上 下
3 / 19
1巻

1-1

しおりを挟む



   最愛の側妃だけを愛する旦那様、あなたの愛は要りません


 ライネル帝国は一夫多妻制であり、平民なら三人、王は皇后の他に、後宮において十人まで側妃を持つことを赦されている。
 若くして皇帝となったローレンス・ライネルはまだ二十一歳であり、白とも見える輝くアイスブルーの美しい髪と、同じアイスブルーの瞳、陶器のような白い肌と長い手脚、端正な顔つきから、帝国中の女性が憧れる存在であった。
 彼は既に、七人もの側妃を持ち毎晩違う側妃の元へ行くらしいことから好色王と呼ばれていたが、政策においては過去のどの皇帝よりも民の心を理解し、国を発展させていた。
 皇后であるイザベラ・ディオネもまた、そのエメラルドグリーンの髪と同じ色の瞳、透明感のある真っ白な肌と美しい顔立ちはこの世のものではない程美しいと言われており、皇后としての評判もよく勤勉で聡明であった。
 そして彼女はとても、心の綺麗な女性であった。
 彼女の実家は皇帝と同じこのライネル帝国ではなく、ナイアードという海を渡った大きな島国である。
 ナイアードの者は決してどの国にも屈しない。
 元々は国という形をとらず他国の支配を受けない民族として団結していたところを、一代で民を束ね、作り上げた新参国である。
 元より結束力の強い民族である為に国民と王族との距離が近く、人情味に溢れた国民柄だ。現国王の子供としては、長男と、長女であるイザベラ、その下に二人の妹がおり、兄妹仲も良い。イザベラの両親もとても仲睦まじかった。
 ローレンスには弟と妹が一人ずつおり、こちらも兄妹仲は良い方であるとされていた。
 家柄と容姿だけを見るととても完璧な主君で、完璧な夫婦に見えたが……
 皇帝、ローレンス・ライネルにはイザベラの他に愛する人がおり、元々非公式ではあったがイザベラよりも先に後宮には二人の側妃がいた。
 更に結婚後には新たに五人の側妃が入宮した今、ローレンスの愛がイザベラにあると思う者は、帝国に一人としていない。


「皇后様、客人がございます」

 朝、一人の侍女が静かにイザベラの部屋に入ってくる。黒髪を一つに纏めた彼女はミアと言って、このライネル国に父を持ち、ナイアード人の母を持つ、イザベラより少し年上の女性だ。

「では、執務室でお待ち頂いて」

 柔らかい表情と流れるような所作で立ち上がったイザベラは、続けて自身の支度を他の侍女に促した後、「誰かしら……」と無作法にも朝食前にやってきた、予定の無い客人を少しだけ考えた。
 支度を終えたイザベラが侍女を連れて応接室に入ると、艶やかな女性がふんぞり返っていた。イザベラがここに嫁ぐ前から後宮に居る側妃メリダだ。
 深い紫色の緩くウェーブがかった髪を片方に寄せ、紫色の身体のラインがよく出る、胸元の開いたドレスを着ている。
 長い脚を惜しげもなくスリットから覗かせ組んでいる姿はとても様になっていた。

「何か御用かしら?」
「ほんっと生意気な女ねアンタって」
「ちょっと、皇后様に向かって無礼ではありませんか?」

 ミアがイザベラへの無礼をいさめると、メリダは間髪入れず、ミアの頬を打った。
 決して軽くは無い、どちらかといえば重みのある音が鳴って、予想外の行動にイザベラとミアは目を見開く。

「っ!?」
「そう言う貴女は皇帝の妃である私に失礼よね!」

 まるで皇后よりも自分が上なのだと言わんばかりに怒り、その感情を露わにするメリダに対し、イザベラはあくまで冷静に対応するように努めた。

「メリダ様、ミアは私の侍女です。無礼は詫びましょう。ですがここで好き勝手に振る舞い、手を出されては困ります」
「……アンタ誰に物言ってんのか分かってるの? アンタは皇帝と一度も閨を共にしていないただのお飾りの皇后でしょう、私は彼の初恋の相手でもあるし今も寵妃なのよ!」
「それでも私は皇后で、貴女は側妃です。御用が無ければお引き取り願うわ」
「っ! ……アンタッ……まぁいいわ、最近陛下は第三妃であるレイラの所にばかり通っているの。何かおかしな媚薬を使っていると噂になっているわ、皇后として陛下の身の安全を確認するのはアンタの役目じゃないのかしら?」

