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第5話 安堵と
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次の朝、起きたときにはティー連は全裸で寝ていた。
彼のそこをニカはペロペロと舐めていた。
まだ動きはぎこちなかった。
ティーレンが起きたのを確認すると、ニカは待ちわびるように足を開いた。
ティーレンはしかし、それに乗らなかった。
「ニカ、今日はニカの体を検査したいんだ」
「犯してからじゃ、だめ?」
物欲しそうなニカの上目遣いはティーレンを煽ったが、ティーレンは自制した。
「大事なことなんだ」
「分かった。はい」
ニカは手を広げた。
ティーレンは彼女に抱きついた。
「愛してる、ニカ」
ティーレンはそう言って、服を着た。
ニカも腰布を巻き、ティーレンに上を着せてもらった。
ニカの上半身はすっかり見慣れてしまった。
それでも外に出るとき、ティーレンはニカに服を着せた。
ティーレンはニカを探査船へと導いた。
ニカを探査船へと入れるのは初めてだった。
キョロキョロと物珍しそうにニカは探査船の内部を眺めた。
ポッド型健康維持装置にニカを入れた。
装置では妊娠の検査や感染病の検査ができる。
蓋を完全に閉めるとき、ニカは不安そうにティーレンを見つめていた。
「……大丈夫だから」
ティーレンはそう囁いた。
結果は特に問題はなかった。
ティーレンはほっとすると同時に、今後のことを考え始めていた。
探査船の修復は九十五%が完了していた。
地球時間にして一週間もすれば、帰れるようになる。
「……ニカ」
「なあに、ティーレン」
探査船の機械を眺めながら、ニカは可愛らしく小首をかしげた。
彼女の原始的な服装に探査船の中はあまりにも似合っていなかった。
「俺が帰ると言ったら、君は着いてきてくれるか?」
「…………」
ニカは視線を落とした。
愁いを帯びた彼女の顔をティーレンは初めて見た。
「私はティーレンと一緒にいたい」
「そうか」
「……でも、ここを離れるのは……遠くに行くのは……」
ニカは迷っていた。
「もう少し時間はあるから、考えておいてくれ」
「うん……」
ニカは不安そうにティーレンを見つめた。その瞳をティーレンは受け止めた。
ふたりはそのまま神殿に戻った。
その日結局、ふたりは『犯す』をしなかった。
ニカは不思議そうにしていた。
ティーレンは黙り込んでいた。
その数日後は朝から雨だった。
外に出る気にもなれず、ムラの女達が持ってきてくれた食事を摂った。
ニカには毎日ムラの女達が食事をティーレンの分も運んでいた。
ティーレンはその食事を固辞し、持ってきていた食料を口にしていた。
「……ティーレン、食べない?」
ニカが熟れた果実をひとつ差し出してきた。
ティーレンは初めてのことに戸惑った。
ニカには最初に説明していた。
この地球の食事はティーレンの体には合わないかもしれない。
だから、同じ食事は摂らないし、逆もまたそうだと。
しかし、今日ニカはティーレンに自分の分の果実を差し出してきた。
ティーレンにはひとつの予感があった。
「……ニカ、もし俺が帰らず、ここにいると言ったら、どうする?」
ニカの顔が一瞬、光り輝いた。
それを見て、ティーレンの顔は翳った。
「……ティーレン、私のこと、試した?」
ニカはすぐにそれを悟った。
「……ごめん」
「そう」
ニカは物憂げに差し出していた果実をかじった。
食事を終えて、ティーレンは言わなければいけないことを口にした。
「……ニカ、俺はここに残ることはできないよ。それはできないんだ。ニカと別れるか、ニカが一緒に来てくれるか、どちらかだ。俺には金がかかっているんだ。それを投げ出して帰れるのに、帰らないなんてことは許されない」
「…………ティーレンのバカ」
ニカはそう言うと雨の中を駆け出していった。
「ニカ!」
ティーレンは神殿の外に出た。
すでにニカの姿は見えなかった。
「……ニカ」
ムラのことはニカが何倍も詳しい。
