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27章
朝の風景
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朝起きると直ぐに朝食の準備をする私とハガネは、トリニア家で一番の早起きと言える。次に早起きなのが我が家の八番目の子供、スクルードなのである。
目を覚ましたら眠気がポンッと何処かに行くタイプのようで、台所で忙しなく動き回る私とハガネに「おはようございます」と丁寧に挨拶をして深々と頭を下げる。
「おはよう。スーちゃん」
「今日も早起きだな。おはよーさん」
「んふーっ」
「牛乳ならここに用意したわよ」
「ありがとー」
コップに入れた牛乳を朝一番に飲むのが、スクルードの毎朝の日課。
この日課のおかげで、未来のスクルードは背が高かったのかもしれない……私も朝に牛乳を飲んでいたら変わったかしら?
プハーッと、一気飲みをしたスクルードの口の周りをハガネが布巾で拭き頭を撫でると、スクルードはニパッと笑ってから台所を出て行く。
「スーは相変わらず、几帳面に動くよな」
「そうねぇ。誰に似たのかしら? 不思議だわ」
我が家の七不思議の一つにでも入りそう。
リュエールの容赦のないところと、スクルードの時間通りに動く几帳面さは我が家の子供達の中でも誰に似たのやら? という謎なのである。
庭の方を見れば、スクルードが魔法の訓練の為の水撒きを花壇にやっている。
こちらもスクルードの日課だけど、花壇への水やりを嫌がらずにやってくれるのは大変ありがたい。
「おはよう。母上」
「おはようございます。お祖母様」
「おはよう。リューちゃんにレーネルくん」
「おはようさん。リューもレーネルも訓練か?」
「うん。朝の体術稽古」
「頑張ります!」
リュエールとレーネルくんも起きて、朝の体術の訓練をする為に毎朝こうして台所に顔を出す。
そろそろリュエール達は自分達の家にまた移り住むらしい。だから、この光景が見れるのもあと少しという所だ。
二人が庭へ行くと、スクルードと挨拶を交わして、スクルードも一緒になって体術の稽古をつけて貰っている。
ルーファスがいつもならしてくれるのだけど、ミルアを寝かせてあげる為にも、生まれたばかりの孫、エミールくんへのお乳を哺乳瓶で二時間おきにあげていて、ルーファスは只今お休み中です。
ルーファスは子育てには率先して参加したがる人なので、私も色々助けて貰ったから、ミルアもこういう時は甘えていて欲しいものかな?
ミールの役目ではあるだろうけど、ミールは仕事もあるしね。
暇な老人がするのが良いのよ。老人というには若いけどねー。
「アカリ、そろそろ運んでいくか」
「はぁーい。今日も朝から我が家は宴会の様なご飯よねぇ」
「まぁ、人数が人数だからな」
我が家、人が減ったり増えたり忙しないのよね。リュエール家族が出て行く代わりに、次はシュトラール家族が床上げまでは居るし、ミルアも居るしね。
あと、我が家の三男坊、ティルナールは仕事を見付けたら直ぐに出て行っちゃったのよね。
あれだけ大騒ぎしておいて、カメラの仕事を見付けたらポンッと居なくなるのだから、現金な子だわ。
エルシオンなんて、同じ温泉大陸に住んでいるのに、忙しいらしくて会いにも来れないのだから、こちらはこちらで便りが無いのは元気な証拠と見るべきか、薄情者めというべきなのか悩むところだ。
「よっと」
「よいしょ」
ハガネと一緒に料理を運び、宴会場にありそうな長い机の上に料理を置いていく。
今日は細いかた麺のパリパリサラダと、トマトとチキンとレタスのサンドイッチにトマトベースのコンソメスープ。枝豆のさつま揚げのお刺身と、お豆腐の餡かけ。
これをドラゴンと家族分だから、机の上は凄いことになるのはいつものこと。
スクルードが生まれた時は、ルーファスと私とハガネとドラゴンだけだったから、凄く静かだったんだけど、今は賑やかよねぇ。
「ピィィ~」
「あら、ピスターシュおはよう」
「ピピィ」