 メリダと第三妃レイラは裏で結託している。
 何せ、日々行われる皇后への嫌がらせの計画犯と実行犯だ。
 そんな相手の動向を管理せよとは意味のわからない言い分だと思ったが、とりあえずお引き取り願いたいので、適当に返事をして帰らせる。
 皇帝がどの側妃の所に通っていようと、イザベラにとっては全く興味のない事であった。
 何も初めから無関心だった訳ではない。
 嫁いできた当初は、愛こそ無くとも国を担う者同士、きっと良い絆で結ばれるだろうとイザベラは未来に期待をしていた。
 だが彼の氷のように冷たい視線、皇宮内での突き刺すような目線をその身に感じた時に、イザベラは現実を思い知ったのだ。
 そして初夜の彼の言動は、彼女の感じたものは勘違いではないと裏付けた。

『私には、元より愛する人がいる。決してお前と愛を築くつもりなどない。お前は特別な存在ではないと思い知る事になるだろう」 

 彼は寝室の扉を乱暴に閉めて出たきり、初夜だというのに朝になっても戻ってくることはなかった。

『こちらこそ、願い下げだわ。傲慢な人」

 朝食と謁見の際にだけ毎日顔を合わせる夫は、いつ会ってもその表情に喜怒哀楽はなく、今日の朝食でもイザベラを見る目は冷たいままだ。

「今度のデビュタント、形式上は皇后をエスコートするが……会場内では皇后の椅子から動かず、役割だけを全うしろ」
(なんて不躾な言い分かしら?)

 彼の一方的な言葉には憤りを感じるが、すでに彼への期待など、一ミリもないのだし、わざわざ揉める必要もないかと僅かに息を深く吸って吐いた後、努めて無感情に返事をした。

「分かりました」
「……可愛げのない奴だ」

 何故か機嫌を悪くした夫は、さらにイザベラを罵る。これもまたいつものことだった。

「お前など、その美しい見た目とナイアードの後ろ盾が無ければ皇后になどなれやしなかっただろう」

 彼はそう言うが、婚約の打診はライネル国からであったし、イザベラは何事もなければナイアードに領地と爵位を賜り父や兄の為に働きたいと考えていたと言うのに……名指しで指名され、いざ嫁いでくればこの扱い。私だって帰れるものなら帰りたい。そう思うばかりだった。

「そうですか」

 それでも全ての言葉を呑み込んで、たったそれだけを答えると、もう話しかけてくれるなという態度で食事に集中した。


 彼女のその棘のある態度に皇帝は腹を立てていた。
 若くして皇帝となったローレンスには、年上だが昔から想いを寄せている人がいる。メリダだ。
 身分が低く皇后とは認められなかったため、後ろ盾が確立してから皇后に昇格させようと、ひとまず側妃に娶ったのだ。
 政略上の側妃の重要性は分かっていたが、感情としてはメリダがいれば良かった。
 しかし、戦争に勝つ度に敗戦国から姫を送られ、父の代よりずっと仕えている年寄り共に他国とのパイプとして幾度となく縁談を勧められてきた。
 愛するメリダ以外は雑に扱っていればいつか音を上げるだろうと、避妊薬を飲ませて、義務のように無機質に抱いては放っておく。
 その内、流石に側妃達が可哀想になりそれなりに優しく適当に接していたが、いつかメリダを皇后の椅子に座らせるつもりでいた。
 それなのに、いとも簡単に島国ナイアードの姫との縁談が決まってしまった。国の為仕方なく娶ることにしたが、側妃などでは無礼に当たると、皇后の座を要求してきた。
 帝国は歴史こそ古いが、その力は年々下降気味で、金の循環も良いとは言えなかった。そこで勢いはあるが歴史の無いナイアードとの利害が一致したのだ
 しかし、それならば側妃でも良かったはずだ。なぜ皇后の座にこだわったのかとローレンスはイザベラにその苛立ちをぶつけ続けた。
 自分の見た目が気に入ったのか? 帝国の力を欲したのか? 
 見た目だけはこの世のものとは言えぬ程美しい妻の思惑を考えるとローレンスは反吐が出た。何せメリダの訴えによると酷く傲慢な女らしく、身分の低いメリダや敗戦国の姫共を見下し虐めているというのだ。
 他の側妃もそれに反論しない。

(このような女が皇后だなんて……)

 黙々と、完璧なマナーで食事をする皇后を見て、ローレンスは溜息をついた。

(その性格と無表情さえなければ、非の打ち所がないというのに)

 近年ナイアードは更なる力をつけている。あとは歴史さえあれば、完璧な世界一の大国といえよう。
 そう、たとえば、古くから続くこのライネル帝国のような。

(私に興味がないと見ると……子でも産んで連れ帰り、ナイアード民ではなく、正統な貴族の血統を持つ次代の王を育てるつもりか……?)

