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9章
ドラゴンの宴
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おおおっと、歓声が上がりドラゴン達の目が輝く。
グリムレインとエデンが取り出した『竜の癒し木』のアルビー作、果実酒に集まったドラゴン達は期待した生唾をゴクリといわせる。
「グリムレイン、その酒に入っているのは死ぬほど美味いやつ!」
「死ぬほど美味いが、この実は我の嫁が手によりをかけて育てた『竜の癒し木』でな、毒が抜けて死なんのよ」
「ピューイ」
おおおおっ!
「土産なんだよな?飲ませろ!」
「ワシも飲む!今日は飲む!安心しろ火は吹かん!」
「アタシも飲む!飲む!宴会よぉー!」
「死なないならガンガンいこう!お肉!お肉誰かツマミ持ってきて!」
ドラゴン達がワッと騒ぐとグリムレインがもう1つ土産だとライノピポカで作った角煮を取り出す。
「我の嫁と一緒に狩りで獲った獲物で作った角煮は酒に合うぞ」
「ピューイ!ピューイ!」
「酒の製作者はあの光竜アルビーだ。植物オタクなだけあって絶妙な美味さだ」
「ピューイ」
土竜ニクストローブが座る場所とテーブルを用意し、グリムレインが氷で作った小さなグラスに果実酒をついでそれぞれに渡すと、角煮を火竜のローランドが温め直し、木竜のケルチャが木の器に箸を用意してそれぞれに渡す。
「ツマミの追加よー!」
風竜のスピナが風を使いそこらの森から木の実と魔獣を巻き上げると、ケルチャが焚火の木を出現させ、ローランドがそれに火をつけるとニクストローブが石の鉄板を火にくべ、グリムレインが魔獣を肉片に切り落とし、石の鉄板の上に肉を落としていく。
パチパチパチと、エデンがドラゴン達のそれぞれの特質を生かした動きに手を叩くと、5匹のドラゴン達はエデンに微笑んでそれぞれ果実酒のグラスを持つと声を上げる。
「「「「「エデンの帰還に乾杯!」」」」」
「ピューイ」
カチンと氷のグラスが鳴るとそれぞれ口に含み「プハーッ」と、美味しさに顔を緩める。
土竜のニクストローブが角煮に手を伸ばし口に入れると「ふぉぉ」と頬を押さえる。
「これは美味いのう。ワシ好みのホロホロの柔らかさとトロトロさ。たまらん!」
「我の主は出来る嫁だからな」
「ピューイ」
火竜のローランドは「うめぇ!煮卵も入ってる!最高だな!」と尻尾を振る。
グリムレインとエデンも尻尾を振りながら、自分の主が作る物を褒められて笑顔をみせる。
「エデン、もう!アタシ寂しかったんだから!」
木竜のケルチャがエデンにスリつくと、風竜のスピナが「オスがエデンに触るんじゃなーい!」とケルチャからエデンを奪い取り、シャーッと威嚇する。
「アタシは性別は気にしないドラゴンなのよ」
「気にしなよ!エデンとあたしは女の子同士これからも仲良くしよーね」
「ピューイ」
美味しいお酒に美味しいお摘みでほろ酔いドラゴン達は久々に顔を付き合わせた同胞に、死んだと思っていた同胞の卵孵りに喜んでテンションは上がり、夜の山岳地帯で宴会騒ぎをし続ける。
その様子を遠目で見た山岳地帯に住む巨人族が数少ないドラゴンが集まる姿に何が行われているのかと、祈祷師を呼び怒りを静めたまえと夜通し祈りを捧げた。
様子を見に近くまで行った巨人族の若者達は不思議な冷たい氷に阻まれて近付くことが出来なかったと言い、2日後にようやく氷の壁が溶けドラゴン達が宴会をしていた場所に入ると、不思議なストーン・エッジが出来ていたことに、ドラゴン達が何か儀式をしていたと怯えた。
