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26章
朝食
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朝食の並ぶ食卓を前に、ミルアを抜かした家族が揃ってご飯を食べている。
私はルーファスに「あーん」と、食べさせてもらいながらコハルにオッパイをあげている。
昨日の氷のウエディングで少し風邪気味なキリンちゃんはまだ寝ているので、シャルちゃんに、もう片方のオッパイで授乳中である。
姑がお乳あげるって嫌じゃないかな? と、聞いたけど、「シャルが風邪を引いてしまったら困るので、是非お願いします」ということで、任された。
「なんか、シャルの飲み方がいつもより元気がいいね」
「そう? きっとお腹空いてたんだよ」
キリンちゃんが夜中もなかなか起き上がれずに授乳があまりできなかったと言っていたしね。
後で特殊ポーションを飲ませておくか、もう少し寝て治すか決めるみたいだ。
「ちちうー、スーも、あーん」
「ん? スーも食べるのか。甘えん坊さんだな。ほら、あーん」
卵焼きを口に入れられて、もちもちと食べるスクルードを見て、シュトラールが「オレもオレも!」とフィリアちゃんに言って、ルビスちゃんに半目で見られていた。
相変わらずシュトラールは甘えたがりの大型犬のようだ。
「母上と父上は今日はどうするの?」
「ボク等は今日は山に川遊びに行くよ」
ティルナールとエルシオンが子供らしいと事を言うので、「いいわねぇ」と言えば「川のぬしを捕まえるんだー」と元気に答える。
川のぬし……大きい魚かな? と、思って「獲れたら食べようねー」と言ったところ、ルーファスに止められた。
「アカリ、川のぬしは食べれるような物じゃないぞ。止めておけ」
「不味いの?」
「食べると呪われる」
「物騒だねぇ。でも呪いなら【聖域】でなんとかいけるんじゃない?」
ナマズとかそういう類のものだったりするのかな? ナマズは昔は蒲焼きにして食べてたってお婆ちゃんに聞いた事あるけど、ウナギよりも美味しかったとか言ってたんだけどなぁ。
「アカリ、そんなの食べる気? 悪食だなぁ」
「アルビー、川のぬしってそんなに食べちゃマズイ?」
「私はおススメはしないよ。だって、鱗はザクザクだし、骨もトゲトゲしいし、身なんてちょっぴりなのに呪われるんだよ? 割に合わないもの」
「そうなんだ」
アルビーが首を振りながら舌を出して「うぇー」と言っているということは、食べたことがあるのだろう。
しかし、そんな危なそうな魚を二人が獲りたがるなんてどうしてだろう?
「二人共、川のぬしの称号狙いだろう?」
「「流石、父上! あたり!」」
声を揃える二人にルーファスが片眉を上げて「オレもアルビーと一番初めに取った称号はそれだったな」とアルビーを見て「ぬし不味かったー」「だから止めておけとオレは言ったんだ」と、笑いあっている。
呪いに掛かって自分で呪いを解呪する光竜……すごくシュールかも?
「ルーシーは称号を取りには行かないのか?」
「私は冒険者になる気は無いもの」
「そうなのか? 色んな土地で話を集めて絵本を作りたいと言っていただろう?」
「絵本は書きたいけど、それは冒険者じゃなくても行けるもの」
ルーファスが少し首を傾げて私を見るが、笑顔で女の子の秘密は死守させてもらおう。
冒険で危ない場所に行くより、ルーシーは女の子らしい場所で今から花嫁修業に精を出したいのだそうだ。
なので、この夏は『女将亭』のミッシャさんの所でポプリ人形を作るのだとか。
ちなみに、ミッシャさんのポプリ人形は人気があって、今は予約待ちになっている。
オリジナルの香水も来月から着手するので、私もルーファスの香水を作る気満々で楽しみにしている。
『番の香り』は男性にも人気があって、小さな透かし彫りのロケットの中に恋人の写真とポプリを入れて持ち歩く人もいる。
「シャルちゃん飲み終わりましたよ。リューちゃんポンポンしてあげて」
「ありがとう母上。シャル、ゲップしようね」
シャルちゃんをリュエールに渡せば、手慣れた手つきでゲップをさせている。
もう二人の父親なのだから上手くなるのも当たり前かな?
