上 下
21 / 45

第21話 浴場でのリベンジ

しおりを挟む
 ベアトリクスとランドルフが結ばれてから1週間が経った。
 その間にも、ふたりは毎日にように逢瀬を重ねていた。

 いつも通りの朝、ベアトリクスはまだ眠っている。
 サラがランドルフの顔を覗き込んで呟いた。

「……お疲れですね?」
「あはは……」

 ベアトリクスになすべき仕事はほとんどない。
 しかしランドルフにはある。
 仕事と逢瀬に忙殺され、さすがのランドルフも体力を消耗していた。

 ランドルフは裸のまま、ベアトリクスのベッドにいた。
 下半身はさすがにシーツで隠していたが、いい加減サラに裸を見られるのにも慣れていた。

「……サラさんはいつも俺たちの……ええと行為の間に隣室にいらっしゃるんですよね?」
「はい。いつあなたが豹変して姫様に乱暴を働いても良いように」
「……あの声とか音とかお聞きになっている……」
「行為そのものも覗き穴から覗いております」
「…………そうですか」
「姫様も承知のことです。あなたに拒否権はございません。前にも申し上げましたが、王族の褥とはそういうものです。お慣れください」
「はい……」

 そうこう話をしていると、ベアトリクスが寝返りを打った。

「ん……おはよう、サラ、ランドルフ殿」
「おはようございます」
「おはようございます」

 最初の頃こそ、目覚めたときランドルフがいることに恥じらいを見せていたベアトリクスも、今では裸で目覚めてランドルフと向き合うことに慣れていた。
 そのままランドルフに抱きついた。

「ランドルフ殿、今日のご予定は?」

 ランドルフはベアトリクスを抱き返しながら答えた。

「で、殿下が午前中のご講義ですので、午後には剣の稽古を……」
「久しぶりに見学に行ってもよろしいかしら? いい加減、体も慣れてきて、動けるようになってきたわ!」
「そ、それは何よりで……」

「姫様」

 サラが口を挟んだ。

「なあに?」
「浴場に行かれてはいかがでしょう。そろそろ汗をかく季節。姫様もずいぶんと汗をかかれておいでです」
「あら本当……ランドルフ殿、汗臭い?」
「いえ、とても、ええと、かぐわしい匂いです」
「本当?」

 嬉しそうに笑いながらベアトリクスはサラに服を着せてもらう。
 ランドルフはベッドから降りて、自分の服を着た。
 最近では彼は騎士の制服ではなく、シャツにズボンだけの崩したかっこうでベアトリクスの寝室を訪ねるようになっていた。

「ランドルフ殿! いっしょにお風呂に入りましょう! 初めて会ったとき以来ですね!」
「え、ええ……」

 ランドルフは戸惑ったが、その誘惑には抗えなかった。
 ベアトリクスはサラとランドルフを引き連れて、浴場へ向かった。



 サラはいつも通り、浴場のドアの外で、二人を待った。

 ランドルフはベアトリクスの衣服を脱がしてやった。

 二人で洗い場に入る。

「ああ、懐かしいわ……湯船に浸かっていたら、ランドルフ殿がいらした日のことが……」
「あはは……その節は本当に失礼いたしました……」
「本当! 女の誘いを断るだなんて失礼だわ! リベンジいたします!」
「は?」

 ベアトリクスは言うが早いが、お湯を被ると、ランドルフに抱きついた。

「おっと」

 ランドルフは濡れた床になんとか踏ん張り、ベアトリクスを受け止めた。

「あ、あのー姫様……」
「ランドルフ様……」

 しばしベアトリクスはランドルフの胸板の柔らかな筋肉を頬で堪能していたが、顔を上げた。

「キス、してくださる?」
「はい」

 ランドルフは従順に答えた。
 ベアトリクスとしばし口づけをする。

 ベアトリクスはその隙にランドルフの垂れ下がった股間の肉棒を足で挟み込んだ。

「ぐう……」

 ランドルフは気持ちよさそうな声を上げる。
 ベアトリクスは太ももで肉棒を揉んだ。
 次第に肉棒は熱を帯び、硬くなっていく。
 ベアトリクスの股間も湿りだし。肉棒との間に水音を奏で始めた。

