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4章
3章後のオマケ ※R-18 書籍化記念《朱里の居場所》
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観光と療養の温泉処、それが温泉大陸。
世界地図の中心イルブール都市から左下と少しの所に位置している。
間に東国とか小さな無人島があるけれど、地図で説明するなら、こんな所じゃないかな?
温泉大陸は港から人々の暮らす街中と温泉施設や宿等がある場所を抜かせば、ほとんどが広大な緑に囲まれている。陸地で温泉大陸に入る場合は西側にある大きな橋を通らなくてはならない。
けれど、これも入国審査のようなものが必要で、わりと厳しくチェックが入れられる。
私が暮らしているのは【刻狼亭】という名の温泉大陸の主の料亭。
【刻狼亭】は料亭が本館。少し離れた場所に温泉旅館があり、そちらが別館。
「えーと、あとは……」
「ん? なにをしているんだ? アカリ」
私が紙を束にして紐を通してもらった物に字を書いていると、後ろから声がする。
見上げれば、黒い着物の黒髪に金眼のイケメンな黒狼獣人のルーファスが私を見下ろしていた。
彼は私の『番』で、私達は夫婦。
そして、彼はこの温泉大陸の主で【刻狼亭】の経営者だ。
私は他国のタンシム国という人族の国で【異世界召喚】という魔法により、日本から呼び寄せられた。
けれど、私は召喚される直前に車に撥ねられ瀕死の状態だった為、「役に立たない」と森に捨てられ、そこへこの人、ルーファスが来て、私を拾って救ってくれた。
私は書いている手を止めて、小さく微笑む。
「日記をね、書いているの」
「日記か……オレは業務日誌が日記のようなものだな」
確かに仕事で毎日書類を抱えて忙しそうなルーファスならば、業務の書類が日記というのも頷けるかもしれない。
私の後ろから抱きしめながらルーファスが足を伸ばして座る。
「なにか足りないものや、欲しいものはあるか?」
「んー……特には無いかなぁ?」
首を傾げると、ルーファスが私の右手を取って摩るように、そこにある傷跡を消す様にゆっくりと撫でていく。
私の右手には竜人の国に攫われた時に斬り付けられた傷跡が残っている。
私は異世界召喚された時に付与された【聖域】という特殊能力に目を付けられて、竜人達に血を抜き取るのに剣で斬られた。
その時、手の傷には瘴気が入り、黒く濁っていたけれど、イルブールの都市で毒素を抜いてもらい、今は引き攣れた皮が蚯蚓腫れの様に残っているだけ。
「帰ってきたばかりなのに、あまりアカリに構ってやれなくて、すまない」
「ううん。私を探し出す為に、お仕事いっぱい貯まっちゃったんでしょ?」
「それはまぁそうだが、でも、アカリが見つけ出せたから、業務の一つや二つ山になっていてもどうということは無い。しかし、アカリと一緒にいる時間が減るのはキツイな……」
私の耳椨に吐息をかけるように、ルーファスの唇が耳を甘噛みしてくる。
「ん……っ」
「アカリ、耳飾りはどうした?」
「部屋の中だから、外してるけど?」
「攫われたばかりなんだから、耳飾りはちゃんと着けておけ。部屋の中でもな」
「うん。でもね、部屋の中でしてると、クロが耳にじゃれてくるの」
私の耳飾りはルーファスに私が何所にいても音で場所を教える魔法がかけてあるのだけれど、クロにとっては耳飾りはプラプラ揺れているうえに、シャリンシャリン鳴るから良い遊び道具にしか見えないようで、座っていると顔付近を狙って飛んでくる時がある。
「困った魔獣だな……」
「私が一ヶ月近く居なかったから、寂しくて構って欲しいだけかもしれないんだけどね」