朝日の中をドラゴン達6匹が飛ぶ。
エデンはスピナの風魔法で風に乗せられて飛んでいる形だが嬉しそうに空中をくるくると回って飛び回る。
「あっ、『竜の癒し木』の苗木10本で良かったか?」
「十分だろ?我の嫁がそれ以上は大変になる」
「ピューイ」
「アタシが手伝ってあげるわよ。植物系はアタシも得意よ」
「我の嫁の婿に噛みつかれんようにな。お前はクセが強いからの」
「ピューイ」
火竜ローランドと木竜ケルチャが『竜の癒し木』をそれぞれ両手に抱えながら飛ぶ。
「ワシ等まで行って大丈夫かの?」
「我の嫁はエデンに『愛』を示した。ドラゴンには寛容な嫁だ」
「ピューイ」
「冬眠中狙われたら、あたし達も人間も大変だからお言葉に甘えようよ」
「我とエデンからも嫁に頼むさ。まぁ冬場は我が皆を守ってやろう」
「ピューイ」
土竜ニクストローブが遠慮した口調で言うが、その顔は「温泉と美味しい物」と浮かれた顔をしている。
風竜スピナは風を追い風にしてドラゴン達の速度を上げさせると「早く行こう」と楽し気に急かす。
ドラゴン達が温泉大陸が見えると雲の中に入り、体を小さく縮ませるとグリムレインの氷で薄い膜を張り、人の目に見つからないようにすると、スピナの風で一気に温泉大陸へ入り込む。
「確か、今は改装中だから屋敷の方だな」
「ピューイ」
それぞれ人型をとるとグリムレインの先導で屋敷を目指す。
温泉街でローランドとニクストローブが温泉饅頭の匂いにつられながら、引きずる様に屋敷へ着くと屋敷の周りに張ってある結界に、ドラゴン達が一斉に「開けろー」とドンドン叩き、屋敷から出てきたルーファスに「うるさい!」と怒られる事になる。
土産と言って渡された『竜の癒し木』に朱里が苦笑いしてガラスハウスに朱里が毎朝通う事が決定し、こうして押し寄せたドラゴン達を冬の冬眠の間、ミシマリーフ国から守るために屋敷を提供することになった。
グリムレインとエデンが取り出した『竜の癒し木』のアルビー作、果実酒に集まったドラゴン達は期待した生唾をゴクリといわせる。
「グリムレイン、その酒に入っているのは死ぬほど美味いやつ!」
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「ピューイ」
おおおおっ!
「土産なんだよな?飲ませろ!」
「ワシも飲む!今日は飲む!安心しろ火は吹かん!」
「アタシも飲む!飲む!宴会よぉー!」
「死なないならガンガンいこう!お肉!お肉誰かツマミ持ってきて!」
ドラゴン達がワッと騒ぐとグリムレインがもう1つ土産だとライノピポカで作った角煮を取り出す。
「我の嫁と一緒に狩りで獲った獲物で作った角煮は酒に合うぞ」
「ピューイ!ピューイ!」
「酒の製作者はあの光竜アルビーだ。植物オタクなだけあって絶妙な美味さだ」
「ピューイ」
土竜ニクストローブが座る場所とテーブルを用意し、グリムレインが氷で作った小さなグラスに果実酒をついでそれぞれに渡すと、角煮を火竜のローランドが温め直し、木竜のケルチャが木の器に箸を用意してそれぞれに渡す。
「ツマミの追加よー!」
風竜のスピナが風を使いそこらの森から木の実と魔獣を巻き上げると、ケルチャが焚火の木を出現させ、ローランドがそれに火をつけるとニクストローブが石の鉄板を火にくべ、グリムレインが魔獣を肉片に切り落とし、石の鉄板の上に肉を落としていく。
パチパチパチと、エデンがドラゴン達のそれぞれの特質を生かした動きに手を叩くと、5匹のドラゴン達はエデンに微笑んでそれぞれ果実酒のグラスを持つと声を上げる。
「「「「「エデンの帰還に乾杯!」」」」」
「ピューイ」
