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16章
ティルの誕生日
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ロケルトとヒリングが温泉大陸を出てポーションを配る中、【刻狼亭】の横では今日も元気なお嫁様達3人組が露店でアイスを売っていた。
たまにロケルトの様にキリンがエルフな事に驚いたり、声を掛けてきたりするがそれ以外はトラブルらしいトラブルは無かった。
「そろそろヤバそうね」
「あー・・・ほかの露店もそろそろヤバいって言ってましたね」
「売れ行き良いですからね」
猛暑のおかげでアイスとジュースが飛ぶように売れ、すでに用意したコーンが底をつき始めている。
他の露店でも大量に作ったはずの最中やアイス用の饅頭皮が品薄になり、アイスも作っても作っても減っていく。
「これは半日か1日コーン作りとかした方が良いかしら?」
「うーん。作ってくれる人とか居てくれたら良いんですけどね」
「ミルアちゃんやナルアちゃんはどうです?お菓子作り得意ですし」
朱里とキリンがフィリアに「それよ!」と言って人差し指を上げる。
早速、ミルアとナルアにコーン作りを要請すると2人は二つ返事でオッケーを出し、火竜ローランドのと3人で火魔法を使いコーン生地を作り上げていくと、他の露店にも手伝いに駆り出されて夕方になる頃には「安請け合いをするんじゃありませんでしたの!」と【刻狼亭】の宴会場で伸びていた。
「お疲れさまー。2人共ありがとうね。お小遣いをあげましょう」
「お小遣いよりも、お素麺にサクランボをいっぱい入れてくれる方が嬉しいのですわ」
「わたくしはお素麺にミッカのシロップ漬けをいっぱいが良いのですわ」
朱里が「はいはい」と素麺と一緒にサクランボとミッカを出して、ハガネが天ぷらをテーブルに並べていく。
「母上、薬味取ってー」
「薬味のどれー?紫蘇?葱?海苔?ワサビ?生姜?」
「海苔とワサビー」
「あ、僕は紫蘇とゴマ」
「わたしは生姜!」
「私は海苔をお願いしますー」
シュトラールが朱里に薬味をお願いするとリュエールとキリンとフィリアからも声がかかり、朱里が「はいはい」と大きな子供達に薬味を渡していく。
「嫁ー!卵の天ぷらがないぞー!」
「それはまだ台所ー!少し待ってー!」
グリムレインの声に朱里が「はいはい」とまた忙しく動き回る。
ハガネと朱里の2人で給仕するには人数が多いのが難点ではあるが、素麺に天ぷらだけなのでまだ楽といえば楽なほうである。
「アカリ」
「はーい、次はなんですかー?」
「そろそろ休んで食べたらどうだ?皆自分で動けるだろ?甘えすぎだ」
「あーん。ルーファス優しい!」
朱里が「お腹すいたー」とルーファスの横に座るとハガネも「俺も腹減ったー」と食卓に着く。
ルーファスの膝の上にはティルナールが座っていてニコニコとしている。
全員にグラスが渡されて中に飲み物が入ったのを見てルーファスがグラスを手に持って少し上げる。
「では、ティルナールの誕生日に乾杯」
「「「ティルおめでとー」」」
ティルナールの誕生日の8月25日なので皆で食事をという形になっている。
しかし、10月30日にエルシオンとルーシーの誕生日があるので、本格的なお祝いはその日に3人で行う。
今日は普通の食事会ではあるが主役はティルナールなのだ。
「ティル良かったねー」
「あーい?」
ぷくぷく頬っぺたを朱里につんつんとされながらティルナールがニコニコしたまま首を傾げる。
エルシオンとルーシーは朱里とハガネの横に居るもののこちらも誕生日がわかる様な年では無いので「ご飯をはやくしろ」と言わんばかりにテーブルをたんたん叩いている。
「ティルの生まれた時は大変だったよね」
「ヒドラとかスタンピードとか色々あったよね」
「あの時は本当に大忙しだったな・・・」
シュトラールとリュエールとルーファスが当時を思い出して少し遠い目をする。
朱里的にはティルナールの出産は泣いてばかりで他人任せだった為に、生まれてからの方が大変だなぁとは思っている。
火属性アレルギーになったり、魔果事件で押しつぶされそうになったり・・・と・・・。
「ははえー、あーい」
「あら、ティル母上に天ぷらくれるの?ありがとー」
ティルナールがフォークで刺したナスの天ぷらを「あーん」と食べて、お返しにティルナールの口にジャガイモの天ぷらを入れる。
「んふーっ」
「美味しい?ふふふっ」
朱里とティルナールが笑っているのを見て、ティルナールが生まれた日に皆で頑張った甲斐があったというものだとルーファスが口元に笑みを浮かべると、リュエールやシュトラールも同じように笑う。
