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13章
ポードレッタイト
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ブンッと風を切る音とバキバキと枝がしなって折れていく。
木の枝を足場に逃げ回る人影を猿の魔獣モンキーバーンが追って物を投げつけていく。
モンキーバーンは黄色い体毛をした猿で1メートルくらいの大きさの魔獣で、お腹がポッコリと膨らんだ猿。
このお腹のポッコリ部分に色んな物を貯めていて、外敵が近寄ると投げつけてくる習性がある。
魔獣の危険度はCランクでそれ程強い魔獣ではない。
強くはない理由の1つがポッコリお腹の中の備蓄が無くなると攻撃を止めて巣に戻って行ってしまうからだ。
「今投げつけられた物はハズレだな」
「あらら、残念ですね」
ルーファスが折れた枝に突き刺さった素材を手に取り、ポイッと捨てる。
朱里は両手で×印を作り、朱里達を覗いている【風雷商】のアシュレイに知らせる。
【風雷商】にポードレッタイトの加工をお願いに行ったところ、入手経路等を聞かれて素直に教えた所、場所が温泉大陸を経由して船を出さなければいけない場所な事から、高速船【刻狼丸】を出しアシュレイを連れて無人島へ来たのである。
この無人島にポードレッタイトが眠っているとしたら、島を買い取り、ポードレッタイトの価値を下げない様に市場を調整する必要があるのだとアシュレイは言い、今回、無人島を案内して調査に協力する事で、お願いしたポードレッタイトの加工代金などはチャラにしてもらえるので喜んで協力する事にした。
しかし、やはり魔獣が拾った物なので何処で拾ったかもわからない物な上、確実に持っているわけでは無い。
ほぼゴミの様な素材を投げつけられているのである。
「偶然手に入れた物だからこればかりは仕方が無いよね」
「まぁ、今日1日付き合えば料金が無料になるのだから1日付き合って、精々アシュレイを無料でコキ使ってやろう」
クククッとルーファスが笑い、朱里の腰を持ち上げて腕に乗せて再びモンキーバーンを追う。
モンキーバーンに物を投げられる囮役は【刻狼亭】の元気印タマホメとメビナで、交互に囮をしては木々を跳ねる様に駆けていっている。
「お給金あっぷ~」
「お給金あげあげ」
タマホメとメビナは鼻歌交じりに今回の囮役でお給金アップの話が出たので上機嫌でモンキーバーンの前をピョンピョン飛び回っている。
上機嫌な狐尻尾はくるくると回り、気を付けなくてはモンキーバーンを引き離し過ぎてしまうくらいの足の軽さである。
「2人共ペースを速め過ぎだな」
「お給金アップ嬉しかったんですね。ふふっ」
2人の後を追いながら投げつけられた素材を再び調べるものの、相変わらずいい物は出ない。
結局、丸一日モンキーバーンに追われ追い回しと過ごしたが、ポードレッタイトは発見できずに終わった。
アシュレイのタダ働きが決定し、諦めのつかないアシュレイが無人島を買い取り、大々的な調査をするらしい。
それ程までに魔法通信に使える宝石は希少で出回らない品なのである。
朱里が注文したポードレッタイトは半分を加工に回し、半分は原石のまま死蔵されることになった。
将来、子供やその子供達が使う事があれば使えばいいだろうという考えで死蔵された。
半分加工した物も、25個の装飾品に埋め込まれ、1つ大白金貨6枚分以上の価値になった。
1つはリュエールへ、1つはシュトラールへ、1つはハガネへ、1つはドラゴン達へ、身内との連絡用へ配られ、2つはほんの少し未来のミルアとナルアへ残してある。
案の定、2人は今すぐ自分達も欲しいと騒いだので、そこは一枚上手な朱里が白同化5枚(500円)程のローズクォーツのクズ石で出来た玩具のブレスレットを2人に渡し、誤魔化したのである。
仲間外れは可哀想ですからね。と、言うのもあるが、子供に持たせるには少しばかり金額がヤバいお値段なので玩具にして何処かへほっぽり出されては怖い物があるのである。
玩具のブレスレットは2人が大事にするかどうかの見定めで、失くした時点で渡す時期を考慮する判断材料にするつもりらしい。
朱里の考えにルーファスも異論はない為にミルアとナルアには早めに持たせようとは言わない。
何より、ルーファス自体、ミルアとナルアを1人で出歩かせるつもりは無いので、まだ不要だと思っている。
残りのポードレッタイトの装飾品は、そのうち【刻狼亭】の従業員に持たせることもあるかもしれないが、今のところは死蔵品という形でルーファスの手の平に仕舞われている。
アシュレイが【風雷商】の従業員を引き連れて無人島の大々的な調査を始めたらしいが、ポードレッタイトは発見できず終わっている。
