953 / 960
27章
ドラゴンハーレム19
しおりを挟む
流石にルーファスも小さな子供の前で大人げない事も出来ないようで、威嚇は眉間にしわを少し寄せる程度。
でもスッカリ日南子さんを畏縮させ、フリーレンくんを脅えさせている。
可哀想に尻尾が足の間でくるんとしていて、小さな手で自分の尻尾を持っているのだから……うちのスクルードを見ているようで可愛いかなー? とは、思うけどね。
「ルーファス。小さな子を苛めたら駄目よ」
「苛めてはいない」
「なら、その眉間のしわを元に戻してちょうだいな。ごめんなさいね、この人ったら、私の事になると周りが見えないから」
「こちらこそ、番持ちの方には同姓とはいえ、配慮すべきでした」
「ごめんなさい……」
旦那さんのグーエンさんが小さく頭をさげると日南子さんも深々と頭をさげて、フリーレンくんと同じ様な顔で眉が下がっている。
「何か私に話があるのでしょう? 立ち話もなんですし、そこら辺でお茶でもしましょう」
私の提案に素直に応じてくれて、ホール内にある【刻狼亭】が出品している喫茶店に入った。
うちもね、温泉鳥の卵を使ったお菓子を色々と、お洒落な感じに売り出しているのですよ。【刻狼亭】らしさを求めると和風っぽい感じにはなるけれど、そこは【もんふぇ】と共同開発で洋風との融合をしている。
「おススメは、この温泉鳥の卵たっぷりのスフレに黒蜜ジェルと魔牛のソフトクリーム添えね」
「うわぁ~。スフレ! ああ! このメニュー表、これ写真! この世界にカメラがあるんですか!?」
「うふふ。まだ少しお高いけど、私と同じ様に日本からこの世界に来た人が作ったのよ」
「カメラ……!! お幾ら万円ですか!? これはもう、フリーレンの成長記録の為にも、わたし、大枚はたいちゃいます!」
「子供の可愛い姿は撮っておきたいものね。確か今開発中のスマートフォン型カメラが、あった気がするのよねー」
「スマートフォン!?」
日南子さんががぶり寄りで私とメニュー表に食いつき、私も携帯が自分と一緒にこの世界に落ちていて、自分の手元に戻った時に喜んだものだなぁと懐かしく感じる。
あれから、ありすさんのおかげでカメラも充実してきたのよね。
私はルーファスの異空間倉庫を漁り、スマートフォン型のカメラを取り出す。
「はい。これよ。使い方はわかるかしら?」
「分かります! スマートフォン世代なので……って、朱里さんも、ですよね?」
「一応ね。でも、私は携帯を使っていたから、スマートフォンはそこまで使えないのよね」
「そうなんですか。わっわっ! 四年ぶりに、スマートフォンだぁ~」
目を輝かせる日南子さんに可愛いなぁと目を細めると、グーエンさんも愛おしそうに日南子さんを見つめている。
ルーファスも美形だとは思うけど、グーエンさんの美形具合とは違うのよね。
氷の美しさを兼ね備えているようで、冷たいように見えて日南子さんとフリーレンくんにだけは、小春日和の暖かな柔らかさを出している。
うん。美形は目の保養よねぇ。
「アカリ……」
「うん? なぁに? ルーファス」
「オレが一番だよな」
「そんなどすの利いた声で言わなくても、ルーファスが一番ですよ。何を言っているの」
「アカリがそいつを見る目が違うからだ」
あらまぁ、目ざとい。
浮気じゃなくて、これは目の保養。アイドル枠というか俳優を見るようなものである。
うん。断じて、違うんだけど……ルーファスの目が怖い。
嫉妬の文字が浮かんでいる。
「えーと、そうだ。スーとコハルでも連れてこようかしら! 甘味を食べさせてあげたいしね」
「アカリ。話はまだ……」
「行ってきます!」
ルーファスに詰め寄られそうなのな予感に、私はすぐさま移転魔法で自宅へゴーよ。
自宅ではミルアが子供達の相手にぐったりしていたから、シャルちゃんとコハルとスクルードを連れて再び戻ってきた。
戻るとルーファスが注文をしてくれていたらしく、テーブルには大量の甘味が並んでいた。
「ルーファス、これは……」
「何を食うか分からなかったからな」
「もう。こんなにいっぱい頼んじゃって……」
「わぁ! ちちうえ、しゅごーい!」
「……じぃじ、しゅごーい」
「いっぱいだね。父上」
ああ、コハルやシャルちゃんにスクルードに満漢全席状態の甘味を目で楽しませてあげたかったのね。
まったく、こういうところはお金持ちのお坊ちゃんなんだから。
日南子さんはメモをしていて、グーエンさんはフリーレンくんにメニューを見せている。
「フリーレンくん。うちのスクルードにコハル。そして孫のシャルちゃんだよ。仲良くしてあげてね。ほら、皆も、新しいお友達のフリーレン君だよ。ご挨拶して」
食べ物から三人をフリーレンくんの方へ向かせると、ここで興味津々で近付くのは、やっぱりコハルで、早速両手を広げてハグをする。
「ふりゅりゅー、ようしくね!」
「よろしく……ね?」
コハルに抱きつかれたフリーレン君は首を傾げて状態が把握できていないようで、私としては微笑ましいなぁと思うのだけど、ルーファスとスクルードは同じような顔をしてムッとした表情だ。
