黒狼の可愛いおヨメさま

ろいず

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14章

狂った果実2 ※R18

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 布団の上で仰向けにされて性急に求められる様に受け入れて出し入れを繰り返される行為に、いつもの優しさが少し欠けていたが、それでも快感は上り詰めて、あと少しでイキそうだと思った瞬間、引き抜かれた。

「あ・・・っ」
 張り詰めた熱く硬い物が朱里の中から出てお腹の上に精液が掛けられる。
ルーファスが搾り取る様に自分の物を握った後、その手で朱里の腹の上に塗り付ける様に広げていく。

「ふぅ・・・あっ、お腹押しちゃ、いやぁ・・・くぅ」
「オレの匂いで上書きしているだけだ」

 粘着質な白い液体を塗り込める様に手で押されるだけで、今まで胎内に出入りしていた余韻でキュウキュウとお腹の中が切なく凝縮を繰り返してビクビクと下半身が動いてしまう。

「アカリ、オレの可愛い番。オレのアカリ、他の雄になんぞやらん」

 塗り広げ終わると、ルーファスに抱きしめられて耳元で何度も囁かれる。
布越しとはいえ、確かに気色は悪かったが、ルーファスをこんな風にさせてしまうほど、他の人の匂いが自分についてしまったのだろうか?と、少し申し訳なくも思う。

「んっ・・・ちゃんと、ルーファスの匂いになりましたか?」
「まだだ。まだ中にも匂いをつけないと」

 足を左右にまた開かされて、蜜口に押し当てられると、既に受け入れてとろとろになっている蜜壺は拒むことなく深く受け入れる。

「あああっ、奥まで、んっあっ・・・一気に入れるなんて・・・」
「アカリの外も中もオレの匂いで埋め尽くさないと駄目だ」
「ふぁっ、うん・・・ルーファスでいっぱいに、してぇ・・・あんっ、んっ」

 腰を両手で持たれて押し付ける様に奥まで突き上げては入り口ギリギリまで引きと、繰り返される力強さに引っ張られないよう、布団を両手で握りしめ直す。

「あっ、はぁっ、んっ、激しっ・・・あっうっ」
「もう他の雄の匂いをつけるな、つけさせるな。わかったか?アカリ」
「んっ、はい・・・っああっ」
 
 返事をすると、掻き抱くように抱きしめられて最奥に熱い飛沫が放たれ、キュッと膣内の肉壁が締まっていく。
出された物を自分の中から出さないように、中でルーファスがピクピクと動いているのも感じられる。
ルーファスが胸の谷間に顔を埋めて息を吐くと、布団から手を離してルーファスの髪を撫でる。

「んっはぁ・・・これでルーファスだけの私ですよ?」 
「ああ。オレだけのアカリだ」

 少し考えて胸を揉むとじわっと出た母乳をルーファスの鼻先に指でつける。

「これでルーファスも私の匂いです」

 ルーファスが一瞬驚いた顔をした後で苦笑いして、唇を重ねるとようやくルーファスの尻尾が左右に揺れ始める。
抱き上げられて薬湯の温泉に2人で浸かり、ルーファスの膝の上でキスを交わしながら、ようやくいつものルーファスの目に戻ったのを確認して朱里が微笑む。

 
「こんな事言いたくは無いが、襲われたのがアカリで助かった・・・」
「え・・・?どういう事?」

 ルーファスがギリッと歯を噛みしめながら、眉間にしわを寄せて朱里を抱きしめる。
首筋にルーファスの唇があたりチュゥっとキツく吸いついて白い首筋に赤い華を咲かせる。

「あの客は番を失った『番消失ロスト』の後も生きていくべきだと番を失った人々を励まし支えてる支援活動をしている人物で、自分自身も『番消失』している人だ」
「番を失う・・・?」
「ああ、オレの父上の様に母上が亡くなり生きる活力を無くした者の事だ。ハガネの様に番に出会えたのに番には家庭があり、諦めるしか無かった者も『番消失』だ」
「でも、なんでそんな人が私に変な事をして、私で助かったって話になるの?」

 首を傾げる朱里にルーファスが小さくため息を吐いて唇を噛みしめる。

「あの客は明らかにおかしかっただろ?」
「なんか変態でした・・・すごく怖かった・・・ティルも私も押しつぶされて死んじゃうかと思った」
「チッ・・・やはり、引き受けるんじゃなかった・・・」

 舌打ちをしてルーファスが鼻にしわを寄せながらグルルと唸り声をあげて、朱里の頭に頬を擦り付ける。
朱里の手を握り、少しお湯でふやけた指をなぞり、湯船から上がると乾燥魔法を掛ける。

「着替えてから話の続きをしよう。このままだとオレが怒りでのぼせそうだ」
「はい」

 ルーファスの持って来た着替えの白い着物に袖を通して朱色の帯を締め、髪を簪に巻き付けて上で簪を髪の中に入れてまとめ上げて、【刻狼亭】の女将スタイルになると、お茶を淹れてルーファスの前に差し出して自分もお茶に口を付ける。
 ルーファスもお茶に口を付けてから口を開く。

「あの客人はさっき説明したが『番消失』の支援をしている人物の最高権力者だ。普段のあの男は温和で平和主義で何より、人の心に寄り添うような心の持ち主だ」
「見せかけだけ・・・とかじゃないんですよね?」
「ああ。あの症状は【魔果】の影響だ」
「マカ・・・?」
「魔の果実で魔果。人の心を惑わせ狂わせる実だ」

 それは何だろう?と首を傾げる朱里にルーファスが懐から果実の杏子に似た実の絵が描いてある紙をテーブルの上に乗せる。

「『踊り子』の【魅了】と同じで番や主君が居る者には効き目は薄いが、番の居ない者や『番消失』した者にとっては影響が出てしまう。この果実が成る木はずっと昔に封印されているが・・・どうやら封印を解いた奴がいたらしくてな・・・重要な人物が何人か【魔果】で狂わされている」
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