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27章
花咲くコハルの大冒険②
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フリウーラに執務室に連れて行かれる私達は、さながら保母さんに引率される幼稚園児に見えるかもしれない。
ルーファスは私を抱き上げられる力は無いので、手を繋いで歩いているんだけど、率先して手を繋いで歩いてくれる子が昔居たなぁと思いだしたりして、懐かしくもなる。
「失礼します。旦那様、問題が発生しました」
フリウーラ、その第一声はどうかと思うよ!? と、上を見上げるけど背が小さくなっている為に、フリウーラの顔すら見れない。
子供の視線って低い。まぁ、元々視線は低いんだけどね。
「また何かやらかしたの?」
リュエールのその第一声もどうかと思うのー!! いや、やらかしているんだけどね?
珍しくリュエールが羽織を着ていないと思ったら、ソファの上で黒い羽織からコハルとシャルちゃんが手を出して寝ているのを見て、成程と納得である。
我が家の長男様お優しい。
「それが……製薬部隊が、この状態で」
視線が私達の方に下がり、リュエールも把握したのか眉間にしわを寄せて、片手で顔を塞ぎ、片手はストップと言わんばかりに伸ばされている。
「旦那様、そのですね……」
「うん。何となく分かったから、それ以上は少し待って!」
「リューちゃん、深呼吸だよ!」
「ヤレヤレ。リュー、もう少し柔軟に考えた方が良いぞ?」
「……自分の親がただでさえ、若い姿で頭抱えてるのに、今度は子供だよ!? 柔軟も何もないよね!?」
おぅ、リュエールが吠えた。
ルーファスと私が苦笑いしつつ、「まぁまぁ」と落ち着かせようとするとギロリと睨まれて、大人しくコハルとシャルちゃんの横にチョコンと座る。
「うわぁ。ルーファス、見て見て。案外コハルの手が私の手と大差ないよ」
「まぁ、アカリも小さくなっているからな」
呑気な私達を余所にリュエールとマグノリアさん達は執務室の来客用のテーブルで話し合いを始めてしまっている。私達が参加した所で分からないしね。
「うにゅ……」
「コハル、ねんねだよー。よしよし」
ぽんぽんと手でコハルを寝かしつけて、これでよし! ……と、思ったのもつかの間、コハルが鼻をヒクヒク動かして目を開ける。
「だれー?」
「えーと、母上のお友達だよー……じゃ、駄目かな?」
「匂いでバレるだろう?」
「……んー、ふわぁ~……ははうえとねー、ちちうえはねー……んと」
欠伸をしつつ、自分の中で言葉を引き出そうと必死なコハルに、いつものように全部言い終わるまで口を出さないように、うんうんと頷く。
途中で大人が察して言葉をさえぎってしまうと、言いたいことを自分で考える能力が伸びないからね。ここ大事。
「おくしゅり! おくしゅりつくってる!」
「うん。そうだよー。お薬を作ってるから、今日は私とルー……、ルーと一緒に遊びましょうね!」
目でリュエールを見れば、「好きにして」と、手をヒラヒラさせている。
どうせ直ぐにはこの状況から抜け出せないだろうし、どうせならコハルと一緒に子供目線で遊んであげよう。
ルーファスは私に付き合ってくれるだろうしね。
シャルちゃんはどうするのかな? と、思ったら、コハルがシャルちゃんを起こしていた。
「おきてー」
「……んにゅ……」
「あらら。コハル、シャルちゃん起こしちゃったの? 寝せてあげてても良かったのよ?」
「いっしょ、あそぶぅー」
「……ん」
コクリとシャルちゃんが頷いて、私とルーファスを見上げてから、コハルに助けを求めるような顔をした。
「シャルちゃん。お祖母ちゃんとお祖父ちゃんのお友達だよー。ルーと……えーと」
「この子はアリだ。よろしくな二人共」
アリって、ルーファス言い辛い名前にしましたね。アーちゃんとかで良かったと思うんだけどね。
「ついてきてー」
「どこ行くの?」
「んふふー」
コハルがシャルちゃんの手を繋いでソファから降りると、トコトコと歩き出してリュエールの所に行くと、リュエールが来客用のテーブルの上にあるお茶菓子を二人に渡し、二人は私とルーファスも手招きする。
「はい。二人はシャルとコハルの面倒でも見ててよ。何かあれば連絡入れるから。そんなに遠くに遊びに行かないでよ?」
「はいはい。リューちゃんは心配性ねぇ」
「たまには、コハルとシャルと遊んでやるのもいいだろうさ」
大人の手の平だとそこまで大きく見えないお饅頭も、子供の手の平だと大きく感じる。
これだけでも子供になった甲斐は会ったんじゃないかな?
お饅頭を着物の裾に入れると、二人は「いこー!」と執務室から出て行こうとする。
「え? お外に行くの?」
「いくのー!」
「……きて」
「まぁ、ついて行ってみるか」
元気に歩き出す二人の後を追って歩き出し、執務室から出るとトテトテと料亭を歩き料亭から道路に出て、道路の脇にある足湯に足を浸けて、お昼休み中の従業員に話し掛けている。
従業員に飴を貰い、足湯から出た従業員がコハルの手を握って歩き出す。
「おい。何処へ行こうというんだ?」
「あれ? ……何だか大旦那と大女将に似てますね」
「うふふ。そこは気にしちゃダメよ~」
「あー……また、お二人共何かやらかしたんですね?」
私達がやらかしたわけでは無い! ……多分。
ルーファスは私を抱き上げられる力は無いので、手を繋いで歩いているんだけど、率先して手を繋いで歩いてくれる子が昔居たなぁと思いだしたりして、懐かしくもなる。
「失礼します。旦那様、問題が発生しました」
フリウーラ、その第一声はどうかと思うよ!? と、上を見上げるけど背が小さくなっている為に、フリウーラの顔すら見れない。
子供の視線って低い。まぁ、元々視線は低いんだけどね。
「また何かやらかしたの?」
リュエールのその第一声もどうかと思うのー!! いや、やらかしているんだけどね?
