黒狼の可愛いおヨメさま

ろいず

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クリスマス番外編 

スーと朱里サンタ

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 間欠泉の多く点在する温泉大陸。
 大きな橋で陸地からは入る事が出来るが、温泉大陸は一つの国として機能している為に入国する為には手続きが必要で、【刻狼亭】の十五代目当主がつがいである妻を守るためにより厳しい入国審査になってしまい、それは引き継がれて今現在も入国することが難しい。

「お兄ちゃーん! 退いて~!!」

 白と黒の縦縞の着物に赤い帯をした、白と黒に見事に髪の色が別れている妹が空から降ってきた。
 両手には何処から採ってきたのかミッカの実を大量に抱えている。
 腕に抱き留めようと腕を伸ばせば、その腕を踏み台にして高く跳躍すると妹は半回転しながら地面に着地する。

「コハル! 何をしているのさ!」
「やんっ。怒らないでよ」

 着物の裾を手で払いながらコハルは白黒の尻尾をふわりと動かす。
 母上によく似た顔立ちをしていて、十六歳を過ぎたというのに未だに父上はコハルを贔屓していて猫かわいがりする。
 そのせいでコハルは少々ワガママ……というより、子供の頃からはワガママな性格をしている。
 ヤンチャなところもあって、今現在、この温泉大陸で女性の中ならコハルが一番強いだろう。

「母上と父上に怒られても、オレは庇ったりしないよ」
「スクルードお兄ちゃんに、庇ってもらおうとは思って無いよーだ」
「それに、そのミッカの実は何処から採ってきたのさ? まさかハガネの果樹園から採ってきたりして無いよね?」
「それはどうかなー? えへへ」

 目を反らすコハルに頭痛を覚えて、ハァーと溜め息を吐く。
 ハガネの果樹園は温泉大陸にしか生息しない温泉鳥達用の果物で、勝手に採ったりするとハガネにも怒られるし、食い意地のはった温泉鳥達からも追いかけ回されるのだ。
 コハルは分かっているのかいないのか、ミッカの実を風呂敷に包み込んでしまう。

「それじゃ、お兄ちゃんまたねー」
「あっ! コハル!」

 コハルは突風のごとく人波の中へと消えて行った。
 我が妹ながら、あのお転婆ぶりはどうなのだろうか?

「アーパーッ!」
「グワッグワワ!!」
「あっちゃー……」

 丸くてずんぐりむっくりな灰色の鳥たちが、目を吊り上げて集団で街中を転がるように駆けている。
 コハルを追い駆けているのだろう。

「刻狼亭のお嬢様が……ミッカ泥棒とは……」

 オレはハガネが眉間にしわを寄せて「オイオイ」と言うのを想像して、早めに温泉鳥たちをハガネに静めてもらわないとと、家の方へ足を速める。
 刻狼亭の料亭の隣りにあるのが我が家。
 トリニア家の本家……と、いっていいのだろうか? 父上も母上も今は温泉大陸の街中より少しばかり人の居ない旧女将亭で二人仲良く暮らしている。
 今、家に住んでいるのはオレ達兄妹に、母上の従者でオレの子供の頃から魔法の先生をしてくれているハガネだ。
 十六代目の当主リュエール兄上は森の中に自分の家がある為、そこで暮らしている。
 当主の家を本家と言うなら、森の家かもしれない。

「ただいまー。ハガネいるー?」

 家の中に響くように大きい声で呼びかけると、昔と変わらない少女のような姿で母上が廊下をパタパタと走ってくる。

「スーちゃん、おかえりなさい~」
「母上。何しているの?」
「クリスマスだから、子供達にプレゼントを配ろうと思って。うふふふ」
「あー、毎年母上が木に何か飾って夜中にプレゼント置いていくやつの季節だったね」
「あらあら。スーちゃん、クリスマスは大事よ?」

 母上の元の世界で『サンタクロース』というお爺さんが、良い子の所にプレゼントを置いていく行事らしく、忙しいサンタクロースの代わりに親が代役で子供達にプレゼントを配っているのだと母上は昔力説していた。
 もう皆働いていていい年なのだし、プレゼントを貰うような子供じゃない。
 甥っ子や姪っ子も居るけれど、サンタクロースをするなら兄上や姉上の仕事だ。

「スーちゃん。桜ちゃんと一緒に毎年クリスマスをすることになると、母上は予想しまーす。だから、絶対大事なんだからね?」
「母上の世界じゃ、それってそんなに大事?」
「それはそうよ。恋人たちが盛り上がるイベントだし、家族だと十二月前後からいい子達だらけになるわよ」

