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一章
夕飯準備は大忙し
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夕方までに食材の買い出しに行き、私は夕食に間に合う様に手をせっせと動かす。
昼は凄い勢いで皆が食べたから、夜は仕事から帰って来る人達はもっとお腹を空かせているだろう。
ここの住民は、人間に害をなす妖を取り締まる会社? 組織のような物に属している人達が多く、御守さんも昔はその仕事をしていたらしい。
今は『おおかみ宿舎』の管理人をしているからしていないのだとか。
それは置いておいて、妖同士で争いをする為に、体力も気力も減っていて、帰って来る人達はお腹を空かせているというので、たっぷりしっかりご飯を食べて貰わないとね。
それに、夜はお酒を飲んだりもするらしいから、おつまみ系も充実させておきたい。
「よっこいせー」
大きなお鍋を足元の戸棚から出すのも一苦労だ。
人数が多い分、調理器具も大きいからね。これは腕力が付きそうである。
まずは、朝の残った鰤を鰤大根にして、ボリュームを増す為に豚カツと、玉コンニャクの煮付けもの、サラダは中華風の春雨サラダにニンジンとレンコンのキンピラ。
お漬物は白菜と柚子の浅漬け。
「大根は面取りをして、味を染み込みやすくしないとね」
時間短縮。味の染み込みは大事である。
鰤は切り身を塩を振って、しばらくしたら水気を取って、お湯でサッとぬめりを取る。
大根を下茹でして、軟らかくしてから、生姜にお醤油や砂糖を入れて煮立たせて味を染み込ませていく。
鰤大根を煮ている間に、豚カツを準備して揚げるだけの状態にしておく。
豚カツは食べる直前に揚げた方が断然美味しい! 揚げたて一番! サクサクで美味しく頂いて欲しい。
キャベツの千切りもシャキシャキさせる為に、タッパーの中にたっぷり水を入れて冷蔵庫に入れておく。
こちらも食べる直前に水気を飛ばせばシャキシャキ。
この方法ならば、次の日もシャキシャキなのである。
「えーと、あとは……キンピラ! フライパンでサッと作っちゃおう!」
キンピラはゴボウよりもレンコンの方が火の通りが早いので、急いでいる時にはこっちが便利。
シャキシャキ感はこっちの方があるからね。うん。ゴボウがコリコリした食感なら、こっちはシャキシャキ。
サラダは緑豆春雨で中華風の春雨サラダ。
まぁ、要はゴマ油を少し入れて、風味を出してしまえば中華風という感じかな?
お醤油と出汁粉とお酢にお砂糖で味付けして、ゴマ油。これで十分な味付けと言える。
入れる野菜は、キュウリやハムに錦糸卵と、気取らない物で作る方が簡単。
庶民派が一番。
「ご飯も出来ているし……玉コンニャクも煮込んだし、充分かな?」
ご飯はすでに炊きあがっている。山菜と鶏肉の炊き込みご飯にしましたよ!
椿木さんがお昼からの出勤だった為に、夜のお弁当として作っておいたのだ。
ちなみに朧車のタキさんが、椿木さんの職場に届けに行ってくれた。
無人の車が走行しているのも怖いと思うんだけど、実のところ、普通の人には妖が見える人と見えない人もいる上に、妖本人の術で見えなくする事も可能なのだと言う。
便利……なのかな?
「まののん。なんか手伝う事あるか?」
「いえ。ほぼ、出来上がっているので……あっ、お酒のおつまみって何が良いですか?」
二階堂さんが厨房に現れ、楽しそうにつまみ食いをヒョイヒョイとしていくのを菜箸でビシビシと軽く手を叩き、二階堂さんにお酒のおつまみを聞いてみる。
「そうだなぁ。俺はこれで十分だと思うけどなぁ……まぁ、皆おつまみ系はコンビニで買ってきたりするから、心配要らねぇよ」
「そうですか?」
「それよりも、そろそろ豚カツ揚げておいた方がいいぜ? 七時には皆戻って来るからな」
「ハッ! もうこんな時間!! 直ぐに揚げます!!」
「おう。頑張れよ。ちゃんと揚げれたかの試し食いは任してくれ!」
「それは結構ですー」
ニシシと笑って二階堂さんは、キンピラを指で摘んでから出て行った。
まったく、行儀の悪い人だ……でも、二階堂さんって見た目が変わらないから、なんの妖か分からない。
私の足元では、すねこすりのチャモがスリスリと足に擦り寄ってウロウロしている。
「チャモ。踏んづけちゃうから、危ないよー?」
兎の尾の様な尻尾をピコピコ動かしてチャモは、私の足元を8の字を描いて歩き厨房から出て行った。
チャモは足元に体を摺り寄せるだけの妖怪なので、危険は何も無い普通の犬と同じ様な物らしい。
今、厨房に居るのはタワシの付喪神たちで、せっせと床に落ちたキャベツの千切りの飛び散った物を掃除したりして、働き回っている。
働き者が多いから、やはり、お腹いっぱいになるように、私は食堂の責任者として頑張らなきゃ。
「ご飯はまだー?」
そんな声が食堂にし始め、食堂に住民がきたようだ。
