黒狼の可愛いおヨメさま

ろいず

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26章

ドラゴンマスター11 完 ※

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 私達がドラゴンハーフの人々からドラゴンを切り離して戻す事を繰り返し、ようやくウォルベクスさんの【探索サーチ】魔法にも【目印マーク】魔法にも、ドラゴンハーフの人は引っ掛からなくなった。
見付けられた数は十一人、でも、助けられた数は七人。
半数はドラゴンという認識も既に無くなっているのか、ドラゴンハーフから切り離したら霧のように四散してしまった。彼等が、この世に留まっているのか、消えてしまったのかはもう分からない。

 ただ、我が家のドラゴン達は古い知り合いが戻った事を喜んでいたから、この秋から冬にかけては冬眠で半分ウトウトしながらも、仲間の卵を温めたりして過ごしていた。
 コタツに足を入れたら、卵に足が当たるなんてしょっちゅうだったのだ。
その度に「コタツに入れちゃいけません!」と、私が何度怒った事か……あと、孵ったドラゴン達は我が家に居つく子も居れば、ウォルベクスさんの所へ子守りに行くドラゴンもいた。
 それぞれ、自分の安全で魔力を回復させる場所を探して世界を飛び回ってもいる。
温泉大陸を行ったり来たりしているのは、温泉大陸が一番魔力値が高い土地だから食べ物が美味しいという理由と、うちのドラゴン達と酒盛りをしているからだ。

 アルビーの旧女将亭の『悪友の集い』が連日連夜開いている事が最近多いからね。
お酒臭いドラゴン達に、二日酔いの為の梅干し粥とハマグリのお吸い物を差し入れするのが日課でもある。

「今日は……もう、飲めぬ……」
「はいはい。もう飲んじゃ駄目ですよ。と、いうか……飲み過ぎですからね? 少しは二日酔いに懲りなさい」
「うぬぅ……」

 屍と化したドラゴン達のおでこを指で弾きつつ、お酒の瓶と空っぽの樽を片付ける。
主君に後片付けをさせる従者っていかがなものなのかしらね?

「アカリ。体力切れのようだ」
「あらあら、二人共寝ちゃったの?」

 ルーファスがコハルとピスターシュを両腕に抱えて、スカーと口を開けて寝ている二人を運んできた。
先程まで庭を二人で掛け回っていたのに、やはり瞬発力はあるけれど子供なので体力切れも早いようだ。
私とルーファスは、遊び疲れたコハルとピスターシュを子供部屋に寝かせて、軽く当たるだけのキスをする。

「何て言うか……温泉大陸がドラゴン大陸って、呼ばれる日も近そうね?」
「そうだな。ドラゴンとうちの子供の数が同じになったからな。そのうちピスターシュもアカリの従者になっていそうだ」

 ルーファスに言われて、私はドラゴンの数を指で数える。そういえば、ドラゴンの数はアルビー、グリムレイン、エデン、ローランド、ニクストローブ、スピナ、ケイト、ケルチャ、アクエレインで九人だ。
ピスターシュは預かりっ子なので違うけど、すでに我が家の一員と化している。

「まぁ、ドラゴンはうちの子でも全然いいよ? だって、ルーファスと同じ金の目をしている子達だもの。親近感っていうの? そんな感じです」
「そうか。まぁ、我が家はどんなにドラゴンが増えても困ることは無いからな」
「ええ。そうでしょうとも、なんせ未来の温泉大陸でも元気にやっているみたいですしね」
「リルか……アルビーが未来で幸せにやってくれていたら良い」
「そうだねぇ。今は二日酔いで死んでるけどね。ふふふっ」

 笑ってお互いにキスを交わして、コハルとピスターシュを起こさないように、そっと子供部屋から出て行く。キスを何度もして廊下で深く口付けをしながら、ルーファスの着物の下から突き上がっているモノに少し興奮してしまい、自分の下着が濡れたのが分かった。

