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27章
ドラゴンハーレム2
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リロノスさんに連れられて、ありすさんの家へと辿り着いた私達は、ありすさんの部屋へと急いだ。
パチパチと静電気が小さな音を立てるような音がしていた。
「アリス!!」
「リロっち! なんかもぉーバチバチが止まんないっしょ!」
「ありすさん大丈夫ですか!?」
「ぴぴぃ~」
部屋のベッドで上半身を起こしているありすさんの体からは、放電が繰り返され、ありすさん自体も髪の毛が逆立って困った顔をしていた。
リロノスさんも近付けず、私はピスターシュを抱きしめてどうしようと困り果てる。
「あかりっちー! うち、どうしたらいい!?」
「ええ!? えーと、その放電はいつからですか」
「破水したら、この放電が始まったっしょ!」
「ええ!? 破水しているんですか!? 不味くないですか!?」
「だから、陣痛がヤバくなる前に、何とかしたいんっしょ~っ」
破水しているし、ありすさんは子供を産むのは三人目だから、産むのが早いかもしれない。
こうなれば、やれることはただ一つだ。
「リロノスさん! ピスターシュをお願いします!」
「おかーさん! ぴぴぃー!」
「アカリさん!」
ありすさんの体から出ている物が、魔法の放電ならば私には勝算がある。
放電は私の体にぶつかり、クロの『魔法反射の石』で弾かれる。
これならなんとか、大丈夫そうだ。
困った時のクロのペンダントは、若い時からの私の大事なアイテムだからね。
「ありすさん。陣痛の間隔は?」
「さっきから、ヤバい感じっしょ! 多分、十分間隔より早い気がするっしょ」
「赤ちゃんの胎動は?」
「よくわかんないっしょ! 回ってる感じ?」
「それって、かなり降りてきているんじゃ……」
布団を捲り上げて、足の付け根を見せてもらうと、私は慌てて布団を下げる。
赤ちゃんの足が出ていた。
「ありすさん、落ち着いてくださいね」
「何かあったっしょ?」
「赤ちゃん、足が見えています」
「じゃあ、もうすぐっしょ!?」
「いいえ! 逆子です!」
私も逆子は知識としてはあるけれど、どのくらい不味いのかは少し理解していない。子供が頭が引っかかって出れなくなる……ぐらいの知識で、専門的な事はサッパリだ。
でも、私が不安な顔をすれば、ありすさんにも不安がいってしまう。
「大丈夫。うちのシューちゃんと、シルビアを呼んでいますから。二人が何とかしてくれるはずです!」
「あかりっち。手、手握ってて……」
「はい。ギュッと握っていて大丈夫ですよ! 私、伊達に九人のお母さんしていませんからね!」
問題は、この放電だ。
これではシュトラールとシルビアが分娩の手伝いを出来ない。
「アカリさん! アリスは大丈夫ですか!?」
「大丈夫です! それより、この放電を何とかしないと、どうにもできません!」
リロノスさんが部屋の前でウロウロとして、ピスターシュをいつの間にか手から離していたのか、私に手を伸ばしては放電でパチンと弾かれて、ピィピィ声を上げて泣いている。
「ピスターシュ。ダメよ。そこでお利口にしていなさい!」
「おかーさん、おかーさん」
小さな子供の声というのは、やはり母親としてはキツイものがある。
ブルッと、腕輪が振動し、出るとルーファスからの連絡だった。
『アカリ。シュトラール達をそちらへ送った。オレにすることはあるか?』
「ええと、ありすさんのお腹の子供が雷属性みたいで、放電が酷くてシューちゃん達も近付けないと思うの。どうしたらいい?」
『放電か……オレなら多少は、魔法で引き付けられるが……ああ! いい方法が一つある。少しだけ待っていてくれ』
何かを思いついたのか、ルーファスは腕輪の通信を切ってしまった。
そしてシュトラールと女医のシルビアが来たものの、やはり放電が酷くて部屋に入っては来られなかった。
「逆子の状態は早めにどうにかした方がいい。それか、死んだ状態にして、取り出してから蘇生魔法もあるけど……」
「それは駄目っしょ! 死んだままだと脳に酸素がいかなくなって、どうなるかわかんないっしょ!」
シュトラールにありすさんが怒り、私はそれを宥めつつ、放電がまだあるという事は、赤ちゃんは無事なのだから、何とかしないと不味いと私も考え込む。
「アカリ! 待たせたな」
