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26章
ドラゴンマスター2
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朝はエスタークさんの発光騒動があり、きっと他の所でも発光騒動があるのだろうなー……と、少しばかりドラゴンハーフの人達がパニックになっていそうな気がした。
でも、私がそれを気にする前に、我が家の長男リュエールが冒険者ギルドと小鬼通信網を使って、『突然緑色の発光をした人達の情報を求める。遺伝性の病気なので治療薬の治験に参加をしてもらえれば、謝礼金を出す。ギルドを通して連絡をするよう求む』と、依頼を出していた。
「リューちゃんはお仕事早いわねぇ」
「こういうのは初動が肝心なの。目印をしてても、発光状態じゃ身を隠すだろうしね。隠れられたら探すのが大変だよ」
「リューちゃんは、母上の自慢の息子さんだよー」
「それは聞き飽きたよ。まったく、母上はそれよりも、アレをどうにかして」
「はぁーい」
【刻狼亭】の執務室でリュエールが指さすのは棚の上に逃げ込んでいる小さな光る物体。
色は蛍光緑よ。うん、どうやらねぇ……目印の魔法って、抜け出たドラゴンにも付いちゃっているみたいで、手の平サイズの小さなドラゴンが執務室に逃げ込んだようで、リュエールに私は首根っこを掴まれて連行されてきたのよ。
母親の扱いが酷い……
「おいでー。うちにはね、グリムレインやアルビーやエデンやスピナとか、ドラゴンがいっぱい居るの。今は、ドラゴンハーフの情報を貰って出掛けてるから居ないんだけど、怖がらなくても大丈夫よー」
話し掛けて手を伸ばすけど、フーッフーッと興奮しているみたいで、鼻息だけしか聞こえない。蛍光緑に光っているから、元の色も分からない状態。
アクエレインみたいに紐状かもしれないし、姿もよく分からないんだよね。
「ピピィ!!」
バンバンと執務室の縁側の窓を叩く小さなドラゴンの姿が見えた。
ピスターシュが庭を歩いて来たようで、開けて欲しそうに尻尾を振っている。
「ピスターシュ、ごめんねー。もう少し待ってね」
「ピィィ~、ピィー」
「ああ、泣かないで。寂しがり屋さんなんだから」
ポロポロと涙を零して「開けて開けて」とバンバン叩く姿に、仕方なく窓を少し開けるとピスターシュが私の足に飛びついてきて、頬を擦り寄せて尻尾を振り、窓を閉めようとしたら風のように蛍光緑の光る物体が外へと飛び出してしまった。
「あっ!」
「しまった! もう、母上少しは考えてよ!」
「だって、泣かせちゃうと執務室を石に変えられたら、大変じゃない?」
「まぁ、そりゃそうだけど……これは、探すのは夜の方が光って見付けやすいかもね?」
「そうねぇ……グリムレイン達に怒られなきゃいいんだけど……」
「ピピイ」
リュエールは従業員に「蛍光緑に光る物を見たら知らせるように」と、従業員達に知らせに行き、私はピスターシュの相手をしながら、散らばった書類整理と、地図とか色々ルーファスが溜め込んだ物などを整頓させられてしまった。
トリニア家の収集癖を本当に止めさせないと駄目だわ。
「ピィーピピピ?」
「ふふっ、これはねー、文鎮っていって物を押さえるのに使う物だよ」
「ピィー」
散らばった物を一つ一つピスターシュが「何これ?」と、手に持っては首を傾げるので一つ一つ答えてあげて、そのうちコハルも「あれなに? これなに?」って、なになに攻撃が始まるんだろうなーと、思うと少し早めの予備練習かな?
スクルードもよく「なにー?」って聞いてきていたけど、ハガネが教えてくれたりしてたから、スクルードは知識だけはいっぱい詰まっているんだよね。それをコハルに披露しているけど、コハルが分かっていないから、無駄に終わっているのを、ルーファスやハガネと一緒になって「スー、物知りだな偉いぞ」って褒めて伸ばしている。
我が家は褒めて伸ばす方針でスクルードは育てていきたい。
「ピィピ?」
「ふふっ、これはお菓子だよ。食べてみる?」
床に散らばった茶菓子の包みを開けて「はい、あーん」と、ピスターシュの口を開けさせて、黒糖の皮で出来た餡子の入り蒸し饅頭をあげようとした時、手の中の蒸し饅頭が消えていた。
そして、少し離れた床で一心不乱に蒸し饅頭を食べる蛍光緑の小さなミミズのような物が居た。
やっぱり、アクエレインと同じで細く小さくなっているみたいだ。
「ピィ……」
「あ、ピスターシュ、もう一個開けてあげるね」
ぺりぺりと包みを開けると、またミミズのようなドラゴンが近付いてきた。
手の平にお饅頭を乗せて近付いてきたミミズドラゴンを捕まえると、ジュワッと手が熱い鉄を触った様に焼け爛れた。
「アッ、痛ぅー!!」
「ピィィ!?」
ヒドラのクリスタルで手の平の爛れは直ぐに治り始めたけど、これはルーファスの方にも伝わるから、怒られそうだな……と、思った時には腕輪が震えていた。
『アカリ! どうした!? 何があった!?』
「少しドジっただけだから、大丈夫ー……って、ピスターシュ、止めなさいッ!!」
私が腕輪に気を取られている間に、ピスターシュがミミズドラゴンを追い駆けていて、止めに掛かった時にはピスターシュの両手が焼けただれ血が滲んで「ピアアアアッ!!!!」と悲鳴を上げて転がり回っていた。
