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皇帝の忘れられぬ女性と憎き癒し

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「では、手筈通りに頼む。」

「はい。国王陛下。」



側近が部屋を出ると、国王は深く椅子に座り息を吐いた。



ジェレミアによく似た金髪碧眼に整った容姿は幾らか歳を重ねており、眠れていないのか目の下の隈が白い肌に目立っていた。





「レイラ…」



両手で目元を覆って、背もたれに体重をかけるとキィっと椅子が軋んだ。




いくら愛した女性に似ていると言っても、殺した伯爵の実子。


レイラにそっくりな容姿に癒される事はあっても、特に使い道もない馬鹿女だと思っていた。


ただ…本人は気付いていないジェレミアの気持ちには気付いていた。



自分自身は歳が離れ過ぎている上に、前皇后の愛した男の実の娘であるシエラを手にかけるつもりこそないが、瓜二つな美しい容姿は年々とレイラをも超えるほどに美しく磨かれ身体の奥から疼く何かを感じていた。


憎さと、愛しさが交錯してとりあえず事にしたがあるときふと目撃したジェレミアとシエラのやりとりに燃えるような嫉妬と快感が皇帝を刺激した。


若く、美しい日の自らと似たジェレミアが世間知らずなシエラを辱め、見事に躾けている様子は実に愉快であった。


年甲斐もなく自身が奮起するのを感じた。


皇后や、皇后宮の者達に虐げられている姿も見ものだったが様々な方法でジェレミアに辱められるシエラを影に記録道具に記録させ鑑賞するのが日々の癒しとなった。



愛した男リヒトの目の前でジェレミアに辱められる所などはとても愉快で、物足りない程であった。



「あぁつまらんな、普通に仲睦まじくしおって…そうだ…」




思いついたようにベルを鳴らし側近を呼ぶと、ジェレミアとシエラを呼んでくるようにと言った。




暫くすると二人は皇帝の執務机の前に並んでおり、どこか雰囲気の変わったようにも感じるシエラの凛々しい様は正にレイラにそっくりであった。



(おどおどしてつまらんと思っていたが…これはいい。)



何か でもあったのか、いつもの笑顔であるが、親子である故に分かるジェレミアのイライラした様子に内心ニヤリとほくそ笑んだ。


ジェレミアは皇帝の嗜好に気付いているのだろう。

この皇宮内であれば自らがシエラを咎められないことを知っていた。



(ならば、取り繕う必要は無い。)





「ジェレミア、シエラはどうやら破談するはずの公爵とで密会していたようだな。…母親の前例もある、いい加減な事でになることだけはあってはならん。」






「陛下…っ、お言葉ですがマッケンゼン公爵とはなにもありません。偶然会ったので破談についての話し合いをしたまでです。」


「シエラ、お前に発言は許可していない。」



「姉様…、父上。何をおっしゃりたいのですか?」



「万が一傷モノとなれば、急いで条件の悪い家に嫁ぐ事になるだろう。もちろんジェレミアの補佐としても穢れた者を置いて置く訳にはいかんだろうなぁ…」



(この糞爺、僕の姉様で慰めてる事は知ってるが欲が出たのか…?それとも姉様が邪魔になったから何処かに売り飛ばすつもりか?)



突然私に関心を示して下さるなんて、光栄ですがご心配には及びません。私は皇族として恥じることは何一つしておりません。」


(まさに、レイラにそっくりな気の強さ。これをねじ伏せて好きにするのがまた良かったのだ)




「ほう、そうか…だがシエラそれならば?馬車から降りたときの乱れた姿はとてもそうは見えなかったが?」



「…っ、お戯れを!」


「父上!いい加減にして下さい。姉様は僕に任せると……」




「ジェレミア。そうだお前がここでシエラの純潔を証明できればシエラはとして無事にお前の側で補佐を立派に勤められるだろう。」



(ハッ、そう言うことか執念深い糞爺め。どうせいつも見てるんだろう。)





「…父上、あまりお戯れになると椅子から転げ落ちる事になりますよ。このような事は今日限りに。」




「何を、まだそこまで老いておらん。さあジェレミア、シエラの人生はお前に委ねられた。」



シエラは訳が分からずただ、小刻みに震える身体を止めようと浅く深呼吸した。



皇帝は関心こそ無かったものの、シエラに牙を剥いたこと等一度もなくましてやどちらかというと皇宮では一番マシな人間だと思っていた。


(こんなの前の人生では無かった…どう立ち回るべきなの…)


考えるシエラが視線を上げる前に、ジェレミアはため息をついてシエラに耳打ちした。



「僕が守ってあげる。だから今は大人しく言う事を聞いて、でないと女好きの年寄り貴族に売り飛ばされる。」



「ジェレミー、何を…きゃあ!?」


皇帝は無表情で二人を眺めており、シエラはジェレミアにドレスを下ろされた事に混乱していた。


「父上は、僕たち姉弟の絆を試しているらしい。だから見せてあげないと、それから姉様が穢されていないと証明しないとね。」



ゆっくりと下されるドレス、解かれるコルセット…あっという間に生まれたままの姿となりシエラは羞恥で震え目眩がした。



「ジェレミー何もここまで…っ」



「姉様、僕も辛いんだ。姉様をたとえ父上にも見せたくない。」


耳元で苦しげに言ったジェレミアに、ぎゅっと瞳を閉じ耐える仕草をすると瞳を開いて皇帝を睨みつけ「早く終わらせて。」と言った。



皇帝は身震いがした。身体が熱くなるのを感じた。


ジェレミアに触れられ甘く声を漏らす表情は悔しげで、下の蕾を吸い上げられると敏感に身体をのけぞらせた。


暫く愉しむと、ジェレミアを呼び執務机を指さした。


「シエラをここへ、中身を確認しないとな。」


「…父上、」


「ジェレミア、ソレはここに置いているだけだ、私はいつ捨てても構わんのだが。」



「……姉様。」



「嫌よ!陛下!気に入らない事があるのなら仰って下さい!!」


「言っただろう。置いているだけ。お前に関心もなければ期待もしていない。…もちろん信用もな、早くしなさい。」




シエラは愕然とした。

(此処では私の命になど価値はない。何を言っても対等なやりとりにはならないんだわ…)



力なくジェレミアに抱え上げられ、執務机の上で開かれた両脚の間には卑猥な水温がジェレミアの指によって生み出された。


ジェレミアによって日々敏感に育てあげられた蕾はすぐに逹し、ジェレミアはソレを確認すると秘部を軽く開いて「これでいいでしょう。」と憎々しげな声で言った。



シエラは見下ろした皇帝の自身が主張している事に気付き、背筋が凍るような思いととてつもない恐怖を感じるのであった。



(何かがおかしい、狂っているわ。やはり…こんなのは普通の扱いではないはずよ…!)


止めどなく流れる涙は睨みつける皇帝の表情すら見えなくさせた。



なので気付かなかったのだ、



彼が恍惚とした表情で笑っていたことを。


そして、ジェレミアが前世より早くを決心した事も。





心身のショックで気絶したシエラを大切そうに抱え上げ、部屋を出るジェレミアは「これで証明できたでしょう。姉様は僕のだ、父上。」と一言伝えた。




「くっくくくくく!ジェレミア、昔の私によく似ている!!!ハハハハハハハハ!!!!!おい!!誰か!皇后をすぐに寝室に呼べ!!!」







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