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24章
罪と賠償
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頭のくらくらが治まると、事務所で事情聴取が行われて、今日は午後からのお仕事は全部、事情聴取で終わっちゃって、貸家に帰ってルーファスの膝の上に乗ってゆったり癒され中だったりする。
「今日は疲れちゃったー……精神的に」
「アカリは変に運というか、タイミングが悪いからな……」
チュッチュッとリップ音を立てて頬や唇や頭にキスを落とされて、絶賛甘やかされ中です。
幾つになっても、あの手の人達は怖いので、ルーファスの腕の中の安全地帯で心を癒し、ルーファスが私をべたべたに甘やかしてくれて、お夕飯もルーファスが「あーん」して食べさせてくれた。
いつもは恥ずかしいから私が断固拒否するんだけど、もう今日は存分に私を甘やかして欲しい。
「チェイルさんは、ちゃんとお金払えるのかなぁ?」
「それは回収するさ。どうせ冒険者に戻るしか無いだろうしな」
リネン室でお仕事中にエッチなことをしていた二人のうち一人、女性のチェイルさんは私の腕を強く握ったということで、暴行罪とリネン室を汚した事での器物損壊罪に、お仕着せの着物は買い取りで、大金貨一枚と金貨六枚つまり、百六十万円の賠償金を支払うことになった。
ついでに【刻狼亭】では雇わないし、温泉大陸への出入りも禁止された。
お金の内訳で言うと、一番高いのがお仕着せの着物。
この着物は防御付与等のレア素材の糸で織られている布で出来ている為に普通なら一着で三百万近く飛んじゃうのを大目にみて百万円。
私への暴行罪で五十万、リネン室のシーツとかで十万くらいって大雑把にこんな感じらしい。
既にチェイルさんは叩き出されてしまっていて、冒険者ギルドにも伝えてあるので彼女が冒険で得られるクエスト報酬代金は賠償金で差っ引かれていくらしい。
お仕着せの着物は買い取りに出しても一円の価値もなく、チェイルさんしか着れない仕様に魔法でしてあって、『刻』の文字の上に『罰』の字が入っているので、【刻狼亭】で問題行動を起こしたという証明でもあるから着ることも難しいだろう。
「折角、ここまで見習いで頑張ったのにねぇ……」
「アカリに手を出した時点で【刻狼亭】では『失格』だ」
「ルーファスが回復魔法してくれたから、もう掴まれた腕も大丈夫なんだけどね」
「それでも、可愛いアカリの腕が痛めつけられたのだから、許せることではない」
私の腕にチュッとまたキスをして、吸い付いて痕を付ける。
回復魔法をかけたら、毎日のように付けていたキスマークも綺麗に治ってしまったので、付け直しされている。
「男の人……えーと、グニャスタール貿易だっけ?」
「グリスニャタール貿易だな」
舌が上手く回らない名前の貿易商の息子さんが、今回の見習いに来ていたあの男である。
温泉大陸というより、【風雷商】関係の貿易で繋がりのある関係で【刻狼亭】に紹介されてきたので、最初の頃に弾かれなかったのは、小鬼ちゃんが付いていなかったからで、カメラを押収して調べたら何人かの見習いの女性と遊んでいたことが判明。
その女性達はお客さんに色目を使ってた人達なので、既に『失格』を言い渡されて追い出された人達だから、今更どうこう言うつもりは無いみたい。
「たった三日の間に凄い数で人が居なくなっていくねぇ」
「まぁ、書類だけの審査では、人と成りは分からんからな」
「でも、今回みたいな人がまだ居たら怖いね」
「アレは、蜜籠りを抑える抑制剤すら飲まず、発情しまくっていた愚か者だからな……まぁ、リュエールが女医と製薬部隊が見習いの身体検査をして、それぞれに抑制剤が必要な者には飲ませると言っていた」
一応、各自に温泉大陸に入国する前に身体検査を診療所に行って書類を提出させていたのだけど、グリスニャタール貿易の息子は、それを改ざんしていたのだから、性質が悪い。
今現在、その男は【刻狼亭】にある座敷牢に閉じ込められていて、グリスニャタール貿易の父親とリュエールが交渉中で、そこに【風雷商】も加わっての交渉になっていて、少し時間が掛かるみたいだ。
今日中には終わらないので、おそらくルーファスも【風雷商】絡みになってしまったから、明日は話し合いに参加することになるみたい。
「そういえば、スーが「ははうーに、はにゃまるもらたー」と嬉しそうに報告してきたぞ。なにをしてきたんだ?」
「ふふっ、スーちゃんが泥団子をいっぱい作ってたから、地面に花丸を描いてきたの」
「そうか。そうしたら、明日はもっと泥団子が大量かもな」
「あー、そうなっちゃうかも」
きっとハガネと一緒にいっぱい作っていそうだから、明日も特大の花丸を描いてあげないと。
数日しか離れていないけど、あの子が恋しくなってしまう。
