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11章
Ke&Li
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400年前の技術というより、現代の技術と見た目を追求した外観の下着専門店【Ke&Li】を目の前に朱里がポカンと口を開けた。
「どう見ても普通にランジェリーショップ・・・大人バージョン・・・」
外から見えるガラス張りのショーウィンドウにはマネキンがセクシーな下着を付けて並んでいる。
多種多様な種族がいるので獣人は勿論、竜人や水人など骨格が少し違う種族の下着も取り扱っているのが判る。
ちなみに朱里が見ているのは女性専門の方で、男性専門の方は2階になる。
子供用の下着は男性用の下着売り場に行く階段の少し前にあるので、男親が子供の下着を買いに1階に居ても大丈夫なように配慮されている。
大抵は、他の服屋に委託販売している為に本店まで来ることはあまりない。
むしろ、下着はこのメーカーの物しかないとは思わないぐらいに売っている所は多いし、種類も豊富で取り寄せやセクシーな物だけを扱う店もあるぐらいだから、早々このメーカーが全てを請け負っているとは思わない。
店員は四角いロボットが2台居て、監視カメラが店の四隅にある。
どう見ても現代技術と近未来技術としか思えない。
昨日、ギルが「【Ke&Li】に行ってみればケンジ・タナカがどうなったかを調べられるかもしれませんしね」と、いう一言でギル・リル・朱里・ルーファスの4人で訪れてみたのである。
未来に関わると不味いとは言うものの、ケンジの日記では既にリルへ至る朱里の役目はほぼ終わっているらしいから大丈夫だろうという事と、ギルが朱里を連れて行きたがったのでルーファスも付いて行くと聞き入れず、この4人になった。
子供達の面倒はドラゴン達とハガネが見てくれるので、ありすの事も今日はハガネにお任せしている。
ありすも来たがっていたが、ありすはリロノスが駄目だと言い張って来れなかった。
「ギルさん変な事しないでくださいね?このお店監視されているので直ぐにバレますからね」
ギルがロボットの店員を見下ろしているのを見て朱里が声を掛けると、ギルがそっと足を引っ込める。
大方、ロボットの反応を見ようと手(足)を出してみようとしたのであろう。
油断も隙もない男である。
ギルの行動に「まったく」と、朱里が思って居たらリルがもう1台のロボット店員をバシバシ叩いている。
「ちょっ!リルさん何やってるんですか?!」
『監視されているなら、こうして相手を呼び出す。ケンジ出てきなさい!』
「意外と行動的というか・・・攻撃的なんですね・・・」
ひぇぇと朱里が後ずさるとルーファスが「他人の振りをしておけ」と朱里を連れて少し離れると店の出入り口に鉄の格子ガラガラピシャンと落りて店に閉じ込められた状態にされる。
『はーい!お客さん、うちの可愛い子ちゃんに手を出すのは禁止です!』
少し陽気な男の声が店内にアナウンスされ、巨大モニターがカウンターから出てくる。
無造作に伸びた黒髪で目元が見えず、口元だけが笑っている若い男がモニターに映る。
『ケンジ!出てきなさい!話があります!』
リルが携帯で文字を打ちスマートフォンで音声を出してプリプリと怒った表情をすると、モニターの中の男がズイッと画面を覗き込む。
『アレ?!リル?!何でリルが居るんだ?!』
『それはこっちのセリフです!私を元居た時代へ返しなさい!』
手をブンブンを上下に動かしリルが怒ってますアピールをするとケンジが『怒ってる顔も可愛い』と言い、余計リルがロボットをバシバシと叩く。
『リル~、うちの子叩くの止めて。直ぐにそっちに行くから。ええと、時代はどの時代だっけ?』
モニター越しでバタバタと音を立て「服どこだっけ?」「時代の資料は・・・どこだっけ?」とハイテンションで騒いでいる。
『1分1秒!直ぐに来なさい!』
『あはは。リルに叱られるのも懐かしいな・・・いや、そうでもないか』
嬉しそうにケンジが口元に孤を描くと、リルが嫌そうな顔をしてモニターを睨みつける。
「私、リルさんとケンジさんはもっと恋人みたいな甘い感じかと思ってました」
「いや、アカリよく見ろ。リルの尻尾の振り方を」
朱里が見るとリルの尻尾はブンブンと左右に揺れて嬉しそうにしている。
顔と態度では怒りながらも尻尾は喜びを表す・・・なんてツンデレ?!と朱里が思って居ると、店の出入り口の鉄格子が上に上がり、店の外から朱里には懐かしい服装をした男が入ってくる。
着古したよれて伸びた薄手のトレーナーを着て、すり切れたジーンズに古ぼけたスニーカーを履いたモサっとした髪のひょろ長い男。
身長はルーファスと大差ないかもしれない。
男が手を広げて走ってくるとガシッと朱里を抱き込み「会いたかったよー!リル!」と言い、ルーファスとリルがバシッと男を叩く。
『ケンジ!』
「人の番に何をしてるんだこいつは!」