 つらつらと思考するローレンスの表情を見て、何を思ったのかイザベラがため息をついた。彼女を睨んで口を開く。

「……お前やナイアードが今後帝国への干渉をしないと言うなら、お前と子を成し、子と共に国へ帰してやってもいい」
「は?」
「お前を愛する気はないが、ナイアードの王家を認めさせるために由緒正しい我が帝国の王族の血を寄こせと言うなら、業腹だが国の為だ、呑んでやろう」

 イザベラのことは忌み嫌っているが、ナイアードとの関係性が今の帝国に重要なのは事実。ナイアード側の思惑が帝国の血を引く子だというなら、義務的に抱いて母子ともに送り返せば、友好は続くだろう。
 そう考えたローレンスに、イザベラが静かに返す。

「仰られている意味が分かりませんが……ナイアードが他国より劣っていると考えた事はありません。それに……」
「?」
「私を邪険にする貴方と、なぜ子を成したいと?」

 眉間にシワを寄せて僅かに首を傾げ、さも当たり前だろうというように言ったイザベラの怪訝な表情を見て、ローレンスは顔を真っ赤にしてフォークを乱暴に置いて席を立った。

「私とて、お前のような性悪と子を成すなどありえんっ!」

 こうして皇后夫婦の仲は、更に決裂の一途をたどり続けていた。


 メリダだけを寵愛しイザベラに冷たく当たるローレンスだが、他の側妃とも関係が冷え切っているわけではない。第三妃レイラは後宮の中では比較的うまく立ち回っているほうの側妃であった。
 レイラは敗戦国の姫だ。
 周辺国で一番と言ってもいい程長い歴史があり、国力が落ちたといえど大国であるライネル帝国に、小国であるレイラの祖国が敗戦したのは、ある種当然の流れだった。
 しかし、帝国はその大きさを持て余したが故に財政があまり良くなかったのか、結婚いう名の人質でレイラが送られ、ある程度の賄賂を姫の維持費という名目で送ることにより、祖国はライネルの同盟国として後ろ盾を得るという敗戦国にしては、割りと条件の良い話で存続していた。

「陛下ぁ~今日も私の所に来て下さるの?」
「さぁな、朝食の時間なので失礼する」
「ずっとずっと起きて待ってますね……」

 しゅんとした表情を見せると僅かに瞳に現れる哀れみの感情。

「……また来る」

 彼、ローレンスは意外と優しい人間であり、また健気な女に弱い。近頃は第三妃であるレイラを寵愛していると噂になるほどにこの宮へと通っている。しかし、ローレンスを利用するには三つもの誤算があった。
 まず、一番の誤算はレイラが彼を愛してしまったこと。
 あの美しい見た目と、生まれながらの貴族たる気品、祖国の婚約者なんかよりかなりの美丈夫で、好きにならない理由が無かった。
 ゆえに、彼を悲しませるような策略はどうしても気が引けてしまう。
 二つ目の誤算は、陛下の愛した女性がメリダであったこと。
 ローレンスが一番に寵愛するのだから絵に描いたようなたおやかな淑女かと思えば、そう見せかけているのは彼の前だけで、寵姫の座を守るためならばどんな外道も厭わない女だ。
 彼女を排除するどころか、後宮で爪はじきにされないために彼女の悪行の片棒まで担がされてしまっている。
 そして三つめの誤算は、目下メリダが目の仇にしているイザベラが馬鹿では無かったことだった。
 皇后であるイザベラは、側妃達に無害であった。
 メリダのように嫌がらせをしてくる訳でもなかったし、皇帝ローレンスからの寵愛を積極的に求める訳でもない。
 政略結婚で嫁いできたお姫様で、後宮の陰湿な空気にすぐ音を上げるだろう、彼女が相手なら皇后の座はすぐに空くだろうと思っていたのに……
 さすがは近年勢いをつけてきたナイアードの姫というべきか、メリダやレイラの嫌がらせが激化し、先日など窒死量の毒を紅茶に混ぜて与えたというのに、三日で起き上がりやつれる事もなくあの美しい姿のまま庭園を歩いていた。