将来は少しハガネ似の良い性格になっていても、今のあの子には関係ないし、どんな子にこの先成長しようと、人を救う為に危険な時間移動をして私達を助けてくれた心優しい子なのだから、私達の自慢の息子には変わりない。
「今日は疲れちゃったー……精神的に」
「アカリは変に運というか、タイミングが悪いからな……」
チュッチュッとリップ音を立てて頬や唇や頭にキスを落とされて、絶賛甘やかされ中です。
幾つになっても、あの手の人達は怖いので、ルーファスの腕の中の安全地帯で心を癒し、ルーファスが私をべたべたに甘やかしてくれて、お夕飯もルーファスが「あーん」して食べさせてくれた。
いつもは恥ずかしいから私が断固拒否するんだけど、もう今日は存分に私を甘やかして欲しい。
「チェイルさんは、ちゃんとお金払えるのかなぁ?」
「それは回収するさ。どうせ冒険者に戻るしか無いだろうしな」
リネン室でお仕事中にエッチなことをしていた二人のうち一人、女性のチェイルさんは私の腕を強く握ったということで、暴行罪とリネン室を汚した事での器物損壊罪に、お仕着せの着物は買い取りで、大金貨一枚と金貨六枚つまり、百六十万円の賠償金を支払うことになった。
ついでに【刻狼亭】では雇わないし、温泉大陸への出入りも禁止された。
お金の内訳で言うと、一番高いのがお仕着せの着物。
この着物は防御付与等のレア素材の糸で織られている布で出来ている為に普通なら一着で三百万近く飛んじゃうのを大目にみて百万円。
私への暴行罪で五十万、リネン室のシーツとかで十万くらいって大雑把にこんな感じらしい。
既にチェイルさんは叩き出されてしまっていて、冒険者ギルドにも伝えてあるので彼女が冒険で得られるクエスト報酬代金は賠償金で差っ引かれていくらしい。
お仕着せの着物は買い取りに出しても一円の価値もなく、チェイルさんしか着れない仕様に魔法でしてあって、『刻』の文字の上に『罰』の字が入っているので、【刻狼亭】で問題行動を起こしたという証明でもあるから着ることも難しいだろう。
「折角、ここまで見習いで頑張ったのにねぇ……」
「アカリに手を出した時点で【刻狼亭】では『失格』だ」
「ルーファスが回復魔法してくれたから、もう掴まれた腕も大丈夫なんだけどね」
「それでも、可愛いアカリの腕が痛めつけられたのだから、許せることではない」
私の腕にチュッとまたキスをして、吸い付いて痕を付ける。
回復魔法をかけたら、毎日のように付けていたキスマークも綺麗に治ってしまったので、付け直しされている。
「男の人……えーと、グニャスタール貿易だっけ?」
「グリスニャタール貿易だな」
舌が上手く回らない名前の貿易商の息子さんが、今回の見習いに来ていたあの男である。
温泉大陸というより、【風雷商】関係の貿易で繋がりのある関係で【刻狼亭】に紹介されてきたので、最初の頃に弾かれなかったのは、小鬼ちゃんが付いていなかったからで、カメラを押収して調べたら何人かの見習いの女性と遊んでいたことが判明。
その女性達はお客さんに色目を使ってた人達なので、既に『失格』を言い渡されて追い出された人達だから、今更どうこう言うつもりは無いみたい。
「たった三日の間に凄い数で人が居なくなっていくねぇ」
「まぁ、書類だけの審査では、人と成りは分からんからな」
「でも、今回みたいな人がまだ居たら怖いね」
「アレは、蜜籠りを抑える抑制剤すら飲まず、発情しまくっていた愚か者だからな……まぁ、リュエールが女医と製薬部隊が見習いの身体検査をして、それぞれに抑制剤が必要な者には飲ませると言っていた」
一応、各自に温泉大陸に入国する前に身体検査を診療所に行って書類を提出させていたのだけど、グリスニャタール貿易の息子は、それを改ざんしていたのだから、性質が悪い。
今現在、その男は【刻狼亭】にある座敷牢に閉じ込められていて、グリスニャタール貿易の父親とリュエールが交渉中で、そこに【風雷商】も加わっての交渉になっていて、少し時間が掛かるみたいだ。
今日中には終わらないので、おそらくルーファスも【風雷商】絡みになってしまったから、明日は話し合いに参加することになるみたい。
「そういえば、スーが「ははうーに、はにゃまるもらたー」と嬉しそうに報告してきたぞ。なにをしてきたんだ?」
「ふふっ、スーちゃんが泥団子をいっぱい作ってたから、地面に花丸を描いてきたの」
「そうか。そうしたら、明日はもっと泥団子が大量かもな」
「あー、そうなっちゃうかも」
きっとハガネと一緒にいっぱい作っていそうだから、明日も特大の花丸を描いてあげないと。
数日しか離れていないけど、あの子が恋しくなってしまう。
将来は少しハガネ似の良い性格になっていても、今のあの子には関係ないし、どんな子にこの先成長しようと、人を救う為に危険な時間移動をして私達を助けてくれた心優しい子なのだから、私達の自慢の息子には変わりない。
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