「はい。ルーファスもコハルをポンポンしてあげてね」
「わかった。アカリは食事をしっかり摂っておけ」
「ふふっ、お願いします」
ルーファスの九人の父親力はどうかなー? と見ていると、トントンと叩いたところで「にゃぁぁん」と子猫のような声で泣かれて、そのままお乳を吐かれる惨事にルーファスが苦笑いする。
「あらら、布巾、布巾」
「アカリ、おしめも変えないと駄目みたいだ」
「あらら、じゃあ取り換えなきゃ」
「オレがやっておくから、アカリは朝食を食べていろ」
「ふふー、ありがとう。流石、九人のお父さん!」
ルーファスがコハルを連れて部屋を出ると、すかさずスクルードがルーファスの席を奪いにくる。
「ははうー、あーん」
「はーい。スーちゃん、あーん」
口をパカッと開けたスクルードの口に焼き魚を入れると、「んふーっ」と良い笑顔を振りまく。
まだスクルードも二歳とあって甘えたい年頃なので、ルーファスか私のどちらかがコハルの手を離れている時はスクルードをいっぱい甘やかしている。
「母上、ボク等は川に行くけど、お弁当作ってもらっていい?」
「良いわよ。母上の愛情たっぷりのお弁当を作っちゃいましょう!」
「「やったー!」」
「母上、わたしも!」
「ええ。ルーシーのお弁当も作るね」
「やったー! 母上、大好き―!」
ルーシーに抱きつかれて、ティルナールとエルシオンも少し考えてから私に抱きついてきた。
うちの子供達は甘えん坊さんが多いようだ。スクルードだけじゃなくて上の子達も甘やかしてあげないと駄目かな?
でも、この子達も来年には自分の道を歩む為に動き始めるのだから、今のうちしか甘えさせてあげれないから、いっぱい甘やかしてしまおう。
私はルーファスに「あーん」と、食べさせてもらいながらコハルにオッパイをあげている。
昨日の氷のウエディングで少し風邪気味なキリンちゃんはまだ寝ているので、シャルちゃんに、もう片方のオッパイで授乳中である。
姑がお乳あげるって嫌じゃないかな? と、聞いたけど、「シャルが風邪を引いてしまったら困るので、是非お願いします」ということで、任された。
「なんか、シャルの飲み方がいつもより元気がいいね」
「そう? きっとお腹空いてたんだよ」
キリンちゃんが夜中もなかなか起き上がれずに授乳があまりできなかったと言っていたしね。
後で特殊ポーションを飲ませておくか、もう少し寝て治すか決めるみたいだ。
「ちちうー、スーも、あーん」
「ん? スーも食べるのか。甘えん坊さんだな。ほら、あーん」
卵焼きを口に入れられて、もちもちと食べるスクルードを見て、シュトラールが「オレもオレも!」とフィリアちゃんに言って、ルビスちゃんに半目で見られていた。
相変わらずシュトラールは甘えたがりの大型犬のようだ。
「母上と父上は今日はどうするの?」
「ボク等は今日は山に川遊びに行くよ」
ティルナールとエルシオンが子供らしいと事を言うので、「いいわねぇ」と言えば「川のぬしを捕まえるんだー」と元気に答える。
川のぬし……大きい魚かな? と、思って「獲れたら食べようねー」と言ったところ、ルーファスに止められた。
「アカリ、川のぬしは食べれるような物じゃないぞ。止めておけ」
「不味いの?」
「食べると呪われる」
「物騒だねぇ。でも呪いなら【聖域】でなんとかいけるんじゃない?」
ナマズとかそういう類のものだったりするのかな? ナマズは昔は蒲焼きにして食べてたってお婆ちゃんに聞いた事あるけど、ウナギよりも美味しかったとか言ってたんだけどなぁ。
「アカリ、そんなの食べる気? 悪食だなぁ」
「アルビー、川のぬしってそんなに食べちゃマズイ?」
「私はおススメはしないよ。だって、鱗はザクザクだし、骨もトゲトゲしいし、身なんてちょっぴりなのに呪われるんだよ? 割に合わないもの」
「そうなんだ」
アルビーが首を振りながら舌を出して「うぇー」と言っているということは、食べたことがあるのだろう。
しかし、そんな危なそうな魚を二人が獲りたがるなんてどうしてだろう?