大事な娘と妹が男の子に抱きつくのは嫌みたい。
でもスッカリ日南子さんを畏縮させ、フリーレンくんを脅えさせている。
可哀想に尻尾が足の間でくるんとしていて、小さな手で自分の尻尾を持っているのだから……うちのスクルードを見ているようで可愛いかなー? とは、思うけどね。
「ルーファス。小さな子を苛めたら駄目よ」
「苛めてはいない」
「なら、その眉間のしわを元に戻してちょうだいな。ごめんなさいね、この人ったら、私の事になると周りが見えないから」
「こちらこそ、番持ちの方には同姓とはいえ、配慮すべきでした」
「ごめんなさい……」
旦那さんのグーエンさんが小さく頭をさげると日南子さんも深々と頭をさげて、フリーレンくんと同じ様な顔で眉が下がっている。
「何か私に話があるのでしょう? 立ち話もなんですし、そこら辺でお茶でもしましょう」
私の提案に素直に応じてくれて、ホール内にある【刻狼亭】が出品している喫茶店に入った。
うちもね、温泉鳥の卵を使ったお菓子を色々と、お洒落な感じに売り出しているのですよ。【刻狼亭】らしさを求めると和風っぽい感じにはなるけれど、そこは【もんふぇ】と共同開発で洋風との融合をしている。
「おススメは、この温泉鳥の卵たっぷりのスフレに黒蜜ジェルと魔牛のソフトクリーム添えね」
「うわぁ~。スフレ! ああ! このメニュー表、これ写真! この世界にカメラがあるんですか!?」
「うふふ。まだ少しお高いけど、私と同じ様に日本からこの世界に来た人が作ったのよ」
「カメラ……!! お幾ら万円ですか!? これはもう、フリーレンの成長記録の為にも、わたし、大枚はたいちゃいます!」
「子供の可愛い姿は撮っておきたいものね。確か今開発中のスマートフォン型カメラが、あった気がするのよねー」
「スマートフォン!?」
日南子さんががぶり寄りで私とメニュー表に食いつき、私も携帯が自分と一緒にこの世界に落ちていて、自分の手元に戻った時に喜んだものだなぁと懐かしく感じる。
あれから、ありすさんのおかげでカメラも充実してきたのよね。
私はルーファスの異空間倉庫を漁り、スマートフォン型のカメラを取り出す。
「はい。これよ。使い方はわかるかしら?」
「分かります! スマートフォン世代なので……って、朱里さんも、ですよね?」
「一応ね。でも、私は携帯を使っていたから、スマートフォンはそこまで使えないのよね」
「そうなんですか。わっわっ! 四年ぶりに、スマートフォンだぁ~」
目を輝かせる日南子さんに可愛いなぁと目を細めると、グーエンさんも愛おしそうに日南子さんを見つめている。
ルーファスも美形だとは思うけど、グーエンさんの美形具合とは違うのよね。
氷の美しさを兼ね備えているようで、冷たいように見えて日南子さんとフリーレンくんにだけは、小春日和の暖かな柔らかさを出している。
うん。美形は目の保養よねぇ。
「アカリ……」
「うん? なぁに? ルーファス」
「オレが一番だよな」
「そんなどすの利いた声で言わなくても、ルーファスが一番ですよ。何を言っているの」
「アカリがそいつを見る目が違うからだ」
あらまぁ、目ざとい。
浮気じゃなくて、これは目の保養。アイドル枠というか俳優を見るようなものである。
うん。断じて、違うんだけど……ルーファスの目が怖い。
嫉妬の文字が浮かんでいる。
「えーと、そうだ。スーとコハルでも連れてこようかしら! 甘味を食べさせてあげたいしね」
「アカリ。話はまだ……」
「行ってきます!」
ルーファスに詰め寄られそうなのな予感に、私はすぐさま移転魔法で自宅へゴーよ。
自宅ではミルアが子供達の相手にぐったりしていたから、シャルちゃんとコハルとスクルードを連れて再び戻ってきた。
戻るとルーファスが注文をしてくれていたらしく、テーブルには大量の甘味が並んでいた。
「ルーファス、これは……」
「何を食うか分からなかったからな」
「もう。こんなにいっぱい頼んじゃって……」
「わぁ! ちちうえ、しゅごーい!」
「……じぃじ、しゅごーい」
「いっぱいだね。父上」
ああ、コハルやシャルちゃんにスクルードに満漢全席状態の甘味を目で楽しませてあげたかったのね。
まったく、こういうところはお金持ちのお坊ちゃんなんだから。
日南子さんはメモをしていて、グーエンさんはフリーレンくんにメニューを見せている。
「フリーレンくん。うちのスクルードにコハル。そして孫のシャルちゃんだよ。仲良くしてあげてね。ほら、皆も、新しいお友達のフリーレン君だよ。ご挨拶して」
食べ物から三人をフリーレンくんの方へ向かせると、ここで興味津々で近付くのは、やっぱりコハルで、早速両手を広げてハグをする。
「ふりゅりゅー、ようしくね!」
「よろしく……ね?」
コハルに抱きつかれたフリーレン君は首を傾げて状態が把握できていないようで、私としては微笑ましいなぁと思うのだけど、ルーファスとスクルードは同じような顔をしてムッとした表情だ。
大事な娘と妹が男の子に抱きつくのは嫌みたい。
50
お気に入りに追加
4,628
あなたにおすすめの小説

