上 下
33 / 45

第33話 激しく愛しく

しおりを挟む
 ランドルフの手がベアトリクスの頬を撫でた。
 ベアトリクスは目を伏せた。
 その唇にランドルフは口づけた。

 ランドルフの唇がベアトリクスの口内を舐める。

「んん……!」

 歯茎を、頬の内側を、舌を、撫でるランドルフにベアトリクスは答えて、舌を伸ばす。

 舌が絡み合う。

 口が離れればヨダレが糸を引き、ランドルフは急いでそれを手の甲で拭った。

 ランドルフは服を脱ぎ、ベアトリクスも寝間着を脱ぐ。
 ここ最近はベアトリクスも自分で寝間着くらいなら脱げるようになりつつあった。

「ねえ、私、上手くなったと思わない?」
「そうですね」

 照れ笑いをしてランドルフはベアトリクスの裸体を見つめる。
 美しいその裸体は何度見ても見慣れなかった。

「ああ……この体を自分の腕にかき抱くことができるなんて……」

 ランドルフはベアトリクスに抱きついた。

「……汗をかいてる? ランドルフ」
「す、すみません、不快でしたか?」
「いえ、いいの。もう暑くなってきたものね……」

 ベアトリクスはランドルフを抱きしめ返しながらそう返す。

「ねえ、ランドルフ、今日は私ががんばってみたいの!」
「はい?」

 ランドルフは戸惑った。

「さあさ、寝転がって!」
「は、はい……」

 ランドルフは言われるがままに、ベッドに仰向けに横たわった。
 この国で一二を争う寝心地の良さを誇るベッドに体を預けながらも、ランドルフの体はちっともくつろげなかった。

 ベアトリクスがランドルフの腹の上に恐る恐る跨がる。

「ああ……すごい眺めです、ベアトリクス……」

 ランドルフは手を伸ばし、ベアトリクスの胸に触れた。

「んっ……」

 ベアトリクスは跳ねた。
 ランドルフの腹をベアトリクスの愛液が濡らした。

「あ、ご、ごめんなさい……」
「もう汗で濡れているんだ。そう変わりはしませんよ」

 そう言われてもベアトリクスは恥じらった。
 彼女は手をランドルフの胸板に置いた。
 尻をじりじりと後ろに下げれば、硬くなったランドルフに当たった。

「い、いきますね?」
「うん」

 腰を浮かす。
 肉棒に手で触れて固定する。

「ふう……」

 息を吐いて、彼女は腰を下ろした。

「んんっ!」

 肉棒が膣口をかき分け、彼女の中に侵入する。
 ベアトリクスの自重で奥へ奥へと深く入っていく。

「んんー!」

 ベアトリクスの顔が赤い。
 その痴態にランドルフは溜まらず自分から突き上げた。

「きゃあっ!」

 最奥が突かれて背をのけぞらせる。

「あ、ああ……」

 生理的な涙がベアトリクスの頬を伝う。

「ら、ランドルフ、やだっ! ああっ!」

 ランドルフの腰は止まらない。
 己の上で跳ね飛ぶ白い体、その暴れ動く双丘が彼の劣情を煽った。

「すみません! ああ、我慢できない!」
「ランドルフっ! やんっ! 馬鹿ぁ……!」

 ベアトリクスの体がビクンと跳ねて、彼女は絶頂に達した。



「もう……!」

 怒りにまかせてベアトリクスはランドルフの腹を叩く。
 よく鍛えられた腹筋に衝撃は柔らかく吸収されていく。

「私ががんばるって言ったじゃない!」
「すみません……我慢の利かない男で……」
「罰です。私が良いと言うまで吐精を禁じます」
「い、いや、禁止されて我慢できるようなものでは……」
「問答無用です」

 ベアトリクスは体を動かし出した。
 ゆっくりと前後に体を揺する。
 ベアトリクスの中でランドルフの肉棒が動く。
 水音がかすかにする。

「……うう」

 視覚と肉体への刺激にランドルフは頬を紅潮させる。

「べ、ベアトリクス……」
「どう? どう?」
「い、いいです……とてもいい……いいけど……こ、これは……」
「これは? これは何?」
「気持ちよすぎて……とても……とても……我慢が……」
「うふふ」