「小さな光」が今年も1つ年を取れたことを祝いながら食事会は賑やかに行われた。
たまにロケルトの様にキリンがエルフな事に驚いたり、声を掛けてきたりするがそれ以外はトラブルらしいトラブルは無かった。
「そろそろヤバそうね」
「あー・・・ほかの露店もそろそろヤバいって言ってましたね」
「売れ行き良いですからね」
猛暑のおかげでアイスとジュースが飛ぶように売れ、すでに用意したコーンが底をつき始めている。
他の露店でも大量に作ったはずの最中やアイス用の饅頭皮が品薄になり、アイスも作っても作っても減っていく。
「これは半日か1日コーン作りとかした方が良いかしら?」
「うーん。作ってくれる人とか居てくれたら良いんですけどね」
「ミルアちゃんやナルアちゃんはどうです?お菓子作り得意ですし」
朱里とキリンがフィリアに「それよ!」と言って人差し指を上げる。
早速、ミルアとナルアにコーン作りを要請すると2人は二つ返事でオッケーを出し、火竜ローランドのと3人で火魔法を使いコーン生地を作り上げていくと、他の露店にも手伝いに駆り出されて夕方になる頃には「安請け合いをするんじゃありませんでしたの!」と【刻狼亭】の宴会場で伸びていた。
「お疲れさまー。2人共ありがとうね。お小遣いをあげましょう」
「お小遣いよりも、お素麺にサクランボをいっぱい入れてくれる方が嬉しいのですわ」
「わたくしはお素麺にミッカのシロップ漬けをいっぱいが良いのですわ」
朱里が「はいはい」と素麺と一緒にサクランボとミッカを出して、ハガネが天ぷらをテーブルに並べていく。
「母上、薬味取ってー」
「薬味のどれー?紫蘇?葱?海苔?ワサビ?生姜?」
「海苔とワサビー」
「あ、僕は紫蘇とゴマ」
「わたしは生姜!」
「私は海苔をお願いしますー」
シュトラールが朱里に薬味をお願いするとリュエールとキリンとフィリアからも声がかかり、朱里が「はいはい」と大きな子供達に薬味を渡していく。
「嫁ー!卵の天ぷらがないぞー!」
「それはまだ台所ー!少し待ってー!」
グリムレインの声に朱里が「はいはい」とまた忙しく動き回る。
ハガネと朱里の2人で給仕するには人数が多いのが難点ではあるが、素麺に天ぷらだけなのでまだ楽といえば楽なほうである。
「アカリ」
「はーい、次はなんですかー?」
「そろそろ休んで食べたらどうだ?皆自分で動けるだろ?甘えすぎだ」
「あーん。ルーファス優しい!」
朱里が「お腹すいたー」とルーファスの横に座るとハガネも「俺も腹減ったー」と食卓に着く。
ルーファスの膝の上にはティルナールが座っていてニコニコとしている。
全員にグラスが渡されて中に飲み物が入ったのを見てルーファスがグラスを手に持って少し上げる。
「では、ティルナールの誕生日に乾杯」
「「「ティルおめでとー」」」
ティルナールの誕生日の8月25日なので皆で食事をという形になっている。
しかし、10月30日にエルシオンとルーシーの誕生日があるので、本格的なお祝いはその日に3人で行う。
今日は普通の食事会ではあるが主役はティルナールなのだ。
「ティル良かったねー」
「あーい?」
ぷくぷく頬っぺたを朱里につんつんとされながらティルナールがニコニコしたまま首を傾げる。
エルシオンとルーシーは朱里とハガネの横に居るもののこちらも誕生日がわかる様な年では無いので「ご飯をはやくしろ」と言わんばかりにテーブルをたんたん叩いている。
「ティルの生まれた時は大変だったよね」
「ヒドラとかスタンピードとか色々あったよね」
「あの時は本当に大忙しだったな・・・」
シュトラールとリュエールとルーファスが当時を思い出して少し遠い目をする。
朱里的にはティルナールの出産は泣いてばかりで他人任せだった為に、生まれてからの方が大変だなぁとは思っている。
火属性アレルギーになったり、魔果事件で押しつぶされそうになったり・・・と・・・。
「ははえー、あーい」
「あら、ティル母上に天ぷらくれるの?ありがとー」
ティルナールがフォークで刺したナスの天ぷらを「あーん」と食べて、お返しにティルナールの口にジャガイモの天ぷらを入れる。
「んふーっ」
「美味しい?ふふふっ」
朱里とティルナールが笑っているのを見て、ティルナールが生まれた日に皆で頑張った甲斐があったというものだとルーファスが口元に笑みを浮かべると、リュエールやシュトラールも同じように笑う。
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