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15章
妖精の居ない大陸
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庭の『竜の癒し木』が1本酷い状態になったのでアルビーとケルチャと一緒に新しい苗木を持ってきて庭に植えたのだけど・・・。
毎日お水をあげてはいたんだけど、不思議な程成長が凄くて3人で「土が良いのかな?」とニクストローブのお蔭かな?と感謝しつつ過ごして、今日も水をあげに行くとリューちゃんが苗木の前に居た。
「リューちゃんどうしたの?」
「あ、母上。随分、苗木が大きくなったなって思っただけ」
そう言ったリューちゃんの顔は少し優しい顔で、最近・・・というか、キリンちゃんを温泉大陸から追い出してから2ヶ月弱、触らぬ神に祟りなしという様にキリンちゃんの話題を出すとピリピリしていたけど、落ち着いてきたのかな?
「リューちゃん、ごめんね?あんなに皆で騒いじゃって、こういうの皆が周りで騒ぐと恥ずかしいし嫌だよね・・・ごめんね」
「・・・気にしてないよ。ただ、放っておいてくれたら有り難いかな?」
「でもねリューちゃん、番って大事な事だし一生物だから・・・心配っていうか・・・」
「母上、だから心配しないで良いってば」
少し片眉を上げて迷惑そうな顔をするリューちゃんにこれ以上は言わない方が良いのは解っているんだけど、これで良いのかな?後悔しないかな?ってずっと思ってて、ルーファスも「リューの決める事だ」って言うだけだし。
「うーっ、リューちゃん。ならせめてシューちゃんを許してあげて欲しいの」
あれ以来、リューちゃんはシューちゃんを「お節介焼き」と言ってキリンちゃんの事で必死になるシューちゃんに「いい加減にしてくれる?」と凄く冷たい態度を取るようになってしまって、シューちゃんはお耳ぺしゃんこにして「クゥーン」と悲しそうに背中を丸めてトボトボ歩くのを最近よく見る。
「許すも何も、別に怒ってないよ?ただ、シューがお節介しなきゃ良いの」
「シューちゃんはリューちゃんが心配なんだよ?『番消失』になったら助けてあげる事は難しいから」
「シューのお節介焼きは母上譲りだね。もぅ、これあげるから大人しくしてて」
リューちゃんが薄い緑色の小瓶を押し付けてきて「植物の成長促進剤」って言うとスタスタと家の方へ帰って行った。
「リューちゃん・・・怒らせちゃった・・・」
少ししつこかったかな?
薄い緑色の小瓶を持ってハァとため息を吐いて苗木に水やりをしていると、ケルチャとケイトが2階から飛んで降りて来る。
「今日も水やりお疲れ様ね」
「お疲れさま~」
「うん・・・」
「あら、元気ないわね?」
「だいじょうぶー?」
「ちょっとリューちゃん怒らせちゃって・・・」
ケルチャとケイトがよしよしと私の頭を撫でて「どんまい」と声をかけてくれる。
言えば言うほどリューちゃんが拗らせてしまいそうなのは解ってるのに、口出ししちゃうのはお節介だよね・・・。
でも、本当に心配なんだよ?
「あら?アカリ良い物持ってるわね」
「ジュース?」
「これ?リューちゃんがくれたの。植物の成長促進剤なんだって、ジュースじゃないよ」
チャポンと小瓶を揺らして見せるとケルチャが「へぇー」と言った後でニヤニヤしながら小瓶を開けて匂いを嗅いで指を回すと、小瓶から植物がポンポンと生えてくる。
「わっ!ケルチャなにこれ?!」
「ケイトもやって」
「はーい。兄さん」
ケイトも指を回すと小瓶から生えた植物に花がポポポンと咲いて小瓶の中からあふれ出た草花でミッシリ状態。
ズシンと、上から黒い物が落下してきたと思ったら、リューちゃんが庭に降りて来ていた。
「キリン?!」
「・・・リューちゃん?」
「あっ・・・」
リューちゃんの頬が少し赤くなると、ケルチャがニヤニヤしながら草花でミッシリになった小瓶をリューちゃんに振って見せる。
「アカリを苛めたら駄目よ?フフ」
「メッですよー」
ケルチャとケイトがリューちゃんにニヤニヤ笑いをしてリューちゃんが少し唇を噛みしめるとハァとため息を吐く。
「母上・・・」
「はい!」
「ハァー・・・内緒、だからね?」
よくわからないけど、コクコク頷くとリューちゃんがシャツのボタンを少し外して革紐にぶら下がった小さな皮袋を出して中身を見せてくれる。
綺麗なエメラルドの耳飾りが1つ。
何処かでみたような?
