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27章
ドラゴンハーレム12
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武術大会の会場は花のような形で落ち着き、それぞれの国がある位置に各国の参加選手がまばらに座っている。
本日は事前試合つまりは、非公式の練習試合のようなもので、会場の強度試験や、ルールの変更などを戦わせて改善しようという事みたいだ。
「ふわぁ……凄いね」
見渡す限り、一級冒険者という人達ばかりだ。
温泉大陸でも見た人や、知らない人もいるけれど、巨大な武器やクリスタルで出来た細身の美しい杖にどんな素材で作ってあるのか? というような服装の人もいる。
人種も様々で、今回の武術大会の為に国がお金を払って自国民にした人もいるのだとか。
「あっ! カイナくんだ!」
「あの青二才も来ているのか」
「こら、ルーファス。そういう事言わないの」
私が手を振ると、カイナくんも気づいて頭を下げる。
前より大人びた……と、いうよりは、実際初めて出会った時よりも大人だし、魔獣の王退治の時から三年は経っているものね。
「カイナくんは海の上とか走ったり出来て、凄かったよね」
「腐っても元勇者だからな」
ちなみに、今現在の勇者はダークエルフのサザンさんだ。
サザンさんも武術大会に選手として参加しているので、こちらも先程挨拶をしておいた。
「それより、練習試合の開始のようだぞ」
会場の中心へ楽しそうに尻尾を振って、こちらに手を振っている青年……うちの次男坊シュトラール。
一番手をかって出るあたり、あの子もルーファスに似て血の気が多いのかもしれない。
シュトラールに手を振り返す。
やる気があるのか無いのか、欠伸をしながらシュトラールの後ろをついて歩くのはハガネで、珍しく魔力増幅の杖を手に持っている……んだけど、やはりハガネはおざなりに持っているから、貴重な木でつくられている物だとは思い辛い。
服も防御力重視の物なのに、着崩しているし……守る気があるのか無いのか? って、感じね。
「ハガネー! しっかり!」
「ハガネ! 嫁の従者として見せつけろ!」
「うっせー! まだ事前試合だっつーの!」
ドラゴン達の声援?にハガネが杖を振り回して言い返し、ハガネの後ろでリロノスさんとキリンちゃんにイルマールくんが笑っていた。
テンは会場に散らばっている小鬼達と連絡を取り、会場の状態を把握するために事前試合は不参加。
「対戦相手は?」
「ベルドラ国の……温泉大陸の東北、子供達が生まれる前に病魔が流行っただろう? あの時に遺跡があった国だ」
「あそこかぁ。だとしたら、竜人国より下の位置にある国だから……」
私は竜人国の観客席より右斜め下にある観客席を見る。
褐色の肌をしたミシリマーフ国の人達から獣人要素を抜いた感じだ。
ベルドラを南下した場所にミシリマーフ国があるので、少なからず砂漠の土地続きの二国といえる。
やはり、武術大会とあって体格の良い青年を筆頭に体つきが違う。
「うわぁ……筋骨隆々~。あんな風に筋肉ですって感じの筋肉凄いよね!」
「日々の成果だろうな」
「ルーファスやシューちゃん達も筋肉凄いけどね」
「オレ達獣人は、元々筋肉が付きやすいからな。それでも、付け過ぎると動きが鈍くなる分、技を磨いていく」
「うんうん。スーちゃんを朝鍛えたりしているから、ルーファスは衰え知らずだよねぇ」
パタパタとルーファスの尻尾が揺れて、少し得意げな顔をしている。
私もルーファスの取り扱いには慣れていますよ。まぁ、褒めすぎると筋肉トレーニングをしそうなのでセーブは必要だけどね。
底なしのスタミナは怖いものがある。夜とか夜とか夜に!