ソファで寝転がって伸びているクロは、さっきまで私の髪にじゃれついてきたり、着物の帯紐を狙ってきたりとヤンチャをしていたのだけど、私が日記を書き始めたら、ソファでゴロンと寝始めていた。
「オレだってアカリを探している間、寂しかった」
ルーファスが首筋に吸い付いて、小さく歯を立てる。
ピクンと下腹部が甘く疼いて、胸がトクンと跳ねて体が熱を持ってしまう感じがする。
「私も、ルーファスと会えなくて、寂しかったよ」
「アカリ、もう離さない」
「うん……、ずっとここにいるよ」
竜人の国に【召喚】で攫われ、遠く離れ離れになった私達は、こうして一緒にいるこの瞬間をとても大事にしている。
私の体には【聖域】という、病・呪い・毒・空気の浄化という聖属性の特殊能力が、肉・骨・血・髪、全てが人を癒すもので出来ていた。
けれど、逆に私の体は、毒・病気・瘴気などに弱く、【聖域】の能力は私自身には効力の無い力で、私が風邪の一つでも引こうものなら、治るのに人の倍の日数がかかってしまう。
「アカリに、ちゃんと生命力を分けておかないとな」
「ん……、お願、い」
ルーファスの手が私の着物の帯紐に手をかける。
生命力を分けてもらう……というのは、『番の儀』という番が体を繋ぎ合わせた時に、相手の体の中に出した液体に魔力を通す事で生命力を受け渡せるものなのだけど、液体とは、まぁ、エッチをした時に男の人が出す白い液体。
体の弱い私にとって、ルーファスの生命力で助けられた事は多々あり、毒蛇に噛まれて死ななかった事も、竜人の国で瘴気に蝕まれて死ななかったのも、攫われる前の日にルーファスと行為をしていた為に、生命力を貰っていたからで……してなかったら、ルーファスが竜人の国に助けに来た時には手遅れ状態だったかもしれない。
「ルーファス……」
「うん? どうした?」
着物の帯が解かれて、着崩れると中の襦袢の腰紐も解かれると心臓の音が、ルーファスに聞かれてしまいそうで手で胸を押さえると、足を撫で上げられて徐々に上へと忍び寄る手に、私はギュッと目をつぶる。
「そんなに緊張しなくてもいい」
「だって、恥ずかしぃ……んっ、ふぁっ」
ショーツにルーファスの指が掛かり、割れ目に合わせて指でなぞられると、ビクンと体が小さく飛び上がりそうになる。
(番同士とあって、体の相性も良いのか感度が好過ぎて、困ってしまう……)
「アカリは可愛いな。白い肌が朱色に薄く染まって、凄く、魅力的だ」
「はぅ……、優しく、して、ね……?」
サラッとこういうキザな事を言わないで欲しい。ただでさえ、ドキドキとうるさい心臓が余計に鼓動を早くしていくから、私は精一杯、ルーファスにこれ以上、私の心臓をドキドキさせないでね? という意味で「優しくしてね」と言って、ルーファスの目を見つめる。
「アカリは……」
「なぁに……?」
ルーファスが私の肩に顔を埋めると、小さく溜め息のような息を吐き、「可愛すぎる……」と絞り出すような声を出した。
食む様なキスが落ちてきて、口の中に甘く広がる番同士のキスの味に陶酔してしまいそうな感覚がする。
「はふっ……んっ」
口の中が甘くて熱くて、蕩けてしまいそう。ルーファスも同じ感じなのかな? 薄く目を開けると目を閉じているルーファスの顔にドキンと胸がまた高鳴る。
やっぱり、ルーファスは格好いい。こんな格好いい人と一緒に暮らしてるなんて、3ヶ月前の私には考えつかなかったかもしれない。
ルーファスの手がショーツの中に入ってきて、恥丘を弄られて指が奥へと入り込む。
指が蜜口に入ってきて、キュッと股の間に力が入ると、キスが深くなって歯列を舌でなぞられて口腔内に舌が出入りして、吐息ごと吸い尽くされるように貪られていく。
