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15章
妖精は義娘
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『女将亭』の一階のレストラン内でコッソリと腕輪の通信を終わらせて、ため息を吐く。
リューちゃんが初めてキリンちゃんの家にお泊り・・・しかも保護者の様なお婆さん不在?!
ああ、もう心配過ぎてリューちゃんに言い過ぎたのか最後はガチトーンでした。
「くすん・・・心配してるだけなのに」
「オレはアカリがこんな暗がりでコソコソしている方が心配だが?」
薄暗いレストラン内からいつの間に居たのかルーファスがレストランの椅子に座って、じっと私を見ていた。
内緒ってリューちゃんと約束したから腕輪の通信を聞かれない様に2階から1階でコソコソとしたんだけど、怪しく見えたのかな?
でも、腕輪の通信が出来る人間なんてうちの家族とドラゴンと従業員の数名だけだから心配は無いと思うんだけど。
「ほら、アカリこっちに来い」
「・・・はい」
うーん。怒って無いよね?
怪しく見えたかもしれないけど、息子との連絡です!やましい事は何もない!
ルーファスの所に行くと両手で手をモニモニとほぐされた。
あっ、凄く温かい。
「やはり冷えてるな。アカリ、リューに連絡するのは良いが、こんな寒い場所を選ぶな。風邪をひくぞ?」
「はわわっ・・・リューちゃんに連絡してるってよくわかったね?」
「そりゃ、アカリがうるさいくらいに「リューちゃん大丈夫でしょうか?キリンちゃん追い出して」と、騒いでいたのがピタっと止まって、リューも狩りに行くと言って2日居なくなる事がある。前は不定期に休みを取っていたのに、今は日付指定だからな。気付かない方がどうかしている」
はうっ!私ってそんなにうるさく騒いでいたかな?
と、いう事はルーファスもリューちゃんがキリンちゃんに会いに行っているのは知っているのね・・・。
リューちゃんお母さんはルーファスに言ってませんよー!
ルーファスが自分で気づいたんですー!お母さんを怒らないで下さいねー!
ルーファスが抱き上げてくれて「温かい物でも飲むか」と冷えた体に優しい提案をしてくれる。
勿論二つ返事で「飲みましょう!」ですよ。ルーファスに誤解されてなくて良かった。
いえ、誤解される様な腕輪の通信相手も居ないのですけどね。
ジンジャーとレモーネピールとカモミールのハーブティにほぅっと息を吐くと体に温かさが染み渡る~。
座っている場所がルーファスのお膝の上なのがアレですが、まぁ気にしない方向でいこう。
「今日はリューは泊まりか?」
「はい・・・凄く心配で・・・」
「番同士なら心配いらないだろ?いずれはそうなるのだし」
「でも、リューちゃんはまだ15歳ですよ?早い気がするんです」
「・・・アカリは16歳になった次の日にこちらに来たのだから、変わらなくないか?」
「むぅ。私はちゃんとした大人なルーファスが相手でしたから・・・衣食住揃ってましたが、リューちゃんはまだ当主のお勉強中で半人前だから、そういった事を自分で揃えられたらキリンちゃんをお迎えするって言ってたんです」
「リューらしいな。なら心配は無いだろう?あの子はそうした事は守る子だ」
「でもでも、万が一があったら?」
ルーファスがクククッと笑いながら私の頬っぺたをふにふにと指で突きながら「心配性め」と言ってギュッと抱きしめて来る。
「まぁ少し早めに義娘が出来て孫が出来るだけだ」
「ふぁっ!!ま・・・まま孫?!」
「まぁ、うちにはまだ小さい子供が居るから伯父さん伯母さんにさせてしまうのは少し可哀想かもな」
「はうっ!ルーファス~っ笑い事じゃないですよ?お余所の娘さんをうちの子が・・・あわわわ」
「アカリ、そんなんじゃリューにシューみたいに冷遇されるぞ?」
「うぐっ・・・リューちゃんは怖いです・・・」
「自分の番を守りたくて必死なんだろうさ」
必死なリューちゃんも可愛いですけど、ガチトーンでお母さんを脅すのはどうかと思うの?
ルーファスは凄く余裕というか・・・楽しそう。
ハーブティを飲み終えて、コップをルーファスがテーブルに置いてくれると、私の手をふにふにと揉んで来る。
「ルーファスはキリンちゃんどう思います?」
「そうだな・・・元気がいい娘だな。まぁ多少騒がしいがリューが落ち着いている分丁度いいだろ」
「キリンちゃんにお料理を持って行って貰うと毎回お礼のお手紙くれるんです。たまにエルフの特製薬とか作ってくれるんです。いい子なんですよ」
「礼儀に関しては問題なさそうだな。気遣いも出来るか。いいんじゃないか?」
「ふふっ、私はキリンちゃん好きですよ」
「なら問題はないだろ。あとは本人達次第だ」
そうなのよね。結局は本人達次第で・・・ああ、でも15歳じゃそういうのは早いと思うので、リューちゃんの理性が持ちます様に!!!
お母さんからの全力のお願いです!!届け!リューちゃんにお母さんのお願い!!