私達が話をしている間に、ベルドラ国の人達が会場へと下りて行っていた。
「シューちゃん、頑張ってー!」
シュトラールが嬉しそうな顔で両手を振っていて、こうした子供っぽいところは幾つになっても変わらない。
『事前試合ですが~、会場の強度を見たいので~、本気でお願いしますね~。回復ポーションに回復師は本部で用意しますので、思う存分やって下さーいね~』
会場のアナウンスにテンの間延びした声が響き渡った。
本日は事前試合つまりは、非公式の練習試合のようなもので、会場の強度試験や、ルールの変更などを戦わせて改善しようという事みたいだ。
「ふわぁ……凄いね」
見渡す限り、一級冒険者という人達ばかりだ。
温泉大陸でも見た人や、知らない人もいるけれど、巨大な武器やクリスタルで出来た細身の美しい杖にどんな素材で作ってあるのか? というような服装の人もいる。
人種も様々で、今回の武術大会の為に国がお金を払って自国民にした人もいるのだとか。
「あっ! カイナくんだ!」
「あの青二才も来ているのか」
「こら、ルーファス。そういう事言わないの」
私が手を振ると、カイナくんも気づいて頭を下げる。
前より大人びた……と、いうよりは、実際初めて出会った時よりも大人だし、魔獣の王退治の時から三年は経っているものね。
「カイナくんは海の上とか走ったり出来て、凄かったよね」
「腐っても元勇者だからな」
ちなみに、今現在の勇者はダークエルフのサザンさんだ。
サザンさんも武術大会に選手として参加しているので、こちらも先程挨拶をしておいた。
「それより、練習試合の開始のようだぞ」
会場の中心へ楽しそうに尻尾を振って、こちらに手を振っている青年……うちの次男坊シュトラール。
一番手をかって出るあたり、あの子もルーファスに似て血の気が多いのかもしれない。
シュトラールに手を振り返す。
やる気があるのか無いのか、欠伸をしながらシュトラールの後ろをついて歩くのはハガネで、珍しく魔力増幅の杖を手に持っている……んだけど、やはりハガネはおざなりに持っているから、貴重な木でつくられている物だとは思い辛い。
服も防御力重視の物なのに、着崩しているし……守る気があるのか無いのか? って、感じね。
「ハガネー! しっかり!」
「ハガネ! 嫁の従者として見せつけろ!」
「うっせー! まだ事前試合だっつーの!」
ドラゴン達の声援?にハガネが杖を振り回して言い返し、ハガネの後ろでリロノスさんとキリンちゃんにイルマールくんが笑っていた。
テンは会場に散らばっている小鬼達と連絡を取り、会場の状態を把握するために事前試合は不参加。
「対戦相手は?」
「ベルドラ国の……温泉大陸の東北、子供達が生まれる前に病魔が流行っただろう? あの時に遺跡があった国だ」
「あそこかぁ。だとしたら、竜人国より下の位置にある国だから……」
私は竜人国の観客席より右斜め下にある観客席を見る。
褐色の肌をしたミシリマーフ国の人達から獣人要素を抜いた感じだ。
ベルドラを南下した場所にミシリマーフ国があるので、少なからず砂漠の土地続きの二国といえる。
やはり、武術大会とあって体格の良い青年を筆頭に体つきが違う。
「うわぁ……筋骨隆々~。あんな風に筋肉ですって感じの筋肉凄いよね!」
「日々の成果だろうな」
「ルーファスやシューちゃん達も筋肉凄いけどね」
「オレ達獣人は、元々筋肉が付きやすいからな。それでも、付け過ぎると動きが鈍くなる分、技を磨いていく」
「うんうん。スーちゃんを朝鍛えたりしているから、ルーファスは衰え知らずだよねぇ」
パタパタとルーファスの尻尾が揺れて、少し得意げな顔をしている。
私もルーファスの取り扱いには慣れていますよ。まぁ、褒めすぎると筋肉トレーニングをしそうなのでセーブは必要だけどね。
底なしのスタミナは怖いものがある。夜とか夜とか夜に!
私達が話をしている間に、ベルドラ国の人達が会場へと下りて行っていた。
「シューちゃん、頑張ってー!」
シュトラールが嬉しそうな顔で両手を振っていて、こうした子供っぽいところは幾つになっても変わらない。
『事前試合ですが~、会場の強度を見たいので~、本気でお願いしますね~。回復ポーションに回復師は本部で用意しますので、思う存分やって下さーいね~』
会場のアナウンスにテンの間延びした声が響き渡った。
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