「んっ、____っ」
指が膣内を奥へ入っては肉壁を指の腹でゆっくりとなぞり上げ、キスで塞がれた唇からはくぐもった声が漏れる。
ルーファスの指が恥かしい所に入っているというだけで、羞恥心でいっぱいいっぱいなのに、体の中が快感を拾い上げて、蜜壺から愛蜜を滴らせて勝手にヒクつき、増やされた指をキュウキュウ締め上げてしまう。
ちゅくちゅくと水音が立ち、唇が離れると胸を押さえていた手を解いてルーファスの胸に手を伸ばす。
「あっ、はぁはぁ、そこ、駄目ぇ……んっあっ、はぅっ」
「駄目じゃなくて、悦い……だろ?」
ルーファスの指が三本に増やされて、中指が弾くように中をトントンと押してくると、子宮がきゅんっとしてしまって、私は嬌声を上げた。
「きゃぅっ、そこ、やっ、やぁっ、んっんーっ」
「嫌じゃなくて、これも悦いだからな?」
「あっんんーっ」
指をトントンと再びされて、絶頂でイッてしまう。足がガクガクと小さく痙攣して、気持ち良さと脱力感で息が上がって肩で息をしていると、ルーファスが自分の着物を脱いで裸になる。
(ルーファス、腹筋割れてる……凄い)
細身なのに筋肉がしっかり付いてて、男の人の体ってどうして、私のふにふにな肌質と違うのか不思議で仕方がない。
目線を下にさげていくと、ルーファスの起ち上がった剛直が目に映る。
「ふぁ……凄い……」
「ん? なにが凄いんだ?」
あっ、声が漏れてた。
チュッとルーファスに軽くキスをされて、下着を脱がされる。
ルーファスって何気に下着とか脱がせるの素早くて、手慣れている感があるのは気のせいだろうか?
うーん、でもルーファスはモテそうだし、ハガネも色仕掛けでルーファスを落とそうとする女の人が今までは居たとか言っていたから、未経験者ではないのだろう。
「アカリ、何か考え事か?」
「あの、ん……と、ルーファスの、大きいから……大丈夫かなって……」
誤魔化すようにそう口に出すと、自分の言った言葉に私は真っ赤になる。
他にも誤魔化しようがあったのに、よりによって、なんで今そんな言葉を言ってしまったのか!?
(羞恥で死んでしまう~っ!!)
ルーファスが目を一瞬大きく開いた後、破顔して笑うと「ヤバいな」と嬉しそうな声を出す。
なにがヤバいのだろう? ルーファスの尻尾が左右にブンブン揺れている。
「オレの番は、可愛いのてんこ盛りだな」
「あっ、きゃっ」
ガバッと覆い被さられて押し倒されると、私の内腿に手をかけて左右に開かせると、ルーファスの剛直が恥丘の奥へ沈んでいくのが見える。
中に熱くてゴリッとした物が挿入された感覚がダイレクトに伝わって、落ち着いてきたはずの快感が再び熱を持つ。
「んっ、アカリのココがヒクヒクしてる」
「やん……っ、そ、いうの、言っちゃ、だめ……っ、んあっ、あふっ」
「アカリ、ちゃんと挿入ってるだろ?」
「うん、うん。わかったからぁ、はうぅっ、同じとこ、こするの、やめっ、ひんっ」
蜜道の同じ場所をコツコツとカリの部分で擦り上げられて、お腹の中がキュウキュウするのが止まらず、ルーファスに「止めて」と言ったつもりなのに、余計に同じ場所を責められて嬌声を上げさせられた。
「あくぅ……あっ、あっ、あああぁぁっ!」
お腹の中で快感が弾けて散ると達ってしまい、蜜液が溢れてルーファスの剛直がまた深く奥へ挿入ってきた。
達ったばかりの体は敏感で、奥へと剛直が進む度に勝手にビクビクと腰を揺らしてしまう。
喘ぐ声すら出せず、口をはくはくとさせて、ルーファスが根元まで全部挿入れるまで痺れる様な快感に耐えていた。
「ふぅ、アカリの中が好過ぎて危うくイクところだった」
「はぅ……、ルーファ、ス。ど、にかしてぇ……」
