黒狼の可愛いおヨメさま

ろいず

文字の大きさ
上 下
906 / 960
26章

ドラゴンの谷① ※

しおりを挟む
 何度目かの溜め息と項垂うなだれを繰り返し、ルーファスがドラゴンの谷へ行く準備をしては手を止めている。
コハルに一緒に行こうか? と、誘ってみたけど「やーや」と、首を横に振られてしまったのよね。
愛娘に振られたルーファスのションボリ具合は痛ましい。

「ルーファス、そんなに落ち込まないで? コハルにキラキラした物をお土産にしてあげるんでしょう?」
「ハァー……何故ハガネなんだ……」
 そっちが原因か。
コハルはルーファスよりハガネにピッタリ寄り添っちゃうのは、スクルードからハガネを奪いたいという『欲しい』病の一つなのだ。
他人が持っていると、羨ましくなっちゃうというヤツです。
あとは、ハガネが秋になってきたから、ドングリのような木の実をいっぱい採って、穴を開けてネックレスにしてくれたりしたからなんだよね。
子供にしてみれば、ああいう物って普通に宝石を貰うよりもお宝感が強いからね。

 ルーファスもコハルに、何か黒っぽいキラキラした鱗をあげたみたいなんだけど、あの子ったら庭で遊んでいるうちに無くしちゃったみたいで、「もっこー」と、もう一個取って来てとルーファスにお願いしたのだけど、特殊な鱗みたいで取りに行けないと言ったら、駄々をこねて困らせたりしていたのよね。
ルーファスに何の鱗なのか聞いても教えてくれずに、目を逸らすし……とても怪しかったんだけどね。
まぁ、そんな事もあって、コハルはルーファスよりハガネ推しなのだ。

「ルーファス、たまには夫婦で旅行も良いじゃない?」
「まぁ、アカリと二人も悪くないが……ドラゴン達が居るからな……ハァ」
「いつまでもクヨクヨしてると、ルーファスも置いていきますよ?」
「それは、駄目だ」

 グイッと腕を掴まれて、ルーファスの胸の中に抱き寄せられていた。
見つめ合えば、自然と瞼が閉じて唇が重なりあう。甘く広がる唇から漂う香りに、口を開けて舌を伸ばせばそれに応えるように、舌先が吸われていく。

「ん、ふぁ……っ」
 口の中に広がり続けるつがい特有の甘さに、喉の奥から甘く痺れる鼓動と高鳴りに目を開けると、熱のこもった視線が見つめ返してくる。
金色の瞳は少し熱をはらんでいて、喉の渇きを癒すように何度も角度を変えて唇を重ね、下唇も上唇もぽってりと吸い尽くされて熱を帯びてくると、着物の帯紐に手がかかる。

「ん、はぁ、ん……、はぅ」
 離れた唇は首元に吸い付き、帯も着物も解かれてキャミソールとショーツだけになると、心もとなさに恥じらいも生まれてしまう。
何十年と繰り返している行為でも、恥ずかしい気持ちは変わらない。

「アカリ、宣言通り、十人目を作ろうか?」
「あの、んー……ひゃぁっ、ルーファス、来年じゃ駄目かな……?」

 キャミソールの裾から胸を下から揉み上げられて、言葉が途切れ途切れになりながらも伝えると、解せないと言うようにルーファスが小さく首を傾げる。

「だって、コハルも小さいし、ミルアもフィリアちゃんも子供を産むでしょ?」
「なんだ、そんな事か」
「なんだって……絶対、私の手が必要になっちゃうもの」
「一人育てるのも二人育てるのも、三人だって、変わりはないだろう?」

 う……っ、確かに我が家は三人育てるというのがデフォな感じではある。
リュエール達の時もリリスちゃんを育てたし、ミルア達の時はミールを育てたし……うーんと、唸っているとルーファスにキャミソールを脱がされて、抱き上げられていた。

「それに、子供は授かりものだろう? 直ぐに出来たら我が家は、とっくの昔に十人以上の子沢山だ」
「それはそうだけど……」

 ベッドの上に下ろされてショーツに手が掛かり抜き取られると、ルーファスは笑いながら「色々想像するより、実際に出来てから考えればいいさ」と服を脱ぎ始める。
確かに、大変だろうなーと想像するばかりでは、目に見えない苦労を背負いこむだけでもある。
 裸になったルーファスがベッドに上がって来て、両ひざを広げられると舌を舐めて目を細めるルーファスの顔が少し、エッチな感じだ。悪い大人と言う感じかな?

