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26章
お弁当
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屋敷のお台所で子供達のお弁当を作り、風邪で今日は寝込んでいるキリンちゃん用のおかゆを作って菜箸片手に「出来上がり―!」と声を出す。
リュエールとシュトラールは出勤し、フィリアちゃんがキリンちゃんの代わりに、今日は『女将亭』の代理女将として出勤し、ついでにナルアとルーシーがミッシャさんのお店にポプリを作りに出掛けて行った。
ハガネとスクルードは魔法の勉強で今日は海の方に行ってしまった。
ティルナールとエルシオンも元気に川に行っている。もうすぐ冒険者資格を取れるとあって、今はその準備運動のようなものらしい。
「そういえば、リューちゃんとシューちゃんも行ってたなぁ」
長兄二人も冒険者試験の前にルーファスに狩りに連れて行ってもらったりしていたから、誕生日前は元気に走り回っていたものだ。
ティルナールは八月生まれでもうすぐ試験の資格は取れるけど、エルシオンは十月生まれなので一緒にとるには冬休みのお正月くらいになるだろう。
同じ日に産んであげられなくて、少し申し訳ない。
「アルビー、ケイト、グリムレイン、お弁当を届けに行ってちょうだーい」
台所からドラゴン達に声を掛けると、ドラゴン達が台所に顔を出す。
台所の入り口がヒドラのようにドラゴンの生首だらけで埋まっている。
「みんな、体は小さくしてね? お弁当を届けてほしいんだけど、川のぬしはアルビーが知ってるならお願い出来る?」
「いいよ。私も川で遊びたいから、私にもお弁当頂戴」
「じゃあ、アルビーのお弁当も入れておくね」
風呂敷を広げて、ティルナールとエルシオンとアルビーのお弁当箱と水筒を入れると、アクエレインが「一緒に行く!」と尻尾を振っているので、アクエレインのお弁当箱も追加で入れて風呂敷をギュッと結ぶ。
「アルビー、アクエレイン、二人が危ない事してたら止めてね? 楽しんできて」
「うん。行ってくるね」
「嫁御寮、川で魔力回復してくる!」
アルビーが風呂敷の上にアクエレインも乗せて、首をゆらゆら動かしながら大広間へ向かう。
玄関から出て行かずに、大広間から縁側へ行き、そのまま中庭から飛んでいくようだ。
「ケイト、『女将亭』にフィリアちゃんとルーシーとナルアにお弁当お願いね。ケイトのお弁当も入れる?」
「うん。ケイトのも入れて~」
「アカリ、ケイトが行くならアタシも行くわ」
「じゃあ、ケルチャのお弁当も入れておくね」
風呂敷にお弁当とミッシャさんへのお礼のお菓子も入れてケルチャに持たせて、二人も大広間の方から出ていく。
うちのドラゴン達に玄関は意味が無いのかな?
「グリムレイン、ハガネとスクルードにお弁当持っていってね。グリムレインはお弁当どうする?」
「我もたまには外で食べるかの」
「はーい。じゃあ入れておくね。水筒大目に入れておいたから、二人に水分補給させておいてね?」
「いざとなれば、我が氷でも口に入れてやるわ」
「ふふっ、エデン、エデンはどうする?」
「私は主様とここでお弁当を頂くの」
「わかった。じゃあ、グリムレイン一人だけど行ってきて」
風呂敷を持たせてグリムレインには大きめの水筒も持たせる。お砂糖と塩とミッカが少し入った簡易スポーツドリンクなので海に居る二人には飲ませておかないと、太陽の照り返しで海でこんがり焼けて熱中症になりかねない。
ハガネが居るから大丈夫だとは思うけど、海は日差しを避ける物が無いから念には念である。
グリムレインもやっぱり大広間から出て行き、玄関を使うドラゴンは居ないようだ。
エデンと一緒にキリンちゃん用のおかゆを持って大広間に戻ると、ベビーベッドで眠るシャルちゃんとコハルに、レーネルくんとルビスちゃんに文字の書き取りを教えているルーファスが居る。
カウチソファの上ではニクストローブとスピナがオセロで遊んでいる。
「お勉強はどうかな?」
「二人共なかなか覚えが良いぞ」
お祖父ちゃんの顔と言うよりは、先生のような顔でルーファスが二人に子供用の小さな算盤の使い方も教えている。
元々経営者側だっただけあって、人にものを教えるのは得意のようだ。
「私はキリンちゃんにおかゆ持っていきますね。終わったらお茶を持ってきます」
