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26章
ドラゴンマスター9
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城内に集められた蛍光緑に光る竜人の人達は、やはりというか……同じ家系の人達で、前・竜王に次いでドラゴンに近いとされる一族の人達だった。
うちのドラゴン達は眉間にしわを寄せている為に、私とルーファスはそれぞれの主従関係にあるドラゴンに暴れないように注意を促しておく。
竜人族は長寿なので、先祖と言っても一世代前にドラゴンの卵を食べた……と、いう所なのだろう。
「彼等はドラクメイ家の人達で、突然体が光り出したという。ただ、元々ドラクメイ家の人間で無かった者や屋敷に使える者は出なかったのだが、屋敷のメイドの子供等に現れているらしい」
オーロラさんの説明に、ルーファスは眉間にしわを寄せ、私は「うわぁー……DNA鑑定だー……」と、思わず呟いてしまった。
「これを治療するには、呪いをかけての治療をする事になるが、魔法反射等の装飾類はしていないな?」
ルーファスの言葉に、ドラクメイ家の人々はザワついて「冗談じゃない!?」と騒ぎ立てるが、ルーファスとドラゴン達に睨みつけられてブルッと震えあがっている。
まぁ、金色の目の人達は魔力が強い人達だから、少し怖いっていうのがこの世界の常識なのよね……
「安心しろ。誰一人、逃がしはせん」
「ドラゴンの卵を食った一族に、慈悲など無い」
いつもは「自己責任。卵の時に食われた奴が悪い」と言っているグリムレインですら、怒っているのだから竜人族はドラゴンに嫌われている。
「ドラゴンの卵を食べただと!?」
「我ら竜人族がドラゴンを食べるなど、ある訳が無い!」
オーロラさんや周りに居た竜人の兵士たちが、信じられないというような声を上げ、ドラクメイの人達も年若い人達は信じられないというような顔をしているけれど、年配の人達は知っている事なのか苦い顔をしていた。
「体が光る者達はドラゴンの卵を食べた者、その子孫だ。そちらが何と言おうとドラゴンは引き剥がさせてもらう。ケルチャ、拘束しろ!」
「はいはぁーい」
ルーファスの命令にケルチャが城内の柱から木の蔦を伸ばして、ドラクメイ家の人々を縛り上げていく。
エデンが背中に背負っていたリュックサックから、製薬部隊が作ったどどめ色のポーション瓶を取り出し、ニッコリと良い笑顔を見せる。
ポーションの色が怪しさをバージョンアップしているのは気のせい……では、なさそうだ。
「暴れないように、我が体を凍らせておこう。口だけ出しておけばよいか」
「グリムレイン、それは流石にやり過ぎじゃない?」
「そんなことは無かろう? 暴れられた方が面倒くさい」
グリムレインが息を吐くとアクエレインが手の平から水を出して、縛り上げたドラメイク家の人々を口以外を凍らせてしまう。
「あ、が、が……」
「主様は、回復の方よろしくなのー」
「了解。任せてーアクエレインやるよー」
「任せろ。嫁御寮」
容赦のないエデンのポーション流し込みの後、ドラゴンを呪い殺す術を施していき、それを私が死なないように水魔法の【水癒】で癒していく。
アクエレインが手伝ってくれている為に、するすると魔法が掛かっていく。
蛍光緑の塊がドロッと口から流れ出て、次々とドラクメイ家の人々が普通の肌の色に戻っていく。
全員の中から蛍光緑の光が無くなり、その後はドラクメイ家は掴み合いの大喧嘩に発展したのだけれど、これは省略するしかないだろう。
ご主人を心配する奥様方、お嫁に来て蛍光緑に光っていなかった人達だけれど、メイドの子供は誰の子供だー! とか、蛍光緑に光っていなかった子供は誰の子供だー! と、大騒ぎ……流石にこれはどうかと思うのよね。
もう用も無いのでドラクメイ家には帰ってもらったけれど、離婚しそうな夫婦が何人かいてどうなる事やらだよね。浮気ダメ絶対!