私が「ぬーん」と唸って祈っていると、ルーファスに「リューも可哀想に・・・」と少し同情めいた声が聞こえたけど、これは譲れない!!
リューちゃんが初めてキリンちゃんの家にお泊り・・・しかも保護者の様なお婆さん不在?!
ああ、もう心配過ぎてリューちゃんに言い過ぎたのか最後はガチトーンでした。
「くすん・・・心配してるだけなのに」
「オレはアカリがこんな暗がりでコソコソしている方が心配だが?」
薄暗いレストラン内からいつの間に居たのかルーファスがレストランの椅子に座って、じっと私を見ていた。
内緒ってリューちゃんと約束したから腕輪の通信を聞かれない様に2階から1階でコソコソとしたんだけど、怪しく見えたのかな?
でも、腕輪の通信が出来る人間なんてうちの家族とドラゴンと従業員の数名だけだから心配は無いと思うんだけど。
「ほら、アカリこっちに来い」
「・・・はい」
うーん。怒って無いよね?
怪しく見えたかもしれないけど、息子との連絡です!やましい事は何もない!
ルーファスの所に行くと両手で手をモニモニとほぐされた。
あっ、凄く温かい。
「やはり冷えてるな。アカリ、リューに連絡するのは良いが、こんな寒い場所を選ぶな。風邪をひくぞ?」
「はわわっ・・・リューちゃんに連絡してるってよくわかったね?」
「そりゃ、アカリがうるさいくらいに「リューちゃん大丈夫でしょうか?キリンちゃん追い出して」と、騒いでいたのがピタっと止まって、リューも狩りに行くと言って2日居なくなる事がある。前は不定期に休みを取っていたのに、今は日付指定だからな。気付かない方がどうかしている」
はうっ!私ってそんなにうるさく騒いでいたかな?
と、いう事はルーファスもリューちゃんがキリンちゃんに会いに行っているのは知っているのね・・・。
リューちゃんお母さんはルーファスに言ってませんよー!
ルーファスが自分で気づいたんですー!お母さんを怒らないで下さいねー!
ルーファスが抱き上げてくれて「温かい物でも飲むか」と冷えた体に優しい提案をしてくれる。
勿論二つ返事で「飲みましょう!」ですよ。ルーファスに誤解されてなくて良かった。
いえ、誤解される様な腕輪の通信相手も居ないのですけどね。
ジンジャーとレモーネピールとカモミールのハーブティにほぅっと息を吐くと体に温かさが染み渡る~。
座っている場所がルーファスのお膝の上なのがアレですが、まぁ気にしない方向でいこう。
「今日はリューは泊まりか?」
「はい・・・凄く心配で・・・」
「番同士なら心配いらないだろ?いずれはそうなるのだし」
「でも、リューちゃんはまだ15歳ですよ?早い気がするんです」
「・・・アカリは16歳になった次の日にこちらに来たのだから、変わらなくないか?」
「むぅ。私はちゃんとした大人なルーファスが相手でしたから・・・衣食住揃ってましたが、リューちゃんはまだ当主のお勉強中で半人前だから、そういった事を自分で揃えられたらキリンちゃんをお迎えするって言ってたんです」
「リューらしいな。なら心配は無いだろう?あの子はそうした事は守る子だ」
「でもでも、万が一があったら?」
ルーファスがクククッと笑いながら私の頬っぺたをふにふにと指で突きながら「心配性め」と言ってギュッと抱きしめて来る。
「まぁ少し早めに義娘が出来て孫が出来るだけだ」
「ふぁっ!!ま・・・まま孫?!」
「まぁ、うちにはまだ小さい子供が居るから伯父さん伯母さんにさせてしまうのは少し可哀想かもな」
「はうっ!ルーファス~っ笑い事じゃないですよ?お余所の娘さんをうちの子が・・・あわわわ」
「アカリ、そんなんじゃリューにシューみたいに冷遇されるぞ?」
「うぐっ・・・リューちゃんは怖いです・・・」
「自分の番を守りたくて必死なんだろうさ」
必死なリューちゃんも可愛いですけど、ガチトーンでお母さんを脅すのはどうかと思うの?
ルーファスは凄く余裕というか・・・楽しそう。
ハーブティを飲み終えて、コップをルーファスがテーブルに置いてくれると、私の手をふにふにと揉んで来る。
「ルーファスはキリンちゃんどう思います?」
「そうだな・・・元気がいい娘だな。まぁ多少騒がしいがリューが落ち着いている分丁度いいだろ」
「キリンちゃんにお料理を持って行って貰うと毎回お礼のお手紙くれるんです。たまにエルフの特製薬とか作ってくれるんです。いい子なんですよ」
「礼儀に関しては問題なさそうだな。気遣いも出来るか。いいんじゃないか?」
「ふふっ、私はキリンちゃん好きですよ」
「なら問題はないだろ。あとは本人達次第だ」
そうなのよね。結局は本人達次第で・・・ああ、でも15歳じゃそういうのは早いと思うので、リューちゃんの理性が持ちます様に!!!
お母さんからの全力のお願いです!!届け!リューちゃんにお母さんのお願い!!
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