カチンと氷のグラスが鳴るとそれぞれ口に含み「プハーッ」と、美味しさに顔を緩める。
土竜のニクストローブが角煮に手を伸ばし口に入れると「ふぉぉ」と頬を押さえる。
「これは美味いのう。ワシ好みのホロホロの柔らかさとトロトロさ。たまらん!」
「我の主は出来る嫁だからな」
「ピューイ」
火竜のローランドは「うめぇ!煮卵も入ってる!最高だな!」と尻尾を振る。
グリムレインとエデンも尻尾を振りながら、自分の主が作る物を褒められて笑顔をみせる。
「エデン、もう!アタシ寂しかったんだから!」
木竜のケルチャがエデンにスリつくと、風竜のスピナが「オスがエデンに触るんじゃなーい!」とケルチャからエデンを奪い取り、シャーッと威嚇する。
「アタシは性別は気にしないドラゴンなのよ」
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「ピューイ」
美味しいお酒に美味しいお摘みでほろ酔いドラゴン達は久々に顔を付き合わせた同胞に、死んだと思っていた同胞の卵孵りに喜んでテンションは上がり、夜の山岳地帯で宴会騒ぎをし続ける。
その様子を遠目で見た山岳地帯に住む巨人族が数少ないドラゴンが集まる姿に何が行われているのかと、祈祷師を呼び怒りを静めたまえと夜通し祈りを捧げた。
様子を見に近くまで行った巨人族の若者達は不思議な冷たい氷に阻まれて近付くことが出来なかったと言い、2日後にようやく氷の壁が溶けドラゴン達が宴会をしていた場所に入ると、不思議なストーン・エッジが出来ていたことに、ドラゴン達が何か儀式をしていたと怯えた。
朝日の中をドラゴン達6匹が飛ぶ。
エデンはスピナの風魔法で風に乗せられて飛んでいる形だが嬉しそうに空中をくるくると回って飛び回る。
「あっ、『竜の癒し木』の苗木10本で良かったか?」
「十分だろ?我の嫁がそれ以上は大変になる」
「ピューイ」
「アタシが手伝ってあげるわよ。植物系はアタシも得意よ」
「我の嫁の婿に噛みつかれんようにな。お前はクセが強いからの」
「ピューイ」
火竜ローランドと木竜ケルチャが『竜の癒し木』をそれぞれ両手に抱えながら飛ぶ。
「ワシ等まで行って大丈夫かの?」
「我の嫁はエデンに『愛』を示した。ドラゴンには寛容な嫁だ」
「ピューイ」
「冬眠中狙われたら、あたし達も人間も大変だからお言葉に甘えようよ」
「我とエデンからも嫁に頼むさ。まぁ冬場は我が皆を守ってやろう」
「ピューイ」
土竜ニクストローブが遠慮した口調で言うが、その顔は「温泉と美味しい物」と浮かれた顔をしている。
風竜スピナは風を追い風にしてドラゴン達の速度を上げさせると「早く行こう」と楽し気に急かす。
ドラゴン達が温泉大陸が見えると雲の中に入り、体を小さく縮ませるとグリムレインの氷で薄い膜を張り、人の目に見つからないようにすると、スピナの風で一気に温泉大陸へ入り込む。
「確か、今は改装中だから屋敷の方だな」
「ピューイ」
それぞれ人型をとるとグリムレインの先導で屋敷を目指す。
温泉街でローランドとニクストローブが温泉饅頭の匂いにつられながら、引きずる様に屋敷へ着くと屋敷の周りに張ってある結界に、ドラゴン達が一斉に「開けろー」とドンドン叩き、屋敷から出てきたルーファスに「うるさい!」と怒られる事になる。
土産と言って渡された『竜の癒し木』に朱里が苦笑いしてガラスハウスに朱里が毎朝通う事が決定し、こうして押し寄せたドラゴン達を冬の冬眠の間、ミシマリーフ国から守るために屋敷を提供することになった。
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