「はぁーい。直ぐにお出ししますねー!」
初日の私のお仕事はこんな感じで、幕を閉じることになる。
昼は凄い勢いで皆が食べたから、夜は仕事から帰って来る人達はもっとお腹を空かせているだろう。
ここの住民は、人間に害をなす妖を取り締まる会社? 組織のような物に属している人達が多く、御守さんも昔はその仕事をしていたらしい。
今は『おおかみ宿舎』の管理人をしているからしていないのだとか。
それは置いておいて、妖同士で争いをする為に、体力も気力も減っていて、帰って来る人達はお腹を空かせているというので、たっぷりしっかりご飯を食べて貰わないとね。
それに、夜はお酒を飲んだりもするらしいから、おつまみ系も充実させておきたい。
「よっこいせー」
大きなお鍋を足元の戸棚から出すのも一苦労だ。
人数が多い分、調理器具も大きいからね。これは腕力が付きそうである。
まずは、朝の残った鰤を鰤大根にして、ボリュームを増す為に豚カツと、玉コンニャクの煮付けもの、サラダは中華風の春雨サラダにニンジンとレンコンのキンピラ。
お漬物は白菜と柚子の浅漬け。
「大根は面取りをして、味を染み込みやすくしないとね」
時間短縮。味の染み込みは大事である。
鰤は切り身を塩を振って、しばらくしたら水気を取って、お湯でサッとぬめりを取る。
大根を下茹でして、軟らかくしてから、生姜にお醤油や砂糖を入れて煮立たせて味を染み込ませていく。
鰤大根を煮ている間に、豚カツを準備して揚げるだけの状態にしておく。
豚カツは食べる直前に揚げた方が断然美味しい! 揚げたて一番! サクサクで美味しく頂いて欲しい。
キャベツの千切りもシャキシャキさせる為に、タッパーの中にたっぷり水を入れて冷蔵庫に入れておく。
こちらも食べる直前に水気を飛ばせばシャキシャキ。
この方法ならば、次の日もシャキシャキなのである。
「えーと、あとは……キンピラ! フライパンでサッと作っちゃおう!」
キンピラはゴボウよりもレンコンの方が火の通りが早いので、急いでいる時にはこっちが便利。
シャキシャキ感はこっちの方があるからね。うん。ゴボウがコリコリした食感なら、こっちはシャキシャキ。
サラダは緑豆春雨で中華風の春雨サラダ。
まぁ、要はゴマ油を少し入れて、風味を出してしまえば中華風という感じかな?
お醤油と出汁粉とお酢にお砂糖で味付けして、ゴマ油。これで十分な味付けと言える。
入れる野菜は、キュウリやハムに錦糸卵と、気取らない物で作る方が簡単。
庶民派が一番。
「ご飯も出来ているし……玉コンニャクも煮込んだし、充分かな?」
ご飯はすでに炊きあがっている。山菜と鶏肉の炊き込みご飯にしましたよ!
椿木さんがお昼からの出勤だった為に、夜のお弁当として作っておいたのだ。
ちなみに朧車のタキさんが、椿木さんの職場に届けに行ってくれた。
無人の車が走行しているのも怖いと思うんだけど、実のところ、普通の人には妖が見える人と見えない人もいる上に、妖本人の術で見えなくする事も可能なのだと言う。
便利……なのかな?
「まののん。なんか手伝う事あるか?」
「いえ。ほぼ、出来上がっているので……あっ、お酒のおつまみって何が良いですか?」
二階堂さんが厨房に現れ、楽しそうにつまみ食いをヒョイヒョイとしていくのを菜箸でビシビシと軽く手を叩き、二階堂さんにお酒のおつまみを聞いてみる。
「そうだなぁ。俺はこれで十分だと思うけどなぁ……まぁ、皆おつまみ系はコンビニで買ってきたりするから、心配要らねぇよ」
「そうですか?」
「それよりも、そろそろ豚カツ揚げておいた方がいいぜ? 七時には皆戻って来るからな」
「ハッ! もうこんな時間!! 直ぐに揚げます!!」
「おう。頑張れよ。ちゃんと揚げれたかの試し食いは任してくれ!」
「それは結構ですー」
ニシシと笑って二階堂さんは、キンピラを指で摘んでから出て行った。
まったく、行儀の悪い人だ……でも、二階堂さんって見た目が変わらないから、なんの妖か分からない。
私の足元では、すねこすりのチャモがスリスリと足に擦り寄ってウロウロしている。
「チャモ。踏んづけちゃうから、危ないよー?」
兎の尾の様な尻尾をピコピコ動かしてチャモは、私の足元を8の字を描いて歩き厨房から出て行った。
チャモは足元に体を摺り寄せるだけの妖怪なので、危険は何も無い普通の犬と同じ様な物らしい。
今、厨房に居るのはタワシの付喪神たちで、せっせと床に落ちたキャベツの千切りの飛び散った物を掃除したりして、働き回っている。
働き者が多いから、やはり、お腹いっぱいになるように、私は食堂の責任者として頑張らなきゃ。
「ご飯はまだー?」
そんな声が食堂にし始め、食堂に住民がきたようだ。
「はぁーい。直ぐにお出ししますねー!」
初日の私のお仕事はこんな感じで、幕を閉じることになる。
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