「もう少しこのままだ。ああ、でも、アカリが自分で動きたいなら動いても良いぞ?」
「やぁ、無理ぃ、んくぅ」
ふるふると首を横に振ると、ルーファスは優しく笑ってくれたけど、腰は動かさずに私の胸を揉んできた。
男根の挿入った膣内はキュウキュウするし、揉まれてる乳房も自分で触るのとは違う触り方に恥ずかしさが増していく。
「これ、もぅ駄目ぇ、んんっ、あっ、おかしく、なっちゃう……っ、もっ、許してぇ」
「オレにどうして欲しい?」
「意地悪しないでぇ、もっ、動いてぇ、ひぅっ、はふっ、はぁー……、ルーファスの好きにしてぇ……」
「オレはアカリと繋がって、ピクピク可愛く絞めてくるアカリの中をもっと堪能したかったんだが、仕方がないな。可愛いアカリのお願いだからな」
チュッとおでこにキスを落とすと、私の両腕を手で押さえて腰を動かし始める、中でズルズルと動く肉棒が内壁を擦る快感に私の体は全身がビリビリと痺れた感覚がして、逃れようとしたものの両腕をガッチリ押さえつけられてて逃げられず、ルーファスの下で快感に喘ぐしかなかった。
「んっきゃぁぁ、イくの、だめ、なんかクルの、あうっ、おかしくなる、ああっ」
「ああ、いっぱいイッて、可愛いところをオレに見せてくれ」
深い場所を突き上げられて、何度目かの絶頂を感じて小さく体が震えると、もう頭の中はふわふわしてルーファスが腰を動かす度に小さく声を上げていた。
「あんっ、んっ、いい、きゃふっ」
「オレも気持ち悦いよ。本当に、可愛いな」
「あっ、あっ、るーふぁす、好きぃ」
「ククッ、もう意識が半分飛んでるな。やり過ぎたか」
ふわふわで気持ち良くて、ルーファスが笑う顔に胸がキュンとして、はにかんでみると「その顔は卑怯だな」と言われて、最奥をルーファスの先端が押し上げて、根元の方からドクドク脈打つと先端から放たれた白濁が、子宮の奥で熱く流れるのを感じた。
少し息の乱れたルーファスに抱きしめられてお腹の中に魔力を通されると、白濁は生命力に変換されて私の中に吸収されていく。
これで子種じゃなくなったので妊娠はしない。
勿論、子供が欲しくない訳じゃなくて、獣人さんには発情期のような物があって『蜜籠り』というのだけど、秋から冬の間にかけて子供を作るから、まだ初夏の初めでは元々子種にはなりにくいし、子供もとても弱くて早死にしやすい子供が出来てしまうという、理由がある。
あとは、体の弱い私に生命力を受け渡すのに子種では駄目だからというのもある。
ぐったりしつつ、ルーファスに体を綺麗にしてもらい、新しい着物を着せてもらう。
なんだか、ルーファスに全部させてしまって申し訳ないけど、エッチの後に番を労わるのは番のオスとしては当然らしく、「気にするな。当然の事をしているだけだ」と嬉しそうに尻尾を振られてしまうだけだったりする。
「アカリ、眠いなら寝ていても良いぞ?」
「ん……、あふ……っ」
欠伸を噛み殺すと、ルーファスが膝の上に私を乗せて頭をゆっくりと撫でてくれて、眼を閉じてルーファスの肩に頭を押し付けると、もう瞼が落ちそうになっていた。
「ゆっくり休め。アカリ、帰ってこれて、本当に良かったな……」
頭の上にキスが落とされて、ルーファスの柔らかい雰囲気に包み込まれるように私は眠りに落ちていった。
本当に、温泉大陸に、ルーファスの所に帰ってこれて良かった。
私の帰る場所、元の世界ではどこにも無かった居場所は、ここにある。
温泉大陸の【刻狼亭】、ルーファスの腕の中が私の帰る場所で、心地良い居場所。
これから先も、ずっとそれは変らない___。
世界地図の中心イルブール都市から左下と少しの所に位置している。
間に東国とか小さな無人島があるけれど、地図で説明するなら、こんな所じゃないかな?
