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24章
アルバム2
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新しいアルバムを出して、ページをめくっていくと、段々と私も赤ちゃんから幼児に育ち、まぁ、当たり前なんだけど、私もいよいよ歩き出しますか……と、いう感じである。
「ほら、ルーファス。これが私の世界の海、人が多いでしょ?」
私は『あかりちゃんと海水浴』とタイトルを付けられた、海に遊びに行って撮って貰ったものを見せる。
ビーチパラソルの下でムックとビキニの私の後ろには、海で泳ぐ人や、歩いている人が数多く居て、この世界では見ない海遊びの写真である。
「アカリの親は幼子とはいえ、娘になんという恰好をさせているんだ……」
「いやいや、ルーファス。水着だからね? 後ろの人達を見よう? 水着みんな着てるからね?」
「うーむ……海にこんなに人が居たら、海獣が入れ食い状態だな」
「いやいや、日本の海は平和だからね? まぁたまにサメとか出るけど、滅多に出ないし」
異世界の海とこの世界の海じゃ違い過ぎて、どうも常識が違うから、ルーファスも眉間にしわを寄せている。
海水浴場なのでやはり水着姿の人が多く、それもルーファスには「下着姿で平気なのか?」という感じなのだろう。
「あっ、お母さんの水着写真だ」
黒いビキニ姿のお母さんはやはりと言うか何というか、胸がぽよんと大きくて、私の胸の大きさはお母さんの家系からの流れなんだと改めて思い知る。
「アカリが背が高かったらこうだったのかもな」
「ぐぬっ。私の背はお祖母ちゃん譲りだから……お母さんみたいに平均身長じゃないんだよぅ~」
「可愛らしさではアカリの圧勝だぞ」
「ううっ、私は可愛いより、お母さんみたいな綺麗の方が良かった~」
「アカリも十分綺麗だから圧勝だ」
ルーファスに頭をスリスリされて慰められているのか、素直に喜んでおけばいいのやらである。
新しいアルバムを出して、ページをまためくっていくと、ムックの居ない写真が多くなって、四歳になり私も幼稚園に通い始めたようで、スモッグ姿とかが多くなる。
『あかりちゃんとうさぎさん』
小さな私が自分の背丈と変わらない大きなウサギのぬいぐるみを抱っこして笑っている。
このウサギのぬいぐるみ……珍しくお仕事が両親揃ってお休みが貰えることになり、動物園に行く予定でお弁当も用意して楽しみにしていたのに、お母さんにお仕事の電話が入り会社へ行ってしまい、お父さんと二人で動物園に行ったんだよね。
『朱里、お父さんとのデートは、お母さんには内緒だからな』
『なんでナイショなの?』
『お父さんはデートはお母さんだけと約束してるから!』
『だいじょうぶ。アカリはむすめなので、デートにはいりません!』
『ええ!? お父さんは朱里とデートだと思ってるよ!?』
『アカリのデートはイケメンとするの!』
『なら、お父さんはイケメンだから、デートだな!』
ああ、そうだ。
こういう会話をしていたんだ。懐かしいなぁ。
動物園のデート記念にお父さんが買ってくれたんだよね。
多分、私がお母さんが居ないことでしょんぼりしていたから、元気づけようと色々お道化たことを言ったり、ぬいぐるみを買ってご機嫌をとったりしていたんだろうなぁ。
「はぁー……アカリが可愛すぎる」
「小さい子はみんな可愛いものだよ」
「いや、アカリが一番可愛い。アカリがこっちの世界で生まれて、ずっと目の前に居たら片時も目を離さない自信がある」
「もぅ、そう言いながら、番の匂いがするまでは放置しまくりそうですよ?」
「いや、この可愛らしさなら傍に置く」
キッパリ断言してるけど、それはどう聞いてもロリコン発言ですからね?