ピスターシュを抱き上げて【水癒】を施して、傷を直ぐに治したけど、ドラゴン同士でもこんなに相性の悪い危険な子が居るなんて思わなかった。
でも、私がそれを気にする前に、我が家の長男リュエールが冒険者ギルドと小鬼通信網を使って、『突然緑色の発光をした人達の情報を求める。遺伝性の病気なので治療薬の治験に参加をしてもらえれば、謝礼金を出す。ギルドを通して連絡をするよう求む』と、依頼を出していた。
「リューちゃんはお仕事早いわねぇ」
「こういうのは初動が肝心なの。目印をしてても、発光状態じゃ身を隠すだろうしね。隠れられたら探すのが大変だよ」
「リューちゃんは、母上の自慢の息子さんだよー」
「それは聞き飽きたよ。まったく、母上はそれよりも、アレをどうにかして」
「はぁーい」
【刻狼亭】の執務室でリュエールが指さすのは棚の上に逃げ込んでいる小さな光る物体。
色は蛍光緑よ。うん、どうやらねぇ……目印の魔法って、抜け出たドラゴンにも付いちゃっているみたいで、手の平サイズの小さなドラゴンが執務室に逃げ込んだようで、リュエールに私は首根っこを掴まれて連行されてきたのよ。
母親の扱いが酷い……
「おいでー。うちにはね、グリムレインやアルビーやエデンやスピナとか、ドラゴンがいっぱい居るの。今は、ドラゴンハーフの情報を貰って出掛けてるから居ないんだけど、怖がらなくても大丈夫よー」
話し掛けて手を伸ばすけど、フーッフーッと興奮しているみたいで、鼻息だけしか聞こえない。蛍光緑に光っているから、元の色も分からない状態。
アクエレインみたいに紐状かもしれないし、姿もよく分からないんだよね。
「ピピィ!!」
バンバンと執務室の縁側の窓を叩く小さなドラゴンの姿が見えた。
ピスターシュが庭を歩いて来たようで、開けて欲しそうに尻尾を振っている。
「ピスターシュ、ごめんねー。もう少し待ってね」
「ピィィ~、ピィー」
「ああ、泣かないで。寂しがり屋さんなんだから」
ポロポロと涙を零して「開けて開けて」とバンバン叩く姿に、仕方なく窓を少し開けるとピスターシュが私の足に飛びついてきて、頬を擦り寄せて尻尾を振り、窓を閉めようとしたら風のように蛍光緑の光る物体が外へと飛び出してしまった。
「あっ!」
「しまった! もう、母上少しは考えてよ!」
「だって、泣かせちゃうと執務室を石に変えられたら、大変じゃない?」
「まぁ、そりゃそうだけど……これは、探すのは夜の方が光って見付けやすいかもね?」
「そうねぇ……グリムレイン達に怒られなきゃいいんだけど……」
「ピピイ」
リュエールは従業員に「蛍光緑に光る物を見たら知らせるように」と、従業員達に知らせに行き、私はピスターシュの相手をしながら、散らばった書類整理と、地図とか色々ルーファスが溜め込んだ物などを整頓させられてしまった。
トリニア家の収集癖を本当に止めさせないと駄目だわ。
「ピィーピピピ?」
「ふふっ、これはねー、文鎮っていって物を押さえるのに使う物だよ」
「ピィー」
散らばった物を一つ一つピスターシュが「何これ?」と、手に持っては首を傾げるので一つ一つ答えてあげて、そのうちコハルも「あれなに? これなに?」って、なになに攻撃が始まるんだろうなーと、思うと少し早めの予備練習かな?
スクルードもよく「なにー?」って聞いてきていたけど、ハガネが教えてくれたりしてたから、スクルードは知識だけはいっぱい詰まっているんだよね。それをコハルに披露しているけど、コハルが分かっていないから、無駄に終わっているのを、ルーファスやハガネと一緒になって「スー、物知りだな偉いぞ」って褒めて伸ばしている。
我が家は褒めて伸ばす方針でスクルードは育てていきたい。
「ピィピ?」
「ふふっ、これはお菓子だよ。食べてみる?」
床に散らばった茶菓子の包みを開けて「はい、あーん」と、ピスターシュの口を開けさせて、黒糖の皮で出来た餡子の入り蒸し饅頭をあげようとした時、手の中の蒸し饅頭が消えていた。
そして、少し離れた床で一心不乱に蒸し饅頭を食べる蛍光緑の小さなミミズのような物が居た。
やっぱり、アクエレインと同じで細く小さくなっているみたいだ。
「ピィ……」
「あ、ピスターシュ、もう一個開けてあげるね」
ぺりぺりと包みを開けると、またミミズのようなドラゴンが近付いてきた。
手の平にお饅頭を乗せて近付いてきたミミズドラゴンを捕まえると、ジュワッと手が熱い鉄を触った様に焼け爛れた。
「アッ、痛ぅー!!」
「ピィィ!?」
ヒドラのクリスタルで手の平の爛れは直ぐに治り始めたけど、これはルーファスの方にも伝わるから、怒られそうだな……と、思った時には腕輪が震えていた。
『アカリ! どうした!? 何があった!?』
「少しドジっただけだから、大丈夫ー……って、ピスターシュ、止めなさいッ!!」
私が腕輪に気を取られている間に、ピスターシュがミミズドラゴンを追い駆けていて、止めに掛かった時にはピスターシュの両手が焼けただれ血が滲んで「ピアアアアッ!!!!」と悲鳴を上げて転がり回っていた。
ピスターシュを抱き上げて【水癒】を施して、傷を直ぐに治したけど、ドラゴン同士でもこんなに相性の悪い危険な子が居るなんて思わなかった。
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