温泉大陸は港から人々の暮らす街中と温泉施設や宿等がある場所を抜かせば、ほとんどが広大な緑に囲まれている。陸地で温泉大陸に入る場合は西側にある大きな橋を通らなくてはならない。
けれど、これも入国審査のようなものが必要で、わりと厳しくチェックが入れられる。
私が暮らしているのは【刻狼亭】という名の温泉大陸の主の料亭。
【刻狼亭】は料亭が本館。少し離れた場所に温泉旅館があり、そちらが別館。
「えーと、あとは……」
「ん? なにをしているんだ? アカリ」
私が紙を束にして紐を通してもらった物に字を書いていると、後ろから声がする。
見上げれば、黒い着物の黒髪に金眼のイケメンな黒狼獣人のルーファスが私を見下ろしていた。
彼は私の『番』で、私達は夫婦。
そして、彼はこの温泉大陸の主で【刻狼亭】の経営者だ。
私は他国のタンシム国という人族の国で【異世界召喚】という魔法により、日本から呼び寄せられた。
けれど、私は召喚される直前に車に撥ねられ瀕死の状態だった為、「役に立たない」と森に捨てられ、そこへこの人、ルーファスが来て、私を拾って救ってくれた。
私は書いている手を止めて、小さく微笑む。
「日記をね、書いているの」
「日記か……オレは業務日誌が日記のようなものだな」
確かに仕事で毎日書類を抱えて忙しそうなルーファスならば、業務の書類が日記というのも頷けるかもしれない。
私の後ろから抱きしめながらルーファスが足を伸ばして座る。
「なにか足りないものや、欲しいものはあるか?」
「んー……特には無いかなぁ?」
首を傾げると、ルーファスが私の右手を取って摩るように、そこにある傷跡を消す様にゆっくりと撫でていく。
私の右手には竜人の国に攫われた時に斬り付けられた傷跡が残っている。
私は異世界召喚された時に付与された【聖域】という特殊能力に目を付けられて、竜人達に血を抜き取るのに剣で斬られた。
その時、手の傷には瘴気が入り、黒く濁っていたけれど、イルブールの都市で毒素を抜いてもらい、今は引き攣れた皮が蚯蚓腫れの様に残っているだけ。
「帰ってきたばかりなのに、あまりアカリに構ってやれなくて、すまない」
「ううん。私を探し出す為に、お仕事いっぱい貯まっちゃったんでしょ?」
「それはまぁそうだが、でも、アカリが見つけ出せたから、業務の一つや二つ山になっていてもどうということは無い。しかし、アカリと一緒にいる時間が減るのはキツイな……」
私の耳椨に吐息をかけるように、ルーファスの唇が耳を甘噛みしてくる。
「ん……っ」
「アカリ、耳飾りはどうした?」
「部屋の中だから、外してるけど?」
「攫われたばかりなんだから、耳飾りはちゃんと着けておけ。部屋の中でもな」
「うん。でもね、部屋の中でしてると、クロが耳にじゃれてくるの」
私の耳飾りはルーファスに私が何所にいても音で場所を教える魔法がかけてあるのだけれど、クロにとっては耳飾りはプラプラ揺れているうえに、シャリンシャリン鳴るから良い遊び道具にしか見えないようで、座っていると顔付近を狙って飛んでくる時がある。
「困った魔獣だな……」
「私が一ヶ月近く居なかったから、寂しくて構って欲しいだけかもしれないんだけどね」
ソファで寝転がって伸びているクロは、さっきまで私の髪にじゃれついてきたり、着物の帯紐を狙ってきたりとヤンチャをしていたのだけど、私が日記を書き始めたら、ソファでゴロンと寝始めていた。
「オレだってアカリを探している間、寂しかった」
ルーファスが首筋に吸い付いて、小さく歯を立てる。
ピクンと下腹部が甘く疼いて、胸がトクンと跳ねて体が熱を持ってしまう感じがする。