ルーファスが転移魔法で部屋に入り、放電を手の中に集める。
流石、雷属性持ちではあるけれど、ルーファスの片腕に抱えられている黄色いドラゴンが非常に気になる……
「ルーファス。その子は?」
「雷竜デモスクファー。アカリが竜人国で蘇生魔法で卵に戻したドラゴンだ」
「ああ。もう卵から孵ったの?」
トロンとした目で欠伸をするデモスクファーは、ルーファスに「食っていいぞ」と言われ、ルーファスが手に集めた放電をシャクシャクパチパチと音を出して食べ始めた。
「デモスクファーが食べている間なら、放電は出ない。シュー、今のうちだ」
「オッケー。父上」
シュトラールが部屋に入るより早く、ピスターシュが部屋に駆け込み、尻尾を揺らして私の足にしがみついた。
「おかーさん!」
「ふふっ、ピスターシュは甘えん坊さんだねぇ」
「あー、アカリ。オレもドラゴンの所まで、行ってきたんだが?」
「ふふっ、ルーファスも甘えているの? 困ったお父さんねー」
「うふふー。ねーおかーさん」
ピスターシュと目を合わせて笑い、ルーファスが顔を近付けてきたのを頬にキスをする。
ルーファスは嬉しそうに、私にお返しとばかりに頬にキスをしてくる。
我が家はまだまだ熱々夫婦なのだ。
「あかりっちー! お腹痛い~っ!」
「はいはい。ありすさん、頑張りましょう!」
「めっちゃ、頑張ってるぅぅ~」
「父上、今から切開になると思うから、リロノスおじさんを部屋の外へ出して、押さえつけておいて」
「ふむ。そういうわけだ。リロノス。出るぞ」
「え? ちょっ!」
ルーファスにズルズルと連れていかれ、リロノスさんは退場となった。
出産とはいえ、シュトラールは男だから、番の局部を男に見せるのは、リロノスさん的には追い出したいと思うからね。
これはシュトラールの為の安全対策でもある。
「アリスおばさん。かなり子宮は開いてるけど、逆子だから直ぐに取り出すよ!」
「アリスさん。ワタシに合わせて、せーのでいきんでください! はい。せーの!」
「んぎぃぃっ!」
「ありすさん! 頑張って! 赤ちゃんも頑張ってるから!」
シルビアが声をかけ、ありすさんがいきんで、シュトラールが赤ちゃんの足を引っ張り出産の補助をした。
私は、声を掛けつつも、自分もいきんで力を込めてありすさんの手を握り返す。
赤ちゃんの肩が出た辺りで、完全に赤ちゃんの頭が引っかかってしまった。
「切りましょう」
「シルビア。ハサミは」
「用意しています」
局部をハサミでチョッキンと切り、広げて取り出す方法がとられ、ありすさんの悲鳴が響いた。
一階でバタバタと音がしていることから、ルーファスとリロノスさんの攻防もあったようだ。
生まれた子供は黒髪の女の子。
やはりリロノスさんの子供らしく、頭に白い角と背中に小さな羽が生えていた。
シュトラールが回復魔法でありすさんの治療をして、ようやく一息ついたという感じだった。
「あかりっちぃぃ~、シューくん容赦なさすぎじゃね?」
「あー……医療に関しては、命が掛かっているから、判断が早いみたいなのよ」
シュトラールは肩をすくめて赤ちゃんをお湯玉で洗って、タオルで包むとありすさんに赤ちゃんを手渡す。
疲れ切った顔のありすさんは、ぼろぼろな感じだけど、お母さんの顔になる。
私もシュトラールも目を細めて頷き、シュトラールはリロノスさんを呼びに一階へ行った。
「ありすさん。おめでとうございます」
「ありがとう。あかりっち……今回は、うちの我が儘で、あかりっちは子供諦めたの、ごめんね……」
「ふふっ。うちは、ほら、ピスターシュやコハルも居るからね。それに、我が家はまだまだ現役ですから」
「あかりっちのとこは、昔から仲いいよね」
「それだけが自慢です!」
リロノスさんが部屋に来たことで、私はルーファスと一緒にピスターシュを連れて帰ろうと立ち上がる。
私の肩にのしっと、デモスクファーが飛びついてきた。
「えっと、デモスクファーも一緒に帰る?」
コクコクと頷き、けぷっと、デモスクファーは満足そうにゲップをした。
雷をいっぱい食べて満足したらしい。
「アカリ。帰ろう」
「ふふっ。ルーファス大丈夫だった?」
「平気だ。リロノス程度なら、まだ何とでもなる」
そうは言っても、ルーファスの顔に赤みがさしている。
番を守ろうとするリロノスさんと、息子を守る為に押しとどめるルーファスの攻防は激しかったようだ。
着物も少し乱れているし、二人共お疲れさまというところかな?
