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8.白雪姫は欺けない(♡)

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「しっぐれー、購買行こうぜ!」
「あー、悪い、ちょっと用があるから」
「そうなのか? それなら仕方ねぇな……今日はぼっち飯だぜ」

 いや、サムズアップしながら言うことじゃないと思うぞ……なんて言葉は心の中だけで呟く。

 用とは勿論、さっき渡された紙に書いてあった『お昼休み、屋上に来て』という本当なら舞い上がるべき内容のことだ。しかし、今は素直に喜べない。

 その理由は、鑑定でレズであることが分かったのと、手を握られた時に呟いていた、

『……分からなかった』

 という言葉のせいだ。
 もう一度鑑定すればすぐに分かるのだが、この時はそれに気付かず、不安を抱えて屋上までの道をゆっくり歩く。ゆっくりなのは、佐倉さんに追いついてしまうと気まずいからである。

 ちなみに、本来なら屋上は解放されていない。
 だから扉の前で話をするのかと思っていたのだが、実際に見て分かった。なにせ、鍵が刺さったまま溶接されているのだから。
 タチの悪いイタズラである。

 ドアノブに手をかけて、やっぱり離す。

「すぅ……はぁ……」

 一度深呼吸をしないと心臓がうるさくて仕方なかった。……改めて、屋上の扉を開ける。
 季節は秋。今日は比較的温かいものの、扉を開ければ冷たい風が入り込んでくる。気温はブレザーを羽織った上で少し肌寒いな、という程度。

 佐倉さんもそれは同じなのか、最初に見えた光景は両手を口に近づけて息を吐く姿だった。

「おまたせ。結構寒いけど、平気?」
「……たぶん?」
「不安になる返事をありがとう」

 あんまり長引かせない方がいいか。
 しかし、少し待っても話を振ってくる様子がない。黙っていても埒が明かないので、こちらから進めることにした。何の話か知らないのに。

「あー、急に呼び出すなんてどうしたんだ? 告白される覚えは無いし、何かあるとしたら朝のやり取りくらいかな、と思うんだけど」
「……ん。朝から、気になってた」
「気になってたって、何が?」
「色々。最初は、手の感触だった。それから、声も、匂いも、顔も、字も、仕草も……前と違う」

 おいこら、幻想魔法仕事しろよ。
 だからって認める訳にもいかないしなぁ。

「いや、気のせいじゃないか?」
「そんなこと、ない。記憶力はいいから、少なくとも字と声が違うのは合ってるはず。それに……女の子の匂いは、間違えない」

 匂いって……ん? あれ? うーん?
 そういえば、匂いまでは意識してなかったような気がしなくもない。普通なら分からないと思うが、痴漢願望持ちのレズっ子佐倉さんにかかれば女の子の匂いくらい簡単に嗅ぎ分けられても不思議ではないような。

 …………。

 どう考えても不思議です本当にありがとうございます!

「……そんな気がするってだけだろ? どうしてそこまで食い下がるんだ?」

 記憶力に自信があるとしても、常識で考えればありえないことだし、変人扱いされることを考えればそんな危ない橋を渡ろうとはしない。

「……藤原君が女の子だと、嬉しいから」
「えぇ……?」
「気のせいじゃなければ、頻繁に私のことを見てた……と思う」
「あー、えーと……」

 思いっきりバレてたことにダメージを受ける俺。女は男の視線に敏感だって言うし、おかしな話でもないか。……で、それがどう繋がると?

