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16章
魔王様と奥様
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「わぁー!高級な映画館みたい!外国のハリウッドスターが歩きそうな赤絨毯っしょー!」
オークション会場の大きなシャンデリアを見上げてありす・ディア・ロードミリオンこと「ミコ・ディア・ロードミリオン」ははしゃいだ声を上げる。
死んだ聖女なので名前は「ミコ」に名義変更されミコの名前でカメラ等で荒稼ぎをして会社名も「ミコ」の女社長ではあるものの基本ありすは17歳の時のまま明るく屈託なく34歳まで過ごしている。
性格は変わるものでもないらしく、思った事を直ぐに口に出すのは治ってはいない。
「ミコ・・・お願いだから訳の分からない事を言ってないで前に進んで」
金色のラメが入った仮面をして正装したリロノスと黒に金色の縁のある仮面をして黒と紫のレースのドレスを着たありすは腕を組みながら会場に入り、番号札を受け取って指定の席へ座ると2人の横に薄い黄色の髪をした青年がやってきて恭しく頭を下げる。
「どうもぉ~。今回は宜しくお願いしますねぇ~。お支払いの時はお呼び下さいねぇ」
「ええ。よろしくお願いします」
「テンちんと小鬼ちんは一緒じゃないん?」
「我々は従者という事になっていますからぁ、2階席から主人を見守るという感じですねぇ。まぁこの会場の広さなら攻撃範囲内なので何があっても対応出来ますからぁご安心くださいねぇ」
にこやかに笑って深緑色の軍服でテンが軍帽を目深に被ると小鬼を腕に乗せたまま会場の隅にある2階席へ向かう螺旋階段を上っていく。
既に会場入りした人々の従者達が自分の主人を守る為に気を張って見守っている。
「おやまぁ、警戒モードですねぇ」
「テンさん、あそこの二つ頭の蛇亜人は『一つ目殺し』の称号を持っている人です。有名どころです」
「へぇ~、まぁ今回は敵対する人々では無いので我々は大人しくオークションを見ましょうねぇ」
「楽しみです!テンさんに買って貰った望遠グラスの出番です」
「ふふ。いっぱい良い物が見れると良いですねぇ」
ありすがテンと小鬼に小さく手を振ってリロノスに注意されるのを見つめながらテンが苦笑しつつオークションの開始時間が迫り、オークション会場の扉が閉じられ、少しだけ会場全体を目で見渡しいつでも攻撃が出来るように棒状の細長い武器を指の間に仕込んでおく。
オークションの壇上に燕尾服を着た鷲鼻の男が魔道具で音声を拡大しながら開催の挨拶を始め、オークションが開始となった。
不死鳥と呼ばれるフェニックスの卵の欠片から始まり、9本足の天馬やエルフ族の耳と何だか物騒な物までオークションにかけられていく。
「では、エントリーナンバー35番『シーサーペントの秘宝』海の海獣シーサーペントが何百年と体内で作り上げた秘宝、美しい海色の秘宝です。宝石の中でも手に入れる事は困難と言われる物の1つです。先ずは大白金貨10枚からです」
リロノスが自分の番号木札を上げると、会場では他の参加者も木札を上げる。
ロックヘルから盗まれた財貨の1つ、それが『シーサーペントの秘宝』。
競り合いが始まり、金銭の感覚が麻痺しそうな値段まで吊り上がると、リロノスとボリューム感あふれる貴婦人との一騎打ちの様な形になった。
「大白金貨300枚、それ以上ございますか?」
「350枚」
「400枚」
リロノスと貴婦人が睨み合い、リロノスの隣りで元気にありすが番号の木札を上げる「500枚っしょ!」その一言で貴婦人が木札を下ろし、リロノスが眉を下げながらありすに小声で「人のお金だと思って」と言い、ありすが「一度やってみたかったっしょー!」と笑って『シーサーペントの秘宝』を競り落とした。
オークションで他に『バニアッシュの鏡』『トロールの生皮』『妖精のピンキーリング』を競り落とし、任務完了したリロノスはようやく一息つき残りのオークションは気楽に眺めていたら、隣りのありすが元気に番号の木札を上げて目を丸くする。
「ミコ・・・何を・・・?」
「大丈夫っしょ。自分のお金でお買い物するだけだし」
ニコニコとありすが木札を上げながら「30枚!」と言って競り落としたのは『異世界の遺物』と紹介された電子辞書だった。
「【風雷商】に直してもらえば、英訳も出来るしお役立ちアイテムっしょ!アカリっちにお土産にするっしょ」
「よくわからないけど、異世界人には良いアイテムというところかい?」
「そうっしょ!良い買い物出来たっしょー」