珍しくリュエールが羽織を着ていないと思ったら、ソファの上で黒い羽織からコハルとシャルちゃんが手を出して寝ているのを見て、成程と納得である。
我が家の長男様お優しい。
「それが……製薬部隊が、この状態で」
視線が私達の方に下がり、リュエールも把握したのか眉間にしわを寄せて、片手で顔を塞ぎ、片手はストップと言わんばかりに伸ばされている。
「旦那様、そのですね……」
「うん。何となく分かったから、それ以上は少し待って!」
「リューちゃん、深呼吸だよ!」
「ヤレヤレ。リュー、もう少し柔軟に考えた方が良いぞ?」
「……自分の親がただでさえ、若い姿で頭抱えてるのに、今度は子供だよ!? 柔軟も何もないよね!?」
おぅ、リュエールが吠えた。
ルーファスと私が苦笑いしつつ、「まぁまぁ」と落ち着かせようとするとギロリと睨まれて、大人しくコハルとシャルちゃんの横にチョコンと座る。
「うわぁ。ルーファス、見て見て。案外コハルの手が私の手と大差ないよ」
「まぁ、アカリも小さくなっているからな」
呑気な私達を余所にリュエールとマグノリアさん達は執務室の来客用のテーブルで話し合いを始めてしまっている。私達が参加した所で分からないしね。
「うにゅ……」
「コハル、ねんねだよー。よしよし」
ぽんぽんと手でコハルを寝かしつけて、これでよし! ……と、思ったのもつかの間、コハルが鼻をヒクヒク動かして目を開ける。
「だれー?」
「えーと、母上のお友達だよー……じゃ、駄目かな?」
「匂いでバレるだろう?」
「……んー、ふわぁ~……ははうえとねー、ちちうえはねー……んと」
欠伸をしつつ、自分の中で言葉を引き出そうと必死なコハルに、いつものように全部言い終わるまで口を出さないように、うんうんと頷く。
途中で大人が察して言葉をさえぎってしまうと、言いたいことを自分で考える能力が伸びないからね。ここ大事。
「おくしゅり! おくしゅりつくってる!」
「うん。そうだよー。お薬を作ってるから、今日は私とルー……、ルーと一緒に遊びましょうね!」
目でリュエールを見れば、「好きにして」と、手をヒラヒラさせている。
どうせ直ぐにはこの状況から抜け出せないだろうし、どうせならコハルと一緒に子供目線で遊んであげよう。
ルーファスは私に付き合ってくれるだろうしね。
シャルちゃんはどうするのかな? と、思ったら、コハルがシャルちゃんを起こしていた。
「おきてー」
「……んにゅ……」
「あらら。コハル、シャルちゃん起こしちゃったの? 寝せてあげてても良かったのよ?」
「いっしょ、あそぶぅー」
「……ん」
コクリとシャルちゃんが頷いて、私とルーファスを見上げてから、コハルに助けを求めるような顔をした。
「シャルちゃん。お祖母ちゃんとお祖父ちゃんのお友達だよー。ルーと……えーと」
「この子はアリだ。よろしくな二人共」
アリって、ルーファス言い辛い名前にしましたね。アーちゃんとかで良かったと思うんだけどね。
「ついてきてー」
「どこ行くの?」
「んふふー」
コハルがシャルちゃんの手を繋いでソファから降りると、トコトコと歩き出してリュエールの所に行くと、リュエールが来客用のテーブルの上にあるお茶菓子を二人に渡し、二人は私とルーファスも手招きする。
「はい。二人はシャルとコハルの面倒でも見ててよ。何かあれば連絡入れるから。そんなに遠くに遊びに行かないでよ?」
「はいはい。リューちゃんは心配性ねぇ」
「たまには、コハルとシャルと遊んでやるのもいいだろうさ」
大人の手の平だとそこまで大きく見えないお饅頭も、子供の手の平だと大きく感じる。
これだけでも子供になった甲斐は会ったんじゃないかな?
お饅頭を着物の裾に入れると、二人は「いこー!」と執務室から出て行こうとする。
「え? お外に行くの?」
「いくのー!」
「……きて」
「まぁ、ついて行ってみるか」
元気に歩き出す二人の後を追って歩き出し、執務室から出るとトテトテと料亭を歩き料亭から道路に出て、道路の脇にある足湯に足を浸けて、お昼休み中の従業員に話し掛けている。
従業員に飴を貰い、足湯から出た従業員がコハルの手を握って歩き出す。
「おい。何処へ行こうというんだ?」
「あれ? ……何だか大旦那と大女将に似てますね」
「うふふ。そこは気にしちゃダメよ~」
「あー……また、お二人共何かやらかしたんですね?」
私達がやらかしたわけでは無い! ……多分。
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