もしや……ルーファスはロリコン……な訳は、ないかー……。
ルーファスの歴代の彼女達はサバサバ系の女性達だったらしいし、じぃーと、ルーファスの顔を見ていたらチュッとまたキスをされて、本日は随分とキス魔だなぁと思う。
『あかりちゃんとおばあちゃん』
私とお祖母ちゃんが一緒にお台所でお餅を丸めていて、私は三角巾にエプロン姿で鼻の頭が白い粉がついている。
「アカリの手が小さくて可愛い」
「ルーファスは、子供の頃の私に可愛いって言いすぎですよ?」
「可愛いから仕方がない。うちの子供達とは違う可愛いの部類だな」
「ルーファスは私のこと好き過ぎですよ? 写真から番の匂いなんてしないでしょ?」
「自分の知らない番の子供の頃をこうして見れるのだから、オレは幸せすぎて、ヤバいな」
新しいアルバムをまた一冊と、どんどんめくり、妹の誕生や弟の誕生、懐かしさはあるのに、悲しいとは思わない。もう会えないのに、アルバムで会えたことで、いつでも会えるんだという安心感がある。
最後のアルバムを見終わって、ふぅ、と息を吐く。
ルーファスに引き寄せられて膝の上に乗せられて、スリスリと頬ずりされまくりである。
うーん。しんみりするかと思ったんだけど、ルーファスのおかげで悲しいよりも「ああ、この時こんなことがあったなぁ」と懐かしさだけが蘇ってくる。
ルーファスの今日のスリスリは、私が泣かないように気遣ってくれているのかも?
「そうだな……折角カメラがあるのだし、もっと普段から子供達やアカリを撮っておくべきだな」
「うん。いつか、子供達が「ああ、この時こんな風に過ごしたんだ」って思い出してくれたら、良いよねぇ」
「とりあえず、アカリと二人の写真がいっぱい欲しいな」
「ええ? スーちゃんとか家族とか従業員の写真を撮れば良いのに?」
「まずは、アカリとオレが一緒の写真を撮って、アルバムを作ってから、家族のアルバムだな」
「ふふっ、もう。仕方がないですね」
ルーファスの唇にキスをして「いっぱい撮りましょうね」と言うと、ルーファスが目を細めて笑い「ああ」と答える。
私とルーファスがこうして今を幸せに生きていたことをいつか、家族の誰かが懐かしく思いながら見てくれたら良いなぁ。
「ほら、ルーファス。これが私の世界の海、人が多いでしょ?」
私は『あかりちゃんと海水浴』とタイトルを付けられた、海に遊びに行って撮って貰ったものを見せる。
ビーチパラソルの下でムックとビキニの私の後ろには、海で泳ぐ人や、歩いている人が数多く居て、この世界では見ない海遊びの写真である。
「アカリの親は幼子とはいえ、娘になんという恰好をさせているんだ……」
「いやいや、ルーファス。水着だからね? 後ろの人達を見よう? 水着みんな着てるからね?」
「うーむ……海にこんなに人が居たら、海獣が入れ食い状態だな」
「いやいや、日本の海は平和だからね? まぁたまにサメとか出るけど、滅多に出ないし」
異世界の海とこの世界の海じゃ違い過ぎて、どうも常識が違うから、ルーファスも眉間にしわを寄せている。
海水浴場なのでやはり水着姿の人が多く、それもルーファスには「下着姿で平気なのか?」という感じなのだろう。
「あっ、お母さんの水着写真だ」
黒いビキニ姿のお母さんはやはりと言うか何というか、胸がぽよんと大きくて、私の胸の大きさはお母さんの家系からの流れなんだと改めて思い知る。
「アカリが背が高かったらこうだったのかもな」
「ぐぬっ。私の背はお祖母ちゃん譲りだから……お母さんみたいに平均身長じゃないんだよぅ~」
「可愛らしさではアカリの圧勝だぞ」
「ううっ、私は可愛いより、お母さんみたいな綺麗の方が良かった~」
「アカリも十分綺麗だから圧勝だ」
ルーファスに頭をスリスリされて慰められているのか、素直に喜んでおけばいいのやらである。
新しいアルバムを出して、ページをまためくっていくと、ムックの居ない写真が多くなって、四歳になり私も幼稚園に通い始めたようで、スモッグ姿とかが多くなる。