「も、もし……本当に、女の子だったら……」

 そこで一旦切ると、俯いてこっちに近づいてくる。どこまで来るのかドキドキしていると、その距離は後一歩という所まで縮まっていた。

「わ、私の体……自由にして、いい……から」

 魔法のせいで佐倉さんには分からないだろうけど、こっちの方が身長が若干低いお陰で真っ赤になった顔が良く見える。確かに、赤くもなるだろう。

 恥ずかしいのを我慢して、俺に告白よりも恥ずかしい宣言をしてくれたんだから。例え体目当てでも嬉しくないはずがない。

 俺は……ううん、わたしは、

「佐倉さん、可愛いよ……」
「ぁ……ぇ……」

 細くて柔らかい体を抱きしめ、耳元で囁くと、期待と戸惑いで揺れる瞳がわたしを見つめる。魔法を解除した本当の姿に驚いているみたい。
 佐倉さんの胸は予想以上に柔らかくて、恥ずかしがる姿は写真に残したいくらい可愛らしい。

 わたしが微笑んで見せると、あっという間に戸惑いよりも期待がその割合を占めていく。

「……藤原、君……?」
「うん、正真正銘、藤原 時雨だよ」
「……すごい」

 目の前で起きたから否定出来なかったのか、あるいは否定したくなかったのか、耳や尻尾をつんつんしながら「……可愛い」「……もふもふ」と幸せそうに呟く佐倉さん。

「――!」

 けれど、それを邪魔する者が現れた。
 足音を立てて階段を上ってくる誰か。話し声からすると男で、何やら『煙草』の銘柄がどうこうと話し合っているらしい。

 とりあえず、見られたらまずいのは確か。

「……ど、どうすれば――わっ……!?」

 非常事態なので、佐倉さんをお姫様抱っこの要領で抱えあげさせてもらう。

「ちゃんと掴まっててね」

 落とさないように、あくまで落とさない為に太ももをしっかり掴む。柔らかいとか、ショーツ丸見えとか、全くそんなこと思ってないし。
 と、ふざけていると人が来てしまうので、慌ててジャンプする。

 どこに? ……扉の上に。

 そこは給水塔を設置する為に広く作られていて、ハシゴがなければ登れない、隠れるには丁度いい位置だった。しかも、人外性能のわたしが居れば全力ジャンプで届いてしまう。

 何事も無く着地。
 それと同時に扉も開く。
 佐倉さんは腕の中で目を瞬かせていた。そっと降ろしてあげ、男達から隠れる為に二人で給水塔の裏へ。

「やっぱ学校で吸う煙草はうめぇな」

 そんな声が聞こえてきたので、そっとバレないように下を見る。

「……不良」
「まぁ、確かに……」

 格好だけ見たら、佐倉さんの方が不良度は上だと思うよ。

 体とのバランスがいいお尻を見てそんなことを考えていた。だって、四つん這いになってるから中身が丸見えなんだもん……男なら、見ちゃうよね?

「ん……ここで、するの……?」

 さり気なく触ったらそう聞いて来た。
 そして、思ったよりも嫌がらない佐倉さん。給水塔に背を預けて体育座りをすると、上目遣いで首を傾げる。あざとい。でも、それがいい。

 あと、スカートの中は見せつけてるのかな?

「時雨……って、呼んでも……いい?」
「うん。わたしも、白雪って呼んでいいの?」
「それは、恥ずかしい……ユキ、なら」
「白雪もぴったりだと思うけど、佐倉さんがそう言うなら……ユキ」
「時雨……ん……♡」