お腹の子と一緒に逃げたところ、結局お腹の子の父親に捕まりました。
下菊みこと
恋愛
逃げたけど逃げ切れなかったお話。
またはチャラ男だと思ってたらヤンデレだったお話。
あるいは今度こそ幸せ家族になるお話。
ご都合主義の多分ハッピーエンド?
小説家になろう様でも投稿しています。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

婚約者が巨乳好きだと知ったので、お義兄様に胸を大きくしてもらいます。
鯖
恋愛
可憐な見た目とは裏腹に、突っ走りがちな令嬢のパトリシア。婚約者のフィリップが、巨乳じゃないと女として見れない、と話しているのを聞いてしまう。
パトリシアは、小さい頃に両親を亡くし、母の弟である伯爵家で、本当の娘の様に育てられた。お世話になった家族の為にも、幸せな結婚生活を送らねばならないと、兄の様に慕っているアレックスに、あるお願いをしに行く。

夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました
氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。
ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。
小説家になろう様にも掲載中です

【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される
奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。
けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。
そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。
2人の出会いを描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630
2人の誓約の儀を描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」
https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041

淫らな蜜に狂わされ
歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。
全体的に性的表現・性行為あり。
他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。
全3話完結済みです。

婚約者である皇帝は今日別の女と結婚する
アオ
恋愛
公爵家の末娘として転生した美少女マリーが2つ上の幼なじみであり皇帝であるフリードリヒからプロポーズされる。
しかしその日のうちにプロポーズを撤回し別の女と結婚すると言う。
理由は周辺の国との和平のための政略結婚でマリーは泣く泣くフリードのことを諦める。しかしその結婚は実は偽装結婚で
政略結婚の相手である姫の想い人を振り向かせるための偽装結婚式だった。
そんなこととはつゆ知らず、マリーは悩む。すれ違うがその後誤解はとけマリーとフリードは幸せに暮らしました。

今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を
澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。
そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。
だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。
そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。
過去1ヶ月以内にノーチェの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、ノーチェのすべての番外編を読むことができます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
番外編を閲覧することが出来ません。
過去1ヶ月以内にノーチェの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、ノーチェのすべての番外編を読むことができます。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。