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15章
お家の妖精①
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ネリリスお婆ちゃんが他のエルフの家に行ってしまったので、今日の晩御飯はリュエールと一緒。
晩御飯を作っているとリュエールが布を器用に縫うと綿花を入れてお布団を作ってくれて、余った綿花で抱き枕を作ってくれた。
アカリさんもそうだけど、リュエールも器用に手作りしていくのは少し羨ましい。
わたしは大雑把な性質だから真っ直ぐ縫ったりとかは出来るけど、細かく何か刺繍とかは無理。
リュエールはわたしが作る料理の長さを知っているから布団と抱き枕に刺繍を入れてくれて、わたしがよく眠れるようにって、緑と黄緑色の刺繍糸で四つ葉のクローバーを刺繍してくれた。
「リュエールは器用だね」
「こうした細かい事は得意だけど、料理とかはてんで出来ないからキリンみたいにパスタを粉から作ったりする人は尊敬するよ」
「えへへ・・・」
乾燥麺とか手に入れ辛いから粉から作っているとは流石に言えない。
まぁモチモチして自作の麺の方が好きだし、こうして時間を掛けてなにか作るのは嫌いじゃない。
麺を茹でている間に、ベーコンと生クリームと固形ブイヨンに卵でカルボナーラのソースを作る。
あとはアカリさんのオカズがあるからパスタだけ。
麺を茹で終えてソースと絡めて最後に黒コショウをパラパラ完成!!
「美味しいそうな匂いだね」
「アカリさんの作ったベーコンを使ったからきっと美味しいよ!」
パスタを盛り付けたお皿をテーブルに置くと、リュエールが微笑んでから唇にキスを落としてきた。
ひぃわぁあああああ!!!不意打ちは本当に心臓に悪いからやめて欲しいぃぃ!!!
「ガラスポットにさっきの蜂蜜とレモーネ入れようか」
「は、はひっ!」
うぐ・・・噛んだ。
落ち着けー落ち着かないとまた顔が赤い可愛いって言われる!!
嫌じゃないけど、恥ずかしい!!
「今日は子牛魔牛のカツレツがメインらしいんだけど、名前何だったかな・・・シュニッツェルだったかな?あとはナスとジャガイモのムサカ・・・グラタンにしか見えないけどね。デザートはエッグタルトだよ」
「ふぁぁ・・・アカリさんは森の女神様かな?」
「あはは。母上が恥ずかしがって逃げちゃうよ」
テーブルに並ぶアカリさん特製のお料理に舌鼓を打ちつつ、リュエールと最近会った事を話していく。
会うのは半月ぶりで話したいことはいっぱいあったから、リュエールはいつもの笑顔で話を聞いて相槌を打ってくれる。
デザートのエッグタルトを食べながら、淹れてもらった蜂蜜とレモーネのレモネードにホコホコしつつ、リュエールの話も聞く。
弟のシュトラールがお気に入りの食堂が出来て最近は毎日の様に顔を出しに行ってるとか、妹のミルアとナルアが冬限定で火魔法を使って近隣の雪下ろしを手伝うボランティアしているとか、小さな三つ子ちゃん達が雷属性で最近は静電気が酷いという話を聞いて、それを想像して笑うと「可愛い」と言って瞼の上にキスをしてきた。
ふぇぇーっ!!!不意打ちはダメ!!!
ううっ、心臓が持たない・・・。
後片付けをしていると、後ろから抱きしめられて首筋に息が掛かる。
「ひゃぁ!」
「ふふっ、後片付け手伝おうか」
「う、ううん。直ぐ終わるから、座ってて」
「それじゃ申し訳ないからここで応援してる」
「ふぇっ!ううー・・・くすぐったい」
首筋に息が掛かるとゾワゾワするーっ!!!
と、いうか、近いから!近いからぁ!!
わたしの気持ちを知ってか知らずか、リュエールは楽しそうに腰に手を回したまま真後ろに張り付いてる。
お皿を洗い終えて乾燥魔法で乾かすと、はたと気付く。
お風呂どうしよう・・・?
