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19章
カイナの書簡
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全ての始まりは『星降り祭り』に起因する魔獣の王から始まる。と、カイナの書簡はそこから始まっていた。
最初の魔獣の王は異世界召喚で呼び出された【勇者】つまり、カイナの先祖であるヒイロ・ツグモが倒した。
彼の正式な名前は津雲緋色。
異世界召喚には魔力値の高い者達が7日間寝ることなく集中して魔獣の王を倒せる者だけを望み続けなければいけない。
望みに少しでも余計な事が紛れてしまうと召喚される人物の質が落ちると言われている。
その時、東国の近くに魔獣の王が生まれてしまった為に、召喚士たちは余計な望みなどなく、ただひたすらに倒せる者を望んだ。
それが功を奏して、津雲緋色という【勇者】を召喚する事に成功したと言って良い。
津雲緋色と一緒に召喚された物がある。
むしろソレこそが【勇者】足りえたのかもしれない。
” 月刀ー山茶花ー ”
月の様に美しい刀身を持ち、山茶花の咲く頃に献上するはずだった一振り。
津雲家は代々刀鍛冶氏で月刀ー山茶花ーは、津雲家の命運をかけた物で緋色はそれを献上しに行く最中に召喚され、この一振りの為に多額の金を渡されていた為に、もし献上されなければ残された家族は殺されてしまう、殺されなくても、周囲からは何といわれるか想像出来た。その為、緋色は残された異世界の家族はどうしてくれるのだと泣き叫び怒り狂ったそうだ。
そして、緋色はその怒りの矛先を召喚士に向け、召喚に携わった人間は切り伏せられた。
同時に召喚にまつわる方法も闇に葬られたという。これ以上召喚の犠牲者を出さない為にという処置だったらしい。
月刀ー山茶花ーの切れ味は素晴らしく、どんな魔物でもまるで紙切れの様に斬る事が出来、魔獣の王も月刀ー山茶花ーの力で討ち取った様なものだった。
資料によると、魔獣の王を打つ場合には普通の方法で倒してはならない。
なぜなら、魔獣の王となった魔獣が倒される時に【怨嗟】と呼ばれる呪いが発動し、他の魔獣達に【怨嗟】が降り撒かれ、それは魔獣を生きたまま腐敗させ、【怨嗟】に掛かった魔獣達は助けを求めながら人々を襲っていくようになる。
まさに、今回の魔獣の王討伐で起きた事、それが【怨嗟】といえる。
月刀ー山茶花ーにはその【怨嗟】を断ち切る力があり、だからこそ、魔獣の王を倒した時【怨嗟】は発動せず、魔石だけが綺麗にこの世界に降り撒かれた。
緋色は魔獣の王を討伐したあと【勇者】として一番に力を注いだのが、召喚士の撲滅と召喚方法を書かれた文献などをこの世界から無くすことだった。
この世界で異世界召喚の方法が残されている物のほとんどがかなり条件が厳しく無謀な召喚方法ばかりが残されているだけだという。
強靭な肉体と精神力と召喚する際の贄、そして召喚陣。
どれ1つ欠けても召喚は失敗する。東国では召喚方法は【勇者】の手により失われたのでもう召喚することは出来ない。
この世界で異世界から偶然落ちて来た者以外は召喚された人間というのは殆どいない。
今現在、召喚が成功したと確認されているのは2人だけだという。
カイナが何故、召喚の事を書いたかと言うと、月刀ー山茶花ーは異世界人にしか扱えないのである。
今現在、討伐された魔獣の王の魔石は討伐された土地にそのまま置いてあり、月刀ー山茶花ーで魔石を斬る事が出来れば【怨嗟】は消え、世界の魔獣達は解放される。
子孫であるカイナがその役目を【勇者】の最後の仕事として請け負ったが、おそらくは無駄に終わるだろうと、何故なら、異世界人の血はもうほぼ薄れている為に今までは月刀ー山茶花ーを力でねじ伏せて使っていたが、【怨嗟】に呪われた魔獣達は群れを成し、魔石を守っている。
近付くことは難しいだろう、月刀ー山茶花ーがそれまで大人しく使われてくれるかどうかわからないのがカイナの正直な気持ちでもある。
西の【聖女】亡き今、頼れるのは異世界人である朱里だと書かれていた。
どうか、どうかこの世界を愛しているのなら、自分達の子供達が【怨嗟】に呪われた魔獣に怯えなくて済む様に望むのならば、月刀ー山茶花ーで魔獣の王の魔石を斬り、【怨嗟】をこの世界から無くしてほしい。
貴女に迷惑を掛ける事を十分承知の上でのお願いです。
東国の【勇者】はもう居ない、貴女が次の【勇者】になって欲しい。
そんな言葉でカイナの書簡は締めくくられていた。
書簡を読んでルーファスが「ふざけるな!」と怒り、朱里が戸惑いを隠せずに小さく手を握りしめる。
異世界人というのならば、亡くなった事にありすはなっている為にカイナも知る由は無かっただろうが、朱里もアリスもそんな危険な場所に行けるほど強いわけでもない。