私達も、もうここには用は無い為にオーロラさんに挨拶をして城から出て、来た道を戻っていた。
「ドラゴンどこに行っちゃったんだろうね?」
「あとで爺様に通信で聞いて探せばいいのー」
彼等の体から出て行ったドロドロの蛍光緑のドラゴンは、いつの間にかどこかへ消えてしまった。
ウォルベクスさんに後でそれは聞くとして、まずは瘴気の沼地を無くしてあげよう。
「沼地を元に戻しましょうか」
「またお人好しな事を……」
「ルーファス、駄目かな?」
「オレは……そういうお人好しなところも惚れているから、好きにすると良い」
「ふふっ、それじゃ、沼地に行ってみましょうか」
ルーファスは、しょうがないなぁという顔で周りのドラゴン達も「またか」という顔をしているけど、それでも文句を言わずに私に付き合って沼地の方へと来てくれた。
沼地に来て私達は、沼地の色が蛍光緑に光っていることに目を見開くことになった。
うちのドラゴン達は眉間にしわを寄せている為に、私とルーファスはそれぞれの主従関係にあるドラゴンに暴れないように注意を促しておく。
竜人族は長寿なので、先祖と言っても一世代前にドラゴンの卵を食べた……と、いう所なのだろう。
「彼等はドラクメイ家の人達で、突然体が光り出したという。ただ、元々ドラクメイ家の人間で無かった者や屋敷に使える者は出なかったのだが、屋敷のメイドの子供等に現れているらしい」
オーロラさんの説明に、ルーファスは眉間にしわを寄せ、私は「うわぁー……DNA鑑定だー……」と、思わず呟いてしまった。
「これを治療するには、呪いをかけての治療をする事になるが、魔法反射等の装飾類はしていないな?」
ルーファスの言葉に、ドラクメイ家の人々はザワついて「冗談じゃない!?」と騒ぎ立てるが、ルーファスとドラゴン達に睨みつけられてブルッと震えあがっている。
まぁ、金色の目の人達は魔力が強い人達だから、少し怖いっていうのがこの世界の常識なのよね……
「安心しろ。誰一人、逃がしはせん」
「ドラゴンの卵を食った一族に、慈悲など無い」
いつもは「自己責任。卵の時に食われた奴が悪い」と言っているグリムレインですら、怒っているのだから竜人族はドラゴンに嫌われている。
「ドラゴンの卵を食べただと!?」
「我ら竜人族がドラゴンを食べるなど、ある訳が無い!」
オーロラさんや周りに居た竜人の兵士たちが、信じられないというような声を上げ、ドラクメイの人達も年若い人達は信じられないというような顔をしているけれど、年配の人達は知っている事なのか苦い顔をしていた。
「体が光る者達はドラゴンの卵を食べた者、その子孫だ。そちらが何と言おうとドラゴンは引き剥がさせてもらう。ケルチャ、拘束しろ!」
「はいはぁーい」
ルーファスの命令にケルチャが城内の柱から木の蔦を伸ばして、ドラクメイ家の人々を縛り上げていく。
エデンが背中に背負っていたリュックサックから、製薬部隊が作ったどどめ色のポーション瓶を取り出し、ニッコリと良い笑顔を見せる。
ポーションの色が怪しさをバージョンアップしているのは気のせい……では、なさそうだ。
「暴れないように、我が体を凍らせておこう。口だけ出しておけばよいか」
「グリムレイン、それは流石にやり過ぎじゃない?」
「そんなことは無かろう? 暴れられた方が面倒くさい」
グリムレインが息を吐くとアクエレインが手の平から水を出して、縛り上げたドラメイク家の人々を口以外を凍らせてしまう。
「あ、が、が……」
「主様は、回復の方よろしくなのー」
「了解。任せてーアクエレインやるよー」
「任せろ。嫁御寮」
容赦のないエデンのポーション流し込みの後、ドラゴンを呪い殺す術を施していき、それを私が死なないように水魔法の【水癒】で癒していく。
アクエレインが手伝ってくれている為に、するすると魔法が掛かっていく。
蛍光緑の塊がドロッと口から流れ出て、次々とドラクメイ家の人々が普通の肌の色に戻っていく。
全員の中から蛍光緑の光が無くなり、その後はドラクメイ家は掴み合いの大喧嘩に発展したのだけれど、これは省略するしかないだろう。
ご主人を心配する奥様方、お嫁に来て蛍光緑に光っていなかった人達だけれど、メイドの子供は誰の子供だー! とか、蛍光緑に光っていなかった子供は誰の子供だー! と、大騒ぎ……流石にこれはどうかと思うのよね。
もう用も無いのでドラクメイ家には帰ってもらったけれど、離婚しそうな夫婦が何人かいてどうなる事やらだよね。浮気ダメ絶対!
私達も、もうここには用は無い為にオーロラさんに挨拶をして城から出て、来た道を戻っていた。
「ドラゴンどこに行っちゃったんだろうね?」
「あとで爺様に通信で聞いて探せばいいのー」
彼等の体から出て行ったドロドロの蛍光緑のドラゴンは、いつの間にかどこかへ消えてしまった。
ウォルベクスさんに後でそれは聞くとして、まずは瘴気の沼地を無くしてあげよう。
「沼地を元に戻しましょうか」
「またお人好しな事を……」
「ルーファス、駄目かな?」
「オレは……そういうお人好しなところも惚れているから、好きにすると良い」
「ふふっ、それじゃ、沼地に行ってみましょうか」
ルーファスは、しょうがないなぁという顔で周りのドラゴン達も「またか」という顔をしているけど、それでも文句を言わずに私に付き合って沼地の方へと来てくれた。
沼地に来て私達は、沼地の色が蛍光緑に光っていることに目を見開くことになった。
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