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18章
ダークエルフ
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森の木々がザワッと騒ぐ。
ダークエルフの男が気配のする木へと視線を向けるが、リュエールは移動魔法を彼らの後ろへ座標固定して魔法を展開して彼らの後ろから奇襲する。
素早く後ろから結界魔法でダークエルフの男達を閉じ込める。
「なっ・・・!!」
「何処から?!」
驚いた声を上げるダークエルフ達に「お前達は何だ?」と不機嫌そうな声で問いかける。
キリンにいきなり攻撃はいけないとは注意したが、キリンのストレスに目の前のダークエルフ達がなっている事に少なからず怒っている為にサッサと聞きだしてキリンの元へ戻りたい為にリュエールは苛立ちと焦りで不機嫌さが増している。
「ダークエルフが何でこの村にいる?」
「お前は獣人か?」
「この村に獣人が居る話は聞いてない」
「聞いてるのは、僕、だよ?」
グルルルル・・・
リュエールが低く唸りながら、結界を少しずつ内側へと狭くしていく。
一々体を痛めつけて吐かせるより、こうした重圧を加えて行った方が拷問には効果的ですよぉ~と、間延びした声で子供の頃に教えてくれた【刻狼亭】の元拷問官の教えに従う。
体にピッタリと結界が押し迫るとダークエルフ達も焦った声を出し始める。
「俺達は怪しいものではない!!」
「この村の予言者のネリリス殿に呼び出されたんだ!!」
「ネリリスさんに?ならネリリスさんや村の人は何所に?」
ダークエルフ達2人は困った表情で耳を下げる。
「ネリリス殿は我々がここへ到着する前日に亡くなった。今日は葬儀の為に村人たちは出ている」
「それは本当に?」
「ああ、こんな事で嘘はつかない」
「そう、なら信じるよ。で?エルフとダークエルフは仲が良いとは聞いてないけど、村の人は受け入れてくれてるのかな?」
「先ぶれをだして訪問する事は言ってあった。まぁ、もうネリリス殿が居ないので帰る所だったのだが」
「ネリリスさんに何を予言してもらうつもりだったの?」
「それは我々も判らない。ネリリス殿の能力はいつも突発的な物だったからな」
ネリリスらしいと言えばネリリスらしい事かと、リュエールは結界を解く。
「ネリリス殿の葬儀はこの森を抜けてグラシアス森林の手前の丘で行われている」
「そう、ありがとう」
リュエールは移動魔法で空間に穴を開けてスルッと入りキリンの待つ家の中へ戻る。
窓の外ではダークエルフ達が左右に首を振って驚いている様だが、危険性のない彼らには関わるだけ無駄というものなので放置する事にした。
リュエールが獣化を解くとキリンが椅子から立ち上がって駆け寄る。
「リュエール、大丈夫だった?あいつ等は何だったの?」
「キリン、彼等はネリリスさんの客人だったみたいだよ」
「ネリリスお婆ちゃんの?あー、でもたまにネリリスお婆ちゃんは他所の国の人とか呼んで何かやってる事あったかも?」
キリンが少し納得するとリュエールがそっとキリンを抱きしめる。
「キリン、落ち着いて聞いてね?」
「どうしたの?」
「・・・ネリリスさんが亡くなって、今、葬儀で村の人達はグラシアス森林の手前の丘に居るらしい」
「あ、そ、ぅ・・・なんだ・・・」
少しだけ言葉を詰まらせてキリンの目が左右に揺れて下を向くとポロッと涙が溢れ出す。
人の迷惑顧みず、風変わりでよく分からない言動の多いネリリスにキリンはどれだけ振り回されたか・・・。
そう思うのに、生まれた時からずっと居た老人でリュエールと出会ったのもネリリスに温泉大陸まで飛ばされたのもある。その後も修行を付けてくれたのは他でもないネリリスなのだ。
色々迷惑を掛けられたがどこか憎めない老人だった。
「キリン、グラシアスの滝近くに移動魔法で行って葬儀に向かう?」