「ルーファス。赤ちゃん可愛かった」
「うちにも赤ん坊は居るだろう?」
「ええ。孫がね。でも、自分たちの子供も、もう一人くらいは欲しいね」
ルーファスの尻尾が揺れて、私はルーファスと手を繋ぐ。
私の肩の上ではデモスクファーが欠伸をして、足元ではピスターシュが「おかーさん」と話しかけてくる。
なんだか、これはこれで親子みたいで良いかな? とも思ってしまうのだけどね。
シュトラールとシルビアは、夕方には帰ってきた。
ありすさんの子供は『ライカ』という名前になったそうで、雷のライから取ったみたい。
私的には『ピリカ』ちゃんになるかなー? と、思っていただけに、ちょっと予想が外れてしまって残念だ。
温泉大陸にまた一人住民が増え……いや、二人かな?
雷竜デモスクファーも温泉大陸の子になったからね。
うーん。
どうやら、ルーファスが雷を餌に主従契約を結んだらしい。
その割に、私に懐いていて、他のドラゴンが言うには『蘇生してもらったから』という事らしいのだ。
温泉大陸……またドラゴンの島と呼ばれそうである。
パチパチと静電気が小さな音を立てるような音がしていた。
「アリス!!」
「リロっち! なんかもぉーバチバチが止まんないっしょ!」
「ありすさん大丈夫ですか!?」
「ぴぴぃ~」
部屋のベッドで上半身を起こしているありすさんの体からは、放電が繰り返され、ありすさん自体も髪の毛が逆立って困った顔をしていた。
リロノスさんも近付けず、私はピスターシュを抱きしめてどうしようと困り果てる。
「あかりっちー! うち、どうしたらいい!?」
「ええ!? えーと、その放電はいつからですか」
「破水したら、この放電が始まったっしょ!」
「ええ!? 破水しているんですか!? 不味くないですか!?」
「だから、陣痛がヤバくなる前に、何とかしたいんっしょ~っ」
破水しているし、ありすさんは子供を産むのは三人目だから、産むのが早いかもしれない。
こうなれば、やれることはただ一つだ。
「リロノスさん! ピスターシュをお願いします!」
「おかーさん! ぴぴぃー!」
「アカリさん!」
ありすさんの体から出ている物が、魔法の放電ならば私には勝算がある。
放電は私の体にぶつかり、クロの『魔法反射の石』で弾かれる。
これならなんとか、大丈夫そうだ。
困った時のクロのペンダントは、若い時からの私の大事なアイテムだからね。
「ありすさん。陣痛の間隔は?」
「さっきから、ヤバい感じっしょ! 多分、十分間隔より早い気がするっしょ」
「赤ちゃんの胎動は?」
「よくわかんないっしょ! 回ってる感じ?」
「それって、かなり降りてきているんじゃ……」
布団を捲り上げて、足の付け根を見せてもらうと、私は慌てて布団を下げる。
赤ちゃんの足が出ていた。
「ありすさん、落ち着いてくださいね」
「何かあったっしょ?」
「赤ちゃん、足が見えています」
「じゃあ、もうすぐっしょ!?」
「いいえ! 逆子です!」
私も逆子は知識としてはあるけれど、どのくらい不味いのかは少し理解していない。子供が頭が引っかかって出れなくなる……ぐらいの知識で、専門的な事はサッパリだ。
でも、私が不安な顔をすれば、ありすさんにも不安がいってしまう。
「大丈夫。うちのシューちゃんと、シルビアを呼んでいますから。二人が何とかしてくれるはずです!」
「あかりっち。手、手握ってて……」
「はい。ギュッと握っていて大丈夫ですよ! 私、伊達に九人のお母さんしていませんからね!」
問題は、この放電だ。
これではシュトラールとシルビアが分娩の手伝いを出来ない。
