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1.九尾への転生、そして神様とイチャイチャ
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「夢、だよね……」
目が覚めたら、白い部屋……ではなく、オタク趣味全開の広い部屋に居た。
フィギュアは見た事のあるキャラが多く、小説や漫画、ブルーレイ等も僕の知っているものばかり。
さて、夢だと思う理由だけど……。
それは、自分の見た目とかそういうのが、なんか狐的な耳としっぽの生えた女の子だから。
混乱して日本語がおかしくなってるような気もするけど、あんまり気にしないでね。
でも、現実は非情(?)で。
「お主が、狐系種族に転生する稀有な子供じゃな?」
「……子供」
声をかけてきたのは、贔屓目に見ても10歳程度の女の子。
綺麗な黒髪で、可愛らしい顔をしているし、さらには僕と同じく狐の耳としっぽが生えているのが分かった。
「何を考えているかは分かっておるが、こう見えても神として数千年は生きておるのじゃ」
「のじゃロリ、しかもロリババア……凄く、いいと思います」
「うっとりした面で呟くでない! お、お主、今は女子であると分かっておるのじゃろ!? 女子同士では何も出来ぬからの……?」
「そんなことはありません。女の子同士の絡みも、僕は好きですよ? ……試してみますか?」
ぶんぶんと首を横に振る自称神様。
むぅ……やっぱりダメかぁ。まぁ、仕方ないね。
「すまぬな。わらわは〝にじげん〟にしか興味がなくてのぅ。お主が嫌と言う訳では無いのじゃが……」
「いえ、別にいいですよ。1厘くらいは冗談だったので。それより、転生ってなんのことですか?」
「うむ、それは……む? 今、1厘と言いいおったか? つまり、9割9分9厘は本気、と……?」
「? はい、そうですけど……」
女の子にそういう冗談を言ったりはしない。
もし『いいよ』って言われたら、優しく受け止めてあげるつもりだから。
それより、神様がリアルに興味無しとか、いいんだろうか。
「そ、そうか……それでな、お主が転生することになったきっかけは死因にある」
遠い目をしながら話を戻す神様。
うん、軽く流してくれていいよ?
自分の価値観がズレていて、性欲とか愛情とかが強めなのは自覚してるし。
そんなことより、
「死因?」
「そうじゃ。病や事故であればこのようなことにはならなかったが、今回は異世界の力が原因らしく、このままでは神の威厳が損なわれると……つまるところ、保身に走った上の指示じゃよ」
「うわぁ、お疲れ様です。ちなみに、規模とかそれをやった犯人とかはどすなんです?」
「規模は……大体、一万人というところじゃな。犯人は、今からお主が転生する世界の魔王だったらしくてのぅ……」
「魔王、ファンタジー。……女の子?」
「……女子じゃが、その本人も死んでおる」
ちっ。可愛い魔王ちゃんとか見たかったのに。
ところで、神様が見てる資料みたいなの僕にくれればいいんじゃないかと思う……ダメですか、そうですか。
「あまり驚かぬのじゃな?」
「はい。目の前にもっふもふな美少女……幼女? が居るので、死んでいても割り切れます。あ、異世界って、美少女いっぱいですか?」
「幼女言うな。……容姿の整った者は、まあ、地球に比べれば多いじゃろう。にしてもお主、欲望に忠実じゃのぅ……」
「犯罪はしませんよ? はっちゃけるのは、法の許される範囲内で、です。バレなきゃ犯罪じゃないんですよ……というのは冗談なので、そんな顔しないで下さい」