「ああ、頼む」
応接間の奥にある客間に「入りますよ」と言って襖をあけると、「すみませんお義母さん」と起き上がろうとするキリンちゃんを手で制した。
「具合はどうですか?」
「なんかグラグラして気持ち悪いです……」
「おかゆ作ったんだけど、食べれそう?」
「うーん……気持ち悪いですー……」
「特殊ポーション飲んだ方がいいかしらね?」
少し顔は赤いけど、熱はどうかなー? と、おでこを手で触り熱は無い事を確かめる。
エデンにクイクイッと浴衣を引っ張られる。
「主様が作ったおかゆなら、病気治るの」
「ああ、そうね。おかゆも私の手作りだし、食べたら良くなるかも?」
キリンちゃんにおかゆを一口だけ頑張って食べて貰い、しばらくしたら寝息が聞こえて顔色も良くなったので、風邪はこれで大丈夫そうだ。
リュエールが心配していたし、ぐっすり寝れば治るはず。
大広間に戻って、ルーファス達に「もう大丈夫だよ」と伝えてお茶を淹れに行き、お茶とお茶菓子を出して、お昼まで私も孫達のお勉強を一緒に見ていた。
お昼時間にリュエールが飛んで帰ってきたので、後は寝ておけば大丈夫と伝えて、リュエールにもお弁当をシュトラールの分も持って帰らせる。
「さて、私達もお昼ご飯にしましょうねー」
「わーい。おばあさまのお弁当すきー」
「ぼくもおばあさまのお弁当すきです」
「うふふ、ありがとう。いっぱい食べてねー」
「「はーい」」
たまにはお家の中でお弁当もいいものである。
中身はオーソドックスなお弁当で、タコさんウインナー・ハンバーグ・エビフライ・卵焼き・きんぴらごぼう・アスパラのベーコン巻きにご飯は三食そぼろ(鶏肉そぼろ・たまごそぼろ・鮭そぼろ)
大人の男性陣とドラゴンにはここにコロッケと照り焼きも入ったボリュームのあるものにしてある。
我が家の男性陣はいっぱい食べるからね。
出掛けた皆が帰ってきたら、弁当箱洗い職人になりそうな気もするけど、まぁたまにはそんな日があってもいいかな?
リュエールとシュトラールは出勤し、フィリアちゃんがキリンちゃんの代わりに、今日は『女将亭』の代理女将として出勤し、ついでにナルアとルーシーがミッシャさんのお店にポプリを作りに出掛けて行った。
ハガネとスクルードは魔法の勉強で今日は海の方に行ってしまった。
ティルナールとエルシオンも元気に川に行っている。もうすぐ冒険者資格を取れるとあって、今はその準備運動のようなものらしい。
「そういえば、リューちゃんとシューちゃんも行ってたなぁ」
長兄二人も冒険者試験の前にルーファスに狩りに連れて行ってもらったりしていたから、誕生日前は元気に走り回っていたものだ。
ティルナールは八月生まれでもうすぐ試験の資格は取れるけど、エルシオンは十月生まれなので一緒にとるには冬休みのお正月くらいになるだろう。
同じ日に産んであげられなくて、少し申し訳ない。
「アルビー、ケイト、グリムレイン、お弁当を届けに行ってちょうだーい」
台所からドラゴン達に声を掛けると、ドラゴン達が台所に顔を出す。
台所の入り口がヒドラのようにドラゴンの生首だらけで埋まっている。
「みんな、体は小さくしてね? お弁当を届けてほしいんだけど、川のぬしはアルビーが知ってるならお願い出来る?」
「いいよ。私も川で遊びたいから、私にもお弁当頂戴」
「じゃあ、アルビーのお弁当も入れておくね」
風呂敷を広げて、ティルナールとエルシオンとアルビーのお弁当箱と水筒を入れると、アクエレインが「一緒に行く!」と尻尾を振っているので、アクエレインのお弁当箱も追加で入れて風呂敷をギュッと結ぶ。
「アルビー、アクエレイン、二人が危ない事してたら止めてね? 楽しんできて」
「うん。行ってくるね」
「嫁御寮、川で魔力回復してくる!」
アルビーが風呂敷の上にアクエレインも乗せて、首をゆらゆら動かしながら大広間へ向かう。
玄関から出て行かずに、大広間から縁側へ行き、そのまま中庭から飛んでいくようだ。
「ケイト、『女将亭』にフィリアちゃんとルーシーとナルアにお弁当お願いね。ケイトのお弁当も入れる?」
「うん。ケイトのも入れて~」
「アカリ、ケイトが行くならアタシも行くわ」
「じゃあ、ケルチャのお弁当も入れておくね」
風呂敷にお弁当とミッシャさんへのお礼のお菓子も入れてケルチャに持たせて、二人も大広間の方から出ていく。
うちのドラゴン達に玄関は意味が無いのかな?
