよだつ。
しかし体を震えさせる元気もセシリアにはもうなかった。
ねちょりとオイルが髪に塗られていく。
良い香りが鼻腔をくすぐる。
「……セシリア、このオイルはね、髪に効くだけじゃないんだって」
セシリアの長い髪に指を滑らせながら、レイナルドはそう言った。
「体にも効果があるんだって」
何をするつもりなのか、胸がざわついた。
ナイトドレスから覗く肩にレイナルドが手を這わせる。
「…………っ」
力を失っていたセシリアの喉から思わず音が漏れる。
ねっとりとした感触が体を震わせた。
「気持ちいいかい?」
レイナルドが耳元で囁く。
「…………」
ぞわぞわする。ひたすら嫌悪が湧き上がる。
しかしその嫌悪と共に、体が火照っていくのがわかった。
レイナルドが乱暴に、肩に引っかかっているナイトドレスを引き下ろした。
上半身が露出する。
肩から背中と胸元に、そしてピンク色のふたつの蕾に、レイナルドはオイルを塗りこんだ。
「……っ!」
セシリアが体を反らして反応する。
体の表面をぞわりとする感覚が広がっていく。
「な、なに……?」
「体をほぐす効果があるんだって、体、凝ってるだろう?」
ここに閉じ込められてろくに動くこともないのだ。
それは体も凝っている。
オイルを塗る手はそのまま腹の上を撫で、腰で止まっていたナイトドレスを下着ごと脱がした。
「ま、まって……」
下半身にも手が伸びる。
「駄目だよ、ちゃんとほぐさなくては」
レイナルドの手がセシリアの秘められた蕾を暴きオイルを塗りたくる。
「ひあっ……!」
下半身を貫くような衝撃にセシリアは呻いた。
下半身が疼く。
しかしレイナルドの手はそのままセシリアの太ももに伸びた。
軽く揉み込まれるようにしながらオイルは太もも、ふくらはぎに塗り込まれた。
そして最後にレイナルドの手は下半身に戻ってきた。
セシリアの足の間にオイルまみれの指が突っ込まれる。
「ああっ……」
セシリアは思わずベッドに倒れ込んだ。
中が何かを求めるように収縮をする。
じんじんと刺激を求めて疼く。
セシリアの青ざめた顔に赤みが差す。
レイナルドは満足げに笑うと、自身の下半身をさらけ出した。
「セシリア……」
足の間にレイナルドが入ってくる。
これまでに感じたことのない快楽がセシリアの全身を襲った。
「いやっ……」
それに飲まれそうになるのが怖かった。
それを求めてしまいそうになるのが嫌だった。
しかしレイナルドは拒絶には耳を貸さない。
「いつまでも恥じらうね、君は。貴族の夫婦だもの……子供を求めるのは義務だよ、セシリア」
これが、貴族の夫婦のあり方であるものか。
そう返したくなったが、もう口から言葉は出てこなかった。
「ああっ……ああっ!!」
快楽に身を委ねたはしたない声が、ひたすら口から出てくる。
その声はかすれている。
「……喉も痛めているね、セシリア。今度はハチミツでも持ってきてあげよう」
痛ましいものを見るようにレイナルドがセシリアを見下ろす。
「愛している。愛しているよ、セシリア……だから、罪をいっしょに……」
自分に、一体、何の罪があるというのだろう。
セシリアは渦巻き続ける疑問を脳裏に浮かべたまま、レイナルドの欲望を受け止めた。
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