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14章
狂った果実13
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ルーファスがバスローブを羽織り、ベッドに座ると朱里もベッドの上に座る。
ベッドに座ってからアカリがサイドボードの上に腕輪がある事に気付き「ココにあったのね」と、失くしたわけでは無かったことにホッと息を吐く。
胸開きのドレスに落ち着かず何度も胸元を直す朱里にルーファスがクスリと笑う。
「さて、アカリはどこから記憶がある?」
「えーと、家のリビングでギルさんに捕まったところから分からないです」
「と、いう事は初めからという感じだな」
ルーファスが朱里の頬に手を当てながら親指で頬を撫でると、朱里が撫でられた方の目を閉じる。
可愛いと呟きながら笑うルーファスの金色の髪と耳と尻尾に違和感がありながらも、朱里が頬をスリ寄せてジッとルーファスの言葉を待つ。
「以前、アカリが【病魔】の時に復興支援をしただろう?ミッカジュースの売り上げを他国に贈っていた時の話だが」
「はい。短い間でしたけどしてましたね。今回の事と関係あるの?」
「アカリはそれで【刻狼亭】の女将は慈善事業をした実績が出来ている」
「んーっ、そうなのかな?ただのボランティアな気がしますけど・・・」
「それと、今でも温泉鳥の支援活動はしているだろう?あれも慈善事業といえる」
「あの子達はうちの子という感じですから、ペットのお世話の延長線みたいな」
朱里らしいと笑ってルーファスが「今回の【魔果】事件は慈善家が狙われただろ?」と言い、朱里が頷く。
朱里を囮にする為にギルに朱里は捕まったのだと説明する。
「でも、私を囮にしても犯人が食いつくとは思わないけど・・・」
「食いつかせるために、慈善家が集まるパーティーに朱里を連れ回したんだ」
「じゃあこの格好も?」
ドレスの裾を持ってわさわさと朱里が動かすとルーファスが「可愛いお姫様みたいだろ?」とクスッと笑い朱里が自分のドレスを見ながら、「ふわふわなスカートはまぁ憧れなドレスだけど」と言って、でも一番はウェディングドレスだよねぇ・・・無理だけどとフゥっと笑う。
「犯人は何の目的で慈善家を狙ったの?」
「慈善事業をする人間と言うのは金に余裕のある奴だ。そして慈善事業という善行を行っている為に悪いイメージを嫌う。犯人の狙いはそこだ」
朱里が首を傾げて「よくわからない」という顔をすると、サイドボードの引き出しから封筒をルーファスが出して朱里に手渡す。
『男と夜遊びしているのを旦那に知られたくなければ、金を用意しろ』
「はい?えええ???」
封筒から出てきた紙を見て朱里がルーファスを見ると封筒にもう1枚入っている紙を見せる。
質の悪い紙にプリンターで写真を写したような写真には金髪でオールバックにしたルーファスと今着ているドレスとは違うドレスを着た朱里がキスをしているところが映し出されていた。
「えーと・・・これは?」
「犯人は見た物を紙にそのまま写せる能力を持っていてな。それを使って慈善家を脅して金をせしめていたらしい」
「能力の無駄遣い・・・いえ、なんでルーファスと私なのに脅迫されているの?髪の色が違うだけだし」
「オレは黒狼族だとしか世間は思ってないからな。だからこそ上手くいったわけだ」
「なら犯人捕まったんですか?」
「ああ。ちゃんと捕まえて吊し上げておいた」
「一件落着しているの?」
「一件落着して、朱里が正気に戻るのを待っていたところだ」
こてんと首を傾げてから、ハッと声を出してルーファスを見上げる。
「子供達は?!まさかまた1年とか言いませんよね?!」
「大丈夫だ。まだ1週間くらいだ。シューが世話をしているから心配は要らない」
「良かったー・・・って、あんまり良くないです!早くあの子達の所に帰ってあげないと!」
「そうだな。アカリも元に戻ったし、早く帰ってやらないとな」
記憶が無くなっている為に自分が何をしでかしたのかが気になるが、聞くのも怖いという気持ちの板挟みに朱里が「うーん」と唸り、ルーファスにズバッと聞くべきか悩む。
朱里の百面相に表情がコロコロ変わって可愛い番だ・・・と、ルーファスが頬を緩ませて少し前の正気を無くしていた朱里も可愛かったなと見つめると、目が合い朱里の眉が少し下がる。
「ニートライさんは【魔果】の効果が浄化されたら自分が何したか思い出してたよね?なんで私は記憶がスポンと無いの?」
「そのうち思い出すかもしれなが、アカリが【魔果】の実を残らず食べたからだろうな」
「残らず食べた?」
「ああ。【魔果】の匂いで少しやられていて犯人を捕まえた時に、美味しそうと言って全部食べたからな」
「私何してるのー!!」
「オレもそう思った。【魔果】は自分がしたいと思った欲望が抑えられなくなるものだからな。アカリはその時食べたいという欲に溺れたんだろうな」
「じゃあ、私もしかして正気じゃ無かった時、食い気に走ってたの?」
「その時その時で欲は変わるからな。まぁ、可愛い物だったぞ」