 サクラはオレの運命の番で、母上の居た世界で今は暮らしている。
 たまに会いに行っていて、関係は良好……だと思いたいけど、サクラはオレのことを犬だと思われていて、なかなか一歩が踏み出せない。

「今年こそサクラちゃんにクリスマスプレゼントでも渡して、仲良くなるチャンスじゃないのかなぁ~?」
「ううー……でも、何も用意してないし……」
「ふっふーん。母上サンタさんは、そんなスーちゃんをお見通しです。スーちゃんへのプレゼントは、桜ちゃんが喜ぶものをご用意致しました~」

 母上は革製で出来たポーションホルダーのような物を取り出して、得意な顔をした。
 女の子がこんな物を喜ぶだろうか? 異世界人の女の子はこういうものなの???

「あー、その顔は疑ってるでしょ! もう! 母上に泣いて感謝すること間違いなしのアイテムなんだからね? ルーファスと一緒に素材を取りに行って、ドワーフの鍛冶屋さんで作って貰ったんだから」
「うーん。コレ、何に使う物なの?」
「これはねー、ジャーン。ハサミを腰からぶら下げる物でーす」

 銀色のハサミの数々を手に母上が革のポーションホルダーにハサミを仕舞い込んでいく。
 ドワーフの鍛冶屋に頼んだだけあって、ハサミ自体が凄い物な気がする……

「シザーホルダーとハサミ各種セット付き~」
「こんな物、サクラが喜ぶかな?」

 母上の美的感覚が疑わしい気がする。
 半目で母上を見ると、母上は「あっ」と声を上げた。

「そっか。まだスーちゃんは、サクラちゃんが将来何を目指しているのか知らない時期なんだ。うふふ、じゃあこれはまだあげられないかなー」
「もしかして、未来の話?」
「それは、秘密でーす。母上と今した会話は、マルッと忘れてね」
「いや、それは流石に無理だよ母上」
「もう。融通の利かない子ね」

 母上と押し問答を繰り返し、ようやく母上が折れてくれた。
 でも、サクラが将来何になりたいのかとか、シザーホルダーにハサミがどうして喜ばれるのかは教えてもらえなかった。

「母上は他の子達にもプレゼントを渡しに行くから、スーちゃんは桜ちゃんの所に届けてらっしゃいな。折角のクリスマスなんだしね。あっ、お手紙も添えておいてあげるね」

 言うや否や、母上はまたパタパタと足音を立てて廊下の奥へ消えていく。
 母上と入れ替わりに父上が出てきて、母上の行った先を見てからオレの肩に手を置く。

「アカリはこの日を楽しみに準備していたのだから、スー、お前もいい加減サクラに正体を明かしてこい」
「そりゃ、出来るならそうしたいけど……サクラは、オレのこと犬だと思って可愛がってくれてるし、バレたら犬のフリして色々やっちゃったアレソレで、サクラに嫌われちゃうから……」
「スー……」
「そんな目で見ないでよ! あっちの世界で耳と尻尾を出してたら不審者にしかならないんだから、仕方ないじゃない!」

 胡散臭そうな目をオレに向けてくる父上はどうかと思うけど、オレもちょっと自分が犬と思われているのを良いことに、サクラに抱きついたりペロペロ頬や唇を舐めたりしたのは……うん、どうかと思う。
 だけど、番の匂いに我慢出来ないのだから仕方がない!
 未来の時間軸を大きく変化させないように、極力オレだって我慢しているのだから、少しは多めに見て欲しい。

「スーちゃん。これで大丈夫よ」

 笑顔で桜色の風呂敷にシザーホルダーと手紙を入れて、母上がオレの首に風呂敷を巻き付けた。
 仕方なく獣化すると、母上は「上手くいくと良いね」と嬉しそうな顔をする。

「母上、手紙に余計なこと書いて無いよね?」
「大丈夫よ。ヘタレなスーちゃんは正体を明かせないだろうから、『いつもうちのスーを可愛がってくれてありがとうございます。クリスマスプレゼントで夢に向かって頑張って下さい。スーのママサンタより』って書いただけだもの」

 ヘタレ扱いは酷いと思いつつも、きっとサクラにはいつも通り、犬のまま可愛がってもらうだけだろう。
 そこら辺は分かっている。
 獣化を解いてしまったら、きっとサクラを無理やりこっちの世界に連れ帰ってしまいそうだから、今は我慢だ。
 サクラにいっぱい触られて、幸せに浸ってこよう。

