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14章
狂った果実 ※微々
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薬湯の温泉に浸かりながらティルナール用に持ち込まれている大きな桶に薬湯のお湯を張り、熱さを確認しながらティルナールを浸からせる。
首の座ってない子供をお風呂に入れるのは中々に怖い作業ではあるが、最近は慣れもあってか手慣れた感じではある。ティルナールが大人しい子で良い子にしているのもある。
病弱ではあるけれど基本手を煩わせたりはしない。
エルシオンは沐浴させると血の巡りが良いせいか魔力の巡りが良くなるので沐浴が好きで、ルーシーは顔にお湯を掛けられるのが苦手なのか顔にお湯が掛かって以来、沐浴をすると泣く様になった為に少し沐浴の時は大変だったりする。
「ティル、火属性アレルギー早く治るといいね」
火属性アレルギーは火属性の人間に触られるだけでも火脹れが出来てしまったりするので、ミルアとナルアはティルナールに触る事が出来ていない。
ティルナールが泣いている時に撫でて落ち着かせてあげる事すら彼女たちには出来ないので、ティルナールの事に関してはミルアもナルアも近くに大人か兄達が居なければ不用意に近づいたりしない。
代わりにルーシーが構い倒されている節もある。
エルシオンに関してはルーシー程構いたいとは思わないのか少し距離がある。
ハガネに言わせれば「今まで自分達が構われていたのが、病弱で構われる弟たちが出来て大人はそっちを構う、自分達はどうするか・・・で、自分達の様に大人にも兄達にも構われていないルーシーは自分達が構ってあげなくては・・・ってとこだろう。ティルやエルには大人に兄が付いているのだから自分達はルーシーの味方だって思ってるんだろ?他の2人を構うのはルーシーへの裏切りみたいな感じでさ。まぁ、本人たちはそこまで意識してねぇだろうけどな」とハガネの見立てではそう思えるらしい。
兄弟が多くなればこうした感情は真ん中が持ちやすい気持ちだから仕方がない。と、ハガネは言っていたが、ハガネは一体どんな家族構成だったのか謎な所である。
妹さんが居たのは聞いた事はあるが・・・ハガネに言わせれば、人生は長く生きてりゃその分、学ぶことも多くなると言っていた。
朱里には何となくわかる様な分からないような?でも、子供達には仲良くいて欲しいと思う。
「ティル気持ちいい?」
「ぅー」
ティルナールの小さな声にそろそろ上がらなきゃと、温泉から出てティルナールを抱き上げ浴室を出ると丁度ルーファスが着替えを持って戻ってきたところだった。
「ルーファス、ティルをお願いできますか?桶のお湯を捨てておきたいので」
「ああ。分かった」
ティルナール用に用意した吸水性の良いタオルに包んでルーファスに渡し、桶のお湯を捨て立てかけてから戻るとルーファスが朱里に乾燥魔法を掛ける。
「ふふ。ありがとう」
「どういたしまして」
相変わらず魔法が使えない朱里にはこうした生活魔法は大変ありがたいもので、しばし思う。
『眠れる賛華』に乾燥魔法を入れて自分に使うと手間が1つ減るかもしれない・・・と。
用意しておいた浴衣をサッと着て、ティルナールの着替えを手伝いをしに行くと、ティルナールの姿が無い事にルーファスを見上げる。
「ティルはリュエールに預けた」
「いつの間に」
「湯冷ましを飲ませておくように言っておいたからリューに任せておけばいい」
「まぁ、リューちゃんなら心配はありませんけど・・・んっ」
覆いかぶさる様に気付いた時には唇は塞がれていて、ぬろっとした舌が口内に忍び込んでいた。
荒々しく噛みつく様なキスが繰り返され、先程のルーファスが少し怖い感じがしたのは気のせいでは無かったと思い知る。
「ふぁ、んっ・・・んっ、ルー、んんっ」
息継ぎがが上手く出来ずに直ぐに息が上がり、肩で息をしていると浴衣を左右に開かれ素肌が外気にさらされて、小さく乱暴で性急なやり方に「ううっ」と、くぐもった声が出る。
腰を抱き上げられて鳩尾からへその下の方までルーファスに顔を近づけられて、何をする気なのかと、心臓をバクバクと言わせながらルーファスを見下ろす。
「何・・・?」
「あの客の雄の匂いがアカリについたのが消えたか調べている」
ビクッと体が反応し、着物越しに服に押し当てられただけなのに、そんな事も判るのかと獣人の鼻はどうなっているの?と、思ってしまう。
壁に押し付けられる様にルーファスに腹部に噛みつく様なキスを繰り返される。
「ひあっ、やめ・・・っ、怖いよ・・・っ」
「アカリは悪くない・・・でも、他の雄の匂いが付いたのが許せない・・・っ」
ギリッとルーファスの口の中から歯を噛みしめる音がルーファス自身の悔しさの音なのだと、ルーファスの頭に手を乗せて撫でると、ルーファスが顔を上げて目が合う。
「あのお客さんに壁に押し付けられたの・・・だから、これは怖いの。ルーファスの匂いいっぱい付けて欲しいけど、これはやめて欲しい、かな?」
「アカリ・・・」