いつも夕飯の後にお風呂に入るけど、実はわたしの家はバスタブに魔法でお湯を張るだけだし、乾燥魔法で乾燥させればいいから、お風呂にカーテンとか無い。
お風呂に入っている間は外に出てもらう訳にもいかないし・・・冬の寒空に追い出すとか鬼畜でしかないだろうし。
「あ、そうそう。前からこの家に来た時に気になってたんだけど、お風呂場が玄関から丸見えなのにカーテンとか無いのは僕が心配だから、カーテン持って来たから取り付けて良い?」
「え、えっ、あの・・・」
「駄目かな?キリンの肌をネリリスお婆ちゃんと言えど見せるのは嫌なんだ」
「はい・・・。オネガイシマス」
「うん。じゃあ、簡単に取り付けちゃうから少し待っててね」
わたしの腰から手を離すとリュエールが手の平から鍵を出して空間に手を入れると何もない空間からL字の大きなカーテンレールとカーテンを引っ張り出した。
「何それ?!」
「これは亜空間倉庫・・・って、所かな?【刻狼亭】の当主が代々継いでる鍵の1つで、父上みたいな重要な鍵はまだ貰ってないけど、こうした簡単な物入れ用の鍵は貰ったからね。家でカーテンレール作って入れ込んできたんだ」
「ふぁ・・・凄いね」
リュエールが少し笑って椅子を使ってカーテンレールをバスタブの天井に着けるとカーテンを着けて完成させる。
「はい。完成。お風呂お先にどうぞ」
「え!あの、お客さんからお先にどうぞ・・・です」
「そう?じゃあ先に入らせてもらうね。お湯玉で入れて乾燥で良いのかな?」
「うん。石けんとかは壁に置いてあるから使って」
「わかった。ごめんね。流石に一緒に入るには狭いだろうから」
「~っ!!!」
真っ赤になって口をパクパクさせているとリュエールが笑いながらカバンから着替えを出してバスタブのカーテンの中に入ってしまう。
ううーっ、本当に心臓が持たない・・・。
晩御飯を作っているとリュエールが布を器用に縫うと綿花を入れてお布団を作ってくれて、余った綿花で抱き枕を作ってくれた。
アカリさんもそうだけど、リュエールも器用に手作りしていくのは少し羨ましい。
わたしは大雑把な性質だから真っ直ぐ縫ったりとかは出来るけど、細かく何か刺繍とかは無理。
リュエールはわたしが作る料理の長さを知っているから布団と抱き枕に刺繍を入れてくれて、わたしがよく眠れるようにって、緑と黄緑色の刺繍糸で四つ葉のクローバーを刺繍してくれた。
「リュエールは器用だね」
「こうした細かい事は得意だけど、料理とかはてんで出来ないからキリンみたいにパスタを粉から作ったりする人は尊敬するよ」
「えへへ・・・」
乾燥麺とか手に入れ辛いから粉から作っているとは流石に言えない。
まぁモチモチして自作の麺の方が好きだし、こうして時間を掛けてなにか作るのは嫌いじゃない。
麺を茹でている間に、ベーコンと生クリームと固形ブイヨンに卵でカルボナーラのソースを作る。
あとはアカリさんのオカズがあるからパスタだけ。
麺を茹で終えてソースと絡めて最後に黒コショウをパラパラ完成!!
「美味しいそうな匂いだね」
「アカリさんの作ったベーコンを使ったからきっと美味しいよ!」
パスタを盛り付けたお皿をテーブルに置くと、リュエールが微笑んでから唇にキスを落としてきた。
ひぃわぁあああああ!!!不意打ちは本当に心臓に悪いからやめて欲しいぃぃ!!!
「ガラスポットにさっきの蜂蜜とレモーネ入れようか」
「は、はひっ!」
うぐ・・・噛んだ。
落ち着けー落ち着かないとまた顔が赤い可愛いって言われる!!
嫌じゃないけど、恥ずかしい!!