グリムレインと朱里のドームもで魔石までたどり着けても、刀を扱う事自体が朱里には無理なのである。
朱里は刃物の恐怖を克服していないのだから_____
最初の魔獣の王は異世界召喚で呼び出された【勇者】つまり、カイナの先祖であるヒイロ・ツグモが倒した。
彼の正式な名前は津雲緋色。
異世界召喚には魔力値の高い者達が7日間寝ることなく集中して魔獣の王を倒せる者だけを望み続けなければいけない。
望みに少しでも余計な事が紛れてしまうと召喚される人物の質が落ちると言われている。
その時、東国の近くに魔獣の王が生まれてしまった為に、召喚士たちは余計な望みなどなく、ただひたすらに倒せる者を望んだ。
それが功を奏して、津雲緋色という【勇者】を召喚する事に成功したと言って良い。
津雲緋色と一緒に召喚された物がある。
むしろソレこそが【勇者】足りえたのかもしれない。
” 月刀ー山茶花ー ”
月の様に美しい刀身を持ち、山茶花の咲く頃に献上するはずだった一振り。
津雲家は代々刀鍛冶氏で月刀ー山茶花ーは、津雲家の命運をかけた物で緋色はそれを献上しに行く最中に召喚され、この一振りの為に多額の金を渡されていた為に、もし献上されなければ残された家族は殺されてしまう、殺されなくても、周囲からは何といわれるか想像出来た。その為、緋色は残された異世界の家族はどうしてくれるのだと泣き叫び怒り狂ったそうだ。
そして、緋色はその怒りの矛先を召喚士に向け、召喚に携わった人間は切り伏せられた。
同時に召喚にまつわる方法も闇に葬られたという。これ以上召喚の犠牲者を出さない為にという処置だったらしい。
月刀ー山茶花ーの切れ味は素晴らしく、どんな魔物でもまるで紙切れの様に斬る事が出来、魔獣の王も月刀ー山茶花ーの力で討ち取った様なものだった。
資料によると、魔獣の王を打つ場合には普通の方法で倒してはならない。
なぜなら、魔獣の王となった魔獣が倒される時に【怨嗟】と呼ばれる呪いが発動し、他の魔獣達に【怨嗟】が降り撒かれ、それは魔獣を生きたまま腐敗させ、【怨嗟】に掛かった魔獣達は助けを求めながら人々を襲っていくようになる。
まさに、今回の魔獣の王討伐で起きた事、それが【怨嗟】といえる。
月刀ー山茶花ーにはその【怨嗟】を断ち切る力があり、だからこそ、魔獣の王を倒した時【怨嗟】は発動せず、魔石だけが綺麗にこの世界に降り撒かれた。
緋色は魔獣の王を討伐したあと【勇者】として一番に力を注いだのが、召喚士の撲滅と召喚方法を書かれた文献などをこの世界から無くすことだった。
この世界で異世界召喚の方法が残されている物のほとんどがかなり条件が厳しく無謀な召喚方法ばかりが残されているだけだという。
強靭な肉体と精神力と召喚する際の贄、そして召喚陣。
どれ1つ欠けても召喚は失敗する。東国では召喚方法は【勇者】の手により失われたのでもう召喚することは出来ない。
この世界で異世界から偶然落ちて来た者以外は召喚された人間というのは殆どいない。
今現在、召喚が成功したと確認されているのは2人だけだという。
カイナが何故、召喚の事を書いたかと言うと、月刀ー山茶花ーは異世界人にしか扱えないのである。
今現在、討伐された魔獣の王の魔石は討伐された土地にそのまま置いてあり、月刀ー山茶花ーで魔石を斬る事が出来れば【怨嗟】は消え、世界の魔獣達は解放される。
子孫であるカイナがその役目を【勇者】の最後の仕事として請け負ったが、おそらくは無駄に終わるだろうと、何故なら、異世界人の血はもうほぼ薄れている為に今までは月刀ー山茶花ーを力でねじ伏せて使っていたが、【怨嗟】に呪われた魔獣達は群れを成し、魔石を守っている。
近付くことは難しいだろう、月刀ー山茶花ーがそれまで大人しく使われてくれるかどうかわからないのがカイナの正直な気持ちでもある。
西の【聖女】亡き今、頼れるのは異世界人である朱里だと書かれていた。
どうか、どうかこの世界を愛しているのなら、自分達の子供達が【怨嗟】に呪われた魔獣に怯えなくて済む様に望むのならば、月刀ー山茶花ーで魔獣の王の魔石を斬り、【怨嗟】をこの世界から無くしてほしい。
貴女に迷惑を掛ける事を十分承知の上でのお願いです。
東国の【勇者】はもう居ない、貴女が次の【勇者】になって欲しい。
そんな言葉でカイナの書簡は締めくくられていた。
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異世界人というのならば、亡くなった事にありすはなっている為にカイナも知る由は無かっただろうが、朱里もアリスもそんな危険な場所に行けるほど強いわけでもない。
グリムレインと朱里のドームもで魔石までたどり着けても、刀を扱う事自体が朱里には無理なのである。
朱里は刃物の恐怖を克服していないのだから_____
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