戦慄の表情を浮かべて、お尻と手をついてざっと後ずさる。
そんなこと、しないのに。
「紛らわしいお主が悪い。でのぅ、お主の種族じゃが、最も適性があったのは九尾だったようでな……」
「九尾……わぁ、しっぽが9本もある……あ、でもこれ、日常生活では不便ですよね?」
「じゃな。という訳で、幻術を体に教えるぞよ」
「体に、教える……!」
「お主が考えているようなことはせぬぞ」
しょぼーん。
僕がしょぼんとしている間に、神様が正面から抱きついてきた。なので、僕もぎゅっと抱きしめ返す。
「あ、あのな、お主は何もする必要は無いのじゃが……」
「ここで何もしないなんて……拷問ですか?」
「分かった、もうそのままでよいからじっとしていてくれんか?」
「はーい」
「では、始めるぞよ」
瞬間、僕の体に何かが流れ込む。
鳥肌の立つ感覚と、神様に包まれている安心感。まるで、母親に抱かれる赤ん坊のような……
ふと、頬が濡れていることに気づいた。
僕がどんな人生を送ってきたのか、記憶から引き出されていく。
物心ついたばかりの頃に、交通事故で親を亡くし、後部座席に乗っていた自分だけが生き残り、引き取り手は金遣いの荒い夫婦。
痣にならない程度の暴力や、二日程度の食事抜きというのは当たり前。バイトが出来るようになってからは、一人暮らしを始めて、全部自分でやるしかなかった。
忙しくて彼女なんて作れなかったし、友達とは偶にしか遊べなかった。
そのせいも、あるのかな。
人に甘えたくて、可愛い女の子がどうこう、なんて言っているのかもしれない。だって、さすがに男に甘えられないから。
「泣くでない……(そうか、腐らず耐えたのじゃな、良い子じゃのぅ)」
「ふぁ……あれ、なんで、泣いて……」
何かの繋がりによって互いのことが筒抜けになり、神様が考えていることも手に取るように分かった。
慣れていないからか、あるいは神様が相手だからなのか、記憶などは読めなかったけど。
そして、温もりに包まれて、零れ落ちてしまう涙。神様が拭ってくれる度に、ぽろぽろと……。
僕が忘れた温もり。僕が欲しかった優しさ。
見た目にそぐわない慈しみの表情を浮かべる神様は、幻術とやらを直接体に教えながらも、膝立ちになった僕の頭を抱えて、撫でて、泣き止んだ後も優しく包み込んでくれていた。
「え、えと、ありがとうございました……」
「ふふっ、照れておる様は中々乙なものじゃな。〝にじげん〟にしか興味のないわらわではあるが、お主のことは気に入ってしまったのぅ」
「うぅ、それは、嬉しいんですけどぉ……」
氷が溶かされていくように涙が出ただけで、嗚咽を漏らしたりは無かったけど、やっぱり人前で泣くのは恥ずかしい。
「うむ、〝にじげん〟に匹敵する美少女ならば、〝りある〟でもいけるかもしれんの……」
「美少女? どこに?」
すっと指さされる僕。
「ぼ、僕が美少女……いい、といえばいいのかなぁ。女の子と仲良くなれるかもしれないし……」
「やはりそこが基準なのじゃなぁ……。のぅ、思ったのじゃが、名前と一人称は変えた方がよいのではないか?」
「……ボク」
「言いたいことは伝わるが、しかしな、そういうことではないのじゃぞ?」
ボクっ娘は許されないのですか……。
「……オレ」
「なるほど、あえてそう来たか……まあ、お主には圧倒的に似合わぬな」
圧・倒・的、ですってよ奥様。
自分でもそう思うから、全然いいけど。
「……わ、わたし?」
「ぴったりじゃ。うむ、ぴったりじゃ!」
「なんで二回言ったんですか?」
「大事なことだから二回言いました、というやつじゃよ」
「……大事、なんですか?」
神様が真剣な顔で頷く。
喜んで、いいの?
