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15章
妖精に悩む次男
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「クゥー・・・ン」
しょんぼり尻尾にしょんぼりお耳をしたシューちゃんがトボトボと項垂れながら、キッチンに歩いてくる。
リューちゃんに一緒に狩りに行こうと誘ったところ「1人で行く予定だから」と断られちゃったんだよね。
リューちゃんは狩りと称してキリンちゃんに会いに行っていて、それをシューちゃんに知られたくなくて、こんな感じなのです。
「シューちゃん、唐揚げいっぱい作ったから食べる?お弁当にして狩りに持って行く?」
「母上~・・・リューに嫌われちゃった」
大きい体はしてるけど、シューちゃんは3年近くタイムラグがあるから中身はリューちゃんよりもずっと子供なんだよね。
事実を知っているだけにシューちゃんが可哀想でよしよしとシューちゃんに抱きついて背中をポンポンと叩いて慰めてあげると、小さくシューちゃんのしょんぼり尻尾が揺れる。
「シューちゃん、大丈夫だよ。今はそっとしておいてあげようね?」
「でも、オレ・・・リューが寂しくないかなって」
「ふふっ、シューちゃんのそういう人を思いやれるところ、母上は自慢です。でもね、イルマールくんとリリスちゃんと同じで、今は将来の事を考えてお互いに離れて準備をしないと駄目な時なんだよ。だって、リューちゃんもシューちゃんもキリンちゃんもまだ子供なんだよ?」
「番が居ればリューはもっと幸せかなって・・・」
「ふふっ、シューちゃん。優しいね。リューちゃんはご飯のおかずは一番好きな物を最後に食べるでしょ?それと一緒。一番好きな物は最後にとっておきたいのよ」
「オレは直ぐに食べたい・・・きっと番が目の前にいたら直ぐ食べちゃう」
んーっ・・・これはこれは・・・。
シューちゃんのお嫁さんになる子は気をつけないと直ぐに食べられちゃうかも・・・。
こういう所はルーファス似なのかしら?性格はリューちゃんの方がルーファスに似てるけど、行動的な所はシューちゃんが似ちゃってるかも・・・。
「シューちゃん、母上と父上は番同士だから説得力は余りないですが、番だからっていきなりガブガブは駄目だよ?番って言っても気持ちもあるし、嫌われちゃうかもしれないからね?」
「でも、父上は番が目の前に居るのに手をこまねいているのは雄として情けないって言ってた」
「・・・父上の言葉は頭から追い出しなさい?ちゃんと順序だててお付き合いしてからにしなさいね?」
困った顔で首を傾げるシューちゃんに少し頭痛がしてきた・・・。
ルーファスが帰ってきたらちょっとお話しないといけない。絶対。
「リューちゃんの事はリューちゃんが決めるの。シューちゃんはこれ以上口出しを禁止します」
「えーっ、オレはただキリンさんと仲良くなりたいだけなんだけど」
「仲良くなるのは良い事だけど、リューちゃんの番ならリューちゃんは兄弟と言えど近寄って欲しくないと思うけどなぁ・・・狼族はそういうところあるでしょ?」
「だって、リューがもし本当にキリンさんが番じゃなかったらオレ付き合ってみたい!」
「ふぁっ?!!!」
んんん?!!!!
うちの息子さんが何か変な事言った気がするのはキノセイかな???