このアイテムが後にケンジ・タナカの残した時間移動の機械を解き明かす英訳に役立つ事になるが、この時はそれ程の重要なアイテムになるとはありすもリロノスも思ってはいなかった。
オークション会場の大きなシャンデリアを見上げてありす・ディア・ロードミリオンこと「ミコ・ディア・ロードミリオン」ははしゃいだ声を上げる。
死んだ聖女なので名前は「ミコ」に名義変更されミコの名前でカメラ等で荒稼ぎをして会社名も「ミコ」の女社長ではあるものの基本ありすは17歳の時のまま明るく屈託なく34歳まで過ごしている。
性格は変わるものでもないらしく、思った事を直ぐに口に出すのは治ってはいない。
「ミコ・・・お願いだから訳の分からない事を言ってないで前に進んで」
金色のラメが入った仮面をして正装したリロノスと黒に金色の縁のある仮面をして黒と紫のレースのドレスを着たありすは腕を組みながら会場に入り、番号札を受け取って指定の席へ座ると2人の横に薄い黄色の髪をした青年がやってきて恭しく頭を下げる。
「どうもぉ~。今回は宜しくお願いしますねぇ~。お支払いの時はお呼び下さいねぇ」
「ええ。よろしくお願いします」
「テンちんと小鬼ちんは一緒じゃないん?」
「我々は従者という事になっていますからぁ、2階席から主人を見守るという感じですねぇ。まぁこの会場の広さなら攻撃範囲内なので何があっても対応出来ますからぁご安心くださいねぇ」
にこやかに笑って深緑色の軍服でテンが軍帽を目深に被ると小鬼を腕に乗せたまま会場の隅にある2階席へ向かう螺旋階段を上っていく。
既に会場入りした人々の従者達が自分の主人を守る為に気を張って見守っている。
「おやまぁ、警戒モードですねぇ」
「テンさん、あそこの二つ頭の蛇亜人は『一つ目殺し』の称号を持っている人です。有名どころです」
「へぇ~、まぁ今回は敵対する人々では無いので我々は大人しくオークションを見ましょうねぇ」
「楽しみです!テンさんに買って貰った望遠グラスの出番です」
「ふふ。いっぱい良い物が見れると良いですねぇ」
ありすがテンと小鬼に小さく手を振ってリロノスに注意されるのを見つめながらテンが苦笑しつつオークションの開始時間が迫り、オークション会場の扉が閉じられ、少しだけ会場全体を目で見渡しいつでも攻撃が出来るように棒状の細長い武器を指の間に仕込んでおく。
オークションの壇上に燕尾服を着た鷲鼻の男が魔道具で音声を拡大しながら開催の挨拶を始め、オークションが開始となった。
不死鳥と呼ばれるフェニックスの卵の欠片から始まり、9本足の天馬やエルフ族の耳と何だか物騒な物までオークションにかけられていく。
「では、エントリーナンバー35番『シーサーペントの秘宝』海の海獣シーサーペントが何百年と体内で作り上げた秘宝、美しい海色の秘宝です。宝石の中でも手に入れる事は困難と言われる物の1つです。先ずは大白金貨10枚からです」
リロノスが自分の番号木札を上げると、会場では他の参加者も木札を上げる。
ロックヘルから盗まれた財貨の1つ、それが『シーサーペントの秘宝』。
競り合いが始まり、金銭の感覚が麻痺しそうな値段まで吊り上がると、リロノスとボリューム感あふれる貴婦人との一騎打ちの様な形になった。
「大白金貨300枚、それ以上ございますか?」
「350枚」
「400枚」
リロノスと貴婦人が睨み合い、リロノスの隣りで元気にありすが番号の木札を上げる「500枚っしょ!」その一言で貴婦人が木札を下ろし、リロノスが眉を下げながらありすに小声で「人のお金だと思って」と言い、ありすが「一度やってみたかったっしょー!」と笑って『シーサーペントの秘宝』を競り落とした。
オークションで他に『バニアッシュの鏡』『トロールの生皮』『妖精のピンキーリング』を競り落とし、任務完了したリロノスはようやく一息つき残りのオークションは気楽に眺めていたら、隣りのありすが元気に番号の木札を上げて目を丸くする。
「ミコ・・・何を・・・?」
「大丈夫っしょ。自分のお金でお買い物するだけだし」
ニコニコとありすが木札を上げながら「30枚!」と言って競り落としたのは『異世界の遺物』と紹介された電子辞書だった。
「【風雷商】に直してもらえば、英訳も出来るしお役立ちアイテムっしょ!アカリっちにお土産にするっしょ」
「よくわからないけど、異世界人には良いアイテムというところかい?」
「そうっしょ!良い買い物出来たっしょー」
このアイテムが後にケンジ・タナカの残した時間移動の機械を解き明かす英訳に役立つ事になるが、この時はそれ程の重要なアイテムになるとはありすもリロノスも思ってはいなかった。
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