僕……じゃなくて、わたし。そんなに違和感が無いのは、バイトの面接なんかで「私」って言っていたからかもしれない。
けど、今の「わたし」は柔らかいというか、ふわっとしたイメージがある。自分で言ってるのに。
「そういえば、幻術がどうっていう話はどうなったんでしょうか?」
「おお、そうじゃった。自分のしっぽを見てみよ」
「? あ……見えない」
感覚でしか分からないけど、一本しか見えなくしたり全部見えるようにしたり出来る。
見えない時は触れないので、きっと認識を阻害しているのではないかと思う。
「幻術は種としての格上には通じぬ。じゃが、お主は世界にひとりだけの固有種族。魔王や神でも無い限り、見破られることはまずないと思ってよいぞ」
「ほぇぇ……なんか、お世話になりっぱなしですね。何か、して欲しいこととかないです? ぼ……わたしに出来る範囲で」
「神の願いを叶えようとは、面白いやつじゃのぅ……そうじゃ、ここに座れ。で、胡座をかく。ちと隙間を……うむ、これでよし」
「これって……」
いい感じに出来上がった場所へ、神様がぽすんと収まる。なので、やっぱり抱きしめる。
「お主はまた……しかし、これは落ち着くのぅ……」
「むしろ、これはわたしのご褒美なので、もうちょっと何か無いかなぁって……」
「特には思いつかん。それにの、わらわもお主と同じなのじゃ。神というのは孤独なものでな、温もりを傍で感じられることの、なんと素晴らしきことか……」
その言葉を証明するように、元気よくしっぽが揺れる。わたしは白いから、黒い神様と寄り添っていると色の差が激しい。
「……時間は、大丈夫ですか?」
「うむ、転生まで24時間ある。ならばもう暫しの間、こうしていてもよいのではないか?」
「はい。話はこのままでも出来ますからね」
「わらわもお主も嬉しい。〝うぃんうぃん〟じゃな」
嬉しいんだ……なんて、余計なことは言わない。
それでこの幸せを失ったら元も子もないから。
温かくて、柔らかくて、もふもふ。
「もふもふぅ~……」
「し、しっぽならばお主にもあるじゃろう? それも、体を隠すほどの数が!」
「そうですけどぉ……やっぱり、神様のしっぽの方がいいです!」
「……う、うむ。神じゃからな、毛並みが違うのじゃよ、毛並みが」
「もふもふ凄い……あ、わたしの触りますか?」
「む……よいのか?」
よく分からないけど、いいよね。
照れ照れしながら触りだした神様に首を傾げる。
うー、3日くらいこうしてたいなぁ……。
「……説明を続けてよいかの?」
はい、どうぞ。
目が覚めたら、白い部屋……ではなく、オタク趣味全開の広い部屋に居た。
フィギュアは見た事のあるキャラが多く、小説や漫画、ブルーレイ等も僕の知っているものばかり。
さて、夢だと思う理由だけど……。
それは、自分の見た目とかそういうのが、なんか狐的な耳としっぽの生えた女の子だから。
混乱して日本語がおかしくなってるような気もするけど、あんまり気にしないでね。
でも、現実は非情(?)で。
「お主が、狐系種族に転生する稀有な子供じゃな?」
「……子供」
声をかけてきたのは、贔屓目に見ても10歳程度の女の子。
綺麗な黒髪で、可愛らしい顔をしているし、さらには僕と同じく狐の耳としっぽが生えているのが分かった。
「何を考えているかは分かっておるが、こう見えても神として数千年は生きておるのじゃ」
「のじゃロリ、しかもロリババア……凄く、いいと思います」
「うっとりした面で呟くでない! お、お主、今は女子であると分かっておるのじゃろ!? 女子同士では何も出来ぬからの……?」
「そんなことはありません。女の子同士の絡みも、僕は好きですよ? ……試してみますか?」
ぶんぶんと首を横に振る自称神様。
むぅ……やっぱりダメかぁ。まぁ、仕方ないね。
「すまぬな。わらわは〝にじげん〟にしか興味がなくてのぅ。お主が嫌と言う訳では無いのじゃが……」
「いえ、別にいいですよ。1厘くらいは冗談だったので。それより、転生ってなんのことですか?」
「うむ、それは……む? 今、1厘と言いいおったか? つまり、9割9分9厘は本気、と……?」
「? はい、そうですけど……」
女の子にそういう冗談を言ったりはしない。
もし『いいよ』って言われたら、優しく受け止めてあげるつもりだから。
それより、神様がリアルに興味無しとか、いいんだろうか。
「そ、そうか……それでな、お主が転生することになったきっかけは死因にある」
遠い目をしながら話を戻す神様。
うん、軽く流してくれていいよ?