「二人共、川のぬしの称号狙いだろう?」
「「流石、父上! あたり!」」
声を揃える二人にルーファスが片眉を上げて「オレもアルビーと一番初めに取った称号はそれだったな」とアルビーを見て「ぬし不味かったー」「だから止めておけとオレは言ったんだ」と、笑いあっている。
呪いに掛かって自分で呪いを解呪する光竜……すごくシュールかも?
「ルーシーは称号を取りには行かないのか?」
「私は冒険者になる気は無いもの」
「そうなのか? 色んな土地で話を集めて絵本を作りたいと言っていただろう?」
「絵本は書きたいけど、それは冒険者じゃなくても行けるもの」
ルーファスが少し首を傾げて私を見るが、笑顔で女の子の秘密は死守させてもらおう。
冒険で危ない場所に行くより、ルーシーは女の子らしい場所で今から花嫁修業に精を出したいのだそうだ。
なので、この夏は『女将亭』のミッシャさんの所でポプリ人形を作るのだとか。
ちなみに、ミッシャさんのポプリ人形は人気があって、今は予約待ちになっている。
オリジナルの香水も来月から着手するので、私もルーファスの香水を作る気満々で楽しみにしている。
『番の香り』は男性にも人気があって、小さな透かし彫りのロケットの中に恋人の写真とポプリを入れて持ち歩く人もいる。
「シャルちゃん飲み終わりましたよ。リューちゃんポンポンしてあげて」
「ありがとう母上。シャル、ゲップしようね」
シャルちゃんをリュエールに渡せば、手慣れた手つきでゲップをさせている。
もう二人の父親なのだから上手くなるのも当たり前かな?
「はい。ルーファスもコハルをポンポンしてあげてね」
「わかった。アカリは食事をしっかり摂っておけ」
「ふふっ、お願いします」
ルーファスの九人の父親力はどうかなー? と見ていると、トントンと叩いたところで「にゃぁぁん」と子猫のような声で泣かれて、そのままお乳を吐かれる惨事にルーファスが苦笑いする。
「あらら、布巾、布巾」
「アカリ、おしめも変えないと駄目みたいだ」
「あらら、じゃあ取り換えなきゃ」
「オレがやっておくから、アカリは朝食を食べていろ」
「ふふー、ありがとう。流石、九人のお父さん!」
ルーファスがコハルを連れて部屋を出ると、すかさずスクルードがルーファスの席を奪いにくる。
「ははうー、あーん」
「はーい。スーちゃん、あーん」
口をパカッと開けたスクルードの口に焼き魚を入れると、「んふーっ」と良い笑顔を振りまく。
まだスクルードも二歳とあって甘えたい年頃なので、ルーファスか私のどちらかがコハルの手を離れている時はスクルードをいっぱい甘やかしている。
「母上、ボク等は川に行くけど、お弁当作ってもらっていい?」
「良いわよ。母上の愛情たっぷりのお弁当を作っちゃいましょう!」
「「やったー!」」
「母上、わたしも!」
「ええ。ルーシーのお弁当も作るね」
「やったー! 母上、大好き―!」
ルーシーに抱きつかれて、ティルナールとエルシオンも少し考えてから私に抱きついてきた。
うちの子供達は甘えん坊さんが多いようだ。スクルードだけじゃなくて上の子達も甘やかしてあげないと駄目かな?
でも、この子達も来年には自分の道を歩む為に動き始めるのだから、今のうちしか甘えさせてあげれないから、いっぱい甘やかしてしまおう。
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