「シューちゃん・・・?それはどういう?」
「んーっ、何ていうか顔は好みなんだよね。自分の番じゃないのは匂いで分かってるから付き合いたいだけ」
「あー・・・シューちゃん。それはこれから出会うシューちゃんの番の子に悪いからやめなさい?」
「でも番って早々出会えないものだし、一生会えないって場合もあるんだから女の子と付き合っておきたいじゃない?」
「それは分からなくは無いけど、キリンちゃんは駄目です。リューちゃんの番なんだからシューちゃんもっと嫌われちゃうよ?」
「キュゥゥーン・・・」
リューちゃんがシューちゃんからキリンちゃんを遠ざけようとしているのはこのせいか・・・。
切なそうに鳴いても、こればかりは私も駄目としか言えない。
双子って好きになる人も同じってたまに聞くけど、そっかー、シューちゃんもキリンちゃんが好みの子なんだ。
「シューちゃん、シューちゃんがリューちゃんの番はキリンちゃんだって言ったんでしょ?ならシューちゃんの恋人になれないの解るよね?」
「それは解ってるー・・・」
「じゃあ、シューちゃん諦めようね?」
「オレもオレだけの番が欲しい・・・」
「うんうん。シューちゃんにもきっといい出会いがあるよ」
私の自慢の息子さんだから大丈夫。ルーファスそっくりのお顔もイケメンと花丸なのでシューちゃんは何もしなくてもモテると思うんだけど、この温泉大陸で同じ年頃の子って少ないし、シューちゃんは冒険に行く時は男の子友達やリューちゃんと組んで行くから女の子との出会い少ないんだよねー・・・。
「ところでシューちゃんの理想の女の子はどんな感じなの?」
「えーと、お料理上手でお日様みたいにぽかぽかしてる子がいい!」
「ならシューちゃんは冒険に色んな所に行くときにレストランとかで出会いを求めてみるとかかな?」
「レストランみたいに小洒落た物じゃない方が良いから大衆食堂みたいな場所を巡ってみようかな」
「うんうん。リューちゃんと冒険に行けない時はそういう所に行って出会いを求めなさい。そして母上に美味しかった料理を教えてくださいね?」
「うん。分かった!オレも番探す!」
ブンブンとシューちゃんの尻尾が揺れて元気が出た事を教えてくれる。
良かった。これでリューちゃんがキリンちゃんに会いに行ってる間もシューちゃんは寂しくないかな?
リューちゃんがキリンちゃんに会いに行く日は朝日が昇るくらいの時間で色々お料理を持たせて送り出した後、シューちゃんも最近は色んな大陸に番との出会いを求めて出歩いているんだけど、どうも途中から料理を求めてになってしまって・・・。
新しいスケッチブックをカバンに入れてシューちゃんは出掛けて行く。
スケッチブックは料理の絵や具材にお店の場所を書いてあって、既に10冊以上になってる。
家に帰ってきたら覚えた料理を作ってくれたりで、シューちゃんは何処へ向かっているのかな?と、思わなくもない。
しょんぼり尻尾にしょんぼりお耳をしたシューちゃんがトボトボと項垂れながら、キッチンに歩いてくる。
リューちゃんに一緒に狩りに行こうと誘ったところ「1人で行く予定だから」と断られちゃったんだよね。
リューちゃんは狩りと称してキリンちゃんに会いに行っていて、それをシューちゃんに知られたくなくて、こんな感じなのです。
「シューちゃん、唐揚げいっぱい作ったから食べる?お弁当にして狩りに持って行く?」
「母上~・・・リューに嫌われちゃった」
大きい体はしてるけど、シューちゃんは3年近くタイムラグがあるから中身はリューちゃんよりもずっと子供なんだよね。
事実を知っているだけにシューちゃんが可哀想でよしよしとシューちゃんに抱きついて背中をポンポンと叩いて慰めてあげると、小さくシューちゃんのしょんぼり尻尾が揺れる。
「シューちゃん、大丈夫だよ。今はそっとしておいてあげようね?」
「でも、オレ・・・リューが寂しくないかなって」
「ふふっ、シューちゃんのそういう人を思いやれるところ、母上は自慢です。でもね、イルマールくんとリリスちゃんと同じで、今は将来の事を考えてお互いに離れて準備をしないと駄目な時なんだよ。だって、リューちゃんもシューちゃんもキリンちゃんもまだ子供なんだよ?」
「番が居ればリューはもっと幸せかなって・・・」
「ふふっ、シューちゃん。優しいね。リューちゃんはご飯のおかずは一番好きな物を最後に食べるでしょ?それと一緒。一番好きな物は最後にとっておきたいのよ」
「オレは直ぐに食べたい・・・きっと番が目の前にいたら直ぐ食べちゃう」
んーっ・・・これはこれは・・・。
シューちゃんのお嫁さんになる子は気をつけないと直ぐに食べられちゃうかも・・・。
こういう所はルーファス似なのかしら?性格はリューちゃんの方がルーファスに似てるけど、行動的な所はシューちゃんが似ちゃってるかも・・・。
「シューちゃん、母上と父上は番同士だから説得力は余りないですが、番だからっていきなりガブガブは駄目だよ?番って言っても気持ちもあるし、嫌われちゃうかもしれないからね?」
「でも、父上は番が目の前に居るのに手をこまねいているのは雄として情けないって言ってた」
「・・・父上の言葉は頭から追い出しなさい?ちゃんと順序だててお付き合いしてからにしなさいね?」
困った顔で首を傾げるシューちゃんに少し頭痛がしてきた・・・。
ルーファスが帰ってきたらちょっとお話しないといけない。絶対。
「リューちゃんの事はリューちゃんが決めるの。シューちゃんはこれ以上口出しを禁止します」
「えーっ、オレはただキリンさんと仲良くなりたいだけなんだけど」
「仲良くなるのは良い事だけど、リューちゃんの番ならリューちゃんは兄弟と言えど近寄って欲しくないと思うけどなぁ・・・狼族はそういうところあるでしょ?」
「だって、リューがもし本当にキリンさんが番じゃなかったらオレ付き合ってみたい!」
「ふぁっ?!!!」
んんん?!!!!