自分の価値観がズレていて、性欲とか愛情とかが強めなのは自覚してるし。
そんなことより、
「死因?」
「そうじゃ。病や事故であればこのようなことにはならなかったが、今回は異世界の力が原因らしく、このままでは神の威厳が損なわれると……つまるところ、保身に走った上の指示じゃよ」
「うわぁ、お疲れ様です。ちなみに、規模とかそれをやった犯人とかはどすなんです?」
「規模は……大体、一万人というところじゃな。犯人は、今からお主が転生する世界の魔王だったらしくてのぅ……」
「魔王、ファンタジー。……女の子?」
「……女子じゃが、その本人も死んでおる」
ちっ。可愛い魔王ちゃんとか見たかったのに。
ところで、神様が見てる資料みたいなの僕にくれればいいんじゃないかと思う……ダメですか、そうですか。
「あまり驚かぬのじゃな?」
「はい。目の前にもっふもふな美少女……幼女? が居るので、死んでいても割り切れます。あ、異世界って、美少女いっぱいですか?」
「幼女言うな。……容姿の整った者は、まあ、地球に比べれば多いじゃろう。にしてもお主、欲望に忠実じゃのぅ……」
「犯罪はしませんよ? はっちゃけるのは、法の許される範囲内で、です。バレなきゃ犯罪じゃないんですよ……というのは冗談なので、そんな顔しないで下さい」
戦慄の表情を浮かべて、お尻と手をついてざっと後ずさる。
そんなこと、しないのに。
「紛らわしいお主が悪い。でのぅ、お主の種族じゃが、最も適性があったのは九尾だったようでな……」
「九尾……わぁ、しっぽが9本もある……あ、でもこれ、日常生活では不便ですよね?」
「じゃな。という訳で、幻術を体に教えるぞよ」
「体に、教える……!」
「お主が考えているようなことはせぬぞ」
しょぼーん。
僕がしょぼんとしている間に、神様が正面から抱きついてきた。なので、僕もぎゅっと抱きしめ返す。
「あ、あのな、お主は何もする必要は無いのじゃが……」
「ここで何もしないなんて……拷問ですか?」
「分かった、もうそのままでよいからじっとしていてくれんか?」
「はーい」
「では、始めるぞよ」
瞬間、僕の体に何かが流れ込む。
鳥肌の立つ感覚と、神様に包まれている安心感。まるで、母親に抱かれる赤ん坊のような……
ふと、頬が濡れていることに気づいた。
僕がどんな人生を送ってきたのか、記憶から引き出されていく。
物心ついたばかりの頃に、交通事故で親を亡くし、後部座席に乗っていた自分だけが生き残り、引き取り手は金遣いの荒い夫婦。
痣にならない程度の暴力や、二日程度の食事抜きというのは当たり前。バイトが出来るようになってからは、一人暮らしを始めて、全部自分でやるしかなかった。
忙しくて彼女なんて作れなかったし、友達とは偶にしか遊べなかった。
そのせいも、あるのかな。
人に甘えたくて、可愛い女の子がどうこう、なんて言っているのかもしれない。だって、さすがに男に甘えられないから。
「泣くでない……(そうか、腐らず耐えたのじゃな、良い子じゃのぅ)」
「ふぁ……あれ、なんで、泣いて……」
何かの繋がりによって互いのことが筒抜けになり、神様が考えていることも手に取るように分かった。
慣れていないからか、あるいは神様が相手だからなのか、記憶などは読めなかったけど。
そして、温もりに包まれて、零れ落ちてしまう涙。神様が拭ってくれる度に、ぽろぽろと……。
僕が忘れた温もり。僕が欲しかった優しさ。
見た目にそぐわない慈しみの表情を浮かべる神様は、幻術とやらを直接体に教えながらも、膝立ちになった僕の頭を抱えて、撫でて、泣き止んだ後も優しく包み込んでくれていた。
「え、えと、ありがとうございました……」
「ふふっ、照れておる様は中々乙なものじゃな。〝にじげん〟にしか興味のないわらわではあるが、お主のことは気に入ってしまったのぅ」