怒るリルとルーファスとは対照的にケンジは「あははは。ジョークだってば」と明るい声を出す。
「あの・・・離してください」
とりあえず朱里もケンジの腕をバシバシ叩いておいた。
「どう見ても普通にランジェリーショップ・・・大人バージョン・・・」
外から見えるガラス張りのショーウィンドウにはマネキンがセクシーな下着を付けて並んでいる。
多種多様な種族がいるので獣人は勿論、竜人や水人など骨格が少し違う種族の下着も取り扱っているのが判る。
ちなみに朱里が見ているのは女性専門の方で、男性専門の方は2階になる。
子供用の下着は男性用の下着売り場に行く階段の少し前にあるので、男親が子供の下着を買いに1階に居ても大丈夫なように配慮されている。
大抵は、他の服屋に委託販売している為に本店まで来ることはあまりない。
むしろ、下着はこのメーカーの物しかないとは思わないぐらいに売っている所は多いし、種類も豊富で取り寄せやセクシーな物だけを扱う店もあるぐらいだから、早々このメーカーが全てを請け負っているとは思わない。
店員は四角いロボットが2台居て、監視カメラが店の四隅にある。
どう見ても現代技術と近未来技術としか思えない。
昨日、ギルが「【Ke&Li】に行ってみればケンジ・タナカがどうなったかを調べられるかもしれませんしね」と、いう一言でギル・リル・朱里・ルーファスの4人で訪れてみたのである。
未来に関わると不味いとは言うものの、ケンジの日記では既にリルへ至る朱里の役目はほぼ終わっているらしいから大丈夫だろうという事と、ギルが朱里を連れて行きたがったのでルーファスも付いて行くと聞き入れず、この4人になった。
子供達の面倒はドラゴン達とハガネが見てくれるので、ありすの事も今日はハガネにお任せしている。
ありすも来たがっていたが、ありすはリロノスが駄目だと言い張って来れなかった。
「ギルさん変な事しないでくださいね?このお店監視されているので直ぐにバレますからね」
ギルがロボットの店員を見下ろしているのを見て朱里が声を掛けると、ギルがそっと足を引っ込める。
大方、ロボットの反応を見ようと手(足)を出してみようとしたのであろう。
油断も隙もない男である。
ギルの行動に「まったく」と、朱里が思って居たらリルがもう1台のロボット店員をバシバシ叩いている。
「ちょっ!リルさん何やってるんですか?!」
『監視されているなら、こうして相手を呼び出す。ケンジ出てきなさい!』
「意外と行動的というか・・・攻撃的なんですね・・・」
ひぇぇと朱里が後ずさるとルーファスが「他人の振りをしておけ」と朱里を連れて少し離れると店の出入り口に鉄の格子ガラガラピシャンと落りて店に閉じ込められた状態にされる。
『はーい!お客さん、うちの可愛い子ちゃんに手を出すのは禁止です!』
少し陽気な男の声が店内にアナウンスされ、巨大モニターがカウンターから出てくる。
無造作に伸びた黒髪で目元が見えず、口元だけが笑っている若い男がモニターに映る。
『ケンジ!出てきなさい!話があります!』
リルが携帯で文字を打ちスマートフォンで音声を出してプリプリと怒った表情をすると、モニターの中の男がズイッと画面を覗き込む。
『アレ?!リル?!何でリルが居るんだ?!』
『それはこっちのセリフです!私を元居た時代へ返しなさい!』
手をブンブンを上下に動かしリルが怒ってますアピールをするとケンジが『怒ってる顔も可愛い』と言い、余計リルがロボットをバシバシと叩く。
『リル~、うちの子叩くの止めて。直ぐにそっちに行くから。ええと、時代はどの時代だっけ?』
モニター越しでバタバタと音を立て「服どこだっけ?」「時代の資料は・・・どこだっけ?」とハイテンションで騒いでいる。
『1分1秒!直ぐに来なさい!』
『あはは。リルに叱られるのも懐かしいな・・・いや、そうでもないか』
嬉しそうにケンジが口元に孤を描くと、リルが嫌そうな顔をしてモニターを睨みつける。
「私、リルさんとケンジさんはもっと恋人みたいな甘い感じかと思ってました」
「いや、アカリよく見ろ。リルの尻尾の振り方を」
朱里が見るとリルの尻尾はブンブンと左右に揺れて嬉しそうにしている。
顔と態度では怒りながらも尻尾は喜びを表す・・・なんてツンデレ?!と朱里が思って居ると、店の出入り口の鉄格子が上に上がり、店の外から朱里には懐かしい服装をした男が入ってくる。
着古したよれて伸びた薄手のトレーナーを着て、すり切れたジーンズに古ぼけたスニーカーを履いたモサっとした髪のひょろ長い男。
身長はルーファスと大差ないかもしれない。
男が手を広げて走ってくるとガシッと朱里を抱き込み「会いたかったよー!リル!」と言い、ルーファスとリルがバシッと男を叩く。
『ケンジ!』
「人の番に何をしてるんだこいつは!」
怒るリルとルーファスとは対照的にケンジは「あははは。ジョークだってば」と明るい声を出す。
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