「おっ、ピィ助もおはよーさん。今日も元気が良いな」
「ピピイ」
私とハガネの足元をピスターシュが朝の挨拶をしてスリスリと顔をすり寄せて、庭のスクルード達の所へ挨拶に行く。我が家は挨拶はキチンとするよう育てているので、ピスターシュの教育も挨拶が基本ですよ。
「おはようございますわぁ」
ミルアがエミールくんを抱っこして、居間に来ると欠伸をしながらベビーベッドにエミールくんを寝かせると、ソファの上でくったりしている。
ハガネはドラゴン達を起こしに行き、もうしばらくしたら賑やかになりそうだ。
「おはよう。ミルアは今日は寝不足なのかしら?」
「ふぁ~。エミールのミルクが途中で無くなって、父上に起こされたのですわ~」
「ふふっ、エミールくんはいっぱい飲んで早く大きくなるわねぇ」
一杯飲んで大きくなろうという子供の生命力はとてもいい事だ。
ミルア的にはもっとぐっすり眠りたかったみたいだけど、流石に粉ミルクを用意していないミルアが悪いから、これは仕方がない。
母乳にこだわり過ぎないように言ったのに、「大丈夫ですわ」と言って聞かなかったのがいけないのよねぇ。
「おはよう。アカリ、ミルア」
「ルーファス、おはよう」
「父上おはようございますわぁ」
ルーファスがコハルを抱いて居間に来て、コハルはまだ口を開けて寝ていて、ルーファスが頬っぺたを指をぷにぷにと触りながら、頬をくすぐって笑っている。
そのうち齧られなきゃいいんだけどね。
「お義父さん、お義母さん、ミルア、おはようございますー」
「おはよう。キリンちゃんにシャルちゃん」
「おはよう。キリンもシャルもよく眠れたか?」
「お義姉様、おはようございますわぁ」
キリンちゃんとシャルちゃんが起きてきて、あとは寝坊助なドラゴン達が賑やかに居間に入って来ると、それぞれが席に着き始め、庭に居るリュエール達を呼んで朝ご飯になる。
我が家の朝の日常風景なのである。
目を覚ましたら眠気がポンッと何処かに行くタイプのようで、台所で忙しなく動き回る私とハガネに「おはようございます」と丁寧に挨拶をして深々と頭を下げる。
「おはよう。スーちゃん」
「今日も早起きだな。おはよーさん」
「んふーっ」
「牛乳ならここに用意したわよ」
「ありがとー」
コップに入れた牛乳を朝一番に飲むのが、スクルードの毎朝の日課。
この日課のおかげで、未来のスクルードは背が高かったのかもしれない……私も朝に牛乳を飲んでいたら変わったかしら?
プハーッと、一気飲みをしたスクルードの口の周りをハガネが布巾で拭き頭を撫でると、スクルードはニパッと笑ってから台所を出て行く。
「スーは相変わらず、几帳面に動くよな」
「そうねぇ。誰に似たのかしら? 不思議だわ」
我が家の七不思議の一つにでも入りそう。
リュエールの容赦のないところと、スクルードの時間通りに動く几帳面さは我が家の子供達の中でも誰に似たのやら? という謎なのである。
庭の方を見れば、スクルードが魔法の訓練の為の水撒きを花壇にやっている。
こちらもスクルードの日課だけど、花壇への水やりを嫌がらずにやってくれるのは大変ありがたい。
「おはよう。母上」
「おはようございます。お祖母様」
「おはよう。リューちゃんにレーネルくん」
「おはようさん。リューもレーネルも訓練か?」
「うん。朝の体術稽古」
「頑張ります!」
リュエールとレーネルくんも起きて、朝の体術の訓練をする為に毎朝こうして台所に顔を出す。
そろそろリュエール達は自分達の家にまた移り住むらしい。だから、この光景が見れるのもあと少しという所だ。
二人が庭へ行くと、スクルードと挨拶を交わして、スクルードも一緒になって体術の稽古をつけて貰っている。
ルーファスがいつもならしてくれるのだけど、ミルアを寝かせてあげる為にも、生まれたばかりの孫、エミールくんへのお乳を哺乳瓶で二時間おきにあげていて、ルーファスは只今お休み中です。
ルーファスは子育てには率先して参加したがる人なので、私も色々助けて貰ったから、ミルアもこういう時は甘えていて欲しいものかな?