「うぅ、それは、嬉しいんですけどぉ……」
氷が溶かされていくように涙が出ただけで、嗚咽を漏らしたりは無かったけど、やっぱり人前で泣くのは恥ずかしい。
「うむ、〝にじげん〟に匹敵する美少女ならば、〝りある〟でもいけるかもしれんの……」
「美少女? どこに?」
すっと指さされる僕。
「ぼ、僕が美少女……いい、といえばいいのかなぁ。女の子と仲良くなれるかもしれないし……」
「やはりそこが基準なのじゃなぁ……。のぅ、思ったのじゃが、名前と一人称は変えた方がよいのではないか?」
「……ボク」
「言いたいことは伝わるが、しかしな、そういうことではないのじゃぞ?」
ボクっ娘は許されないのですか……。
「……オレ」
「なるほど、あえてそう来たか……まあ、お主には圧倒的に似合わぬな」
圧・倒・的、ですってよ奥様。
自分でもそう思うから、全然いいけど。
「……わ、わたし?」
「ぴったりじゃ。うむ、ぴったりじゃ!」
「なんで二回言ったんですか?」
「大事なことだから二回言いました、というやつじゃよ」
「……大事、なんですか?」
神様が真剣な顔で頷く。
喜んで、いいの?
僕……じゃなくて、わたし。そんなに違和感が無いのは、バイトの面接なんかで「私」って言っていたからかもしれない。
けど、今の「わたし」は柔らかいというか、ふわっとしたイメージがある。自分で言ってるのに。
「そういえば、幻術がどうっていう話はどうなったんでしょうか?」
「おお、そうじゃった。自分のしっぽを見てみよ」
「? あ……見えない」
感覚でしか分からないけど、一本しか見えなくしたり全部見えるようにしたり出来る。
見えない時は触れないので、きっと認識を阻害しているのではないかと思う。
「幻術は種としての格上には通じぬ。じゃが、お主は世界にひとりだけの固有種族。魔王や神でも無い限り、見破られることはまずないと思ってよいぞ」
「ほぇぇ……なんか、お世話になりっぱなしですね。何か、して欲しいこととかないです? ぼ……わたしに出来る範囲で」
「神の願いを叶えようとは、面白いやつじゃのぅ……そうじゃ、ここに座れ。で、胡座をかく。ちと隙間を……うむ、これでよし」
「これって……」
いい感じに出来上がった場所へ、神様がぽすんと収まる。なので、やっぱり抱きしめる。
「お主はまた……しかし、これは落ち着くのぅ……」
「むしろ、これはわたしのご褒美なので、もうちょっと何か無いかなぁって……」
「特には思いつかん。それにの、わらわもお主と同じなのじゃ。神というのは孤独なものでな、温もりを傍で感じられることの、なんと素晴らしきことか……」
その言葉を証明するように、元気よくしっぽが揺れる。わたしは白いから、黒い神様と寄り添っていると色の差が激しい。
「……時間は、大丈夫ですか?」
「うむ、転生まで24時間ある。ならばもう暫しの間、こうしていてもよいのではないか?」
「はい。話はこのままでも出来ますからね」
「わらわもお主も嬉しい。〝うぃんうぃん〟じゃな」
嬉しいんだ……なんて、余計なことは言わない。
それでこの幸せを失ったら元も子もないから。
温かくて、柔らかくて、もふもふ。
「もふもふぅ~……」
「し、しっぽならばお主にもあるじゃろう? それも、体を隠すほどの数が!」
「そうですけどぉ……やっぱり、神様のしっぽの方がいいです!」
「……う、うむ。神じゃからな、毛並みが違うのじゃよ、毛並みが」
「もふもふ凄い……あ、わたしの触りますか?」
「む……よいのか?」
よく分からないけど、いいよね。
照れ照れしながら触りだした神様に首を傾げる。
うー、3日くらいこうしてたいなぁ……。
「……説明を続けてよいかの?」
はい、どうぞ。
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