(しかもイザベラは毒入りの紅茶を飲む前に私を確かに見たわ。まるでいただきますと見せつけるように……)

 動物の死体を宮の前に置いた時も、彼女はその動物を想って涙したが、畏怖する事は無かった。それを毛布で包んで、自ら穴を掘って墓まで立てたという。
 深い水に落としてやったときも、水の中で自らドレスを器用に脱ぎ、真っ白な肌と美しい髪を濡らして堂々と下着姿で泳いで上がってきた。そんなイザベラを見て皇帝は見惚れてしまう始末……
 大抵がメリダの案であったが、イザベラには何をしても通用しなかった。だからと言って報復をしてくる訳でもなく、それがまた更に怖かった。
 考え事の最中、扉を優しく叩く音が鳴って、イザベラが訪問したいと打診してきたと侍女が告げる。許可を出せば、すぐに彼女はやってきた。

「はい、どうぞ」
「突然で申し訳ありません、要らぬ心配だと思ったのだけれど……」

 そう言う彼女にこれまで数々の嫌がらせを行ってきたが、正面から対峙するのはこれが初めてだ。

「こ、皇后陛下……、ご機嫌よう」
「ご機嫌よう、少しお話できますか?」
「ええ……っと、どうぞ、そこのあなた、お茶を」

 優雅な所作で促されるまま席に座ったイザベラ。レイラはそれをチラリと見てから思わず上擦った声で侍女に合図をした。イザベラのお茶にこっそりと怪しげな小瓶から二、三滴何かを入れてかき混ぜる。
 気付いていないのか、イザベラは完璧な笑みで侍女にお礼を言い、ゾッとするような綺麗な目でレイラの方を見た。

「いつも美味しいお茶を淹れるのね」
「こ、皇后様にお褒め頂き光栄ですわ。」
(いつか、どれか効くはずよ。見てなさい)

 そんなレイラの心を見透かしたかのように、仕方なさそうに笑ってお茶を啜った彼女は、目線をソーサーから離さずに話し始めた。

「これは、独り言だけれど。効くものは無いわ。未だに鍛錬の為に毎日少しずつ日替わりで沢山の種類を摂取します。なので、これはただの美味しい紅茶です」

 そしてイザベラは、先程からあからさまに嫌な顔をするレイラに本題を話した。

「メリダ妃より、貴女が陛下へ許可も申請もされていない薬物を摂取させているという疑惑の報告がありました。陛下に限って有り得ないと考えておりますが、その効果で貴女を求め通っているのではないかとの憶測が後宮内で広がっています」
「そんなっ、あり得ません! 根も葉もない噂です! 陛下はご寵愛から通われているのです!」
「……その自信は、陛下の愛を確信してのものかしら。絶対にバレないと思う余裕からではないのを願うわ」
「そ、それは……勿論ですわ」

 ドレスを少しだけ握りながら言うレイラを変わらない表情で流し見て、部屋を軽く見渡したイザベラに声が震える。

「こっ、皇后陛下、なにか?」
「いえ、もしも何かに惑わされていれば、皇帝陛下の名誉にも関わります。そのような噂も同じです。後宮内の不信感を収める為にも、本日抜き打ちでの調査を致します」

 イザベラの合図で、数名の兵士達が入って来て部屋を捜索し始めた。

「え……っ! なに!? 出て行ってください!!」
「レイラ妃、大丈夫です。落ち着いてください。」
「こんなのっ、落ち着けますか!? 早く止めないと陛下にご報告させて頂きますわよ!」
「どうぞ。この後宮の責任者は私です。それに皇后とは皇帝陛下に従うだけではありません。それでは国が成り立ちません。夫婦として対等な関係であるのが皇后なのです」
「だからって!! こんな事は許されません!!」
「いいえ、陛下のご安全と妃達の安全を守るのも私の仕事ですので、これは貴女が許す許さないの問題ではありません」