ミールの役目ではあるだろうけど、ミールは仕事もあるしね。
暇な老人がするのが良いのよ。老人というには若いけどねー。
「アカリ、そろそろ運んでいくか」
「はぁーい。今日も朝から我が家は宴会の様なご飯よねぇ」
「まぁ、人数が人数だからな」
我が家、人が減ったり増えたり忙しないのよね。リュエール家族が出て行く代わりに、次はシュトラール家族が床上げまでは居るし、ミルアも居るしね。
あと、我が家の三男坊、ティルナールは仕事を見付けたら直ぐに出て行っちゃったのよね。
あれだけ大騒ぎしておいて、カメラの仕事を見付けたらポンッと居なくなるのだから、現金な子だわ。
エルシオンなんて、同じ温泉大陸に住んでいるのに、忙しいらしくて会いにも来れないのだから、こちらはこちらで便りが無いのは元気な証拠と見るべきか、薄情者めというべきなのか悩むところだ。
「よっと」
「よいしょ」
ハガネと一緒に料理を運び、宴会場にありそうな長い机の上に料理を置いていく。
今日は細いかた麺のパリパリサラダと、トマトとチキンとレタスのサンドイッチにトマトベースのコンソメスープ。枝豆のさつま揚げのお刺身と、お豆腐の餡かけ。
これをドラゴンと家族分だから、机の上は凄いことになるのはいつものこと。
スクルードが生まれた時は、ルーファスと私とハガネとドラゴンだけだったから、凄く静かだったんだけど、今は賑やかよねぇ。
「ピィィ~」
「あら、ピスターシュおはよう」
「ピピィ」
「おっ、ピィ助もおはよーさん。今日も元気が良いな」
「ピピイ」
私とハガネの足元をピスターシュが朝の挨拶をしてスリスリと顔をすり寄せて、庭のスクルード達の所へ挨拶に行く。我が家は挨拶はキチンとするよう育てているので、ピスターシュの教育も挨拶が基本ですよ。
「おはようございますわぁ」
ミルアがエミールくんを抱っこして、居間に来ると欠伸をしながらベビーベッドにエミールくんを寝かせると、ソファの上でくったりしている。
ハガネはドラゴン達を起こしに行き、もうしばらくしたら賑やかになりそうだ。
「おはよう。ミルアは今日は寝不足なのかしら?」
「ふぁ~。エミールのミルクが途中で無くなって、父上に起こされたのですわ~」
「ふふっ、エミールくんはいっぱい飲んで早く大きくなるわねぇ」
一杯飲んで大きくなろうという子供の生命力はとてもいい事だ。
ミルア的にはもっとぐっすり眠りたかったみたいだけど、流石に粉ミルクを用意していないミルアが悪いから、これは仕方がない。
母乳にこだわり過ぎないように言ったのに、「大丈夫ですわ」と言って聞かなかったのがいけないのよねぇ。
「おはよう。アカリ、ミルア」
「ルーファス、おはよう」
「父上おはようございますわぁ」
ルーファスがコハルを抱いて居間に来て、コハルはまだ口を開けて寝ていて、ルーファスが頬っぺたを指をぷにぷにと触りながら、頬をくすぐって笑っている。
そのうち齧られなきゃいいんだけどね。
「お義父さん、お義母さん、ミルア、おはようございますー」
「おはよう。キリンちゃんにシャルちゃん」
「おはよう。キリンもシャルもよく眠れたか?」
「お義姉様、おはようございますわぁ」
キリンちゃんとシャルちゃんが起きてきて、あとは寝坊助なドラゴン達が賑やかに居間に入って来ると、それぞれが席に着き始め、庭に居るリュエール達を呼んで朝ご飯になる。
我が家の朝の日常風景なのである。
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