「私も、ルーファスと会えなくて、寂しかったよ」
「アカリ、もう離さない」
「うん……、ずっとここにいるよ」
竜人の国に【召喚】で攫われ、遠く離れ離れになった私達は、こうして一緒にいるこの瞬間をとても大事にしている。
私の体には【聖域】という、病・呪い・毒・空気の浄化という聖属性の特殊能力が、肉・骨・血・髪、全てが人を癒すもので出来ていた。
けれど、逆に私の体は、毒・病気・瘴気などに弱く、【聖域】の能力は私自身には効力の無い力で、私が風邪の一つでも引こうものなら、治るのに人の倍の日数がかかってしまう。
「アカリに、ちゃんと生命力を分けておかないとな」
「ん……、お願、い」
ルーファスの手が私の着物の帯紐に手をかける。
生命力を分けてもらう……というのは、『番の儀』という番が体を繋ぎ合わせた時に、相手の体の中に出した液体に魔力を通す事で生命力を受け渡せるものなのだけど、液体とは、まぁ、エッチをした時に男の人が出す白い液体。
体の弱い私にとって、ルーファスの生命力で助けられた事は多々あり、毒蛇に噛まれて死ななかった事も、竜人の国で瘴気に蝕まれて死ななかったのも、攫われる前の日にルーファスと行為をしていた為に、生命力を貰っていたからで……してなかったら、ルーファスが竜人の国に助けに来た時には手遅れ状態だったかもしれない。
「ルーファス……」
「うん? どうした?」
着物の帯が解かれて、着崩れると中の襦袢の腰紐も解かれると心臓の音が、ルーファスに聞かれてしまいそうで手で胸を押さえると、足を撫で上げられて徐々に上へと忍び寄る手に、私はギュッと目をつぶる。
「そんなに緊張しなくてもいい」
「だって、恥ずかしぃ……んっ、ふぁっ」
ショーツにルーファスの指が掛かり、割れ目に合わせて指でなぞられると、ビクンと体が小さく飛び上がりそうになる。
(番同士とあって、体の相性も良いのか感度が好過ぎて、困ってしまう……)
「アカリは可愛いな。白い肌が朱色に薄く染まって、凄く、魅力的だ」
「はぅ……、優しく、して、ね……?」
サラッとこういうキザな事を言わないで欲しい。ただでさえ、ドキドキとうるさい心臓が余計に鼓動を早くしていくから、私は精一杯、ルーファスにこれ以上、私の心臓をドキドキさせないでね? という意味で「優しくしてね」と言って、ルーファスの目を見つめる。
「アカリは……」
「なぁに……?」
ルーファスが私の肩に顔を埋めると、小さく溜め息のような息を吐き、「可愛すぎる……」と絞り出すような声を出した。
食む様なキスが落ちてきて、口の中に甘く広がる番同士のキスの味に陶酔してしまいそうな感覚がする。
「はふっ……んっ」
口の中が甘くて熱くて、蕩けてしまいそう。ルーファスも同じ感じなのかな? 薄く目を開けると目を閉じているルーファスの顔にドキンと胸がまた高鳴る。
やっぱり、ルーファスは格好いい。こんな格好いい人と一緒に暮らしてるなんて、3ヶ月前の私には考えつかなかったかもしれない。
ルーファスの手がショーツの中に入ってきて、恥丘を弄られて指が奥へと入り込む。
指が蜜口に入ってきて、キュッと股の間に力が入ると、キスが深くなって歯列を舌でなぞられて口腔内に舌が出入りして、吐息ごと吸い尽くされるように貪られていく。
「んっ、____っ」
指が膣内を奥へ入っては肉壁を指の腹でゆっくりとなぞり上げ、キスで塞がれた唇からはくぐもった声が漏れる。
ルーファスの指が恥かしい所に入っているというだけで、羞恥心でいっぱいいっぱいなのに、体の中が快感を拾い上げて、蜜壺から愛蜜を滴らせて勝手にヒクつき、増やされた指をキュウキュウ締め上げてしまう。