「うん。お婆ちゃんに、お別れをしたい」
涙で目頭を熱くさせるキリンにリュエールが移動魔法でグラシアスの滝付近に座標を合わせて空間に穴を開ける。
キリンの肩を抱きしめながら穴を潜ると、いつだったかキリンがネリリスに言われてコケを採りに来た滝の近くへ出る。
「お葬式はきっと此処から少しだけ下った丘だと思う」
「うん。じゃあゆっくり行こうか」
抱き上げる事は妊婦にはしては駄目だと言われているし、獣化して背中に乗せる事もあまりしては駄目な事らしいので2人はゆっくりと丘を目指して歩く。
その間キリンがぽつぽつとネリリスの話をしていく。
「ネリリスお婆ちゃんに冬場はいつも冬越えの瓶詰してた食料を半分食べられてたの」
「ネリリスさん見た目に寄らずに食い意地すごかったもんね」
「だからね、いつも食べられて良い物と自分の好物は別々にして隠してたのに、好物の方ばかり食べられちゃって・・・ネリリスお婆ちゃんには毎年泣かされてた」
「ネリリスさんらしいね」
キリンが「でも、春には美味しい果物いっぱい採ってきてくれるの。ネリリスお婆ちゃん親切なのか不親切なのかわかんないの」と涙を零しながら肩を震わせる。
リュエールがキリンの足元に注意しながら「うん」と、相槌を打ってキリンの腰を引く。
丘に繋がる少し坂になっている場所は雪が深々と降っていて、リュエールが朱里が旅行中に貸していたヒドラのクリスタルの腕輪をキリンの腕に着ける。
火属性付与の魔石が付けてあるので仄かに体が冷え切らないアイテムでヒドラのクリスタル効果もあるのでキリンが体を冷やし過ぎない様にするには丁度いいアイテムといえる。
一応、キリンには耳飾りのヒドラのクリスタルを身につけさせているが、こんな寒々しい丘では直ぐに冷え切ってしまいそうなのである。
丘では村のエルフ達が集まりそこだけが春の日差しを浴びた様に緑が湧いていた。
そしてそこでは太陽の光が差す様に光が溢れ、エルフ達が踊りながらネリリスを送り出そうとしていた。
ダークエルフの男が気配のする木へと視線を向けるが、リュエールは移動魔法を彼らの後ろへ座標固定して魔法を展開して彼らの後ろから奇襲する。
素早く後ろから結界魔法でダークエルフの男達を閉じ込める。
「なっ・・・!!」
「何処から?!」
驚いた声を上げるダークエルフ達に「お前達は何だ?」と不機嫌そうな声で問いかける。
キリンにいきなり攻撃はいけないとは注意したが、キリンのストレスに目の前のダークエルフ達がなっている事に少なからず怒っている為にサッサと聞きだしてキリンの元へ戻りたい為にリュエールは苛立ちと焦りで不機嫌さが増している。
「ダークエルフが何でこの村にいる?」
「お前は獣人か?」
「この村に獣人が居る話は聞いてない」
「聞いてるのは、僕、だよ?」
グルルルル・・・
リュエールが低く唸りながら、結界を少しずつ内側へと狭くしていく。
一々体を痛めつけて吐かせるより、こうした重圧を加えて行った方が拷問には効果的ですよぉ~と、間延びした声で子供の頃に教えてくれた【刻狼亭】の元拷問官の教えに従う。
体にピッタリと結界が押し迫るとダークエルフ達も焦った声を出し始める。
「俺達は怪しいものではない!!」
「この村の予言者のネリリス殿に呼び出されたんだ!!」
「ネリリスさんに?ならネリリスさんや村の人は何所に?」
ダークエルフ達2人は困った表情で耳を下げる。
「ネリリス殿は我々がここへ到着する前日に亡くなった。今日は葬儀の為に村人たちは出ている」
「それは本当に?」
「ああ、こんな事で嘘はつかない」
「そう、なら信じるよ。で?エルフとダークエルフは仲が良いとは聞いてないけど、村の人は受け入れてくれてるのかな?」
「先ぶれをだして訪問する事は言ってあった。まぁ、もうネリリス殿が居ないので帰る所だったのだが」
「ネリリスさんに何を予言してもらうつもりだったの?」