「アカリさん! アリスは大丈夫ですか!?」
「大丈夫です! それより、この放電を何とかしないと、どうにもできません!」
リロノスさんが部屋の前でウロウロとして、ピスターシュをいつの間にか手から離していたのか、私に手を伸ばしては放電でパチンと弾かれて、ピィピィ声を上げて泣いている。
「ピスターシュ。ダメよ。そこでお利口にしていなさい!」
「おかーさん、おかーさん」
小さな子供の声というのは、やはり母親としてはキツイものがある。
ブルッと、腕輪が振動し、出るとルーファスからの連絡だった。
『アカリ。シュトラール達をそちらへ送った。オレにすることはあるか?』
「ええと、ありすさんのお腹の子供が雷属性みたいで、放電が酷くてシューちゃん達も近付けないと思うの。どうしたらいい?」
『放電か……オレなら多少は、魔法で引き付けられるが……ああ! いい方法が一つある。少しだけ待っていてくれ』
何かを思いついたのか、ルーファスは腕輪の通信を切ってしまった。
そしてシュトラールと女医のシルビアが来たものの、やはり放電が酷くて部屋に入っては来られなかった。
「逆子の状態は早めにどうにかした方がいい。それか、死んだ状態にして、取り出してから蘇生魔法もあるけど……」
「それは駄目っしょ! 死んだままだと脳に酸素がいかなくなって、どうなるかわかんないっしょ!」
シュトラールにありすさんが怒り、私はそれを宥めつつ、放電がまだあるという事は、赤ちゃんは無事なのだから、何とかしないと不味いと私も考え込む。
「アカリ! 待たせたな」
ルーファスが転移魔法で部屋に入り、放電を手の中に集める。
流石、雷属性持ちではあるけれど、ルーファスの片腕に抱えられている黄色いドラゴンが非常に気になる……
「ルーファス。その子は?」
「雷竜デモスクファー。アカリが竜人国で蘇生魔法で卵に戻したドラゴンだ」
「ああ。もう卵から孵ったの?」
トロンとした目で欠伸をするデモスクファーは、ルーファスに「食っていいぞ」と言われ、ルーファスが手に集めた放電をシャクシャクパチパチと音を出して食べ始めた。
「デモスクファーが食べている間なら、放電は出ない。シュー、今のうちだ」
「オッケー。父上」
シュトラールが部屋に入るより早く、ピスターシュが部屋に駆け込み、尻尾を揺らして私の足にしがみついた。
「おかーさん!」
「ふふっ、ピスターシュは甘えん坊さんだねぇ」
「あー、アカリ。オレもドラゴンの所まで、行ってきたんだが?」
「ふふっ、ルーファスも甘えているの? 困ったお父さんねー」
「うふふー。ねーおかーさん」
ピスターシュと目を合わせて笑い、ルーファスが顔を近付けてきたのを頬にキスをする。
ルーファスは嬉しそうに、私にお返しとばかりに頬にキスをしてくる。
我が家はまだまだ熱々夫婦なのだ。
「あかりっちー! お腹痛い~っ!」
「はいはい。ありすさん、頑張りましょう!」
「めっちゃ、頑張ってるぅぅ~」
「父上、今から切開になると思うから、リロノスおじさんを部屋の外へ出して、押さえつけておいて」
「ふむ。そういうわけだ。リロノス。出るぞ」
「え? ちょっ!」
ルーファスにズルズルと連れていかれ、リロノスさんは退場となった。
出産とはいえ、シュトラールは男だから、番の局部を男に見せるのは、リロノスさん的には追い出したいと思うからね。
これはシュトラールの為の安全対策でもある。
「アリスおばさん。かなり子宮は開いてるけど、逆子だから直ぐに取り出すよ!」
「アリスさん。ワタシに合わせて、せーのでいきんでください! はい。せーの!」