 口論の間にも捜索は進み、ついに一人の兵士が声を上げた。

「皇后陛下! これは、薬ではありませんか? この香に使われているもの自体が強い媚薬の原料です!!」
「……そう。残念ながらレイラ妃――」 

 イザベラが悲しそうに目を伏せて言葉を発する前に、扉は開かれた。そこには瞳を丸くした皇帝がいる。

「陛下っ! 来てくださったのですね!!」

 レイラが顔をぱあぁっと輝かせてローレンスに駆け寄る。

「……陛下」
「皇后、何事だ」
「陛下のお手を煩わせる程の事ではありません」
「それは、私が決める。何があったと聞いている」

 イザベラが内心でため息をつきながら事の流れを説明すると、ローレンスは少し考え込むような仕草をした。
 それに焦りを見せたレイラが必死に弁明する。

「陛下っ! 誤解でございます! 私が陛下にそんな事……」
「審議が終わるまで、宮へ幽閉とする」
「殿下……! 貴方を愛しています! 信じて下さいっ!」

 感情の見えない瞳でレイラを見た後、イザベラに手を差し伸べたローレンスにイザベラが軽く驚く。

「……皇后、一緒に」
「……はい」

 イザベラは心配そうにする侍女達に目配せをして、そのまま皇帝の後に続いた。事態が事態のため、間違っても他の側妃達が盗み聞きできない部屋で向かい合う。

「皇后、此度の事は……」

 まさかお礼でも言うつもりなのか、と皇帝を見れば口籠られ、気づかれないように小さくため息をつく。
 落胆に気づかない様子で、彼は言葉を続けた。

「……その、助かった」
「いえ、後宮を管理するのも私の仕事です。それに、礼ならば話を持ちかけたメリダ妃に仰って下さい」
「そうか。だがやはり……今回はただの媚薬であったとはいえ、手柄であった。今晩はお前の宮へ行こう」


しおりを挟む
感想 187

あなたにおすすめの小説

愛された側妃と、愛されなかった正妃

編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。 夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。 連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。 正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。 ※カクヨムさんにも掲載中 ※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります ※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。

5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?

gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。 そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて 「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」 もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね? 3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。 4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。 1章が書籍になりました。

私が死んで満足ですか?

マチバリ
恋愛
王太子に婚約破棄を告げられた伯爵令嬢ロロナが死んだ。 ある者は面倒な婚約破棄の手続きをせずに済んだと安堵し、ある者はずっと欲しかった物が手に入ると喜んだ。 全てが上手くおさまると思っていた彼らだったが、ロロナの死が与えた影響はあまりに大きかった。 書籍化にともない本編を引き下げいたしました

うたた寝している間に運命が変わりました。

gacchi
恋愛
優柔不断な第三王子フレディ様の婚約者として、幼いころから色々と苦労してきたけど、最近はもう呆れてしまって放置気味。そんな中、お義姉様がフレディ様の子を身ごもった?私との婚約は解消?私は学園を卒業したら修道院へ入れられることに。…だったはずなのに、カフェテリアでうたた寝していたら、私の運命は変わってしまったようです。

【完結】妹が旦那様とキスしていたのを見たのが十日前

地鶏
恋愛
私、アリシア・ブルームは順風満帆な人生を送っていた。 あの日、私の婚約者であるライア様と私の妹が濃厚なキスを交わすあの場面をみるまでは……。 私の気持ちを裏切り、弄んだ二人を、私は許さない。 アリシア・ブルームの復讐が始まる。

【完結】私は死んだ。だからわたしは笑うことにした。

彩華(あやはな)
恋愛
最後に見たのは恋人の手をとる婚約者の姿。私はそれを見ながら階段から落ちた。 目を覚ましたわたしは変わった。見舞いにも来ない両親にー。婚約者にもー。わたしは私の為に彼らをやり込める。わたしは・・・私の為に、笑う。

夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました

氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。 ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。 小説家になろう様にも掲載中です

国王陛下、私のことは忘れて幸せになって下さい。

ひかり芽衣
恋愛
同じ年で幼馴染のシュイルツとアンウェイは、小さい頃から将来は国王・王妃となり国を治め、国民の幸せを守り続ける誓いを立て教育を受けて来た。 即位後、穏やかな生活を送っていた2人だったが、婚姻5年が経っても子宝に恵まれなかった。 そこで、跡継ぎを作る為に側室を迎え入れることとなるが、この側室ができた人間だったのだ。 国の未来と皆の幸せを願い、王妃は身を引くことを決意する。 ⭐︎2人の恋の行く末をどうぞ一緒に見守って下さいませ⭐︎ ※初執筆&投稿で拙い点があるとは思いますが頑張ります!

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
番外編を閲覧することが出来ません。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。