 ベアトリクスは喜びに顔を歪めた。

「嬉しい。でも、我慢してもらいます。まだまだこれからです」
「うう……」

 ベアトリクスは腰を浮かせた。
 ズルズルと膣の中からランドルフの肉棒が出ていき、そしてまた腰を下ろす。

「うふふ……」

 上下に動きながらベアトリクスは快楽にのけぞり、上を向いた。
 双丘が見せつけられるように突き出る。

「はあ……はあ……」

 ランドルフの肉棒はピクピクと動く。
 必死に我慢しているのが、分かり、ベアトリクスは愉悦に体を揺らした。

「あっ……」
「気持ちいい? 気持ちいい?」
「は、はい……」

 ベアトリクスは腰を浮かせるとき、ランドルフの肉棒の引っかかりを締め付けることを覚えた。
 そうする度に、ランドルフの先から我慢しきれない汁が漏れる。
 それがベアトリクスの中を犯すと、ベアトリクスは歓喜に震えた。

「ランドルフ……」
「ご、ごめんなさい」
「すごくいい……」

 ベアトリクスは恍惚の顔をランドルフに向けた。

「べ、ベアトリクス……」
「いいわ、いつでも、いいわ」

 そう言って、激しくベアトリクスは腰を上下に動かし出した。

「はあ……ああん……はあ……」
「うっ……ぐっ……出るっ……!」

 どくんと脈打ち、ベアトリクスの中にランドルフの精は注がれた。

 ベアトリクスは腰を下ろし、ランドルフの太ももに腰掛けた。

「はあ……」

 体力の限界に到達し、ベアトリクスはランドルフにもたれかかった。
 ランドルフはその体を抱きしめた。

 ランドルフの大きな体にベアトリクスはすっぽりと収まった。

「……大好き」
「はい、俺も、愛している」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

それぞれのその後

京佳
恋愛
婚約者の裏切りから始まるそれぞれのその後のお話し。 ざまぁ ゆるゆる設定

絶対に間違えないから

mahiro
恋愛
あれは事故だった。 けれど、その場には彼女と仲の悪かった私がおり、日頃の行いの悪さのせいで彼女を階段から突き落とした犯人は私だと誰もが思ったーーー私の初恋であった貴方さえも。 だから、貴方は彼女を失うことになった私を許さず、私を死へ追いやった………はずだった。 何故か私はあのときの記憶を持ったまま6歳の頃の私に戻ってきたのだ。 どうして戻ってこれたのか分からないが、このチャンスを逃すわけにはいかない。 私はもう彼らとは出会わず、日頃の行いの悪さを見直し、平穏な生活を目指す!そう決めたはずなのに...……。

黒の神官と夜のお世話役

苺野 あん
恋愛
辺境の神殿で雑用係として慎ましく暮らしていたアンジェリアは、王都からやって来る上級神官の夜のお世話役に任命されてしまう。それも黒の神官という異名を持ち、様々な悪い噂に包まれた恐ろしい相手だ。ところが実際に現れたのは、アンジェリアの想像とは違っていて……。※完結しました

淫らな蜜に狂わされ

歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。 全体的に性的表現・性行為あり。 他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。 全3話完結済みです。

【完結】お飾りの妻からの挑戦状

おのまとぺ
恋愛
公爵家から王家へと嫁いできたデイジー・シャトワーズ。待ちに待った旦那様との顔合わせ、王太子セオドア・ハミルトンが放った言葉に立ち会った使用人たちの顔は強張った。 「君はお飾りの妻だ。装飾品として慎ましく生きろ」 しかし、当のデイジーは不躾な挨拶を笑顔で受け止める。二人のドタバタ生活は心配する周囲を巻き込んで、やがて誰も予想しなかった展開へ…… ◇表紙はノーコピーライトガール様より拝借しています ◇全18話で完結予定

悪役断罪?そもそも何かしましたか?

SHIN
恋愛
明日から王城に最終王妃教育のために登城する、懇談会パーティーに参加中の私の目の前では多人数の男性に囲まれてちやほやされている少女がいた。 男性はたしか婚約者がいたり妻がいたりするのだけど、良いのかしら。 あら、あそこに居ますのは第二王子では、ないですか。 えっ、婚約破棄?別に構いませんが、怒られますよ。 勘違い王子と企み少女に巻き込まれたある少女の話し。

不貞の末路《完結》

アーエル
恋愛
不思議です 公爵家で婚約者がいる男に侍る女たち 公爵家だったら不貞にならないとお思いですか?

処理中です...