「い・・・一体どんな悪行を?」
ニッとルーファスが笑って朱里が口をハクハクしながら震えた。
ベッドに座ってからアカリがサイドボードの上に腕輪がある事に気付き「ココにあったのね」と、失くしたわけでは無かったことにホッと息を吐く。
胸開きのドレスに落ち着かず何度も胸元を直す朱里にルーファスがクスリと笑う。
「さて、アカリはどこから記憶がある?」
「えーと、家のリビングでギルさんに捕まったところから分からないです」
「と、いう事は初めからという感じだな」
ルーファスが朱里の頬に手を当てながら親指で頬を撫でると、朱里が撫でられた方の目を閉じる。
可愛いと呟きながら笑うルーファスの金色の髪と耳と尻尾に違和感がありながらも、朱里が頬をスリ寄せてジッとルーファスの言葉を待つ。
「以前、アカリが【病魔】の時に復興支援をしただろう?ミッカジュースの売り上げを他国に贈っていた時の話だが」
「はい。短い間でしたけどしてましたね。今回の事と関係あるの?」
「アカリはそれで【刻狼亭】の女将は慈善事業をした実績が出来ている」
「んーっ、そうなのかな?ただのボランティアな気がしますけど・・・」
「それと、今でも温泉鳥の支援活動はしているだろう?あれも慈善事業といえる」
「あの子達はうちの子という感じですから、ペットのお世話の延長線みたいな」
朱里らしいと笑ってルーファスが「今回の【魔果】事件は慈善家が狙われただろ?」と言い、朱里が頷く。
朱里を囮にする為にギルに朱里は捕まったのだと説明する。
「でも、私を囮にしても犯人が食いつくとは思わないけど・・・」
「食いつかせるために、慈善家が集まるパーティーに朱里を連れ回したんだ」
「じゃあこの格好も?」
ドレスの裾を持ってわさわさと朱里が動かすとルーファスが「可愛いお姫様みたいだろ?」とクスッと笑い朱里が自分のドレスを見ながら、「ふわふわなスカートはまぁ憧れなドレスだけど」と言って、でも一番はウェディングドレスだよねぇ・・・無理だけどとフゥっと笑う。
「犯人は何の目的で慈善家を狙ったの?」
「慈善事業をする人間と言うのは金に余裕のある奴だ。そして慈善事業という善行を行っている為に悪いイメージを嫌う。犯人の狙いはそこだ」
朱里が首を傾げて「よくわからない」という顔をすると、サイドボードの引き出しから封筒をルーファスが出して朱里に手渡す。
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「はい?えええ???」
封筒から出てきた紙を見て朱里がルーファスを見ると封筒にもう1枚入っている紙を見せる。
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「えーと・・・これは?」
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「能力の無駄遣い・・・いえ、なんでルーファスと私なのに脅迫されているの?髪の色が違うだけだし」
「オレは黒狼族だとしか世間は思ってないからな。だからこそ上手くいったわけだ」
「なら犯人捕まったんですか?」
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「一件落着しているの?」
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こてんと首を傾げてから、ハッと声を出してルーファスを見上げる。
「子供達は?!まさかまた1年とか言いませんよね?!」
「大丈夫だ。まだ1週間くらいだ。シューが世話をしているから心配は要らない」
「良かったー・・・って、あんまり良くないです!早くあの子達の所に帰ってあげないと!」
「そうだな。アカリも元に戻ったし、早く帰ってやらないとな」
記憶が無くなっている為に自分が何をしでかしたのかが気になるが、聞くのも怖いという気持ちの板挟みに朱里が「うーん」と唸り、ルーファスにズバッと聞くべきか悩む。
朱里の百面相に表情がコロコロ変わって可愛い番だ・・・と、ルーファスが頬を緩ませて少し前の正気を無くしていた朱里も可愛かったなと見つめると、目が合い朱里の眉が少し下がる。
「ニートライさんは【魔果】の効果が浄化されたら自分が何したか思い出してたよね?なんで私は記憶がスポンと無いの?」
「そのうち思い出すかもしれなが、アカリが【魔果】の実を残らず食べたからだろうな」
「残らず食べた?」
「ああ。【魔果】の匂いで少しやられていて犯人を捕まえた時に、美味しそうと言って全部食べたからな」
「私何してるのー!!」
「オレもそう思った。【魔果】は自分がしたいと思った欲望が抑えられなくなるものだからな。アカリはその時食べたいという欲に溺れたんだろうな」
「じゃあ、私もしかして正気じゃ無かった時、食い気に走ってたの?」
「その時その時で欲は変わるからな。まぁ、可愛い物だったぞ」
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