闇雲に探しても見つけられたりはしない。
それでもティーレンは走り出していた。
彼のそこをニカはペロペロと舐めていた。
まだ動きはぎこちなかった。
ティーレンが起きたのを確認すると、ニカは待ちわびるように足を開いた。
ティーレンはしかし、それに乗らなかった。
「ニカ、今日はニカの体を検査したいんだ」
「犯してからじゃ、だめ?」
物欲しそうなニカの上目遣いはティーレンを煽ったが、ティーレンは自制した。
「大事なことなんだ」
「分かった。はい」
ニカは手を広げた。
ティーレンは彼女に抱きついた。
「愛してる、ニカ」
ティーレンはそう言って、服を着た。
ニカも腰布を巻き、ティーレンに上を着せてもらった。
ニカの上半身はすっかり見慣れてしまった。
それでも外に出るとき、ティーレンはニカに服を着せた。
ティーレンはニカを探査船へと導いた。
ニカを探査船へと入れるのは初めてだった。
キョロキョロと物珍しそうにニカは探査船の内部を眺めた。
ポッド型健康維持装置にニカを入れた。
装置では妊娠の検査や感染病の検査ができる。
蓋を完全に閉めるとき、ニカは不安そうにティーレンを見つめていた。
「……大丈夫だから」
ティーレンはそう囁いた。
結果は特に問題はなかった。
ティーレンはほっとすると同時に、今後のことを考え始めていた。
探査船の修復は九十五%が完了していた。
地球時間にして一週間もすれば、帰れるようになる。
「……ニカ」
「なあに、ティーレン」
探査船の機械を眺めながら、ニカは可愛らしく小首をかしげた。
彼女の原始的な服装に探査船の中はあまりにも似合っていなかった。
「俺が帰ると言ったら、君は着いてきてくれるか?」
「…………」
ニカは視線を落とした。
愁いを帯びた彼女の顔をティーレンは初めて見た。
「私はティーレンと一緒にいたい」
「そうか」
「……でも、ここを離れるのは……遠くに行くのは……」
ニカは迷っていた。
「もう少し時間はあるから、考えておいてくれ」
「うん……」
ニカは不安そうにティーレンを見つめた。その瞳をティーレンは受け止めた。
ふたりはそのまま神殿に戻った。
その日結局、ふたりは『犯す』をしなかった。
ニカは不思議そうにしていた。
ティーレンは黙り込んでいた。
その数日後は朝から雨だった。
外に出る気にもなれず、ムラの女達が持ってきてくれた食事を摂った。
ニカには毎日ムラの女達が食事をティーレンの分も運んでいた。
ティーレンはその食事を固辞し、持ってきていた食料を口にしていた。
「……ティーレン、食べない?」
ニカが熟れた果実をひとつ差し出してきた。
ティーレンは初めてのことに戸惑った。
ニカには最初に説明していた。
この地球の食事はティーレンの体には合わないかもしれない。
だから、同じ食事は摂らないし、逆もまたそうだと。
しかし、今日ニカはティーレンに自分の分の果実を差し出してきた。
ティーレンにはひとつの予感があった。
「……ニカ、もし俺が帰らず、ここにいると言ったら、どうする?」
ニカの顔が一瞬、光り輝いた。
それを見て、ティーレンの顔は翳った。
「……ティーレン、私のこと、試した?」
ニカはすぐにそれを悟った。
「……ごめん」
「そう」
ニカは物憂げに差し出していた果実をかじった。
食事を終えて、ティーレンは言わなければいけないことを口にした。
「……ニカ、俺はここに残ることはできないよ。それはできないんだ。ニカと別れるか、ニカが一緒に来てくれるか、どちらかだ。俺には金がかかっているんだ。それを投げ出して帰れるのに、帰らないなんてことは許されない」
「…………ティーレンのバカ」
ニカはそう言うと雨の中を駆け出していった。
「ニカ!」
ティーレンは神殿の外に出た。
すでにニカの姿は見えなかった。
「……ニカ」
ムラのことはニカが何倍も詳しい。
闇雲に探しても見つけられたりはしない。
それでもティーレンは走り出していた。
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