 黒いショーツの上から筋をなぞると、ユキがぴくっと反応した。

「……好きに触って、いい、よ……」

 自分からブレザーを半脱ぎにして足を開く。
 近づこうとしたわたしも、ぶかぶかで邪魔なブレザーとズボンを脱ぐ。少し汚れるくらいは我慢しよう。

「おっぱい大きい……」
「ん……今、Eカップ」

 抱きつくようにしてブラのホックを外すと、形の整った美巨乳が堂々と揺れる。すべすべふわふわな肌触りと、吸い付きたくなるような色素の薄い蕾に興奮しないはずもない。

「ん……♡ は、ぁ……♡」

 先っぽを舌で刺激すると、気持ちよさそうな声を出してあっという間に硬くなっていった。息を吐くような嬌声も段々と大きくなっていたので、そろそろまずいかと口を離す。

「あ……やめ、ないで……」

 目を潤ませておねだりされるけれど、こっちだってやめるつもりなんてない。というか、興奮し過ぎてやめられないし。

 綺麗な唇に指で触れ、無造作にわたしの唇を押し付ける。

「んむ……んっ♡ んぅっ♡♡」

 同時に、乳首を指で転がすように刺激してあげると、ぴくんっぴくんっと体が跳ねて脚がわたしの体を挟み込む。

「これ、気持ちいいんだ?」

 そう聞くと、こくこくと頷いて向こうからキスをしてきた。今度は舌を入れて、汚れるのも気にせず唾液を送り合う。

「キス、もっと……ひぁっ♡ んッ♡♡」

 キス待ちで油断した瞬間に乳首を摘み、大きく喘いでしまったユキが慌てて口を塞ぐ。

「――なぁ、今なんか聞こえなかったか……?」

 ユキがイヤイヤと首を振る。
 しかし、それを無視して乳首を弄り続ける。

「っ♡♡ ダ、メ……♡ 声、出ちゃ……ひっ♡」

 口を開いた瞬間に、乳首を爪でキュッと挟まれて悲鳴のような嬌声を漏らす。勿論、狙ってやってる。スリル満点で興奮するだろうと思って。

「誰か居るんじゃね?」
「あんなとこどうやって登んだよ。どうせ鳥とか猫だろ」
「そうかぁ?」

 バレずに済んでひと息つくユキ。
 けれど、わたしはそう甘くない。

「ぇ……?」

 脇に手を入れて抱えあげ、男達から見える位置に運ぶ。
 そして、立たせた状態で乳首を引っ張った。

「し、時雨、見られちゃ……♡ あっ♡ あぁっ♡」

 今度こそ喘ぎ声が聞こえ、男達が振り返る。その視線を受けてユキの体が硬くなるものの、視姦されることで興奮は高まっていく。

「やっ♡ やぁっ……♡ 見られ、てるっ♡ 見られて、イっちゃう……っ♡ 好きっ♡ あっ♡ 出ちゃうっ♡」

 もはや我慢することなく甘い声を垂れ流し、内股になりながら快感に身を任せる。やがてユキの興奮と快感は限界に達し、上体を反らしながら激しく痙攣した。

「……あぁっ♡ イクッ♡ しぐ、れ……っ♡ ……いい……っ♡ ああっ♡ イクッ♡♡ 出るぅぅぅっ♡♡♡」

 じょろろろ……

 だらしない声を上げながら潮を吹き、しかしそれはショーツに遮られて足元に水溜まりを作っていく。
 そんな姿に興奮しつつ、乳首を更に強く引っ張った。

「んぁぁッ♡ 時雨っ♡ すきっ♡ またイクっ♡ イグッ♡ イぐぅぅぅッ♡♡♡」

 ビクンっと一際大きく震えると、ユキの体から力が抜けて潮の水溜まりに座り込む。しかも、未だに潮がショーツから溢れてきて止まらない。

 えっちでだらしないユキが愛おしい。
 びちゃびちゃの彼女を抱きしめた途端また喘ぎ声が聞こえてきたけど、お構い無しにぎゅっとする。

「し、時雨……みられ、た……」
「大丈夫、ほら」
「……いな、い?」
「うん、見られてもいないよ」

 下には誰も居らず、わたしとユキだけが屋上に存在していた。もう分かってるかもしれないけど、幻想魔法さんが大活躍しました。
 喘ぎ声は猫の鳴き声、わたしたちの姿は化け物に見せかけたので、ユキがアヘっている頃には皆怖くて逃げていた訳です。

「……時雨の、バカ……」
「好きにしていいんでしょ?」
「それは、言ったけど……い、意地悪」

 涙目のユキも可愛い。
 お詫びの意味を込めでキスをすると、嬉しそうに応じてくれた。まだ数回目だからぎこちなさはあるものの、情熱的なお陰で気持ちは昂る一方。

「まだまだするよね?」

 返事は、邪魔な服を脱ぐことで示された。
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