ただ、無人島で生息しているモンキーバーンが手にしたという事は何処かにあるのかもしれないと調査は続けるらしい。
木の枝を足場に逃げ回る人影を猿の魔獣モンキーバーンが追って物を投げつけていく。
モンキーバーンは黄色い体毛をした猿で1メートルくらいの大きさの魔獣で、お腹がポッコリと膨らんだ猿。
このお腹のポッコリ部分に色んな物を貯めていて、外敵が近寄ると投げつけてくる習性がある。
魔獣の危険度はCランクでそれ程強い魔獣ではない。
強くはない理由の1つがポッコリお腹の中の備蓄が無くなると攻撃を止めて巣に戻って行ってしまうからだ。
「今投げつけられた物はハズレだな」
「あらら、残念ですね」
ルーファスが折れた枝に突き刺さった素材を手に取り、ポイッと捨てる。
朱里は両手で×印を作り、朱里達を覗いている【風雷商】のアシュレイに知らせる。
【風雷商】にポードレッタイトの加工をお願いに行ったところ、入手経路等を聞かれて素直に教えた所、場所が温泉大陸を経由して船を出さなければいけない場所な事から、高速船【刻狼丸】を出しアシュレイを連れて無人島へ来たのである。
この無人島にポードレッタイトが眠っているとしたら、島を買い取り、ポードレッタイトの価値を下げない様に市場を調整する必要があるのだとアシュレイは言い、今回、無人島を案内して調査に協力する事で、お願いしたポードレッタイトの加工代金などはチャラにしてもらえるので喜んで協力する事にした。
しかし、やはり魔獣が拾った物なので何処で拾ったかもわからない物な上、確実に持っているわけでは無い。
ほぼゴミの様な素材を投げつけられているのである。
「偶然手に入れた物だからこればかりは仕方が無いよね」
「まぁ、今日1日付き合えば料金が無料になるのだから1日付き合って、精々アシュレイを無料でコキ使ってやろう」
クククッとルーファスが笑い、朱里の腰を持ち上げて腕に乗せて再びモンキーバーンを追う。
モンキーバーンに物を投げられる囮役は【刻狼亭】の元気印タマホメとメビナで、交互に囮をしては木々を跳ねる様に駆けていっている。
「お給金あっぷ~」
「お給金あげあげ」
タマホメとメビナは鼻歌交じりに今回の囮役でお給金アップの話が出たので上機嫌でモンキーバーンの前をピョンピョン飛び回っている。
上機嫌な狐尻尾はくるくると回り、気を付けなくてはモンキーバーンを引き離し過ぎてしまうくらいの足の軽さである。
「2人共ペースを速め過ぎだな」
「お給金アップ嬉しかったんですね。ふふっ」
2人の後を追いながら投げつけられた素材を再び調べるものの、相変わらずいい物は出ない。
結局、丸一日モンキーバーンに追われ追い回しと過ごしたが、ポードレッタイトは発見できずに終わった。
アシュレイのタダ働きが決定し、諦めのつかないアシュレイが無人島を買い取り、大々的な調査をするらしい。
それ程までに魔法通信に使える宝石は希少で出回らない品なのである。
朱里が注文したポードレッタイトは半分を加工に回し、半分は原石のまま死蔵されることになった。
将来、子供やその子供達が使う事があれば使えばいいだろうという考えで死蔵された。
半分加工した物も、25個の装飾品に埋め込まれ、1つ大白金貨6枚分以上の価値になった。
1つはリュエールへ、1つはシュトラールへ、1つはハガネへ、1つはドラゴン達へ、身内との連絡用へ配られ、2つはほんの少し未来のミルアとナルアへ残してある。
案の定、2人は今すぐ自分達も欲しいと騒いだので、そこは一枚上手な朱里が白同化5枚(500円)程のローズクォーツのクズ石で出来た玩具のブレスレットを2人に渡し、誤魔化したのである。
仲間外れは可哀想ですからね。と、言うのもあるが、子供に持たせるには少しばかり金額がヤバいお値段なので玩具にして何処かへほっぽり出されては怖い物があるのである。
玩具のブレスレットは2人が大事にするかどうかの見定めで、失くした時点で渡す時期を考慮する判断材料にするつもりらしい。
朱里の考えにルーファスも異論はない為にミルアとナルアには早めに持たせようとは言わない。
何より、ルーファス自体、ミルアとナルアを1人で出歩かせるつもりは無いので、まだ不要だと思っている。
残りのポードレッタイトの装飾品は、そのうち【刻狼亭】の従業員に持たせることもあるかもしれないが、今のところは死蔵品という形でルーファスの手の平に仕舞われている。
アシュレイが【風雷商】の従業員を引き連れて無人島の大々的な調査を始めたらしいが、ポードレッタイトは発見できず終わっている。
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