啄むようなキスを繰り返して抱き上げられると、ゆっくりと和室に用意されている布団の上に下ろされて抱きしめられると、軽く帯を結んだだけの浴衣が取り払われた。
首の座ってない子供をお風呂に入れるのは中々に怖い作業ではあるが、最近は慣れもあってか手慣れた感じではある。ティルナールが大人しい子で良い子にしているのもある。
病弱ではあるけれど基本手を煩わせたりはしない。
エルシオンは沐浴させると血の巡りが良いせいか魔力の巡りが良くなるので沐浴が好きで、ルーシーは顔にお湯を掛けられるのが苦手なのか顔にお湯が掛かって以来、沐浴をすると泣く様になった為に少し沐浴の時は大変だったりする。
「ティル、火属性アレルギー早く治るといいね」
火属性アレルギーは火属性の人間に触られるだけでも火脹れが出来てしまったりするので、ミルアとナルアはティルナールに触る事が出来ていない。
ティルナールが泣いている時に撫でて落ち着かせてあげる事すら彼女たちには出来ないので、ティルナールの事に関してはミルアもナルアも近くに大人か兄達が居なければ不用意に近づいたりしない。
代わりにルーシーが構い倒されている節もある。
エルシオンに関してはルーシー程構いたいとは思わないのか少し距離がある。
ハガネに言わせれば「今まで自分達が構われていたのが、病弱で構われる弟たちが出来て大人はそっちを構う、自分達はどうするか・・・で、自分達の様に大人にも兄達にも構われていないルーシーは自分達が構ってあげなくては・・・ってとこだろう。ティルやエルには大人に兄が付いているのだから自分達はルーシーの味方だって思ってるんだろ?他の2人を構うのはルーシーへの裏切りみたいな感じでさ。まぁ、本人たちはそこまで意識してねぇだろうけどな」とハガネの見立てではそう思えるらしい。
兄弟が多くなればこうした感情は真ん中が持ちやすい気持ちだから仕方がない。と、ハガネは言っていたが、ハガネは一体どんな家族構成だったのか謎な所である。
妹さんが居たのは聞いた事はあるが・・・ハガネに言わせれば、人生は長く生きてりゃその分、学ぶことも多くなると言っていた。
朱里には何となくわかる様な分からないような?でも、子供達には仲良くいて欲しいと思う。
「ティル気持ちいい?」
「ぅー」
ティルナールの小さな声にそろそろ上がらなきゃと、温泉から出てティルナールを抱き上げ浴室を出ると丁度ルーファスが着替えを持って戻ってきたところだった。
「ルーファス、ティルをお願いできますか?桶のお湯を捨てておきたいので」
「ああ。分かった」
ティルナール用に用意した吸水性の良いタオルに包んでルーファスに渡し、桶のお湯を捨て立てかけてから戻るとルーファスが朱里に乾燥魔法を掛ける。
「ふふ。ありがとう」
「どういたしまして」
相変わらず魔法が使えない朱里にはこうした生活魔法は大変ありがたいもので、しばし思う。
『眠れる賛華』に乾燥魔法を入れて自分に使うと手間が1つ減るかもしれない・・・と。
用意しておいた浴衣をサッと着て、ティルナールの着替えを手伝いをしに行くと、ティルナールの姿が無い事にルーファスを見上げる。
「ティルはリュエールに預けた」
「いつの間に」
「湯冷ましを飲ませておくように言っておいたからリューに任せておけばいい」
「まぁ、リューちゃんなら心配はありませんけど・・・んっ」
覆いかぶさる様に気付いた時には唇は塞がれていて、ぬろっとした舌が口内に忍び込んでいた。
荒々しく噛みつく様なキスが繰り返され、先程のルーファスが少し怖い感じがしたのは気のせいでは無かったと思い知る。
「ふぁ、んっ・・・んっ、ルー、んんっ」
息継ぎがが上手く出来ずに直ぐに息が上がり、肩で息をしていると浴衣を左右に開かれ素肌が外気にさらされて、小さく乱暴で性急なやり方に「ううっ」と、くぐもった声が出る。
腰を抱き上げられて鳩尾からへその下の方までルーファスに顔を近づけられて、何をする気なのかと、心臓をバクバクと言わせながらルーファスを見下ろす。
「何・・・?」
「あの客の雄の匂いがアカリについたのが消えたか調べている」
ビクッと体が反応し、着物越しに服に押し当てられただけなのに、そんな事も判るのかと獣人の鼻はどうなっているの?と、思ってしまう。
壁に押し付けられる様にルーファスに腹部に噛みつく様なキスを繰り返される。
「ひあっ、やめ・・・っ、怖いよ・・・っ」
「アカリは悪くない・・・でも、他の雄の匂いが付いたのが許せない・・・っ」
ギリッとルーファスの口の中から歯を噛みしめる音がルーファス自身の悔しさの音なのだと、ルーファスの頭に手を乗せて撫でると、ルーファスが顔を上げて目が合う。
「あのお客さんに壁に押し付けられたの・・・だから、これは怖いの。ルーファスの匂いいっぱい付けて欲しいけど、これはやめて欲しい、かな?」
「アカリ・・・」
啄むようなキスを繰り返して抱き上げられると、ゆっくりと和室に用意されている布団の上に下ろされて抱きしめられると、軽く帯を結んだだけの浴衣が取り払われた。
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