ちゅくちゅくと水音が立ち、唇が離れると胸を押さえていた手を解いてルーファスの胸に手を伸ばす。
「あっ、はぁはぁ、そこ、駄目ぇ……んっあっ、はぅっ」
「駄目じゃなくて、悦い……だろ?」
ルーファスの指が三本に増やされて、中指が弾くように中をトントンと押してくると、子宮がきゅんっとしてしまって、私は嬌声を上げた。
「きゃぅっ、そこ、やっ、やぁっ、んっんーっ」
「嫌じゃなくて、これも悦いだからな?」
「あっんんーっ」
指をトントンと再びされて、絶頂でイッてしまう。足がガクガクと小さく痙攣して、気持ち良さと脱力感で息が上がって肩で息をしていると、ルーファスが自分の着物を脱いで裸になる。
(ルーファス、腹筋割れてる……凄い)
細身なのに筋肉がしっかり付いてて、男の人の体ってどうして、私のふにふにな肌質と違うのか不思議で仕方がない。
目線を下にさげていくと、ルーファスの起ち上がった剛直が目に映る。
「ふぁ……凄い……」
「ん? なにが凄いんだ?」
あっ、声が漏れてた。
チュッとルーファスに軽くキスをされて、下着を脱がされる。
ルーファスって何気に下着とか脱がせるの素早くて、手慣れている感があるのは気のせいだろうか?
うーん、でもルーファスはモテそうだし、ハガネも色仕掛けでルーファスを落とそうとする女の人が今までは居たとか言っていたから、未経験者ではないのだろう。
「アカリ、何か考え事か?」
「あの、ん……と、ルーファスの、大きいから……大丈夫かなって……」
誤魔化すようにそう口に出すと、自分の言った言葉に私は真っ赤になる。
他にも誤魔化しようがあったのに、よりによって、なんで今そんな言葉を言ってしまったのか!?
(羞恥で死んでしまう~っ!!)
ルーファスが目を一瞬大きく開いた後、破顔して笑うと「ヤバいな」と嬉しそうな声を出す。
なにがヤバいのだろう? ルーファスの尻尾が左右にブンブン揺れている。
「オレの番は、可愛いのてんこ盛りだな」
「あっ、きゃっ」
ガバッと覆い被さられて押し倒されると、私の内腿に手をかけて左右に開かせると、ルーファスの剛直が恥丘の奥へ沈んでいくのが見える。
中に熱くてゴリッとした物が挿入された感覚がダイレクトに伝わって、落ち着いてきたはずの快感が再び熱を持つ。
「んっ、アカリのココがヒクヒクしてる」
「やん……っ、そ、いうの、言っちゃ、だめ……っ、んあっ、あふっ」
「アカリ、ちゃんと挿入ってるだろ?」
「うん、うん。わかったからぁ、はうぅっ、同じとこ、こするの、やめっ、ひんっ」
蜜道の同じ場所をコツコツとカリの部分で擦り上げられて、お腹の中がキュウキュウするのが止まらず、ルーファスに「止めて」と言ったつもりなのに、余計に同じ場所を責められて嬌声を上げさせられた。
「あくぅ……あっ、あっ、あああぁぁっ!」
お腹の中で快感が弾けて散ると達ってしまい、蜜液が溢れてルーファスの剛直がまた深く奥へ挿入ってきた。
達ったばかりの体は敏感で、奥へと剛直が進む度に勝手にビクビクと腰を揺らしてしまう。
喘ぐ声すら出せず、口をはくはくとさせて、ルーファスが根元まで全部挿入れるまで痺れる様な快感に耐えていた。
「ふぅ、アカリの中が好過ぎて危うくイクところだった」
「はぅ……、ルーファ、ス。ど、にかしてぇ……」
「もう少しこのままだ。ああ、でも、アカリが自分で動きたいなら動いても良いぞ?」
「やぁ、無理ぃ、んくぅ」
ふるふると首を横に振ると、ルーファスは優しく笑ってくれたけど、腰は動かさずに私の胸を揉んできた。
男根の挿入った膣内はキュウキュウするし、揉まれてる乳房も自分で触るのとは違う触り方に恥ずかしさが増していく。