「それは我々も判らない。ネリリス殿の能力はいつも突発的な物だったからな」
ネリリスらしいと言えばネリリスらしい事かと、リュエールは結界を解く。
「ネリリス殿の葬儀はこの森を抜けてグラシアス森林の手前の丘で行われている」
「そう、ありがとう」
リュエールは移動魔法で空間に穴を開けてスルッと入りキリンの待つ家の中へ戻る。
窓の外ではダークエルフ達が左右に首を振って驚いている様だが、危険性のない彼らには関わるだけ無駄というものなので放置する事にした。
リュエールが獣化を解くとキリンが椅子から立ち上がって駆け寄る。
「リュエール、大丈夫だった?あいつ等は何だったの?」
「キリン、彼等はネリリスさんの客人だったみたいだよ」
「ネリリスお婆ちゃんの?あー、でもたまにネリリスお婆ちゃんは他所の国の人とか呼んで何かやってる事あったかも?」
キリンが少し納得するとリュエールがそっとキリンを抱きしめる。
「キリン、落ち着いて聞いてね?」
「どうしたの?」
「・・・ネリリスさんが亡くなって、今、葬儀で村の人達はグラシアス森林の手前の丘に居るらしい」
「あ、そ、ぅ・・・なんだ・・・」
少しだけ言葉を詰まらせてキリンの目が左右に揺れて下を向くとポロッと涙が溢れ出す。
人の迷惑顧みず、風変わりでよく分からない言動の多いネリリスにキリンはどれだけ振り回されたか・・・。
そう思うのに、生まれた時からずっと居た老人でリュエールと出会ったのもネリリスに温泉大陸まで飛ばされたのもある。その後も修行を付けてくれたのは他でもないネリリスなのだ。
色々迷惑を掛けられたがどこか憎めない老人だった。
「キリン、グラシアスの滝近くに移動魔法で行って葬儀に向かう?」
「うん。お婆ちゃんに、お別れをしたい」
涙で目頭を熱くさせるキリンにリュエールが移動魔法でグラシアスの滝付近に座標を合わせて空間に穴を開ける。
キリンの肩を抱きしめながら穴を潜ると、いつだったかキリンがネリリスに言われてコケを採りに来た滝の近くへ出る。
「お葬式はきっと此処から少しだけ下った丘だと思う」
「うん。じゃあゆっくり行こうか」
抱き上げる事は妊婦にはしては駄目だと言われているし、獣化して背中に乗せる事もあまりしては駄目な事らしいので2人はゆっくりと丘を目指して歩く。
その間キリンがぽつぽつとネリリスの話をしていく。
「ネリリスお婆ちゃんに冬場はいつも冬越えの瓶詰してた食料を半分食べられてたの」
「ネリリスさん見た目に寄らずに食い意地すごかったもんね」
「だからね、いつも食べられて良い物と自分の好物は別々にして隠してたのに、好物の方ばかり食べられちゃって・・・ネリリスお婆ちゃんには毎年泣かされてた」
「ネリリスさんらしいね」
キリンが「でも、春には美味しい果物いっぱい採ってきてくれるの。ネリリスお婆ちゃん親切なのか不親切なのかわかんないの」と涙を零しながら肩を震わせる。
リュエールがキリンの足元に注意しながら「うん」と、相槌を打ってキリンの腰を引く。
丘に繋がる少し坂になっている場所は雪が深々と降っていて、リュエールが朱里が旅行中に貸していたヒドラのクリスタルの腕輪をキリンの腕に着ける。
火属性付与の魔石が付けてあるので仄かに体が冷え切らないアイテムでヒドラのクリスタル効果もあるのでキリンが体を冷やし過ぎない様にするには丁度いいアイテムといえる。
一応、キリンには耳飾りのヒドラのクリスタルを身につけさせているが、こんな寒々しい丘では直ぐに冷え切ってしまいそうなのである。
丘では村のエルフ達が集まりそこだけが春の日差しを浴びた様に緑が湧いていた。
そしてそこでは太陽の光が差す様に光が溢れ、エルフ達が踊りながらネリリスを送り出そうとしていた。
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