「んぎぃぃっ!」
「ありすさん! 頑張って! 赤ちゃんも頑張ってるから!」
シルビアが声をかけ、ありすさんがいきんで、シュトラールが赤ちゃんの足を引っ張り出産の補助をした。
私は、声を掛けつつも、自分もいきんで力を込めてありすさんの手を握り返す。
赤ちゃんの肩が出た辺りで、完全に赤ちゃんの頭が引っかかってしまった。
「切りましょう」
「シルビア。ハサミは」
「用意しています」
局部をハサミでチョッキンと切り、広げて取り出す方法がとられ、ありすさんの悲鳴が響いた。
一階でバタバタと音がしていることから、ルーファスとリロノスさんの攻防もあったようだ。
生まれた子供は黒髪の女の子。
やはりリロノスさんの子供らしく、頭に白い角と背中に小さな羽が生えていた。
シュトラールが回復魔法でありすさんの治療をして、ようやく一息ついたという感じだった。
「あかりっちぃぃ~、シューくん容赦なさすぎじゃね?」
「あー……医療に関しては、命が掛かっているから、判断が早いみたいなのよ」
シュトラールは肩をすくめて赤ちゃんをお湯玉で洗って、タオルで包むとありすさんに赤ちゃんを手渡す。
疲れ切った顔のありすさんは、ぼろぼろな感じだけど、お母さんの顔になる。
私もシュトラールも目を細めて頷き、シュトラールはリロノスさんを呼びに一階へ行った。
「ありすさん。おめでとうございます」
「ありがとう。あかりっち……今回は、うちの我が儘で、あかりっちは子供諦めたの、ごめんね……」
「ふふっ。うちは、ほら、ピスターシュやコハルも居るからね。それに、我が家はまだまだ現役ですから」
「あかりっちのとこは、昔から仲いいよね」
「それだけが自慢です!」
リロノスさんが部屋に来たことで、私はルーファスと一緒にピスターシュを連れて帰ろうと立ち上がる。
私の肩にのしっと、デモスクファーが飛びついてきた。
「えっと、デモスクファーも一緒に帰る?」
コクコクと頷き、けぷっと、デモスクファーは満足そうにゲップをした。
雷をいっぱい食べて満足したらしい。
「アカリ。帰ろう」
「ふふっ。ルーファス大丈夫だった?」
「平気だ。リロノス程度なら、まだ何とでもなる」
そうは言っても、ルーファスの顔に赤みがさしている。
番を守ろうとするリロノスさんと、息子を守る為に押しとどめるルーファスの攻防は激しかったようだ。
着物も少し乱れているし、二人共お疲れさまというところかな?
「ルーファス。赤ちゃん可愛かった」
「うちにも赤ん坊は居るだろう?」
「ええ。孫がね。でも、自分たちの子供も、もう一人くらいは欲しいね」
ルーファスの尻尾が揺れて、私はルーファスと手を繋ぐ。
私の肩の上ではデモスクファーが欠伸をして、足元ではピスターシュが「おかーさん」と話しかけてくる。
なんだか、これはこれで親子みたいで良いかな? とも思ってしまうのだけどね。
シュトラールとシルビアは、夕方には帰ってきた。
ありすさんの子供は『ライカ』という名前になったそうで、雷のライから取ったみたい。
私的には『ピリカ』ちゃんになるかなー? と、思っていただけに、ちょっと予想が外れてしまって残念だ。
温泉大陸にまた一人住民が増え……いや、二人かな?
雷竜デモスクファーも温泉大陸の子になったからね。
うーん。
どうやら、ルーファスが雷を餌に主従契約を結んだらしい。
その割に、私に懐いていて、他のドラゴンが言うには『蘇生してもらったから』という事らしいのだ。
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