「これ、もぅ駄目ぇ、んんっ、あっ、おかしく、なっちゃう……っ、もっ、許してぇ」
「オレにどうして欲しい?」
「意地悪しないでぇ、もっ、動いてぇ、ひぅっ、はふっ、はぁー……、ルーファスの好きにしてぇ……」
「オレはアカリと繋がって、ピクピク可愛く絞めてくるアカリの中をもっと堪能したかったんだが、仕方がないな。可愛いアカリのお願いだからな」
チュッとおでこにキスを落とすと、私の両腕を手で押さえて腰を動かし始める、中でズルズルと動く肉棒が内壁を擦る快感に私の体は全身がビリビリと痺れた感覚がして、逃れようとしたものの両腕をガッチリ押さえつけられてて逃げられず、ルーファスの下で快感に喘ぐしかなかった。
「んっきゃぁぁ、イくの、だめ、なんかクルの、あうっ、おかしくなる、ああっ」
「ああ、いっぱいイッて、可愛いところをオレに見せてくれ」
深い場所を突き上げられて、何度目かの絶頂を感じて小さく体が震えると、もう頭の中はふわふわしてルーファスが腰を動かす度に小さく声を上げていた。
「あんっ、んっ、いい、きゃふっ」
「オレも気持ち悦いよ。本当に、可愛いな」
「あっ、あっ、るーふぁす、好きぃ」
「ククッ、もう意識が半分飛んでるな。やり過ぎたか」
ふわふわで気持ち良くて、ルーファスが笑う顔に胸がキュンとして、はにかんでみると「その顔は卑怯だな」と言われて、最奥をルーファスの先端が押し上げて、根元の方からドクドク脈打つと先端から放たれた白濁が、子宮の奥で熱く流れるのを感じた。
少し息の乱れたルーファスに抱きしめられてお腹の中に魔力を通されると、白濁は生命力に変換されて私の中に吸収されていく。
これで子種じゃなくなったので妊娠はしない。
勿論、子供が欲しくない訳じゃなくて、獣人さんには発情期のような物があって『蜜籠り』というのだけど、秋から冬の間にかけて子供を作るから、まだ初夏の初めでは元々子種にはなりにくいし、子供もとても弱くて早死にしやすい子供が出来てしまうという、理由がある。
あとは、体の弱い私に生命力を受け渡すのに子種では駄目だからというのもある。
ぐったりしつつ、ルーファスに体を綺麗にしてもらい、新しい着物を着せてもらう。
なんだか、ルーファスに全部させてしまって申し訳ないけど、エッチの後に番を労わるのは番のオスとしては当然らしく、「気にするな。当然の事をしているだけだ」と嬉しそうに尻尾を振られてしまうだけだったりする。
「アカリ、眠いなら寝ていても良いぞ?」
「ん……、あふ……っ」
欠伸を噛み殺すと、ルーファスが膝の上に私を乗せて頭をゆっくりと撫でてくれて、眼を閉じてルーファスの肩に頭を押し付けると、もう瞼が落ちそうになっていた。
「ゆっくり休め。アカリ、帰ってこれて、本当に良かったな……」
頭の上にキスが落とされて、ルーファスの柔らかい雰囲気に包み込まれるように私は眠りに落ちていった。
本当に、温泉大陸に、ルーファスの所に帰ってこれて良かった。
私の帰る場所、元の世界ではどこにも無かった居場所は、ここにある。
温泉大陸の【刻狼亭】、ルーファスの腕の中が私の帰る場所で、心地良い居場所。
これから先も、ずっとそれは変らない___。
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「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
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