『あかりちゃんとうさぎさん』
小さな私が自分の背丈と変わらない大きなウサギのぬいぐるみを抱っこして笑っている。
このウサギのぬいぐるみ……珍しくお仕事が両親揃ってお休みが貰えることになり、動物園に行く予定でお弁当も用意して楽しみにしていたのに、お母さんにお仕事の電話が入り会社へ行ってしまい、お父さんと二人で動物園に行ったんだよね。
『朱里、お父さんとのデートは、お母さんには内緒だからな』
『なんでナイショなの?』
『お父さんはデートはお母さんだけと約束してるから!』
『だいじょうぶ。アカリはむすめなので、デートにはいりません!』
『ええ!? お父さんは朱里とデートだと思ってるよ!?』
『アカリのデートはイケメンとするの!』
『なら、お父さんはイケメンだから、デートだな!』
ああ、そうだ。
こういう会話をしていたんだ。懐かしいなぁ。
動物園のデート記念にお父さんが買ってくれたんだよね。
多分、私がお母さんが居ないことでしょんぼりしていたから、元気づけようと色々お道化たことを言ったり、ぬいぐるみを買ってご機嫌をとったりしていたんだろうなぁ。
「はぁー……アカリが可愛すぎる」
「小さい子はみんな可愛いものだよ」
「いや、アカリが一番可愛い。アカリがこっちの世界で生まれて、ずっと目の前に居たら片時も目を離さない自信がある」
「もぅ、そう言いながら、番の匂いがするまでは放置しまくりそうですよ?」
「いや、この可愛らしさなら傍に置く」
キッパリ断言してるけど、それはどう聞いてもロリコン発言ですからね?
もしや……ルーファスはロリコン……な訳は、ないかー……。
ルーファスの歴代の彼女達はサバサバ系の女性達だったらしいし、じぃーと、ルーファスの顔を見ていたらチュッとまたキスをされて、本日は随分とキス魔だなぁと思う。
『あかりちゃんとおばあちゃん』
私とお祖母ちゃんが一緒にお台所でお餅を丸めていて、私は三角巾にエプロン姿で鼻の頭が白い粉がついている。
「アカリの手が小さくて可愛い」
「ルーファスは、子供の頃の私に可愛いって言いすぎですよ?」
「可愛いから仕方がない。うちの子供達とは違う可愛いの部類だな」
「ルーファスは私のこと好き過ぎですよ? 写真から番の匂いなんてしないでしょ?」
「自分の知らない番の子供の頃をこうして見れるのだから、オレは幸せすぎて、ヤバいな」
新しいアルバムをまた一冊と、どんどんめくり、妹の誕生や弟の誕生、懐かしさはあるのに、悲しいとは思わない。もう会えないのに、アルバムで会えたことで、いつでも会えるんだという安心感がある。
最後のアルバムを見終わって、ふぅ、と息を吐く。
ルーファスに引き寄せられて膝の上に乗せられて、スリスリと頬ずりされまくりである。
うーん。しんみりするかと思ったんだけど、ルーファスのおかげで悲しいよりも「ああ、この時こんなことがあったなぁ」と懐かしさだけが蘇ってくる。
ルーファスの今日のスリスリは、私が泣かないように気遣ってくれているのかも?
「そうだな……折角カメラがあるのだし、もっと普段から子供達やアカリを撮っておくべきだな」
「うん。いつか、子供達が「ああ、この時こんな風に過ごしたんだ」って思い出してくれたら、良いよねぇ」
「とりあえず、アカリと二人の写真がいっぱい欲しいな」
「ええ? スーちゃんとか家族とか従業員の写真を撮れば良いのに?」
「まずは、アカリとオレが一緒の写真を撮って、アルバムを作ってから、家族のアルバムだな」
「ふふっ、もう。仕方がないですね」
ルーファスの唇にキスをして「いっぱい撮りましょうね」と言うと、ルーファスが目を細めて笑い「ああ」と答える。
私とルーファスがこうして今を幸せに生きていたことをいつか、家族の誰かが懐かしく思いながら見てくれたら良いなぁ。
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