「キリンの耳飾りだよ」
「え?!」
「あれから何回かキリンと会ってる」
「えええ?!!」
「母上、声大きい」
「はわわ・・・ごめんなさい。でも、いつの間に?」
口元に両手をつけながらリューちゃんを見上げると、リューちゃんが目線を逸らしながら「教えない」と頬を赤くしている。
あらまぁ・・・リューちゃん、可愛いっ!
「母上、何か変な事思ったでしょ?」
「・・・いえいえ。でも、少し驚いちゃった」
「母上、内緒だからね?」
「それは良いんだけど、上手くいってるの?」
「・・・それはどういう意味で?」
少し胡散臭い物を見る様な目でリューちゃんにねめつけられて、ワタワタと手を振って「深い意味のあれじゃなくて」と慌てて言うと、リューちゃんが「プッ」と吹き出す。
「安心してよ。ちゃんと避妊はしてるから」
「へ?・・・ふぁぁああ!!リュ、リューちゃん?!」
わぁぁぁああ!!!
私の息子がぁあああ!!!
大人の階段上ってた・・・?
「冗談だよ。まぁ、キリンが『竜の癒し木』折ったお詫びにってソレくれたの」
リューちゃんが小瓶を指さして「もう、それどうするの?」と笑ってケルチャに言うとケルチャが指を鳴らすと、液体状に戻って小瓶の中に戻っていく。
「リューちゃん・・・母上をあんまり揶揄わないで!もぅ!」
「ごめん。でも、母上、僕が今キリンとどうこうなったら大変でしょ?だから無理やりくっつけようとか色々してほしくないんだ。僕はまだまだ覚える事もいっぱいあるし、人1人の人生を背負える程大人じゃないよ?まだ父上や母上の庇護下にある以上は迷惑を掛けてまで一緒になりたいとか思わない」
「はわわ・・・リューちゃん大人だね」
リューちゃんが少し眉を下げて「子供だって説明してるんだけどな」と、小さくため息を吐いて皮袋に耳飾りを仕舞うと、唇の上に人差し指をつける。
「内緒・・・だからね?そこの2人もね?」
ケルチャとケイトは「言いふらす程野暮じゃないわよ」と肩をすくめてみせる。
リューちゃんは「話はお終い」と、再び家の中に戻って行った。
私の息子さんは色々考えている様です・・・。
あ、でもシューちゃんがそれなら可哀想に思えるのは私だけかな?
でも、内緒って約束しちゃったから・・・言うわけにもいかないし、今日はシューちゃんの好きな物を作ってぺしゃんこのお耳を慰めてあげよう。
毎日お水をあげてはいたんだけど、不思議な程成長が凄くて3人で「土が良いのかな?」とニクストローブのお蔭かな?と感謝しつつ過ごして、今日も水をあげに行くとリューちゃんが苗木の前に居た。
「リューちゃんどうしたの?」
「あ、母上。随分、苗木が大きくなったなって思っただけ」
そう言ったリューちゃんの顔は少し優しい顔で、最近・・・というか、キリンちゃんを温泉大陸から追い出してから2ヶ月弱、触らぬ神に祟りなしという様にキリンちゃんの話題を出すとピリピリしていたけど、落ち着いてきたのかな?
「リューちゃん、ごめんね?あんなに皆で騒いじゃって、こういうの皆が周りで騒ぐと恥ずかしいし嫌だよね・・・ごめんね」
「・・・気にしてないよ。ただ、放っておいてくれたら有り難いかな?」
「でもねリューちゃん、番って大事な事だし一生物だから・・・心配っていうか・・・」
「母上、だから心配しないで良いってば」
少し片眉を上げて迷惑そうな顔をするリューちゃんにこれ以上は言わない方が良いのは解っているんだけど、これで良いのかな?後悔しないかな?ってずっと思ってて、ルーファスも「リューの決める事だ」って言うだけだし。
「うーっ、リューちゃん。ならせめてシューちゃんを許してあげて欲しいの」
あれ以来、リューちゃんはシューちゃんを「お節介焼き」と言ってキリンちゃんの事で必死になるシューちゃんに「いい加減にしてくれる?」と凄く冷たい態度を取るようになってしまって、シューちゃんはお耳ぺしゃんこにして「クゥーン」と悲しそうに背中を丸めてトボトボ歩くのを最近よく見る。
「許すも何も、別に怒ってないよ?ただ、シューがお節介しなきゃ良いの」
「シューちゃんはリューちゃんが心配なんだよ?『番消失』になったら助けてあげる事は難しいから」
「シューのお節介焼きは母上譲りだね。もぅ、これあげるから大人しくしてて」
リューちゃんが薄い緑色の小瓶を押し付けてきて「植物の成長促進剤」って言うとスタスタと家の方へ帰って行った。
「リューちゃん・・・怒らせちゃった・・・」
少ししつこかったかな?
