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第8話
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「あっ……ああっ……」
「いいですよ……休んで……俺が動きます……」
「うう……もう、もう限界なの……」
浴場の湯気で汗まみれのベタベタになりながらラウラとルドルフは絡み合う。
ラウラはぐったりとルドルフに身を任せ、ルドルフはそれを強く抱き締める。
ぬるぬると体が滑り合う。
「ルドルフ、ルドルフ、おねがい……」
「ああ、出しますよ、ラウラ……」
ルドルフがラウラの中で精を放つ。
ラウラの奥深くへとそれは放たれた。
ラウラは果て、ルドルフは彼女の体を優しく抱きとめた。
ラウラが目を覚ませば寝室に寝かされていた。
拘束はもうされなくなっていた。
ラウラに逃げる気力はなかった。
排泄と入浴のときにラウラは時たま義両親とすれ違うことがあった。
義両親はラウラと目を合わせようとはしなかった。
食事や着替えを運びに使用人たちと出会うこともあったが、やはり彼女たちはラウラを見ようとはしなかった。
長らく住んでいたはずの屋敷が、ラウラにはよその屋敷のように思えた。
鳥籠の中の鳥、ラウラの姿はまさにそれであった。
そしてある日とうとうラウラの月のものが止まった。
毎日のように繰り返された行為。果たしていつのものが原因だったかは分からない。
それでもルドルフの精によるものであることは確かだった。
「おめでとう、ラウラ」
ルドルフは微笑んだ。
この子が女の子なら自分は解放されるのだろうか。
ラウラは一瞬光明を抱き、そして次の瞬間あることに気付き絶望した。
自分の子供が娘なら、いずれ自分と同じ目に遭うのだろうか?
その事実にようやくラウラは気付いた。
ラウラとて義理とは言え貴族の娘として育てられた女だ。
望まぬ相手との婚姻も、その先の行為も、覚悟はできていた。
しかし実際に体験してみたそれは覚悟の上を行った。
望まぬ行為。無理矢理の行為。それなのに抗えぬ快楽。
そんなものを孕んだ娘にも味わわせるのか?
ラウラは顔も知らぬ母を思った。
この境遇になってから何度かラウラは母が自分を助けてくれる想像をした。
女王である母。ラウラを守るためにラウラを遠ざけた母。そして淫蕩と呼ばれる母。
母はどう折り合いをつけたのだろう。ラウラを孕むことに。
最初から淫らな母は気にしなかったのだろうか?
それとも次第に淫らでなければいられなかったのだろうか? 今のラウラのように。
「しばらくはおあずけですね」
ルドルフが少し名残惜しそうに言って、ラウラの腹を撫でた。
今までの愛撫とは違う。優しい手だった。
それでもラウラからルドルフへの気持ち、無理矢理に純潔を奪われた忌避感は変わらなかった。
「いいですよ……休んで……俺が動きます……」
「うう……もう、もう限界なの……」
浴場の湯気で汗まみれのベタベタになりながらラウラとルドルフは絡み合う。
ラウラはぐったりとルドルフに身を任せ、ルドルフはそれを強く抱き締める。
ぬるぬると体が滑り合う。
「ルドルフ、ルドルフ、おねがい……」
「ああ、出しますよ、ラウラ……」
ルドルフがラウラの中で精を放つ。
ラウラの奥深くへとそれは放たれた。
ラウラは果て、ルドルフは彼女の体を優しく抱きとめた。
ラウラが目を覚ませば寝室に寝かされていた。
拘束はもうされなくなっていた。
ラウラに逃げる気力はなかった。
排泄と入浴のときにラウラは時たま義両親とすれ違うことがあった。
義両親はラウラと目を合わせようとはしなかった。
食事や着替えを運びに使用人たちと出会うこともあったが、やはり彼女たちはラウラを見ようとはしなかった。
長らく住んでいたはずの屋敷が、ラウラにはよその屋敷のように思えた。
鳥籠の中の鳥、ラウラの姿はまさにそれであった。
そしてある日とうとうラウラの月のものが止まった。
毎日のように繰り返された行為。果たしていつのものが原因だったかは分からない。
それでもルドルフの精によるものであることは確かだった。
「おめでとう、ラウラ」
ルドルフは微笑んだ。
この子が女の子なら自分は解放されるのだろうか。
ラウラは一瞬光明を抱き、そして次の瞬間あることに気付き絶望した。
自分の子供が娘なら、いずれ自分と同じ目に遭うのだろうか?
その事実にようやくラウラは気付いた。
ラウラとて義理とは言え貴族の娘として育てられた女だ。
望まぬ相手との婚姻も、その先の行為も、覚悟はできていた。
しかし実際に体験してみたそれは覚悟の上を行った。
望まぬ行為。無理矢理の行為。それなのに抗えぬ快楽。
そんなものを孕んだ娘にも味わわせるのか?
ラウラは顔も知らぬ母を思った。
この境遇になってから何度かラウラは母が自分を助けてくれる想像をした。
女王である母。ラウラを守るためにラウラを遠ざけた母。そして淫蕩と呼ばれる母。
母はどう折り合いをつけたのだろう。ラウラを孕むことに。
最初から淫らな母は気にしなかったのだろうか?
それとも次第に淫らでなければいられなかったのだろうか? 今のラウラのように。
「しばらくはおあずけですね」
ルドルフが少し名残惜しそうに言って、ラウラの腹を撫でた。
今までの愛撫とは違う。優しい手だった。
それでもラウラからルドルフへの気持ち、無理矢理に純潔を奪われた忌避感は変わらなかった。
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