「ああ、懐かしい……あの時、拒絶された悲しみ……忘れてませんからね」
「は、はい……うっ……」

 肉棒が立ち上がった。

「さあさ、ランドルフ様、そんな手をばんざいだなんてしないで、お触りになって」
「は、はい……」

 ランドルフはベアトリクスの腰に手を回し、尻を掴んだ。
 尻を揉みしだく。
 時折その指先が水音を出すベアトリクスの秘所に触れる。
 その度にベアトリクスの体はビクンと跳ねる。

「ふう……そろそろかしら……」
「そう……ですね……」

 ランドルフの肉棒はすっかり立ち上がっていた。

 あの時、初めて出会ったときは最後までできなかった。
 今はもう肌を何度も重ねた二人なのだ。
 何も恐れることなどない。

 ランドルフがベアトリクスを抱き上げた。
 股間の肉棒にベアトリクスの秘所を添える。

「ん……」

 ベアトリクスは体をこわばらせて、ランドルフの背に腕を回した。
 ベアトリクスの体の重みで彼女はランドルフに近付いていく。
 ぐいぐいとベアトリクスの中をランドルフが押し進んでいく。

「うっ……!」

 奥深くまで、入った。

「ランドルフ様、重くはない?」
「大丈夫です。軽すぎるくらいです……」
「よかった」

 ベアトリクスはランドルフに体重を預けた。
 ランドルフはベアトリクスの腰に手を回す。

「動きます」

 ランドルフは宣言すると同時に腰を動かし出した。

「ん……!」

 腰をつかまれ、ゆっくりとランドルフの剛直を膣の中に出し挿れされる。
 ベアトリクスは不安定な体勢のことも忘れて、無我夢中になった。
 ぎゅうぎゅうと自分の体をランドルフに押しつける。

「ランドルフ! ランドルフ!」
「くっ……!」

 ランドルフはベアトリクスを取り落とさないように必死に抱え込む。
 必死に、落とさないように、離れないように、

 ベアトリクスの細い体がランドルフの分厚い体にしがみつく。

「ベアトリクス様……」
「ああ、ランドルフ……こんな時間が……ずっと永遠だったら良いのに……」

 ベアトリクスはそう呟いた。

「はい……ずっと……何があっても……離さない……」

 ランドルフの剛直は膨張しきっていた。

「姫様、出します」
「ええ、来て」

 ランドルフはぐっとベアトリクスの腰を己に押しつける。
 ベアトリクスの腕に力がこもる。

 どくんと剛直が脈打ち、ベアトリクスの中に白い精が注がれた。

 しばらくの間、ふたりは抱きあった姿勢のまま、動かずにいた。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

王女、騎士と結婚させられイかされまくる

ぺこ
恋愛
髪の色と出自から差別されてきた騎士さまにベタ惚れされて愛されまくる王女のお話。 性描写激しめですが、甘々の溺愛です。 ※原文(♡乱舞淫語まみれバージョン)はpixivの方で見られます。

完結 R18 媚薬を飲んだ好きな人に名前も告げずに性的に介抱して処女を捧げて逃げたら、権力使って見つけられ甘やかされて迫ってくる

シェルビビ
恋愛
 ランキング32位ありがとうございます!!!  遠くから王国騎士団を見ていた平民サラは、第3騎士団のユリウス・バルナムに伯爵令息に惚れていた。平民が騎士団に近づくことも近づく機会もないので話したことがない。  ある日帰り道で倒れているユリウスを助けたサラは、ユリウスを彼の屋敷に連れて行くと自室に連れて行かれてセックスをする。  ユリウスが目覚める前に使用人に事情を話して、屋敷の裏口から出て行ってなかったことに彼女はした。  この日で全てが終わるはずなのだが、ユリウスの様子が何故かおかしい。 「やっと見つけた、俺の女神」  隠れながら生活しているのに何故か見つかって迫られる。  サラはどうやらユリウスを幸福にしているらしい