「グリムレイン、ハガネとスクルードにお弁当持っていってね。グリムレインはお弁当どうする?」
「我もたまには外で食べるかの」
「はーい。じゃあ入れておくね。水筒大目に入れておいたから、二人に水分補給させておいてね?」
「いざとなれば、我が氷でも口に入れてやるわ」
「ふふっ、エデン、エデンはどうする?」
「私は主様とここでお弁当を頂くの」
「わかった。じゃあ、グリムレイン一人だけど行ってきて」
風呂敷を持たせてグリムレインには大きめの水筒も持たせる。お砂糖と塩とミッカが少し入った簡易スポーツドリンクなので海に居る二人には飲ませておかないと、太陽の照り返しで海でこんがり焼けて熱中症になりかねない。
ハガネが居るから大丈夫だとは思うけど、海は日差しを避ける物が無いから念には念である。
グリムレインもやっぱり大広間から出て行き、玄関を使うドラゴンは居ないようだ。
エデンと一緒にキリンちゃん用のおかゆを持って大広間に戻ると、ベビーベッドで眠るシャルちゃんとコハルに、レーネルくんとルビスちゃんに文字の書き取りを教えているルーファスが居る。
カウチソファの上ではニクストローブとスピナがオセロで遊んでいる。
「お勉強はどうかな?」
「二人共なかなか覚えが良いぞ」
お祖父ちゃんの顔と言うよりは、先生のような顔でルーファスが二人に子供用の小さな算盤の使い方も教えている。
元々経営者側だっただけあって、人にものを教えるのは得意のようだ。
「私はキリンちゃんにおかゆ持っていきますね。終わったらお茶を持ってきます」
「ああ、頼む」
応接間の奥にある客間に「入りますよ」と言って襖をあけると、「すみませんお義母さん」と起き上がろうとするキリンちゃんを手で制した。
「具合はどうですか?」
「なんかグラグラして気持ち悪いです……」
「おかゆ作ったんだけど、食べれそう?」
「うーん……気持ち悪いですー……」
「特殊ポーション飲んだ方がいいかしらね?」
少し顔は赤いけど、熱はどうかなー? と、おでこを手で触り熱は無い事を確かめる。
エデンにクイクイッと浴衣を引っ張られる。
「主様が作ったおかゆなら、病気治るの」
「ああ、そうね。おかゆも私の手作りだし、食べたら良くなるかも?」
キリンちゃんにおかゆを一口だけ頑張って食べて貰い、しばらくしたら寝息が聞こえて顔色も良くなったので、風邪はこれで大丈夫そうだ。
リュエールが心配していたし、ぐっすり寝れば治るはず。
大広間に戻って、ルーファス達に「もう大丈夫だよ」と伝えてお茶を淹れに行き、お茶とお茶菓子を出して、お昼まで私も孫達のお勉強を一緒に見ていた。
お昼時間にリュエールが飛んで帰ってきたので、後は寝ておけば大丈夫と伝えて、リュエールにもお弁当をシュトラールの分も持って帰らせる。
「さて、私達もお昼ご飯にしましょうねー」
「わーい。おばあさまのお弁当すきー」
「ぼくもおばあさまのお弁当すきです」
「うふふ、ありがとう。いっぱい食べてねー」
「「はーい」」
たまにはお家の中でお弁当もいいものである。
中身はオーソドックスなお弁当で、タコさんウインナー・ハンバーグ・エビフライ・卵焼き・きんぴらごぼう・アスパラのベーコン巻きにご飯は三食そぼろ(鶏肉そぼろ・たまごそぼろ・鮭そぼろ)
大人の男性陣とドラゴンにはここにコロッケと照り焼きも入ったボリュームのあるものにしてある。
我が家の男性陣はいっぱい食べるからね。
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