「今日は子牛魔牛のカツレツがメインらしいんだけど、名前何だったかな・・・シュニッツェルだったかな?あとはナスとジャガイモのムサカ・・・グラタンにしか見えないけどね。デザートはエッグタルトだよ」
「ふぁぁ・・・アカリさんは森の女神様かな?」
「あはは。母上が恥ずかしがって逃げちゃうよ」
テーブルに並ぶアカリさん特製のお料理に舌鼓を打ちつつ、リュエールと最近会った事を話していく。
会うのは半月ぶりで話したいことはいっぱいあったから、リュエールはいつもの笑顔で話を聞いて相槌を打ってくれる。
デザートのエッグタルトを食べながら、淹れてもらった蜂蜜とレモーネのレモネードにホコホコしつつ、リュエールの話も聞く。
弟のシュトラールがお気に入りの食堂が出来て最近は毎日の様に顔を出しに行ってるとか、妹のミルアとナルアが冬限定で火魔法を使って近隣の雪下ろしを手伝うボランティアしているとか、小さな三つ子ちゃん達が雷属性で最近は静電気が酷いという話を聞いて、それを想像して笑うと「可愛い」と言って瞼の上にキスをしてきた。
ふぇぇーっ!!!不意打ちはダメ!!!
ううっ、心臓が持たない・・・。
後片付けをしていると、後ろから抱きしめられて首筋に息が掛かる。
「ひゃぁ!」
「ふふっ、後片付け手伝おうか」
「う、ううん。直ぐ終わるから、座ってて」
「それじゃ申し訳ないからここで応援してる」
「ふぇっ!ううー・・・くすぐったい」
首筋に息が掛かるとゾワゾワするーっ!!!
と、いうか、近いから!近いからぁ!!
わたしの気持ちを知ってか知らずか、リュエールは楽しそうに腰に手を回したまま真後ろに張り付いてる。
お皿を洗い終えて乾燥魔法で乾かすと、はたと気付く。
お風呂どうしよう・・・?
いつも夕飯の後にお風呂に入るけど、実はわたしの家はバスタブに魔法でお湯を張るだけだし、乾燥魔法で乾燥させればいいから、お風呂にカーテンとか無い。
お風呂に入っている間は外に出てもらう訳にもいかないし・・・冬の寒空に追い出すとか鬼畜でしかないだろうし。
「あ、そうそう。前からこの家に来た時に気になってたんだけど、お風呂場が玄関から丸見えなのにカーテンとか無いのは僕が心配だから、カーテン持って来たから取り付けて良い?」
「え、えっ、あの・・・」
「駄目かな?キリンの肌をネリリスお婆ちゃんと言えど見せるのは嫌なんだ」
「はい・・・。オネガイシマス」
「うん。じゃあ、簡単に取り付けちゃうから少し待っててね」
わたしの腰から手を離すとリュエールが手の平から鍵を出して空間に手を入れると何もない空間からL字の大きなカーテンレールとカーテンを引っ張り出した。
「何それ?!」
「これは亜空間倉庫・・・って、所かな?【刻狼亭】の当主が代々継いでる鍵の1つで、父上みたいな重要な鍵はまだ貰ってないけど、こうした簡単な物入れ用の鍵は貰ったからね。家でカーテンレール作って入れ込んできたんだ」
「ふぁ・・・凄いね」
リュエールが少し笑って椅子を使ってカーテンレールをバスタブの天井に着けるとカーテンを着けて完成させる。
「はい。完成。お風呂お先にどうぞ」
「え!あの、お客さんからお先にどうぞ・・・です」
「そう?じゃあ先に入らせてもらうね。お湯玉で入れて乾燥で良いのかな?」
「うん。石けんとかは壁に置いてあるから使って」
「わかった。ごめんね。流石に一緒に入るには狭いだろうから」
「~っ!!!」
真っ赤になって口をパクパクさせているとリュエールが笑いながらカバンから着替えを出してバスタブのカーテンの中に入ってしまう。
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