うちの息子さんが何か変な事言った気がするのはキノセイかな???
「シューちゃん・・・?それはどういう?」
「んーっ、何ていうか顔は好みなんだよね。自分の番じゃないのは匂いで分かってるから付き合いたいだけ」
「あー・・・シューちゃん。それはこれから出会うシューちゃんの番の子に悪いからやめなさい?」
「でも番って早々出会えないものだし、一生会えないって場合もあるんだから女の子と付き合っておきたいじゃない?」
「それは分からなくは無いけど、キリンちゃんは駄目です。リューちゃんの番なんだからシューちゃんもっと嫌われちゃうよ?」
「キュゥゥーン・・・」
リューちゃんがシューちゃんからキリンちゃんを遠ざけようとしているのはこのせいか・・・。
切なそうに鳴いても、こればかりは私も駄目としか言えない。
双子って好きになる人も同じってたまに聞くけど、そっかー、シューちゃんもキリンちゃんが好みの子なんだ。
「シューちゃん、シューちゃんがリューちゃんの番はキリンちゃんだって言ったんでしょ?ならシューちゃんの恋人になれないの解るよね?」
「それは解ってるー・・・」
「じゃあ、シューちゃん諦めようね?」
「オレもオレだけの番が欲しい・・・」
「うんうん。シューちゃんにもきっといい出会いがあるよ」
私の自慢の息子さんだから大丈夫。ルーファスそっくりのお顔もイケメンと花丸なのでシューちゃんは何もしなくてもモテると思うんだけど、この温泉大陸で同じ年頃の子って少ないし、シューちゃんは冒険に行く時は男の子友達やリューちゃんと組んで行くから女の子との出会い少ないんだよねー・・・。
「ところでシューちゃんの理想の女の子はどんな感じなの?」
「えーと、お料理上手でお日様みたいにぽかぽかしてる子がいい!」
「ならシューちゃんは冒険に色んな所に行くときにレストランとかで出会いを求めてみるとかかな?」
「レストランみたいに小洒落た物じゃない方が良いから大衆食堂みたいな場所を巡ってみようかな」
「うんうん。リューちゃんと冒険に行けない時はそういう所に行って出会いを求めなさい。そして母上に美味しかった料理を教えてくださいね?」
「うん。分かった!オレも番探す!」
ブンブンとシューちゃんの尻尾が揺れて元気が出た事を教えてくれる。
良かった。これでリューちゃんがキリンちゃんに会いに行ってる間もシューちゃんは寂しくないかな?
リューちゃんがキリンちゃんに会いに行く日は朝日が昇るくらいの時間で色々お料理を持たせて送り出した後、シューちゃんも最近は色んな大陸に番との出会いを求めて出歩いているんだけど、どうも途中から料理を求めてになってしまって・・・。
新しいスケッチブックをカバンに入れてシューちゃんは出掛けて行く。
スケッチブックは料理の絵や具材にお店の場所を書いてあって、既に10冊以上になってる。
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