クソつよ性欲隠して結婚したら草食系旦那が巨根で絶倫だった

山吹花月
恋愛
『穢れを知らぬ清廉な乙女』と『王子系聖人君子』 色欲とは無縁と思われている夫婦は互いに欲望を隠していた。 ◇ムーンライトノベルズ様へも掲載しております。

大嫌いな次期騎士団長に嫁いだら、激しすぎる初夜が待っていました

扇 レンナ
恋愛
旧題:宿敵だと思っていた男に溺愛されて、毎日のように求められているんですが!? *こちらは【明石 唯加】名義のアカウントで掲載していたものです。書籍化にあたり、こちらに転載しております。また、こちらのアカウントに転載することに関しては担当編集さまから許可をいただいておりますので、問題ありません。 ―― ウィテカー王国の西の辺境を守る二つの伯爵家、コナハン家とフォレスター家は長年に渡りいがみ合ってきた。 そんな現状に焦りを抱いた王家は、二つの伯爵家に和解を求め、王命での結婚を命じる。 その結果、フォレスター伯爵家の長女メアリーはコナハン伯爵家に嫁入りすることが決まった。 結婚相手はコナハン家の長男シリル。クールに見える外見と辺境騎士団の次期団長という肩書きから女性人気がとても高い男性。 が、メアリーはそんなシリルが実は大嫌い。 彼はクールなのではなく、大層傲慢なだけ。それを知っているからだ。 しかし、王命には逆らえない。そのため、メアリーは渋々シリルの元に嫁ぐことに。 どうせ愛し愛されるような素敵な関係にはなれるわけがない。 そう考えるメアリーを他所に、シリルは初夜からメアリーを強く求めてくる。 ――もしかして、これは嫌がらせ? メアリーはシリルの態度をそう受け取り、頑なに彼を拒絶しようとするが――……。 「誰がお前に嫌がらせなんかするかよ」 どうやら、彼には全く別の思惑があるらしく……? *WEB版表紙イラストはみどりのバクさまに有償にて描いていただいたものです。転載等は禁止です。

悪役令嬢は王太子の妻~毎日溺愛と狂愛の狭間で~

一ノ瀬 彩音
恋愛
悪役令嬢は王太子の妻になると毎日溺愛と狂愛を捧げられ、 快楽漬けの日々を過ごすことになる! そしてその快感が忘れられなくなった彼女は自ら夫を求めるようになり……!? ※この物語はフィクションです。 R18作品ですので性描写など苦手なお方や未成年のお方はご遠慮下さい。

【R18】助けてもらった虎獣人にマーキングされちゃう話

象の居る
恋愛
異世界転移したとたん、魔獣に狙われたユキを助けてくれたムキムキ虎獣人のアラン。襲われた恐怖でアランに縋り、家においてもらったあともズルズル関係している。このまま一緒にいたいけどアランはどう思ってる? セフレなのか悩みつつも関係が壊れるのが怖くて聞けない。飽きられたときのために一人暮らしの住宅事情を調べてたらアランの様子がおかしくなって……。 ベッドの上ではちょっと意地悪なのに肝心なとこはヘタレな虎獣人と、普段はハッキリ言うのに怖がりな人間がお互いの気持ちを確かめ合って結ばれる話です。 ムーンライトノベルズさんにも掲載しています。

義兄様に弄ばれる私は溺愛され、その愛に堕ちる

一ノ瀬 彩音
恋愛
国王である義兄様に弄ばれる悪役令嬢の私は彼に溺れていく。 そして彼から与えられる快楽と愛情で心も身体も満たされていく……。 ※この物語はフィクションです。 R18作品ですので性描写など苦手なお方や未成年のお方はご遠慮下さい。

【R18】騎士たちの監視対象になりました

ぴぃ
恋愛
異世界トリップしたヒロインが騎士や執事や貴族に愛されるお話。 *R18は告知無しです。 *複数プレイ有り。 *逆ハー *倫理感緩めです。 *作者の都合の良いように作っています。

処理中です...