「何だかんだで、アカリも受け入れる準備はしているようだな」
「ふあっ!? そ、そんな事ない~」
「そうか? 蜜が溢れて濡れているぞ?」
 
 クチュッと指が恥丘の割れ目に入り込み、ズチュズチュと音を立てて出入りを繰り返される。

「きゃぅ、んっ、あっ、やっぁん、んっ、んん」
「子供を九人も産んだのに、柔らかくて狭いままだな」
「あっ、やだぁ、んんっ、そういう事、あんっ、言わない、あっ、あぅ」
「オレに何度も抱かれているのに、色も変わらないしな」
「やぁん、もぉ、エッチ、変態ぃ~」

 増やされる指に反応して、声が上がり腰も勝手に動いて自分でも気持ちのいい箇所に当たるように、導いているようで恥ずかしいけど、気持ち良さには逆らえずに嬌声を上げて、ルーファスの手淫で軽く絶頂を迎えて、ベッドの上で余韻よいんに浸り、ルーファスを見上げて手を広げる。
 
「ルーファス、ルーファスも、気持ち良くなろ……?」
「ああ。可愛いオレのつがいに誘われるのは、番冥利つがいみょうりにつきるな」

 ルーファスに太腿の裏に手を掛けられて、体をくの字に曲げられまんぐり返しにされて、亀頭の先端が中に挿入そうにゅうされるのが見える格好で、ずぶずぶと挿入はいっていく。

「きゃうぅぅ、あっ、やぁん、深い、からぁ……ああっ」
「子種を全部注ぎ込むなら、この格好の方が確実だろう? それに、アカリの顔もココも全部見れるからな」
「やぁ……んっんんんっ、全部、挿入っちゃうよ……あぅ、ぅ」

 ルーファスが腰を沈める度に、蜜道に肉棒の雁首かりくびがゴリゴリ当たっていつもよりも、真っ直ぐ子宮口をグイグイ押し当てては引き上げられ、ダイレクトに快感が引きずり出されている感じがする。

「あんっ、あっ、あああっ! んくぅ、奥ぅ、あっ」

 ズンッと奥に穿たれて、キュウッと中が収縮するとドクリと雄竿が脈動して奥で白濁が注がれて、ルーファスが竿を引き上げると、蜜口から収まり切れなかった白い液体が蜜口から溢れ出していた。
「ふぁ……んんっ……」
「そそるな。アカリの中にオレの物がいっぱいだ」
「んくぅ、そういうの言っちゃ、やだ……」
「ククッ、もう少し、愛し合おうか」
「……はい……」

 気付けば、ルーファスに体位を変えられて、何度もイカされて気付いたら朝になっていた。
朝の白んだ頃にお互い抱き合って眠って、エデン達に「遅いのー!」と怒られたのはご愛敬だろう。
しおりを挟む
感想 1,004

あなたにおすすめの小説

お腹の子と一緒に逃げたところ、結局お腹の子の父親に捕まりました。

下菊みこと
恋愛
逃げたけど逃げ切れなかったお話。 またはチャラ男だと思ってたらヤンデレだったお話。 あるいは今度こそ幸せ家族になるお話。 ご都合主義の多分ハッピーエンド? 小説家になろう様でも投稿しています。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

婚約者が巨乳好きだと知ったので、お義兄様に胸を大きくしてもらいます。

恋愛
可憐な見た目とは裏腹に、突っ走りがちな令嬢のパトリシア。婚約者のフィリップが、巨乳じゃないと女として見れない、と話しているのを聞いてしまう。 パトリシアは、小さい頃に両親を亡くし、母の弟である伯爵家で、本当の娘の様に育てられた。お世話になった家族の為にも、幸せな結婚生活を送らねばならないと、兄の様に慕っているアレックスに、あるお願いをしに行く。

夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました

氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。 ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。 小説家になろう様にも掲載中です

【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される

奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。 けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。 そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。 2人の出会いを描いた作品はこちら 「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630 2人の誓約の儀を描いた作品はこちら 「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」 https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041

淫らな蜜に狂わされ

歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。 全体的に性的表現・性行為あり。 他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。 全3話完結済みです。

婚約者である皇帝は今日別の女と結婚する

アオ
恋愛
公爵家の末娘として転生した美少女マリーが2つ上の幼なじみであり皇帝であるフリードリヒからプロポーズされる。 しかしその日のうちにプロポーズを撤回し別の女と結婚すると言う。 理由は周辺の国との和平のための政略結婚でマリーは泣く泣くフリードのことを諦める。しかしその結婚は実は偽装結婚で 政略結婚の相手である姫の想い人を振り向かせるための偽装結婚式だった。 そんなこととはつゆ知らず、マリーは悩む。すれ違うがその後誤解はとけマリーとフリードは幸せに暮らしました。

今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を

澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。 そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。 だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。 そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
番外編を閲覧することが出来ません。
過去1ヶ月以内にノーチェの小説・漫画を1話以上レンタルしている と、ノーチェのすべての番外編を読むことができます。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。