「んあっ、やめないで。誰も居ないから、このまま……ね?」
「廊下だぞ? ……まぁ、たまにはいいか」

 ルーファスの手が着物の裾から入り込んでショーツの上から指で双丘を撫でる。

「んふぁ……っ、触り方やらしい……んっ」
「普通に撫でているだけだが、こっちの方が良いか?」

 ショーツごと指を割れ目にグイグイと押して、ルーファスが「アカリの下着が濡れまくりだ。うん? いやらしいのはどっちだ?」と、意地悪な言い方で笑う。

「ひゃんっ。あっ、うっ、意地悪ぅ」
「先に人を助平すけべ扱いするからだ」
「あぁん、ごめんなさい。そんなにグチャグチャに弄っちゃ、やぁ、んっ、にゃあっ」

 ショーツ越しに小さな突起を上下に擦られて、甲高い声を上げて仰け反ると、ショーツがズラされて指が直に肌を触る。
しとどに濡れた蜜口へ指が入り、声を上げる都度に指が上下に動いて快感を与えて私を昂らせていく。

「あぁっ、んっ、んっ、もぅ、挿入れて。ルーファスのがいい、お願い……ひゃっぅ」
「もうか? 降参するのが早いな」
「だって、したいの。早くぅ、ふぁ、んっ、んっ」
「アカリに求められるのも悪く無いな」

 指が抜き去られて、ショーツをズラしたままルーファスの昂ぶりが秘裂を割って蜜口にあてがわれ、ゆっくりと私の中に入ってくる。
根元まで埋まると、ルーファスに太腿を持ち上げられたまま抱き上げられて、体重を支えることのできない状態の私は、深い所までルーファスと密着しては突き上げられるのを繰り返される。

「あぁっ! 深い、んっんんっ、あっ、駄目ぇ、もっ、だめ」
「今日のアカリは、早いな」
「んっ、あっ、駄目なの、ふぁっ、きゃぅぅ!」
「っ、くっ!」

 目の前がチカチカして頭の中が真っ白になると、絶頂で体が気持ちの良さで蕩けそうになって、吐息を洩らす。それと同時に最奥に注がれた白濁が、ルーファスも気持ち良かったのだと教えてくれる。

「はぁ、はぁ、ふぅ、気持ち、良かったぁ……」
「ああ。それは良いんだが、まだギュウギュウ締め付けられてて、こちらとしてはもう少し味わいたいんだが?」
「んふっ、じゃあ、続きはベッドで……ね?」

 そのまま第二ラウンドを夫婦の寝室で続行して、性欲を満たした私は、少しの間ルーファスと抱き合ったまま寝ていて、胸をまさぐるくすぐったさに目を覚ます。
ルーファスが私の胸の谷間を指でなぞり、指で何かを書くように動かしている。

「んっ、ルーファス。くすぐったいですよ?」
「『起きたか娘よ』」
「へっ?」

 ルーファスの声に誰かの声が重なっている。
ジッと見つめれば、ルーファスの目の中の金色の部分がいつもと違って、流れるような金の粒子が行き渡っている。

「だ、れ……誰!?」

 手で胸を押さえたまま身を捩ると、彼は少し半目で私を見る。

「『私はドラゴン達を生み出したる者。此度の働きと献身に感謝しよう』」
「はひ?」
「『……フッ。そう間抜けな顔をするでない。私は忙しい身だからな、もう会うことは無いだろうが、今後もあの子達を頼む。娘には『竜印』を授けた。これで主従関係なく、全てのドラゴンはお前の言う事を聞くだろう。あの子等が、間違ったことをした時にでも使うと良い。ではな』」
「え? ちょっと待ってください!」

 私が待ってと言ったけれど、もうその人は居なくなった後のようで、いつものルーファスの目に戻っていた。
そして不思議そうな顔で私を見つめ返し、首をかしげる。
ルーファスに説明はしたものの、特にこれといった何かが自分に起きたわけでは無いので、まぁ、いつも通りという感じだ。

 後日、アルビー達に『竜印』の話を聞いたけど、ドラゴン達も首を傾げていた。試しにアルビーにリュエールやシュトラールが居ないと使えない【回復・大】を使うように命じたところ使えたので、ドラゴン達が「ヒッ!」と青ざめていた。

「そうねー。今度、お酒を飲み過ぎた時には、禁酒の命令でもしようかしら?」 

 我が家に響くドラゴン達の悲鳴に、我が家の子供達の笑い声がよく響いた。
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