薄い緑色の小瓶を持ってハァとため息を吐いて苗木に水やりをしていると、ケルチャとケイトが2階から飛んで降りて来る。
「今日も水やりお疲れ様ね」
「お疲れさま~」
「うん・・・」
「あら、元気ないわね?」
「だいじょうぶー?」
「ちょっとリューちゃん怒らせちゃって・・・」
ケルチャとケイトがよしよしと私の頭を撫でて「どんまい」と声をかけてくれる。
言えば言うほどリューちゃんが拗らせてしまいそうなのは解ってるのに、口出ししちゃうのはお節介だよね・・・。
でも、本当に心配なんだよ?
「あら?アカリ良い物持ってるわね」
「ジュース?」
「これ?リューちゃんがくれたの。植物の成長促進剤なんだって、ジュースじゃないよ」
チャポンと小瓶を揺らして見せるとケルチャが「へぇー」と言った後でニヤニヤしながら小瓶を開けて匂いを嗅いで指を回すと、小瓶から植物がポンポンと生えてくる。
「わっ!ケルチャなにこれ?!」
「ケイトもやって」
「はーい。兄さん」
ケイトも指を回すと小瓶から生えた植物に花がポポポンと咲いて小瓶の中からあふれ出た草花でミッシリ状態。
ズシンと、上から黒い物が落下してきたと思ったら、リューちゃんが庭に降りて来ていた。
「キリン?!」
「・・・リューちゃん?」
「あっ・・・」
リューちゃんの頬が少し赤くなると、ケルチャがニヤニヤしながら草花でミッシリになった小瓶をリューちゃんに振って見せる。
「アカリを苛めたら駄目よ?フフ」
「メッですよー」
ケルチャとケイトがリューちゃんにニヤニヤ笑いをしてリューちゃんが少し唇を噛みしめるとハァとため息を吐く。
「母上・・・」
「はい!」
「ハァー・・・内緒、だからね?」
よくわからないけど、コクコク頷くとリューちゃんがシャツのボタンを少し外して革紐にぶら下がった小さな皮袋を出して中身を見せてくれる。
綺麗なエメラルドの耳飾りが1つ。
何処かでみたような?
「キリンの耳飾りだよ」
「え?!」
「あれから何回かキリンと会ってる」
「えええ?!!」
「母上、声大きい」
「はわわ・・・ごめんなさい。でも、いつの間に?」
口元に両手をつけながらリューちゃんを見上げると、リューちゃんが目線を逸らしながら「教えない」と頬を赤くしている。
あらまぁ・・・リューちゃん、可愛いっ!
「母上、何か変な事思ったでしょ?」
「・・・いえいえ。でも、少し驚いちゃった」
「母上、内緒だからね?」
「それは良いんだけど、上手くいってるの?」
「・・・それはどういう意味で?」
少し胡散臭い物を見る様な目でリューちゃんにねめつけられて、ワタワタと手を振って「深い意味のあれじゃなくて」と慌てて言うと、リューちゃんが「プッ」と吹き出す。
「安心してよ。ちゃんと避妊はしてるから」
「へ?・・・ふぁぁああ!!リュ、リューちゃん?!」
わぁぁぁああ!!!
私の息子がぁあああ!!!
大人の階段上ってた・・・?
「冗談だよ。まぁ、キリンが『竜の癒し木』折ったお詫びにってソレくれたの」
リューちゃんが小瓶を指さして「もう、それどうするの?」と笑ってケルチャに言うとケルチャが指を鳴らすと、液体状に戻って小瓶の中に戻っていく。
「リューちゃん・・・母上をあんまり揶揄わないで!もぅ!」
「ごめん。でも、母上、僕が今キリンとどうこうなったら大変でしょ?だから無理やりくっつけようとか色々してほしくないんだ。僕はまだまだ覚える事もいっぱいあるし、人1人の人生を背負える程大人じゃないよ?まだ父上や母上の庇護下にある以上は迷惑を掛けてまで一緒になりたいとか思わない」
「はわわ・・・リューちゃん大人だね」
リューちゃんが少し眉を下げて「子供だって説明してるんだけどな」と、小さくため息を吐いて皮袋に耳飾りを仕舞うと、唇の上に人差し指をつける。
「内緒・・・だからね?そこの2人もね?」
ケルチャとケイトは「言いふらす程野暮じゃないわよ」と肩をすくめてみせる。
リューちゃんは「話はお終い」と、再び家の中に戻って行った。
私の息子さんは色々考えている様です・・・。
あ、でもシューちゃんがそれなら可哀想に思えるのは私だけかな?
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