「いってらっしゃい。スーちゃん。メリークリスマス」
「少しは男気を見せて来い」
「ルーファス! もう、こういうのはスーちゃんのタイミングで頑張らせてあげて」

 母上と父上の声を背中に、オレは異世界を渡ってサクラの元へ出掛けて行った。

「はぁー、空気が相変わらず美味しくない……」

 異世界に来ていつも思うのは、空気の悪さと人々の忙しない動きだ。
 こんな世界じゃ、サクラもいつか病気になってしまうんじゃないだろうか?
 魔法があれば空気を綺麗にしたり、もっと周りを見ながらゆっくりと自分自身の時間を生きていけるのに。
 魔法が無い世界で生きるというのは、すごく不便そうだ。
 
「さて、サクラに会いに行こう」

 オレは通いなれたサクラの家に続く道を歩いていく。
 赤いレンガで作られた花屋を経営している家が、サクラの家だ。
 黒い螺旋階段を上り、ドアを爪でカリカリと引っ掻けば、中からサクラが「いらっしゃい」と出て来てくれた。
 今日のサクラは白いセーターに赤い大胆なミニスカート……
 
「最近来ないから、車に轢かれたのかと思って心配してたのよ」
「ワン!」
「あっ、今日は何か持ってきているの?」

 オレは首を下げて風呂敷を降し、口に咥えるとサクラに風呂敷を押し付ける。

「私にくれるの?」
「ワン!」
「何かなー?」

 中身は母上の選んだ女の子には向かない物だけどね。
 そう思ってサクラが風呂敷を広げるのを見ていると、サクラの目が丸く驚いた表情になった。
 
「これって……嘘……っ」
「クゥーン……」

 サクラが口元を押さえて小さく震えている。
 やっぱり母上の選んだものじゃ喜んでないじゃないか!
 少し母上に怒りたい気持ちと、サクラに申し訳ない気持ちで、サクラの手を舐める。
 舌の上に甘くて蕩けそうな番の味がして、オレはへにゃっと口元が下がってしまう。

「手紙……私の、夢……。わぁ……良いのかな」

 サクラの目に涙が浮かんでいる。
 どうしよう? 悪い物をあげてしまっただろうか?
 心配していると、サクラはオレの頭を撫でて「嬉しいなぁ……」と小さく呟いた。
 嬉しい? そんな物が?

「私ね、美容師になりたいの。でも、両親はいい学校に行って、いい会社に就職しなさいって……誰も私を分かってくれなかったの。でも、あなたのご主人様は私を応援してくれて、こんな良い物もくれるんだね」

 サクラの夢は美容師???
 美容師ってなんだろう?
 これは後で母上に聞こう。絶対に!
 サクラはオレを家の中に入れてくれて、部屋の中でサクラは机に向かって何かを書いていた。
 
「これをスーのご主人様に渡してね。今日ね、家族で出かけるからスーとあまり遊んであげられないの。ごめんね」
「キュウウウン」
「本当にごめんね。スー、メリークリスマス」
「クゥーン」

 サクラはオレの首に手紙の入った風呂敷を巻き付けて、玄関まで送ってくれた。
 もう少し一緒に居たかったのに……でも、サクラの夢を母上に聞くのが先だ。
 オレはサクラに見送られながら、また元の世界へ戻る。
 帰りついた時、家ではコハルがお説教されて、頬を膨らませている最中だった。
 
「どうしてミッカ泥棒なんてしたの! これはハガネが温泉鳥の為に、丹精込めて作っているのを知っているでしょう?」
「だって、ミッカ欲しかったんだもん!」
「まぁまぁ、アカリ。コハルだって少し拝借しただけだろ?」
「ルーファスは黙ってて!」

 クワッと母上が父上に噛みつき、コハルはそろそろと逃げようとするのをハガネに掴まって、また母上に怒られていた。
 これは今日、母上に美容師が何かを聞くのは無理かもしれない。


 そして、オレが美容師が髪を切る職業のことだと知るのは少し後だ。
 サクラが美容師になって、この温泉大陸に来た時、サクラの為に美容院を建てて暮らし始めた時、サクラの腰にはこの日のクリスマスプレゼントが下げられていて、毎年、サクラが母上に「メリークリスマスです。お義母さん」と声をかけるのも恒例となるのは、数年先の話。
 
 ちなみに、コハルのミッカ泥棒は、三日でクリスマスツリーを再現して母上を喜ばせたかったということらしい。
 うん、でもねコハル。
 木にミッカをぶっ刺しても、普通に木に実が生っているだけにしか思えない。
 母上にちゃんとしたクリスマスツリーを再現してもらって、次の年からは母娘でクリスマスツリーを飾るようになる。
 きっと毎年この季節にサクラもコハルも思い出すのだろう。
 母上のサンタクロースとクリスマスツリーを。
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