黒狼の可愛いおヨメさま

ろいず

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27章

ドラゴンハーレム10

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 泡だらけになって大の大人が遊んでは駄目ね……と、反省したのは私とルーファスが夕飯の時間に遅刻して、ドラゴン達に怒られたときだ。
 子供達が居ないから、つい童心に返ってしまったというか、なんというか……まぁ、ちょっとエッチな事もしてしまったりで、時間を忘れていた。

「もう。アカリもルーファスも反省してよね? わたし、ギルを含めて皆を止めるの大変だったんだからね」
「ごめんね、アルビー」

 プリプリと怒って頬をふくらませるアルビーに謝り、大皿に盛られた料理を小皿に移して貢ぎ物のように手渡す。

「アカリ、この料理は珍しいぞ」
「どれどれ。あっ、中身がホックりしてる」

 アルビーや他のドラゴン達に給仕する私に、給餌をしてくれるのはルーファスで、口の中に色々と食べ物を入れてくれる。
 色々な国の料理が集まる場所だから、こういう料理もあるのねーと、勉強にもなる。
 鶏肉の唐揚げかと思えば、中は芋を潰した物だったり、サラダにふんだんに使われている透明の海藻が、実は透明の魚で、甘辛いトロピカルなフルーツソースをつけたりと、初めて食べる味もある。

「ハガネが居れば、色々覚えてくれるのになぁ」
「どうせハガネも参加するのだから、来た時に覚えるだろう」
「うんうん。ハガネに覚えてもらえば、温泉大陸でも似たようなものが食べれるからねー」

 我が家のハガネはとても勉強熱心なので、色々器用に覚えてくれるから助かるのよね。
 ちなみにハガネといえば、今現在、家の次男シュトラールにダンジョンに連れていかれている頃だ。
 ハガネは魔法特化だから、物理で攻撃されると試合終了だからね。
 なんだかんだで、ハガネの幻惑魔法は人に知られている為に、対策をされると厄介だから、通常魔法の強化も出来るように、魔力増幅が出来る武器と防具の素材を集める事になった。
 シュトラールが居れば、大抵のダンジョンは平気だからね。
 うちの子で一番器用に攻撃と魔法が使えるのはシュトラールだったりする。

「シューちゃんって、ルーファスの良い所だけを引き継いだわよね」
「シューはアカリの良い所も引き継いでいるしな」
「ふふふっ。私が魔法を初めから使えていたら、シューちゃんみたいに万能だったかもね」
「まぁ、ドジな所もあるがな」
「そうなのよねー。シューちゃんは落ち着きがあれば、完璧だったのにね」

 ルーファスの攻撃的な所と私の回復魔法のいいとこどりがシュトラールで、他の子達はここまで特化された子はいない。スクルードは魔法特化になりつつあるけど、バランス的にはシュトラールが一番かな?
 リュエールは器用になんでもこなすけど、基本、ルーファスの攻撃的なところが強く出ている。
 コハルは未知数。あの子に関しては、今までの子供達とは少しだけ違う独特のところがある。
 花の魔法は特殊で、花竜のケイトと木竜のケルチャが先生として教えてくれて、こちらとしては大助かり。
 コハルが元気なのは良い。でも、癇癪かんしゃく持ちの我が儘な末っ子だから、ご機嫌一つでゲームに出てきそうな花のモンスター的なものを召喚してしまうのが悩みの種かしらね。

「子供達、ちゃんと家でお利口にしているかしらね?」
「ミルアが今頃発狂していないといいが……」
「あー、ハガネも居ないから、少し心配ね」

 我が家は基本、ハガネに支えてもらっているから、どうなっているやらだわ。
 私達が食事をしながら、お役立ち従者に思いをはせている頃、お役立ち従者のハガネはダンジョンで吠えていた。


「シュー! これで何匹目だ!」
「えーと、片手ぐらいじゃない?」
「片手ぐらいじゃねぇーだろ! ったく、貴重なレア魔獣を素材ごと粉々にすんなって言ってるだろうが!」
「えへへ。つい、力加減がね、難しいんだよ」
「お前の蘇生能力で素材だけを蘇生出来ねぇの?」
「あー、どうだろう?」

 ハガネがダンジョンの奥地で魔法素材になる魔獣だったボロ切れを棒で拾い上げ、シュトラールは眉を下げて苦笑いする。
 久々のダンジョンにシュトラールがはしゃぎ過ぎたのもあるが、ハガネが魔獣をギリギリまで弱らせるために、ほんの少し魔法を流し込んだだけで破裂してしまうのだ。
 
「俺等は、組んで戦っちゃなんねぇのかもな」
「そうだねー。オレもここまでハガネと相性悪いと思わなかった」
「いいか。武術大会では、絶対それ、やめろよ?」
「分かってるよー。まぁ、多少は蘇生でパパッとなんとかなるしね」
「お前の、そのなんとかなるからいいやーっていう戦い方が、雑な戦闘になるんだからな」
「えへへー」

 昔は泣き虫で怖がりな上、兄のリュエールの後ろに隠れていた癖になぁ……と、心の中で思いつつ、口に出さないでいるのは、口に出せば自分が年寄り臭いと思ってしまうハガネだったりする。
 そんなハガネの気持ちを知ってか知らずか、シュトラールは陽気にダンションを突き進んでいく。
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